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外出自粛中の「コロナ疲れ」は当たり前?留学・ワーホリ中のモチベーションや気分の低下とどう向き合うべき?

公開:2020/04/17 著者:坂元 ちひろ 1921 Views

こんにちは、カナダ在住のちひろです。

テレビのニュースやSNSは日々、新型コロナウイルスの話題で持ちきりです。各国でロックダウンの延長も発表され、明るい展望は見えず心が不安で埋めつくされがちです。

先日、「なんとか物事を前向きに捉えないといけない!」という気持ちから、「こんな時こそ時間を有効に使って英語の勉強を頑張ろう!」とメッセージを発信しかけて、ふとその手が止まりました。

 

なぜなら、「その日の気分によっては、ポジティブな言葉をプレッシャーに感じてしまう人もいるのではないか?」と考えたからです。

 

私自身、ワーキングホリデーをしていた時期に鬱(うつ)っぽい気分の落ち込みを感じた期間があります。

当時の状況を思い返すと、「コロナウイルスによる外出自粛は、私が過去に経験したような不安定な気持ちになりやすい要素がある。」ということにも気がつきました。

そこで今回は、その不安要素や私なりの「留学やワーホリ中の不安定な気持ちを和らげる考え方」をみなさんとシェアします。また現在、留学やワーホリが延期となり、気分が落ち込んでいる方も参考にしてみてください。

気分の落ち込み原因は?

そもそも、何がきっかけで鬱っぽい心情になるのでしょうか?

私がワーホリをしていた頃に大きな気分の落ち込みを感じたのは、実は三度ありました。それらの原因を列挙すると、下記のようになります。

 

・学習の成果や英語力の伸びが感じられない非充実感
・誰からも評価してもらえないことに対する惨めさや焦り
・理想と現実のギャップによる苦しさ

 

以下でそれぞれの項目について詳しくお話します。

初めてネガティブな気持ちになったのは、カナダ生活が始まって1ヶ月が経ったタイミングでした。当時はホームステイをしていて、ホストファミリーとの暮らしやカレッジでの就学に少しずつ慣れてきた頃でした。

その時期に、相手の英語を一度で聞き取れないことに対する気分の落ち込みがありました。私なりに渡航前から英語学習を続けてきたにも関わらず、「勉強の成果や英語力の伸びが感じられなかった。」ことが原因です。

 

次第に人と話すことが苦痛になり、ホストファミリーが外出に誘ってくれても断ってしまったり、部屋に閉じこもる時間が長くなったりしました。

次の落ち込み期は、ワーホリ生活が半年に差し掛かった頃です。その時はちょうど、就学を終えて仕事探しを開始した時期でした。日本で四年制大学を卒業し社会人経歴もあることや、英語もそれなりに話せるようになったことから、「何かしらの仕事は見つかるだろう。」と安易に考えていました。

でも、実際はなかなか採用まで至りませんでした。この出来事は、「私には見栄えの良いキャリアがある!」という考えが自意識過剰だったことを自覚するきっかけとなりました。

 

一方で「早く仕事を見つけないと、ワーホリビザの有効期限が切れてしまう!」という時間との戦いもありました。

 

以上のことから、2つ目の原因は「誰からも評価してもらえない惨めさや焦り」と表現することができます。

最後のネガティブ期は、仕事を始めてから訪れました。業務自体は、日本でも経験したことがある比較的簡単なものでした。でも、作業そのものは難しくないのに、日本人とカナダ人との間にある価値観や文化の違いに苦しめられることとなりました。

本来、理想としていた海外生活の中には「日本では未経験の、新しいことに挑戦し成長した自分の姿」がありました。しかし、それ以前のところでつまずいてしまい、日本にいた頃よりも退化している気にさえなりました。

 

「わざわざカナダに来てまで、こんなことで悩まないといけないのか?こんなはずじゃなかったのに…。」という気持ちになってしまったのです。

 

そんなことから3つ目の原因は、「理想と現実のギャップによる苦しさ」と言うことができます。

これらの経験を思い返した時、「コロナによる外出自粛は、同じような心境になりやすいのではないか?」と推測しています。学校の授業がオンラインに切り替わり、ネイティブカナディアンと交流することが難しい状況は、自分の英語力の成果を実感し難い環境かもしれません。

