留学前にぜひ読んでほしい!自称読書家の私がおすすめする教養がつく本2選!
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
私ごとですが学生時代に好きな教科は英語と国語でした。好きであると同時に得意でもあったので、2科目ともに偏差値70を叩き出すこともありました。その一方で、苦手科目の歴史では偏差値40をマークするという、どうしようもないポンコツぶりでした。
その結果、全科目を総合するとなんともバランス感に欠ける成績で義務教育期間を駆け抜けてきました。
そんな私ですが、時間さえあれば1日中本を読んでいられるくらい読書が好きです。小説やビジネス書なら数時間で読み終えてしまいます。読書家の定義は定かではありませんが、ひとまず読書家と名乗らせていただいてよろしいでしょうか。
余談が長くなりましたが、海外に出て来てから特に実感することがあります。それは、「普段から生活の中に読書習慣を取り入れていてよかった。」ということです。
別のコラム内でもお伝えしましたが、海外生活では自分の意見やアイデアを話す機会が多くなります。
実は、その自分の意見やアイデアを構築するのに役立つのが、まさに「読書を通じて得られる知識」なのです。
通常、意見やアイデアは自身の経験や自分で見聞きした過去の出来事を踏まえて語られることが多いでしょう。でも、まだ20~30年しか生きていない人が経験できることって限られています。
でも書籍があれば、その本の著者が生涯をかけて収集した情報を、読者はものの数時間文章を読むだけで自分の知識として吸収することができます。
例えば、戦場ジャーナリストであれば、彼らは危険をおかしてまでも戦地へ赴き、現状を世に知らしめるためにひとつの本にまとめます。また、英語のノウハウ本であれば、その著者が何年もかけて研究・実験調査した内容が一冊に集約されています。
私たちが自分で命や大量の時間を犠牲にしなくとも効率よく教養を身につけられる方法、それが読書なのです。
ですから、これから留学を控えている方には、読書習慣を身につけることをおすすめしたいのです。自分の意見や見解をしっかりと持っていることで、ネイティブ達の輪に入っていくことができます。
そこで、私がこれまでに読んできた本の読書記録の中からおすすめ本を引っ張りだしてきて、みなさんにシェアさせていただきたいと考え、筆を取りました。
ご紹介したい本が大量にあるので、今後このテーマはシリーズ化させていただきたいと思っています。記念すべき初回となる本日は2冊をご案内いたします。それではまいりましょう!
海外ではお決まりのテーマ – 死刑制度に関する教養
ネイティブの友人が出来始めた頃に気がついたのが、彼らの間では「社会問題や経済に関する話題は日常会話のテーマとして扱われている。」という点です。
私のイメージとしては、「ある時事問題があって、それに賛成か反対か?」という議論がなされるのは、大学の授業内やビジネスの場だけでした。
でも、カフェでお茶を飲みながら、バーでお酒を飲みながら、そのようなディスカッションが繰り広げられているのです。具体的に例をひとつ挙げてみましょう。
「死刑制度に賛成か反対か?」というテーマはテッパン中のテッパン、頻出議題です。
でも、みんなで議論はするけれど、この問いにひとつの正解があるわけではありません。白黒つけるためのディベートでもありません。それぞれが個人の見解を述べてアイデアを共有したり、多様な価値観を知ったりすることが目的です。
必ずしも「100%賛成」とか、「100%反対」とか、どちらかに振り切った回答をする必要もありません。私も実際にこのテーマについて話をしたことがありますが、「50%賛成で50%は反対」という中立の立場をとる人もいました。
でもそれは、「こういうメリットがあるから賛成だけど、この側面から見ると反対」といった「明確な理由」があります。「死刑制度についての詳細が分からないから、なんとも言えない…。」という意味ではありません。
そんな会話に加わる際に、私が自分の見解を示すために役立ったのが小倉孝保さん著の「ゆれる死刑―アメリカと日本」という書籍から得た知識です。
