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エッセイを書く時の参考文献の書き方 ~Harvard編~

公開:2019/09/23 著者:熊本 千夏 66220 Views

英語でエッセイを書いていると必ず必要になってくる参考文献。

学校やクラスによっては、正しい参考文献の書き方を教えてくれないところもあるのでは?

大学準備コースでHarvard式の参考文献の書き方を教えてもらいましたのでご紹介します。

参考文献の種類について

参考文献の書き方は大きく分けて2通りです。

1つは今から紹介するHarvard式やAPA式の「author/date’ system」です。本文中は、「著者+発行年」で引用し、本文の最後に参考文献一覧を作り、本のタイトルや発行者などの情報をまとめ、著者のアルファベット順に並べていきます。

例)Hall (2015) states that the earth was bluish.

 

もう1つは、Vancouver式で知られる「author-date’ system」です。本文中は、通し番号を振り、本文の最後のリストでその番号順に本のタイトルなどの情報を記述していきます。

例)The earth was bluish1).

 

Harvard式参考文献の書き方

参考した文献が本なのか、何かの記事なのか、インターネットなのかで書き方が変わってきます。また、著者が何人いるのかでも若干の違いがあります。

日本の本は、本の最後の方に出版社や発行年などの情報が載っていますが、外国の書籍のほとんどは表紙をめくった次のページにほとんど書いてあります。

参考文献の書き方の前に、外国人の名前について確認しておきます。というのも、たまにどっちがFirst name(名前)でどっちがFamily name(苗字)なのか分からなくなるときがあるからです。

 

基本的に名前の表記の仕方は2通りです。

・Anne Collins
・Collins, Anne

AnneがFirst nameでCollinsがFamily nameです。

 

本文中の引用の仕方(In-text citations)

まず、Paraphrase(言い換え)をした時の表記方法を示します。本から文章を引用する時はそのまま引用するのではなく、文法を変えたり、単語を変えたりしてから引用する必要があります。

文章をそのまま使用したい時(Quote)は「‘’」を使用し、また、ページ番号を記す必要があります。Quoteは多用しすぎるのは良くなく、エッセイの分量や種類にもよりますが、1つのレポートで2~3個までが妥当でしょう。

参考文献の記載は、Paraphraseの後に記述します。

 

Paraphraseする時の参考文献記載のルール

・本、著者1人(Family name+発行年)
… (Collins 2019). もしくは Collins (2019) states…

・本、著者2人(Family name & Family name+発行年)
…(Collins & Park 2019). もしくは Collins and Park (2019) assert…

・本、著者3人(Family name, Family name & Family name+発行年)
…(Collins, Park & Kirsh 2019).  もしくは Collins, Park and Kirsh (2019) report…

・著者が3人以上(van + Family name + et al.+ 発行年)
…(van Collins et al. 2019). もしくは Van Collins et al. (2019) argue…

・改訂版など(Family name+発行年)
… (Rao 2019). もしくは Rao (2019) states…

・同じ著者で発行年も同じだった場合(Family name+発行年a/b/c/d…)
… (Collins 2019a). もしくは Collins (2019a) states…
… (Collins 2019b). もしくは Collins (2019b) states…
先に使用した本には発行年の後にa、もう一つの方にはbと記します。

・電子書籍(eBook)(Family name+発行年)
… (Collins 2019). もしくは Collins (2019) found…

・記事、新聞など(Journal article)(Family name+発行年)
… (Collins 2019). もしくは Collins (2019) describes…

・Website(政府や公共団体などのページ)、1団体(団体名+発行年)
…(Japan Health Organization 2019). もしくは The Japan Health Organization(2019)claim…

・Website(政府や公共団体などのページ)、2団体以上(団体名[団体名]+発行年)
…(Japan Health Organization [WHO] 2019). もしくは The Japan Health Organization [WHO]2019)found…

 

もし、引用した文章が1つの文献だけじゃなく、複数ある場合はセミコロンを使って以下のように記すことができます。

He was born in 1990(Collins 2019; Japan Health Organization 2000).

