外国語(英語)上達の実践方法を専門的視点から解説! | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

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外国語(英語)上達の実践方法を専門的視点から解説!

公開:2019/08/29 著者:小松 久里子 324 Views

語学の学習方法は多くありますが、その方法は人それぞれかと思います。

既に英語ができる方が、自分の経験を元に英語学習の方法などを紹介していることもありますが、それも一例ですし、語学学習には様々な方法があるので、自分に合った方法を見つけることが一番だと思います。

私は語学学習、第二言語学習というのを大学院で研究していますが、個人的にも自分が活用した方法、自分の大学の研究にも関連する語学学習方法など、その効果を多少学術的な面も交えながらご紹介していきます。

映画のDVDを観る

DVDを観るのは、結構一般的な方法かもしれません。

以前映画やドラマを見て語学学習していた学生の体験をもとに、語学学習に効果的な観方についてご紹介します。

DVDに聴覚障害者用の字幕が付いていることが多いので、これを活用する方法が一番効果的です。

 

どの国の英語を勉強するのか?

英語と言っても、一概に1つではありません。

 

英語と漠然と言っても、アメリカ英語とイギリス英語には結構違いがあります。発音や単語だけではなく、表現方法なども結構違っています。

よく、「英語でXXはなんて言う?」なんていう表現方法集も語学学習サイトや留学サイトで見つけることがあるのですが、「一概にそういう言い方をするのだろうか?」と思ってしまうこともあります。

というのは、私はイギリスに留学していたのですが、イギリス英語とアメリカ英語はかなり違うなという印象がありました。簡単に言うなら、標準語と関西弁の違いのようなイメージです。

 

→ どの国で英語を学ぶかで表現方法等が変わる。

 

アメリカ英語に比べるとイギリス英語の方が、言い回しが長いことが多いのです。たまによくイギリス英語を聞いていると、「おおお、そこ、そんな長い言い回しをしているのか!」なんて思うことがあります。

言葉は言葉そのものだけではなく、その地方や国によっても習慣や生活様式の違いも関係します。そういう意味では、「どの国の英語を勉強するのか?」さらに突き詰めると、「その国の生活や文化も理解していくのか?」という事もなります。

私はアメリカには仕事で1週間くらいしか行ったことがなく、アメリカに行った時には同じ英語とは言え、何だかとても異国感を感じました。

 

映画DVDの効果的な視聴方法

以下では、私のお勧めイギリス映画とDVDの観方をご紹介したいと思います。

 

1. 好きなイギリス映画のDVDを選択
2. 最初に日本語字幕を付けて視聴
→ 日本語字幕で観て内容を理解する。1回で内容が理解できていなければ、2回、3回と何度か観ます。
3. 次に英語字幕を付けて視聴
→ DVDの中は聴覚障害者用の英語字幕が付いてます。
4. 最後に字幕ナシで英語音声のみで視聴

 

インプット理解力を向上させる

語学学習に最も必要な要素はインプットです。

ですが、どんなインプットでも良いと言うわけではありません。

 

自分のレベルのちょっと上くらいの外国語インプットが良いと言われています。Krashen (1981, 1982)

 

という事は、ただただ英語の勉強として、映画を観るだけでは語学学習には繋がりにくいということです。

そこで、上記で提示したステップを踏んで映画を視聴する方法が効果的になります。

最初に内容理解として視聴し、次に英語字幕と一緒に視聴すると、英語インプットを視覚的、聴覚的同時に得ることができます。こうすることにより、英語理解力が向上するので、語学向上にもつながりやすいという事になります。

 

また、日本語字幕付きで映画を観続けていても、語学力向上はそこまで見込めません。というのは、人間の意識が日本語字幕に集中して、日本語字幕に頼り過ぎでしまうため外国語がそこまで耳に入ってこないのです。

みなさんは、「発音ができないと耳からちゃんと英語が聞こえてこない。」といった記事は読んだことは無いでしょうか?

上記で紹介したステップでDVDを観ると、耳からも目からも同じフレーズをインプットできるので、英語の理解力が向上します。

 

最期に字幕なしで英語音声のみで視聴した場合、内容理解は既にできているはずなので、字幕がなくても話についていけるはずです。

そうなれば字幕がなくてもその映画が面白いと感じることができるでしょう。

大好きな映画は、何度も視聴してしまうという経験もあると思います。今回はその視聴方法を変えることにより語学学習にもつながるので、ぜひお試しください。

 

お勧めイギリス映画

有名なイギリス映画と言えば、『ハリーポッター』かと思いますが、内容や語学学習の面で考えると用語が≪魔法界≫の言葉なので、日常会話の英語学習としてはお勧めできません。