ジャーナリストである小倉さんが、自らの足で稼いだ日本とアメリカの死刑制度の実情が詳しく記されていました。この本を読むと、まずは死刑制度の詳細(死刑囚の生活ぶりや死刑執行時の立会人や情報公開の許容範囲、世界各国の死刑方法とその歴史など)の基礎情報が得られます。
次に、死刑制度が抱える問題点を理解できます。さらに、「この制度が本当に犯罪抑止につながるのか?冤罪だった場合は誰がどう責任を取るのか?」という、もう一歩踏み込んだ議論をするための知識を得ることもできます。
決して明るいテーマではありませんが、重くなりすぎず読書慣れしていない人でも読みやすい文体で書かれているので、一度手にとってみてほしい書です。
海外へ出ると、社会制度も司法も何もかもが母国とは違っています。「日本の常識が世界の常識ではない!」ことを知れるだけでも、読む価値のある一冊です。
人生100年時代の学びとは? – 生涯学習について考えてみる
次にご紹介するのは、私が大好きな落合陽一さんの著書です。タイトルは少し長いのですが、「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書」という題目です。
落合さんの肩書きは、テクノロジー分野の研究・大学教育者であり、メディアアーティスト(Team Laboのような、テクノロジーを芸術に変えるインスタレーションアーティスト)とされています。
私が彼に興味を持ったのは、彼の発言の中に「国語・数学・理科・社会のテストでそれぞれ80点を取るよりも、どれか一つの分野で200点を取ることができる、そんな偏りこそがこれからの時代では価値が高い。」という内容のコメントがあったことです。
本コラムの冒頭でお伝えした通り、私は得意科目と苦手科目の落差が非常に大きいです。ある教科で突出した能力があっても、他の不得手ジャンルが足を引っ張ってしまい、押し並ぶと平均的な人間になってしまいます。学生時代はそんなことで悩んでいました。
でも、落合さんと出会ってからは「無理に不得意分野を克服しようとしなくても、得意分野をさらに伸ばすことに労力を費やしたらいいのか!そうしたら、人よりも突き抜けることができる!」と考えられるようになりました。
実際問題、得意分野の勉強はなんの苦でもありません。英語と国語が好きな私からすると、海外で英語漬けになるのも、何時間も本を読むのも、一切の苦痛を感じません。一方、苦手な分野の成績を上げるのって苦労する割に、成果が出るのも遅いです。
でも日本の教育では、全科目バランスよく網羅すること、周りの人と足並みを揃えることが良いとされています。
この著書では、落合さん自身が問題視している日本の学校教育や、本来身につけるべき教養について記されています。
落合さんの言葉を借りると、人生は学校を卒業してからの方が長いです。「学ぶことをライフスタイル」として、生活の中にどういった学びを取り入れていけるかを常に考えねばならい、と提唱されています。
まさに、これから何かを学ぼうとしている方にはぴったりの一冊です。こちらも一つ前の項目でご紹介した書籍同様、日ごろ読書習慣がない方でもスラスラと読んでいただけるはずです。
取り入れた知識を活用できてこそ読書の意味がある
いかがでしたでしょうか。本日は初回だったので、活字慣れしていない方でも楽に読める本2冊を厳選して紹介させていただきました。
実際に本を読んでいただく場合には、できればメモを取りながら文字を追ってみてほしいです。初めて知った情報や自分が読書を通じて考えたこと、もっと掘り下げて調べてみたいと思った点などを控えておいていただきたいのです。
本は読むだけでは実はあまり意味がありません。
インプットした内容を自分なりに消化し、さらにアウトプットをしてはじめて、「知識が自分の身になった」と言うことができます。
ネイティブとの会話の中で、ただ相槌を打っているだけでは「意見がない人」とみなされてしまい相手にもされなくなってしまいます。また、何かを発言する際には根拠を持って相手を説得させねばなりません。
「~らしいから」とか、「多分~だから」などのあやふやな表現では、一般社会で通用しません。海外に出ても周囲の人達と対等な立場で会話ができるよう、教養を身につけましょう。
私もまだまだ知らないことだらけなので、日々学び続けます。最後まで読んでいただきありがとうございました。