休学留学 vs. 大学卒業後の留学!どっちが正解?
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近年は、大学生が在学中に休学届を出してその間に留学をする「休学留学」も近年は珍しくなくなりました。
そこで、このコラムでは休学をして大学生のうちに留学するべきか、はたまた日本の大学を卒業してから留学をするべきかという事について解説していきます!
「休学しての留学」・「卒業後の留学」のどちらがベストなのかそれぞれメリット、デメリットを詳しく見ていきましょう。
成果を求めるなら長期留学が大前提
まずそれぞれのメリット、デメリットを見ていく前に、この記事の前提条件をご紹介します。
その前提条件とは「半年以上の長期留学をする」という点です。
これは、数週間~1カ月程度の短期留学は、英語力アップという観点から見ると成果はほとんど期待できないためです。
やはり語学習得という成果を重視するならば、留学期間としては最低半年以上の期間がどうしても必要になってきます。
→もし身につけたい英語力と留学期間について、もっと詳しく知りたい方はこちらのコラムも参考になると思います。
早速、まずは大学休学をした場合のメリットから見ていきましょう!
「休学」して留学するメリット
まず休学して留学する際のメリットは下記の通りです。
1.新卒で就活・入社できる
2.学生という身分でリスクや負担が少ない
3.TOEICのハイスコアで企業へアピール可能
4.若い海外経験は就活のネタになる
1. 新卒で就活・入社できる
まず新卒で就活、入社ができるというのが、休学留学の最大のメリットです。
日本の就活市場では、まだまだ「新卒」というブランドが強いのが現状です。
留学先でどれだけ濃く、濃密な経験をして帰国したとしても、「既卒」という事だけで否応なしに新卒よりも低くみられる傾向があります。
もちろん、その傾向も年々薄まりつつあるのも事実ですが…やはり「新卒」というだけで、就活時の選択肢が広く、最初の選考への扉も広く開かれているのは事実です。
また、競争相手となる他の大学生は、留学をしていない人が大半ですので、就活時の高い語学力は就活において1つの強みになることは間違いありません。
もし、TOEIC800点以上を持っているのであれば、新卒ブランドとあわせてかなり大きな評価を貰えるので有利に就職活動が展開できます。
こうした部分もあり、もし休学中に留学するならば何はともあれしっかり成果が出せる半年間以上の長期留学は必須と言えるでしょう。
せっかく留学に行くならば、就職活動でも最大限有利な状況を作れるようなプランで留学をしていきましょう!
2. 学生という身分でリスクや負担が少ない
休学していれば、「大学生」としてのステータスは維持しつつ、留学ができます。
帰国しても戻る居場所が保証されているので、精神的な不安や「帰国したらすぐに職を見つけなければ!」と焦る必要がありません。
つまり、留学を終えても大学生時代がしばらく続くのでのびのびと勉強に集中したり、留学生活を満喫したりすることができるんですね。
一方で、卒業後に留学すると「留学終了→即無職」という状態になります(苦笑)
なので、留学後は一瞬で厳しい現実世界を目の当たりにする事になると言えます…。
もし留学を終えて帰国後もダラダラしていたら、「無職期間もダラダラ伸びてしまう」という事でもありますので、就職活動との間に空白期間(ブランク)が生まれます。
もちろん帰国後の空白期間(ブランク)も何か目的があれば問題ありませんが、ただ単に「ボーッとしてた」、「のんびりしてた」となると、就職活動時に響きます。
例えば、帰国後に半年間時間が空いていた場合、面接官は「帰国後の半年間は何してましたか?」という質問は必ずしてくるでしょう。
こうした質問に明確に答えられないようだと、マイナス評価を受ける可能性も高いと言えます。
そのため、帰国後行き着く暇もなく、社会復帰すべく就職活動に追われることがないのは、休学組の大きなメリットだと言えるんですね。
3. TOEICのハイスコアで企業へアピール可能
多くの新卒大学生は、取得難易度の高い資格は持ち合わせていません。
就職活動において、高い語学力は大きな強みになります。
なぜなら新卒の大学生でTOEIC800点以上を持ってる人は、100人に1人いるかどうかのレベルになるからです。
特にグローバル意識の強い会社の選考では、英語力がかなり重視されます。
面接官に英語力を証明するために、帰国までにTOEICなどの明確なスコアを取得しておきましょう。
→帰国後の就職活動で必要な英語力について詳しく知りたい方はこちらのコラムもご参考下さい。
4. 若い海外経験は就活のネタになる
語学力だけでなく、海外経験それ自体も面接でのネタになります。
TOEICなど語学試験のスコアも大事ですが、それと同時進行で何かアピールできるような経験をしておきたいものです。
海外での英語環境での企業インターンシップやアルバイト、ボランティア活動などは海外経験をアピールする絶好のネタになります。
海外での経験は、自分のチャレンジ精神や積極性をアピールする格好のポイントです。
新卒の大学生の中には、海外で積極的にチャレンジした経験を持つ人はほとんどいません。
企業側は自頭が良い人材はもちろん、自ら積極的に行動できる人材を求めています。
異国の地で逆境に負けずに何かを成し遂げた経験などを話すことができれば、きっと面接官にも一目置かれることでしょう!
・ワーホリ経験が就活の武器に!ガクチカとして使う秘訣
→留学を帰国時の「ガクチカ」として上手に使う秘訣もこちらでご紹介しています。
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→ 就活でアピールできるだけの留学成果を手にして帰国したいもの!