参考文献が複数あると、文章に信ぴょう性が生まれ、とても説得力のある文章になります。

 

Quoteする時の参考文献記載のルール

例)本、著者1人(Family name+発行年,ページ番号)
‘…’ (Collins 2019,p.17). もしくは Collins (2019,p.17) states‘…’

ほとんどParaphraseと同じ書き方ですが、引用した部分は‘’ではさみ、発行年のあとにページ番号を書くだけです。

 

参考文献一覧(Reference List)の作り方

先ほども述べましたが、Reference Listは本文の最後に作成します。並び順は著者のFamily nameをアルファベット順に並べていきます。

 

・本、著者1人(Family name, First nameのイニシャル+発行年,本のタイトル*イタリック, 出版社, 出版した場所*都市名など.)

Collins, I 2019, Why was the Earth bluish?, ABC Club Ltd, New York.

 

・本、著者2人(Family name, First nameのイニシャル & Family name, First nameのイニシャル+発行年,本のタイトル*イタリック, 出版社, 出版した場所*都市名など.)

Collins, I & Park, K 2019, Why was the Earth bluish?, ABC Club Ltd, New York.

 

・著者が3人以上(van Family name, First nameのイニシャル, Family name, First nameのイニシャル … & Family name, First nameのイニシャル+発行年,本のタイトル*イタリック, 出版社, 出版した場所*都市名など.)

van Collins, I, Park, K, Redman, G & Blainey, JK 2019, Why was the Earth bluish?, ABC Club Ltd, New York.

 

・改訂版など(Family name, First nameのイニシャル, Family name, First nameのイニシャル … & Family name, First nameのイニシャル(eds)+発行年,本のタイトル*イタリック, 出版社, 出版した場所*都市名など.)

Collins, I, Park, K, Redman, G & Blainey, JK 2019(eds), Why was the Earth bluish?, ABC Club Ltd, New York.

 

・第〇版がある本の場合(Family name, First nameのイニシャル, & Family name, First nameのイニシャル+発行年,本のタイトル*イタリック, 第何版か, 出版社, 出版した場所*都市名など.)
Collins, I, Park, K, Redman, G & Blainey, JK 2019(eds), Why was the Earth bluish?, 5th edn, ABC Club Ltd, New York.

 

・同じ著者で発行年も同じだった場合(Family name, First nameのイニシャル, & Family name, First nameのイニシャル+発行年a/b/c/d…,本のタイトル*イタリック, 出版社, 出版した場所*都市名など.)

Collins, I, 2019a, Why was the Earth bluish?, ABC Club Ltd, New York.
Collins, I, 2019b, What is the Earth?:the origin of the Earth , ABC Club Inc., London.

※先に使用した本には発行年の後にa、もう一つの方にはbと記します。

 

・電子書籍(eBook)(Family name, First nameのイニシャル & Family name, First nameのイニシャル+発行年,本のタイトル*イタリック, Bookbyte Digital, 閲覧した日*viewed dd/mm/yyyy,URL.)

Collins, I 2019, Why was the Earth bluish?, Bookbyte Digital, viewed 16 September 2019, https://abc.defg/hijk/lmn.

 

・記事、新聞など(Family name, First nameのイニシャル+発行年,‘記事のタイトル’, 記事の発行元*イタリック, 巻数, 号数, ページ番号.)

Cokkins, I 2019, ‘ABC News’, What is the Earth?, vol.20, no.5,pp.10-12

 

・インターネット上の記事、新聞など(Family name, First nameのイニシャル+発行年,‘記事のタイトル’, 記事の発行元*イタリック, 巻数, 号数, ページ番号, 閲覧した日, URL.)

Cokkins, I 2019, ‘ABC News’, What is the Earth?, vol.20, no.5,pp.10-12, viewed 16 September 2019, https://www.abc.defg/hijk/lmn.

 

・Website(政府や公共団体などのページ)、1団体(団体名+発行年,本のタイトル*イタリック, 閲覧した日,URL.)

Japan Health Organization 2019, Why was the Earth bluish?, viewed 16 September 2019, https://abc.defg/hijk/lmn.

 

・Website(政府や公共団体などのページ)、2団体以上(団体名[団体名]+発行年,本のタイトル*イタリック, 号数, 閲覧した日,URL.)

Japan Health Organization [WHO] 2019, Why was the Earth bluish?, no.23, viewed 16 September 2019, https://abc.defg/hijk/lmn.