働き口がなく自宅待機を強いられる現状は、何もできないにも関わらずビザの有効期限だけは着々と近づいてくる焦りにつながります。

 

現在海外に残っている留学生やワーホリは、頭に描いていた理想の留学やワーホリと今の生活に大きなギャップがある方もいらっしゃるはずです。

 

以下からは、このように気分が落ちている時に必要な考え方3つを紹介したいと思います。

 

→ 私も理想と現実のギャップに悩んだ時期がありました。

 

考え方1: 今はモチベーション維持が難しい時期だと知る

「こんな時こそ、ポジティブに捉えて時間を有効に使わなきゃ!」と考えたくなるのは山々ですし、確かに前向きに行動できることが望ましいです。

でも、私自身が過去を振った時に、「モチベーションが高まるまで待ってみる」という選択肢があっても良いのではないかと考えています。

特に勉強は、「何かを習得したい!」という意欲は、知識の吸収度合に比例するように思います。調子が良い時は、本当にスルスルと自分の脳内に情報が蓄積されていく実感があります。しかし、モチベーションが低い時は表面的には勉強をしていても、どこか上の空だったりしませんか?

 

そもそも、モチベーションを保つためには「明確な目的」が欠かせません。英語を勉強する目的はTOEICなどの資格試験を控えている場合や、「将来の夢を叶えるために英語が必要」という目標を設定することができます。

でも現状を見てみるとどうでしょうか?TOEICの公開テストは緊急事態宣言を受けて中止、企業では従業員の解雇や内定者の採用取り消しなど、これまで目標にしていたものが次第に失われつつあります。

それらを踏まえて、「今はどうしてもモチベーションが下がりやすい時期」であると受け入れると少しは気が楽になるのではないでしょうか。

 

「モチベーションが保てないのは私のせいだ…。」と自分を責めすぎると、気分は落ち込む一方です。ただでさえ、不慣れな土地で不安や心細さなどメンタルの変化を感じやすい海外生活です。

そこに輪を掛けて、私たちは全世界共通の非常事態にさらされているのが現実なのです。責任感が強かったり真面目な性格だったりで、ここまでノンストップで走り続けてきた人にとっては、実は今が休憩するのにちょうど良い時期なのかもしれません。

思いっきり寝てみたり、日本のバラエティ番組をYouTubeで見てみたりするなど、一度英語から離れてこれまでの生活とは180度違うことをして気分転換を試みるのもひとつの手です。

 

→ 私は趣味が少ないので、気分転換には一苦労しました…。

 

考え方2: 「何もしないよりはマシ」と捉える

私が日本で仕事をしていた頃の話です。当時、営業担当をしていた私は、新しい企業契約を取ることに奔走していました。

ある企業と仮契約までこぎ着けました。しかし、商談中に認識相違があったことでトラブルになり、その取引先を失うミスをしてしました。

正式契約ができれば数百万円の利益が期待できたため、会社としては大きな機会損失です。契約が白紙になってしまったことを謝るために上司に報告しました。すると、上司は私に下記の言葉を投げかけてくれました。

 

「もしかして落ち込んでいるの?きっと、誰が担当しても同じ結果になっていたから気にしなくていいよ。
それに、失敗したくないなら営業せずに、ずっと会社のデスクに張り付いていたら良くない?
まぁ少なくとも僕は、何もせずにじっとしている人よりも失敗してもいいから何かに挑戦している人と一緒に仕事をしたいけどね。」

 

この上司の励ましが在職中に私の支えとなったのは、言うまでもありません。でも、海外生活を始めてからも度々、この言葉が頼りになりました。

上記で、ワーホリ初期に英語力の伸びを実感できずに落ち込んだ話をしました。当時、カナダ人と話すのが嫌になり部屋に閉じこもりがちで、会話の機会を自分で減らしてしまいました。

一方で、「何かしら英語に触れていないと、本当に無意味なワーホリになってしまう…。」という思いもありました。そこで、自室でできることとして、洋画を英語字幕&音声で観る勉強法を始めました。

 

