そもそも留学やワーホリってどんなメリットがあるの?海外生活に挑戦する3つの意味
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
私は、いわゆるギリホリ(年齢制限ギリギリでのワーキングホリデー)だったので31歳になってからカナダに入国しました。そして、ワーホリビザの期限である1年が過ぎた今でも滞在を延長してそのままカナダで暮らしています。
思い返せば、大学に在学していた頃から留学やワーホリに行くチャンスはありました。母親から勧められたり、学校のカリキュラムに交換留学の制度があったりもしました。それにも関わらず、その時はなぜか興味が湧きませんでした。
正確には、少しだけ関心はあったけどあえて海外生活をするメリットが分かりませんでした。だから、実際に行動を起こすまでには至りませんでした。
また、当時は日本国内の大学に進学して、そのまま新卒で一流企業に入社するという風潮が一般的でした。そんなことも背景にあり、決められた道から外れる行動を取ったり、周囲の友人達と異なる選択をしたりすることに不安があったのも一因です。
でも、ワーホリ期間を終えた今、「もしも、学生の時点で留学やワーホリを実行できていたら、どんな人生になっていたかな?」と想像することが時折あります。
後悔とまでは言いませんが、「もっと若いうちに海外に挑戦できていれば、より豊かな人生になっていたかもしれない」なんてことを考えてしまうのです。
それは、実際に海外で暮らしてみたら得られたものが多くあったからに違いありません。
そこで今回は、最近になって留学やワーホリに興味を持ち始めた方や、「このまま留学やワーホリを続けて何か意味があるのかな?」と悩み始めた留学生に向けて、私が海外生活で感じた主なメリットや意義を3つご紹介させていただきます。
・若いうちに留学した方が良い理由とは?
① 日本国内での学習よりも英語力の伸びが早い
まずは、留学やワーホリのメリットを語る上では欠かせない「英語力」についてです。
私は、留学前から「独学で中学・高校英語のやり直し」と「英会話スクールへの通学2年間」を通して日本に住みながらも英語に触れる習慣がありました。
その時は英語力の伸びを少しずつは感じていたものの、1年経っても2年経っても、満足できるレベルには到達しませんでした。
一方、カナダに生活の拠点を移した以降は数ヶ月単位で語学力の伸びを実感することができたのです。
「日本国内での学習において、真剣に取り組めていなかったから差が出たのか?」と言われるとそうでもなく、自分なりに日本にいるうちから必死で勉強していました。
それでは、「日本国内と海外での学習に一体何の差があったのか?」その理由を少し掘り下げてみましょう。
私自身はこの問いに対しては、「英語に触れていられる時間の長さと危機感の違い」が英語習熟速度の差であると考えます。
まず、「英語に触れていられる時間の違い」は歴然としています。私の場合は日本にいるうちは仕事や家の雑事があったので、1日の中で英語学習に確保できる時間はせいぜい2~3時間でした。
でも、カナダに入国してからは寝る時間以外は英語一色です。カレッジへ行けば授業は英語、友人達とのおしゃべりや学校から出される宿題も英語。通学中に見聞きする標識・広告や車内アナウンスも全て英語。
さらに、家に帰り着いてからのホストファミリーやシェアメイトとの会話やニュース番組も何もかも英語。日本にいた頃とは違い、とにかく英語漬けの毎日でした。次に「危機感の違い」については、以下2種類の感情がありました。
・せっかく海外に来たのだから手ぶら(中途半端な英語力)では日本に帰れない
第一の危機感に関しては、やはり帰国後の再就職にまつわる不安からくるものが大きかったです。
留学をしたからには英語力を活かせる仕事をしたい気持ちがあったので、「ビジネスで通用するレベルで語学力を向上させないといけない。」という焦りにも似た感情がありました。
・日常の生活に不都合がある
現地の生活では、英語で交渉ごとをせねばならない場面が多くあります。普段の買い物や電車の乗り換えだけなら、基礎英語だけで十分です。
でも、例えば家のオーナーや仕事の雇い主と決め事をするタイミングや滞在先での携帯電話契約時、確定申告を自力でする際などはある程度の英語力が必要です。
ここで英語力が欠如していると、自分に不都合な内容で相手に丸め込まれてしまう可能性があります。
以上のことから、「海外では周囲の環境が英語を勉強せざるを得ない状況になるため、国内での学習と比較して英語力の伸びが早い」点が留学のメリットだと言えます。
② 今までに触れたことのない刺激を体感できる
これまでの人生で見たことがなかったものを見たり、食べたことがなかったものを食べてみたりすることには大きな喜びがあります。
海外旅行や新しいレストランの開拓がお好きな方には、共感し易い感情かもしれません。ライブコンサートなどで経験できる「非日常感」も体感として近いでしょう。
私は、留学をするまで30年間を日本で過ごし、大体は世の中のことを知った気になっていました。それでも、いざカナダに来てみると毎日が新しい体験の連続でした。
海外では、今まで自分が生きてきた環境とはまるで違う世界で育ってきた人々と生活を共にすることになります。現地の人々ならではの価値観や教育・社会保障制度の違い、日々食するローカルフードですら全てが新鮮です。
