私がfu〇kを使わない理由とスラングのおもしろさ
英語がちょっと分かるようになってくると、映画やドラマ、はたまたネイティブスピーカーの友達が使っているスラングに妙な憧れを抱くことがあると思います。
ネイティブスピーカーと会話をする上で、スラングの理解は重要なポイントです。
スラングは必ずしも悪い言葉だけではありません。日本語で言えば、「やばい」、「ガチで」、「うける」などの表現がスラングにあたりますし、「しとしと」や「てくてく」などいわゆるオノマトペも一種のスラングと言えるかもしれませんね。
英語では「How are you?」の代わりに使う「How’s gone?」などもスラングです。
また、英語におけるスラングは、国や地域、人種の文化によって使われる表現が変わります。
ある程度のスラングが分かっていないと、ネイティブスピーカーとの会話にはついていけません。
さて、わたしは人一倍ネイティブスピーカーへの憧れが強いタイプです。自分の発音の悪さに気づくと悔しくてたまりませんし、ネイティブスピーカーの子どもに嫉妬することすらあります。(笑)
しかし、わたしはそれでも「悪いスラング」は使わないようにしています。今回はそんな英語スラングについてのお話です。
私が悪いスラングを使わないのは「ダサい」から
悪いスラングと言ってまず思い浮かぶのは「fuck」だと思いますが、意外とネイティブスピーカー同士って気軽に使っている(ように見える)んですよね。例えば、何かの感想を伝える時。
「That was fucking amazing!」(もうマジで最高だった!)、「fucking freezing outthere…」(外、クソ寒い…)と、amazingやfreezingを強調しています。もちろん、怒りなどのマイナス感情を強調するときにも使います。
こんな風に、ドラマや街角などでも若者たちの会話に「fuck」や「fucking~」が出てくることはまぁよくある光景。何となく若者言葉って感じがするし、使った方が英語に慣れている感も出るような気がしますよね。
でも、わたしは使いません。なぜなら「ダサい」から。
そもそも「fuck」って意外と発音難しいです…。まず「F」のむずかしさは皆さんご存知だと思いますし、「U」も口を半開きにした状態で「ア」で、わたし含め出来ていない方多いです。続く「CK」は喉の奥で破裂音を出すように「ック」。
「FUCK!」だけで使うならまだしも、「~~~fucking~~~!」のようにセンテンスの中に入れるとなれば、音のつながりや勢い、スピードも大事です。それが出来ないくせに使うのは、もうダサいのひと言。
「Bitch」も同様です。「B」は日本語にない音ですし、ましてや「Son of~」なんて上手に発音できる気がしません。通じるか通じないかでいえば、おそらく通じるでしょう。ただ、発音が下手だとそれだけでかっこつかないです。
もうひとつ、冒頭でお伝えしたとおり「国や地域、人種の文化によって使われる表現が変わる」のがスラングです。
たとえば「nigger(nigga)」など黒人差別につながる言葉がありますが、黒人同士でなら使うことも多いもの。しかし、これはあくまでも黒人同士で使う言葉で、他の人種が使ってはならない言葉です。
知らずに「なんか周りの黒人がhey niggaって言ってるから、使ってみようかな。」、「ヒップホップ系の音楽でよく聞くし、使ってもいいんだ~。」なんて勘違いはご法度です。
「fuck」のように、ネイティブ会話で数十秒に一度聞こえてくるようなスラングであっても、使う相手との距離感やタイミングを間違えればドン引きされて終わります。
日本語だって、「やばい」や「ガチで」といった言葉は、TPOをわきまえますよね。
それと同じことです。もちろん、使うのは自由です。
本気で怒っていたり、ヤジに対して返したりする時にスラングを使うには、ネイティブ並みの発音が伴っていなければ凄味のカケラもありません。喧嘩っぽい場面でもマヌケな感じになっちゃいます。(笑)
「使ってみたいな。」と思ったら、気の知れた仲間内など冗談まじりで使う程度にするのがおすすめですよ。
「知らなくていい」わけではない!スラングの奥深さとおもしろさ
そういうわけで、わたし個人的には「かっこがつかないから。」という理由のみで、悪いスラングを使いません。が、ネイティブスピーカーとの英会話において、スラングは知らなくてもいいものではありません。
スラングを知らないと、英語圏での会話にはほぼまったく付いていけないと言っても過言ではないでしょう。
こちらが外国人であることに気を使い、きれいな英語で話してくれる人は多いですが、それでも数人のネイティブスピーカーが集まればスラングは必ず出てきます。
例えば、「失敗した/ヘマしちゃった」と言う時には、「screw up」が使われることが多いです。「ダメだったね~。」という軽い意味合いから、仕事でなにかしでかしてしまったようなシリアスな場面まで、多用されるスラング英語のひとつ。
「make a mistake」や「fail」よりも使用頻度の高い表現ですが、知らないと「どういうこと??」となっちゃいますよね。
また、最近では「Netflix and chill」という表現も出てきています。初めて聞いた人にとっては「ネットフリックス見ながらくつろぐ」という意味に思えるでしょう。
が、実は「Netflix and chill」は「いちゃいちゃする」という意味。下心ありで自宅に誘うときなど「Do you wanna come over for Netflix and chill tonight?(今日うちで Netflix and chill=いちゃいちゃ する?)」という風に使われます。
「いつも週末とか何してんの?」という質問が来たとして、「うーん、ネットフリックス見ながらくつろいでるかな。」と伝えたいときには気をつけたいですね。(笑)
「Netflix」という言葉自体も、変わりつつあります。というのも、「Netflix」が動詞として使われているんですね。たとえば「Do you wanna watch Netflix?」ではなく「Do you wanna Netflix?」というように。
日本語でも「サボる」「ミスる」など、「~る」としてさまざまな言語を動詞化して使うことってありますよね。
英語もそれと同じで、時代の流れにあわせた名詞の動詞化は多く見受けられるんです。
例えば「ググる」と言う言葉。わたし達も日本語でよく使うスラングですが、実は英語でも一緒。「I’ll google it.(ググってみるね)」というように。面白いのは、「I googled it.(それググったよ)」や「I’m googling it now.(今ググってるよ~。)」などのように過去形・現在進行形としてもちゃんと変化できるというところ。
この他、「Facebook」や「Twitter」なども、例えば「My boyfriend is facebooking like all day.(わたしの彼、一日中Facebookしてんの。)」のように動詞化されています。
慣れてきたら、自分で英語名詞を動詞化してしまうのも面白いですね。留学やワーホリ、はじめての海外生活でまず覚えるスラングは、「No way!」や「It’s up to you.」、「I got it.」などだと思います。
学校の授業で習うことはない表現ですが、聞いているうちに自然と覚えるものですよね。
「fuck」や「shit」も、同じように頻繁に耳にしているとついつい使ってみたくなりますが、それら以前に、覚えなくてはならないスラングって山ほどあるんですよ!
言葉は生き物!スラングを楽しもう!
わたしは個人的に、日本語でも若者言葉やネットスラングが好きです。
「正しい日本語が失われていく!けしからん!」と残念に感じる人も多いかもしれませんが…。でも、昔懐かしい「チョベリバ」や最近の「パリピ」「タピる」など、よく出来てるなぁ~って思いませんか?(笑)
言葉は生きています。ナマモノです。
だからこそ、時代や社会背景によって、さまざまなスラングが生まれるんですね。
知れば知るほど奥が深いスラング。
国や地域によっても異なるものですので、これから渡航予定のある方はぜひその地域のスラングにそっと耳を傾けてみてくださいね!