 

参考文献を記載した例文の紹介

私が実際に書いたエッセイの一部を紹介します。

エッセイの内容は、Wi-Fiを生み出したオーストラリアのエンジニアであるJohn O’Sullivanについてです。分かりやすいように一部抜粋、加筆しています。

 

John O’Sullivan was born in Northern Suburbs of Sydney in 1947. He had liked mechanics since he was a child and was brave enough to take machines apart and reassemble them (Sygall 2009). Hall 2015 states that he was full of curiosity. He also enjoyed reading space books and science magazines after school. Because he was interested in physics and engineering, he decided to enter the University of Sydney in 1967 and started to study science. In addition, he obtained a bachelor’s degree in engineering with honours and completed his PhD in electrical engineering at the University of Sydney (The University of Sydney 2019; Hall 2015). According to Sygall (2009), during his last year, he did a practical experiment with CSIRO. He had time at the Parkes Observatory, and this inspired his interest in radio astronomy.

 

パラグラフの最初は、文章の最後に()で引用元を記載するようにしましょう。つまり、著者+発行年 mentions that…という書き方をパラグラフの最初に持ってくるのはダメという事です。

 

次にReference Listを紹介します。

 

Hall, S 2015, John O’Sullivan: The inventor of Wi-Fi, viewed 27 July 2019, https://susannarachelhall.wordpress.com/2015/09/30/john-osullivan/
Sygall, D 2009, ‘How Australia’s top scientist earned millions from Wi-Fi’, The Sydney Morning Herald, 7 December, viewed 27 July 2019, https://www.smh.com.au/technology/how-australias-top-scientist-earned-millions-from-wifi-20091207-kep4.html
The University of Sydney 2019, Dr John O’Sullivan, viewed 27 July 2019, https://sydney.edu.au/arms/archives/history/HonOSullivan.shtml

 

アルファベット順に並んでることが分かると思います。

 

【まとめ】 参考文献の使用は甘く考えない事!

文献から文章を引用する際のルールとして、完全に文章そのものをコピーするQuoteを使用する時以外は、必ずParaphraseするようにしましょう。

 

多くの大学では、学生のエッセイについてどのくらい引用されているか、専用ソフトを使用して調べています。

 

特にインターネット上の文献は、専用ソフトでコピペが行われていないかを簡単に調べることができるため、コピペで楽しようなんて話になりません。

また、過去に点数の良かった学生のレポート(エッセイ)を借りて、コピペして提出する方もいますが、これも大変危険な行為です。

大学側は過去のレポートも、今の時代はデータ管理しているケースが多いためです。

 

大学側でもレポート課題を出される時に教師からも良く言われることですが、「どうせ分からないでしょ!」とタカを括ってると、後から痛い思いをすることになります。

 

あまりに引用部分が多いと盗作と見られ、レポートで点数がもらえなかったり、最悪の場合は停学や退学になってしまったりすることも…。

また、公に出る論文や書籍などで参考文献を記載せずに引用や言い換えを多用することは、犯罪行為になってしまう可能性もありますので十分に注意しましょう。

 

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この記事を書いた人
留学・ワーホリ経験者
熊本 千夏(CHINATSU KUMAMOTO)

鳥取県出身。化学の実験が好きで、高専物質工学科に進学。化学の専門性だけでなく、英語力があれば将来有利になることから、高専卒業後に留学を決意。オーストラリアのサンシャインコースト大学に正規留学。留学先をオーストラリアに選んだ理由は、日本で通っていた英会話スクールの先生がオーストラリアが好きだったことから影響を受けました。(笑)元々4歳の頃から英会話スクールに通っていて、英語は得意科目だったこともあり、高専5年生になってからの約1年間、IELTSを独学で勉強してOverall5.0を取得。

オーストラリアの語学学校で大学進学英語コースを経て、大学本科へ進学。オーストラリアの大学では、化学、特に生物化学を専攻。将来的には、化学者または研究者になるが夢。趣味はハンドボール、バレーボール、音楽を聴くこと、アニメを観ること、百人一首と多趣味。The日本人ですが、洋画を観るのも好きです。これからオーストラリアに留学を考えている人や悩んでいる人のために少しでも役立つように、私の留学生活や現地の最新情報を発信していきます。

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