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日本にいながら国際化!留学以外でも国際人になれる

公開:2019/10/09 著者:小松 久里子 819 Views

英語ができるようになるにはどうしたら良いか…。これはある意味永遠のテーマな気がします。日本で高校まで卒業すれば最低6年間は英語の勉強をするのに、英語を話せるようになるケースは少ないです。

また、6年間勉強したからと言って、読み書きができるようになるワケではないことは、皆さんにとっても実体験済みだと思います。

日本の大学も国際化に向けて様々な取り組みをしていますし、中学高校でもネイティブの先生が英語を教える環境を作るなど様々な試みが行われています。

 

英語が話せるという事が国際化の第一歩という認識もあるせいか、最近では会社でも公用語を英語にするところもあったりします。

 

けれど、国際化と言うのは単に英語ができることなのでしょうか?

その辺の部分を今回は掘り下げて考察してみたいと思います。

英語学習において最適な方法は留学なのか?

それではまず、国際化の第一歩とも言える語学学習について考えていきましょう。

語学学習において最適な方法は留学することだとも言われています。それはやはり海外に出ればその国の人と交流ができ、英語に触れる機会に恵まれるからです。

 

ですが、実際のところ留学をしても想定していたほど現地の人との交流がなく、予想以上に英語に触れる機会が少ないという事実もあります。

 

また、行った国によっては、公用語が英語でも、その国の人々の母国語は英語でない国も多くあります。

フィリピン留学やフィジー留学などアジア圏への海外留学が最近では多くなっていますが、その国の人たちの母国語は他の言語だったりします。

一概に留学と言っても、語学学習をする場所として、英語を母国語としない国々で学ぶ状況が近年増えつつあります。その最も大きな要因は、紛れもなく費用の安さだったりします。

 

英語自体は学ぶことができるかも知れませんが、その国の文化や考え方の習得と言う側面においては、こうした安価なアジア圏への留学では足りない部分だったりします。

 

また、英語を母国語にしている国に留学したからと言って、日本人留学生と一緒に過ごす時間が長い方や、語学学校で知り合う外国人留学生との交流が中心であれば、ネイティブスピーカーとの接点は少ないのです。

その国のネイティブと交流するためには、自らの積極的な行動の必要性が求められます。

留学において重要なことは、滞在している国そのものの問題ではなく、自分が置かれた環境によるんだと思います。

 

周辺環境の国際化は日本にいてもできる!

実は海外に留学しなくても、日本にいながら英語に触れる機会や、外国人に会える機会は以外と多いのはご存知でしょうか?

文部科学省のデータによると、日本に留学している外国人学生数は、2017年時点で26万7,000人にもなります。

しかしながら、意外と外国人留学生は日本で日本人の友達を作るのに困難を示している、ということも少なくありません。外国人留学生が日本に来ているのに、日本人の友達ができにくい…。

 

それを考えると、日本人の方が海外に留学しても現地の友達を作るのが意外と大変というのも納得できるのではないでしょうか。

 

外国人留学生の皆さんも、日本の方が留学した時と同じように、やはり日本に来たら日本人の友達が欲しいと思っているのです。

という事は、日本でも外国人の友達を作ることは可能ですし、留学生の方々は日本語を学習したいと思っている人も多いです。そういう意味では、たとえ英語ができなくても国際化を目指していくことは、本当は難しくないのです。

「国際化 = まずは英語が話せること。」といったイメージは誰もが先行します。しかし、自分の環境を国際化することは、たとえ英語ができなくても、日本国内にいても可能なことなんだという事です。

 

「国際化 = 日本の外に出よう!」という認識になりますが、2020年には東京オリンピックもあり、多くの外国人の旅行者が日本に来ることも予想されます。

日本に来た外国の方を受け入れ、交流していくことも国際化、国際交流の大事な一歩なのではないでしょうか?

という事で、それでは日本に来る外国人留学生事情を見ていきます。

 

大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業「グローバル30」

現在、グローバル30という「国際化拠点整備事業(大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業)」を文部科学省が展開している政策があります。

この事業では留学生に魅力的な教育を提供し、留学生と切磋琢磨する環境の中で国際的に活躍できる人材の養成を図ることを目的として発足しました。現時点で、日本の13大学がグローバル30に採択されこの事業に参加しています。

東北大学、筑波大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学、慶応義塾大学、上智大学、明治大学、早稲田大学、同志社大学、立命館大学 がこの事業に参加しています。その中には、1,000人以上の留学生が在籍している大学も多くあります。

 

それなのに、なぜ日本には留学生数が増加している中、外国人留学生が日本人との交流が少ないのでしょうか?