「休学」して留学するデメリット
次に、大学休学のデメリットについて考察します。
1.休学中に学費が発生することも
2.留学期間の上限が決まっている
現在では休学することのデメリットは全体的に低めではありますが、まったくデメリットがないわけではありません。
1. 休学中に学費が発生することも
休学留学は、基本的に大学からの支援は一切ありません。
それどころか、休学中でも大学に費用を納めなければならない場合もあります。
国立大学では休学費用はかかりませんが、私立の大学は休学中も費用を納めなければならないことが多いです。
金額については大学によって異なりますが、だいたい1年間の休学で10万円から40万円の休学費用がかかるようです。
ただ、最近では文科省から、学生を積極的に海外留学させるように要請があるのも事実です。
そのため、私立でも休学費用が減額されている傾向があり、中には10万円を切るところも出てきました。
1年休学するという事は、もちろん1年卒業が遅れるという事ですので、その分だけ学費が多くかかりますし、卒業が遅れた1年分の収入は入ってきません。
留学の成果を活かして1~2ランク上の企業に就職できれば、卒業が遅れた分の収入を数年後に取り戻すことは可能でしょう。
それだけに、キャリアプランを意識して、しっかり成果を出すための留学プランを組むことが重要になります。
休学することは、プラスアルファのコストがかかるということも踏まえつつ、本当に留学に行くべきかを検討しましょう。
2. 留学期間の上限が決まっている
休学期間が終わるまでに帰国をしなければならいので、1年休学であれば1年弱の滞在が限度になります。
最近では1年では短いという事で、2年休学する学生も増えて来ています。
しかし、それでも最大2年という期限は決まっています。
さらに2年間休学した場合、就職活動の際には2年間の成果を示さないといけないという面で、評価ハードルが上がるのも事実です。
もっと長期で留学したい方や、期間を決めずに自由に滞在をしたいという方は、こうした期間の縛りは辛いかもしれません。
「卒業後」に留学するメリット
次は、大学卒業後に留学するメリットについて見ていきましょう。
主に大学休学のデメリット部分がメリットへと変わっていきます。
1.納得いくまで海外滞在が可能
2.しっかりお金を貯めてから留学できる
3.就活で海外経験と英語力をアピールできる
1. 納得いくまで海外滞在が可能
卒業してしまえばフリーの状態なので、語学学校から大学進学や海外での就職など、様々な滞在方法を自分で選べます。
また、次どうするかはしばらく現地に滞在してみてから、その後のプランを決めたいという方もいると思います。
そうした際にも自分次第で自由に次のプランを決められます。柔軟な滞在ができることは、大きなメリットと言えます。
2.しっかりお金を貯めてから留学できる
留学スタートの時期も自分で決められるため、お金が貯まったタイミングで出発することができます。
留学費用を十分貯めるための期間が作れるのは安心ですよね。
ただし、「いつまで」という期限がない分、だらだら過ごさないように自分で計画的に資金調達や貯金をする必要は出てきます。
3.就活で海外経験と英語力をアピールできる
しっかりと計画的に留学できれば、就職活動でアピールできる海外経験や英語力を身に付けることができます。
既卒の就活となれば、何かしら専門性を持っている人も少なくないので、相当の英語力でないとアピールしてもなかなか差別化ができません。
休学留学では実現できない長期の留学や専門性があれば、かなり強みになりそうです。
「卒業後」に留学するデメリット
最後に卒業後に留学するデメリットです。
・新卒ではないため就職の選択肢が減る
・新卒ではないため就職の選択肢が減る
「新卒」のメリットでもお話ししましたが、やはりこれは大きな問題です。
一般的に「既卒」の選考は「新卒」よりもハードルが高いと言われています。
なぜなら、「新卒」と「既卒」では選考枠やプロセスが異なるからです。
マイナビ2024年度就職活動調査によると、既卒者の40.8%が「既卒者の募集が少ない」、そして34%が「既卒者募集をしている企業が探しづらい」という回答をしています。
大学を卒業したらすぐに就職が当たり前になっている日本では、「既卒」となると、それだけでどうしてもマイナスイメージになってしまいます。
そのマイナスを払しょくするだけの決め手がないと、面接官には響きません。
ただし、この4割の人は留学していない人が大半です。
なぜなら、既卒で就職活動をしている人のほとんどは、新卒で就職活動をしても内定を得られなかった人、何かしらの理由で就職活動をさぼっていた人が大半だからです。
この4割の人が在学中に内定をもらえない本当の理由は、そこにあるとも言えるでしょう。
しかし、既卒である事実は一度大学を卒業してしまったらずっと変わりません。
面接では、なぜ新卒で就職しなかったのかをしつこく聞かれます。
ですから、なぜ卒業後の留学を決めたか、実際に現地でどんなことをして、どんなことを得られたかについて、面接官を納得させるような話の内容を用意しておくことが必要です。
留学経験があったとしても、既卒での就活は新卒に比べると幾分厳しい目線で見られることは、理解しておいた方が良いでしょう。
帰国後に日本での就職を既に決めているのであれば、既卒であるマイナス面を覆すだけの留学プランをしっかり練ることが大切です。
【まとめ】休学して留学した方がメリットは高い!
休学でも行けるような留学プランであれば、休学して留学するのがベストです。
既に大学卒業間近な人は仕方がありませんが、まだ大学4年生になる前であれば、わざわざ卒業してから行く必要はないでしょう。
つまり、「留学経験有で新卒」は就職活動においてプラスになっても、「留学から帰ってきた既卒」は必ずしもプラスにはならない、場合によってはマイナスになり得るということは覚えておきましょう。
お互いのメリットとデメリットを理解して頂けたでしょうか?
長期間の留学がしたい、現地で進学や就職をしたいということであれば、「卒業後」の留学もひとつの案です。
しかし、同じ期間で同じ形態の留学をするのであれば、「休学」で行くのが安全なのではないかと思います。
「休学」では実現できない海外経験を求めている人にとっては、「卒業後」の留学の方が魅力的かもしれませんね!