また、アニメ映画も、キャラクターの口と台詞が合っていなかったり、話の設定が非次元なものも多かったりするため、できれば実写の映画をお勧めします。

人それぞれ好き嫌いはあると思いますが、私のお勧めのイギリス映画をいくつかご紹介します。ここでご紹介しているものはどちらかと言うとイギリス、ロンドンの働く女性、男性が主人公で、ロンドンの日常生活が見られる映画です。

 

・Four Weddings and a Funeral
邦題『フォー・ウェディング』(Four Weddings and a Funeral)4つの結婚式と1つのお葬式が舞台のロマンティック・コメディ。
・Bridget Jones’s Diary
邦題『ブリジット・ジョーンズの日記』(Bridget Jones’s Diary)は、イギリスの女流作家の同名小説を2001年に映画化した30代シングルの女性が主人公のロマンティック・コメディ。
・Bridget Jones: The Edge of Reason
邦題『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』(Bridget Jones: The Edge of Reason)上記『ブリジット・ジョーンズの日記』の続編。
・Notting Hill
邦題『ノッティングヒルの恋人』(原題: Notting Hill)『フォー・ウェディング』のリチャード・カーティス脚本、ヒューグラント主演の、アメリカ人女優と冴えない本屋の男性との恋愛を描くロマンティック・コメディ。
・Love Actually
邦題『ラブ・アクチュアリー』(英: Love Actually)クリスマスのロンドンを舞台にしたオムニバス形式の米英合作のロマンティック・コメディ。

 

→ イギリス映画の聖地ノッティングヒル。

 

好きな動画を見つけて視聴

また、最近ではYouTubeなどでも語学学習に良さげなチャンネルが多く存在します。スマホのお陰で、電車の中など移動中も気軽に視聴できるようになりました。また、YouTubeにも字幕を付けられる機能があるので、それも活用すると良いでしょう。

例えば、最近では外国人の方の日本紹介YouTubeや、日本人や外国人の方の外国語学習用動画などもあります。日本のことを紹介してくれていると、何を話しているのか内容理解がしやすいのでお勧めです。

また、外国人の方の視点からの日本というのを見るのも面白いかと思います。

 

逆に、日本の方が英語やフランス語などで自分の住む外国の国の紹介や、日本食を作っている動画などもあり、日本の方が話している外国語は分かりやすいことも多いです。

YouTuberの方も毎週動画をアップしていることも多く、コンテンツも豊富です。テレビとは違って、自分の好きな時間に観られるので便利です。スマホであれば電車やバスの移動中も観れるので、時間を有効活用することもできます。

また、こちらも繰り返し視聴ができるので、そう言った意味でも動画は語学学習にも使える素材だと思います。

 

YouTubeでは、様々な人が特定のトピックに特化して動画制作をしていることもあります。私の知り合いはスズメバチに特化した動画を制作していますが、登録者数が30万人にもなっていて、びっくりしました。
この動画は自分の趣味に合ったものを探して、それを時間がある時に視聴すると良いと思います。

こうすることにより、外国語のインプット量を増やしていけます。特に語学学習動画に限る必要性はありません。むしろ、語学学習動画やテレビの語学番組を観る方が、内容的には面白くないと感じることもあるでしょう。継続するためには、コンテンツの楽しさも重要です。

 

MEETUPに参加する

MEETUPと言うのはご存じでしょうか?サイトやアプリがあるのですが、元々海外ではやっているサイトで、同じ趣味の人達があるまるイベントサイトです。(ttps://www.meetup.com/)

この中には英語学習や国際交流というカテゴリーもあり、英語学習者にも最適なイベントが多く開催されています。

そう行ったイベントに参加して英語を話す機会を作ると言うのは語学学習に大事な要素かと思います。語学を勉強しても実践する場所がなければ、やはりモチベーション維持も難しいでしょう。

 

また、ネイテイブと話すことによって、もっと話したい、もっと語学が上手くなりたいと思えるきっかけにもなると言われています。(森.2019)

 

先ほども述べましたが、語学学習には自分のレベルの+αのインプットが良いと言われています。

自分のレベルより上過ぎても良くないです。

 

では、その英語の理解力を上げるためにどうしたら良いかと言うと、外国語のインタラクション(相互作用)的なインプットを得ると言う方法が有効だと言われています。(LONG1983)

 

これは、誰か(ネイテイブスピーカー、もしくは他の外国語学習者)と話すことによって、意味が分からなかった発話の意味確認や、言い回しを変えて伝える、単純化するなどの作業を得て理解できなかった発話を理解できるようにする、という利点があります。

また、誰かと外国語を話すことによって、語学学習のモチベーション維持にもつながります。

こういった会に参加している外国人の方の中には日本語学習者もおり、そういった方とTANDEM(タンデム=言語エクスチェンジ)のような機会を持つのも良いと思います。

 

→ MEETUPを通じて外国人との交流会にも挑戦してみよう!