 

それは、グローバル30の取り組みの落とし穴があるからです。

その中身を掘り下げてみて行きましょう。

 

授業形態の問題点

この事業での大学のグローバル化と言うのは、以下の2点に力を入れています。

 

・英語による授業のみで学位が取得できるコースの大幅な増設

・留学生受入体制の充実

 

しかしながら、私が研究している「留学による友好関係に関する調査」によると、調査に参加してくれた日本留学経験のあるフランス人学生は、以下のような授業を受講しているのです。

 

・留学生用の日本語の授業

・英語で行われるその他の日本文化や日本事情などを学ぶ授業

 

つまり、彼らのクラスにはあまり日本人学生がいないのです。

当然ですが、日本語の授業には日本人学生がいません。

また、英語で開催されている授業に関しては、日本人学生も受講しているようなのですが、日本人学生と留学生が交じることが少ないそうです。

 

→ 日本の大学では、日本に留学しても外国人留学生と日本人学生の授業が別のケースも多い。

 

学生寮システムの問題

また、大学は留学生の大学受け入れそのものだけではなく、彼らの住居などの設備も整えるため国際学生寮も多くなっています。しかし、国際学生寮は外国人留学生専用の場合も多く、彼らの住む寮には日本人学生が住んでおらず、住居でも日本人学生と留学生が一緒ではない寮が多いという結果になっているようです。

もちろん、国際学生寮にも日本人学生入居可の場所や、留学生の入れる学生アパートなどもありますが、キッチンやリビングなど誰もが集まれるような場所がないと国際交流はなかなか難しいようです。

また、学生アパートの場合はそういう集まれるような場所がないため、いくら同じアパートに日本人学生と留学生が一緒に住んでいたとしても、なかなか知り合いになるチャンスもないようです。

 

その結果、日本に留学するという共通の興味があることもあって、留学生が多い大学では同じ国同士の学生が集まってしまうのです。フランス人であればフランス人同士で過ごすといった感じです。

または、授業も寮も一緒に過ごしている外国人留学生同士が一緒に過ごす傾向になってしまうのです。すなわち、その輪の中には日本人がいないのです。

このように、外国人留学生は日本人学生の友人を作るのに困難を示すことも多いそうです。

 

日本人学生としても、集団でいる外国人留学生の輪の中に入っていくこともなかなか難しいことです。同時にそれは外国人留学生でも同じことで、日本人のグループの中に入っていくことはなかなか難しいことのようです。

また、日本語学習者の中には日本人ぽい性格の子も多いのが特徴だったりします。

よく言われる日本人のように、シャイで外国語を話すのに躊躇してしまうようなタイプの子も多く、さらに日本人学生に声を掛けにいけなくなっているようです。

 

グローバル30以外の大学では?

実は、日本の大学の留学生数と、日本人との交友関係には関連性があるようです。

「日本人の友達を作るのが大変。」と言う留学生に関して、「国際的じゃない大学に留学したんじゃないの?」と思いがちです。しかし、実はその逆で、どちらかと言うと国際的でない大学に留学した留学生の方が、「日本人の友達を作りやすいかも?」という現象が見受けられます。

規模が小さく外国人留学生の受け入れ実績が少ない、いわゆる国際的でない大学だと、自国から来た学生がたった1人だったという子や、2~3人しかいないというケースもあります。

 

そうすると、逆に日本人の子と一緒にいる機会が増えるということのようです。

 

それはどういう事情からなのでしょうか?

授業に関して言えば、留学生用のクラスを大学側が準備することができず、日本語で行われる通常授業に参加するためです。

知り合いのフランス人の留学生の子は、大学の先生からの提案でフランス語の授業に参加して、フランス語学習者のお手伝いをしていた、という話も聞きました。

 

フランス語学習者でしたら、フランス人にも興味を持ってくれるだろうし、友達になりやすいでしょう。

 

もちろん、学習人口は英語の方が多いので、交流する確率も高くなるでしょう。

英語を勉強している日本人学生にとっては、外国人留学生が英語の授業に参加していれば、興味を示す日本人が多くなるのは当然のことでしょう。

外国人留学生にとっては、多くの日本人の中に飛び込んで行くことに対し、色々不便もあるかもしれません。しかし、実はあまり国際的でない日本の大学の方が、外国人留学生は日本人学生と交じりやすいという例もあるのです。