また、最近私が面白いと感じたのは、海外では「国際社会が動くスピードを日本よりもリアルに体感できる」という刺激です。直近の出来事ですと、新型コロナウイルスによる北米政府の決断の早さを例に取ることができます。
カナダ政府はコロナウイルスが蔓延し始めたタイミングで、事実上の国境封鎖を即判断しました。同じくカナダは、日本でオリンピックの延期や中止が囁かれ始めた際に、いち早く「1年延期されない限りは、カナダの選手団を日本へは派遣しない」と宣言しました。
このスピード感ある展開には目を見張るものがあり、日本に住んでいた時には経験できなかった感覚でした。
同じ学校や職場、国にとどまっている限りは、どうしても慣れやマンネリが生じてしまい、毎日がつまらないものに感じてしまう瞬間があります。
「留学するぞ!」という決断はそう簡単にできるものではありませんが、新たな刺激を受けたことで感じる人生の充実度ははかり知れません。
③ 人生の選択肢が増え、できることの幅が広がる
カナダに来てから、自分だったら尻込みをしてしまいそうな生き方を何のためらいもなくしている人々に出会いました。
例えば、より良い条件の企業で雇ってもらうために、7回も8回も転職を繰り返している同年代のネイティブ達だったり、結婚して子供を産んでも「家族留学」という形で勉強をしに来ている外国人だったりしました。
自分が日本を出るまでは当たり前だと思っていた、「一つの会社で長く勤め上げるのがキャリアアップ」や「結婚や出産をしたら自分の好きなことはできない」という考えが世界では当たり前ではないことを知ったのです。
「やりたいことは何歳になっても挑戦することができる」ことに加え、「世間体を気にして未来の可能性を狭めているのは自分自身である」という教訓になりました。
ある程度、海外生活に慣れてくると「世界のどこででも生きていけそうな感覚」を抱けるようにもなりました。
もしも、自分が生きていく場所は学校しかないと思っているうちは、万が一学校でいじめられてしまえば、「自分にはどこにも居場所がない…。」と考えてしまうでしょう。仕事一本で頑張っている人は、職場で大きなミスをしてしまった時に、「もう人生終わりだ…。」と絶望してしまうでしょう。
でも、実際はそうではありません。学校以外に学びの場はあります。今の職場以外にも、あなたの能力を活かせる場所は必ずあります。
自分の居場所は、今いる所だけではなく他にもある!
そんな風に自信を持ってイメージできるようになりました。ひとつの物事に縛られない感覚があれば、トラブルやハプニングが起きた時でも余裕を持つことができるので非常に心地よいです。
さらに実務的な部分では、英語力を備えることで将来の仕事の幅がうんと広がります。
国際化が進むこのご時世ですから、今後はますます英語力が必要とされる業界や職種が出てくるでしょう。
知識や画期的なアイデアはあるのに、英語力が不十分という理由で活躍の場が減ってしまうのはもったいないことです。
それが学生さんの場合であっても、研究や勉強を突き詰める際には、日本語の論文だけでなく英語の文献まで対象を広げられるといったように同様にメリットがあります。
それ以外にも世界的な有事の際、英語の最新情報が日本語に翻訳されるまでには時差がどうしても生じます。私自身も、アメリカやカナダのニュースでは明らかに重要な発表がなされているのに、日本語訳がなかなか更新されずにもどかしい思いをしたことが何度もあります。
自分の英語力で海外の最新情報や状況をキャッチすることができるという点でも、海外で得られる語学力や情報リテラシー(情報活用能力)は大いに役立ちます。
海外生活をするとサバイバル力が格段に上がる!
いくら万全の準備をして留学生活をスタートさせても、現地では予想外の出来事が起こります。
最初は英語力が不十分だったり過去に経験がないものだったりもしましたが、なんとか乗り越えることができました。
それでもやっぱり再びトラブルが起きることもありますが、だんだんと以下のような心境になってきます。
「まぁ、人生なんとかなる、自分の力でなんとでもできる!」
「適度な余裕」という意味で「適当」になれた気がするのです。
それは、カナダに来てから新たに様々な体験ができたこと、数々の試練を克服してきた世界の人々との出会いで経験値が増えたことが影響しています。
英語力を習得したことで、「人に頼らず、自分の力で何とか解決できそうだ!」という自信に似たものが得られたことが大きいです。
日本で当たり前だとされているものは、世界に出てみると当たり前ではありません。海外で多様な生き方を知り、人生の充実感という観点からは、安定した生活を続けることだけが正解でもないことにも気がつきました。
楽しいことばかりではない留学生活ですが、だからこそ人生に深みが増したし、自力でできることや将来の展望にも幅を持たせることができました。
以上が、私が感じた海外生活を送る意義です。皆さんも海外生活で何かしらのトラブルを経験すると思いますが、それは自分を成長させてくれるチャンスであることを覚えておきましょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。