 

もちろん、そこから友達を作ることも可能ですが、実際友達を作るまでに至るのはなかなか難しいこともありますし、個人的に会うのはちょっと気が引けるという方もいるかと思います。

こういったMEETUPでしたら、人数も多いですが、しっかり語学学習に特化しているものや、インターナショナルな飲み会や花見などのイベントを開催しているものまで様々あります。

色々参加して、自分に合ったものを見つけてみましょう。

 

大学生なら大学内で外国人留学生と友達になる

実は多くの日本の大学では、外国人留学生の受け入れの増加に力を入れています。2017年には26万7,000人もの外国人留学生を受け入れています。(注文部科学省2008)

ですが、急激な外国人学生増加に伴い、彼らは日本での生活に戸惑い、日本語学習への不安だけではなく、は日本人学生との友好関係、交流に困難を示しているという報告もあります。(島崎 ・渡部・渡邉、2019)

大学には英語圏以外の外国人学生も多くいますが、欧米からの留学生であれば、英語ができる学生も多くいるはずです。彼らの中にも日本人学生との交流を望んでいる方が多いものの、なかなかそれが困難だと感じている留学生も多いようです。

 

彼らも日本語を勉強しようと思っているので、ここは先ほど述べたTANDEM(語学エクスチェンジ)という形で外国人留学生と友達になることをお勧めします。

もちろん、自分が英語の勉強をするためだけの目的では、長い関係には発展しないでしょう。

彼らの日本での生活のお手伝いをしてあげたり、彼らの日本語学習のサポートをしたりすることで、お互いにWIN-WINの関係を構築しましょう。

 

大学以外でも外国の方との交流場所を日本で探す

現在、自分は大学生でないけれど、留学生と交流をしながら語学学習がしたいと言う方でしたら、留学生を多く受け入れている大学に問い合わせをしてみると良いかもしれません。

大学によりますが、留学生のための日本人との交流の場を持たせるために、ホームステイを受け入れてくれる家庭を探している大学もあるはずです。

家は長期で誰かを受け入れられないというご家庭でも、実は週末だけのホームステイ体験など、留学生に日本の家庭での生活を体験してもらうというプログラムを設けている大学もあります。

 

同じく、地域の区役所などでは、外国人のためのボランテイア日本語教室なども開催されていることがあります。英会話教室には日本人の方しかいませんが、日本語教室なら外国人の方が集まっています。

また、彼らは日本語を勉強している方々なので、日本語という語学に興味があるはずなので、語学エクスチェンジなどに興味を持っている方もいるかもしれません。

ぜひそう言った地域活動などにも目を通して、日本にいながらでも外国の方と交流ができる機会を探してみて下さい。

 

→ ロンドンの街並み。留学前に日本国内でもたくさんできることがある!

 

楽しく日本にいながらできる語学学習を!

語学学習には、なるべく多くの外国語インプットを得ることが重要だと言います。

 

しかし、どんな外国語インプットでも良いと言うわけではなりません。量だけではなく、質も大事だと言う事です。

 

その質を向上するためには、様々な方法があります。

今回は質向上の方法も含めながら、ただ机に向かってテキストで勉強する以外の学習方法をご紹介してみました。

一つの方法でなく、色んな方法を使いながら質の良いインプットが得られることが、継続していくためには大事な要素です。楽しく英語に触れられるように工夫しつつ、語学上達に励んでもらえればと思います。

 

参考文献

Krashen, S (1981) ‘Second Language Acquisition and Second Language Learning’ Pergammon Press

Krashen, S (1982) ‘Principles and Practice in Second Language Acquisition’ PHOENIX ELT, London

Long, M. H. (1983). Native speaker/non-native speaker conversation and the negotiation of comprehensible input1. Applied linguistics, 4(2), 126-141.

森由卯子. (2019). 初級および上級日本語の留学生と学部日本人学生は交流授業を通して何を得たか: 主に初級日本語コースの留学生の視点から. 南山大学外国人留学生別科紀要, 2, 39-49.

文部科学省(2008)「『留学生30万人計画』 骨子」, http:// www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/rireki/2008/07/29kossi.pdf

島崎薫, 渡部留美, & 渡邉由美子. (2019). 東北大学における留学生入学前準備プログラムの実践報告―サバイバル日本語講座 2017 の事例―. 東北大学高度教養教育・学生支援機構紀要

 

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