 

日本にいても外国人の友達を作ることは難しくない

元々日本人は欧米人に比べて、シャイで内向的とも言われますし、日本にいる外国人留学生同士固まっていたら、その集団に声を掛けるのも勇気がいります。

けれど彼らは彼らなりに日本人学生と友達になりたいと思っているので、声を掛けられたら嬉しいと思います。

日本の大学でも英語で授業の受講が可能な分、日本語があまり得意でない留学生も多いようですが、その場合は日本人学生にとっては英語の勉強にもなります。その外国人留学生が日本語学習者であれば、英語が苦手でも日本語でのコミュニケーションが可能です。

 

学習言語は重要ですが、それよりも国際化、外国の人とのコミュニケーションという事を考えると、言葉はコミュニケーションの手段でしかありません。

 

お互いが歩み寄り、英語なのか、日本語なのか、言語は関係ないかと思います。

先ほども「国際化 = 英語を勉強すること」とは一概に言えないとお伝えした通り、日本語だけでも海外の方とのコミュニケーションは可能です。

相手の事を考えて、ゆっくりはっきり日本語を話すことも、大事なコミュニケーション能力です。

 

外国人、日本人という枠を超えた友達関係が築ければ、それこそが大事な国際交流ではないでしょうか。

 

実際、留学生だから英語が絶対できるという事でもないようで、私の知り合いのフランス人の留学生は、実は英語があまり得意ではありませんでした。

彼女は日本語学習者であったこともあり、他の外国人留学生の子達と英語でコミュニケーションを取るよりも、日本人の学生さんと日本語でコミュニケーションを取るほうが楽だったと言っていました。

 

→ 国際化は決して語学ができることだけではない。

 

日本でも外国人の学生に声を掛けてみよう!

日本に留学した留学生は、大学キャンパス内にいても日本人学生が話し掛けに来てくれないと言います。もちろん、外国人留学生同士で固まっていれば、その中に声を掛けに行くことも少ないかと思います。

けれど、彼らが留学生として日本に来た最初の頃に声を掛けてあげれば、きっと彼らも喜ぶはずです。大学によっては学生ボランテイアを募って、留学生との交流をはかる大学や、学生サポートのアルバイトを募集している大学もあるそうです。

ただ、そういった大学が決めたシステムの中だけでは、なかなか友達になり難いこともあるそうです。

 

誰でも何かしらの交流会に参加経験はあると思いますが、その場限りの上辺の時間で終わってしまい、なかなか交流が発展しない経験をお持ちだと思います。

 

もっとナチュラルな環境や、学生同士の交流が持てる機会を学生が率先して作っていけるのが理想だと思います。

私はフランスで日仏交流会というのを企画していました。フランスの日本語学習者と日本人留学生の集まりですが、こういう集まりを開催することによって、日本人とフランス人が交流を持てるということです。

 

お互い持ちつ持たれつで語学学習しよう!

日本人は留学という形で日本の外へ行くことで、国際環境を作ろうとします。

しかし、今回お伝えした記事で紹介した通り、実は自分の国(日本)の中でもいくらでも国際交流は可能だということです。

 

自国で外国人を受け入れる体制を作っていくことも大事な国際化ではないでしょうか。

 

特に日本に留学している学生さんは親日家でもありますし、そういう意味では自分が海外に出るよりも、日本にいる留学生の子達との方が友達になりやすいのではないでしょうか。

どんな小さい大学にも留学生が在籍していますし、大学生でない方なら地域の日本語クラスや日本語学校も多く存在していると思います。

日本語学習者となら英語が話せなくても問題ないはずですし、彼らも日本人と日本語で交流を希望していることが多いです。

 

相手の日本語学習のためにも、もちろん英語の勉強をしている方なら自分の英語学習のためにも、持ちつ持たれつで共に学習していけるのです。

 

自分の英語学習のためだけでなく、相手の日本語学習のためにもお互いが協力しあって、助あえる関係を築けると、語学学習の継続もし易くなります。

実際に学んでいる言葉でコミュケーションする機会があれば、勉強への強いモチベーションにつながるからです。

語学の勉強目的だけではない、国境を越えた友達を作ることも大事な国際化だと思います。

 

参考資料
・グローバル30とは? – http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/03/30/1383779_01.pdf

 

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