「せっかく海外でネイティブに囲まれているのに、外に出ないなんてもったいない。」という考えも、もちろんありました。

でも、何しろ落ち込んでいるので、積極的に動き回る気力がありません。そんな時に、前上司の言葉を引用して「確かに、海外に来てまですることではないかもしれない。でも全く何もしないよりはマシかな。」と捉えるようになりました。

その後、気分の落ち込みが回復するまで1週間ほどはかかりましたが、ずっと部屋に閉じこもって映画を観る生活を続けていると、「何か別のことをしたい!」と自然に思えるようになりました。

 

→ 洋画視聴にはNETFLIXを利用していました。

 

現在のコロナウイルスの渦中では、行動範囲も限られています。「せっかく海外に来たのに洋画やオンライン英会話で勉強するなんて、納得できないな…。」と考えてはしまいます。

しかし、「何もやらないよりはマシ」と捉えることができれば、「少しだけでもやってみようかな?」という気分になれる日もあるかもしれません。

「何もせずにじっとしているよりも、失敗してもいいから何かに挑戦すべき!」という意識は、これからの私の人生も支えてくれるような気がします。

 

考え方3: 他人と自分を比べない

ワーホリ初期に落ち込んでいた私を振り返ると、ネイティブと自分とを比較していました。「カナダ人は英語がペラペラで自分の意見もはっきり発言できてカッコイイのに、私は英語が全然話せなくてダメダメだ。」と、真剣に悲しんでいました。

これはもう、はっきり言って愚の骨頂です。(笑)相手は英語ネイティブ歴20年・30年戦士、かたや私は英語学習歴たったの数年です。敵うはずがありません。

だからと言って、他の留学生やワーホリ生と比べて落ち込むのも厳禁です。同じ日本人とは言え、勉強を開始したタイミングもこれまでの生活環境も全く違います。

 

もしかしたら、相手の方が充実した生活をしているように見えるかもしれません。でも、それが個人の能力差だと考えるのは早計です。単に、相手のスタートダッシュが早かっただけで、準備・実践時間が長いことで生まれた差かもしれません。

また、同じ時期、むしろ自分より後から海外生活を始めた人の生活がキラキラ輝いて見えることもあるでしょう。隣の芝生は青く見えるものなので、それは誰でも同じです。

SNSや数時間の会話から知ることができるのは、その人の生活のほんの一部にしか過ぎません。周りの人々もネガティブなことよりもポシティブなことを発言することが多いので、凄そうに見えてしまいがちです。

 

ある側面からは相手の方が先行しているように感じるかもしれませんが、それがその人の全てではないのです。

 

私自身、日本に住んでいても海外で生活をしていても他人と自分とを比べて落ち込みがちでした。でも、人との比較はキリがないことに気がつきました。自分が少しレベルアップしても、上には上(のように見える人)がいます。

自分がどれだけ成長しても、さらにレベルが上のように思える人は無限に存在しているため、終わりがありません。

それよりも、「過去の自分よりどれだけ成長できたか?その経験をすることで、どのような感性や教養を身につけることができたか?」という自分軸で日々を生きる方が、心身ともに健康に過ごせそうです。

 

→ 似ているようでも、それぞれが置かれている状況や生きてきた環境は全く異なります。

 

【まとめ】 英語力だけでなく、感性や教養も大切に!

 

外出自粛で自宅に閉じこもりがちであること、人とのつながりがSNSメインになってしまうことで、今の期間は通常よりも気持ちがふさぎ込みやすいように思います。

資格試験の開催中止や、企業の従業員解雇や内定取り消しにより、本来はモチベーション維持の支えとなるはずの目標さえも揺らぎつつあるのが現状です。

 

新型コロナウイルスは、将来歴史の教科書に記載されても不思議ではない「世界レベルの恐慌」なのです。

 

今は、英語の学習手段や日々の生活が理想通りではないかもしれません。でも、必要以上に自分を責めたり、無理にポジティブに生きようとしたりすると疲れてしまいます。

一方で、こんな時期だからこそ培うことのできる感性や教養があります。これを機に新しい目標を立てることで豊かになる海外生活もあるでしょう。そんなことに着目してみると、気分の浮き沈みが少しだけ緩和されるような気がするのです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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