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カテゴリー:勉強方法のコツ

【語学学習法】語学学習する中でふと思う疑問にお答えします!

公開:2020/05/13 著者:小松 久里子 920 Views

語学学習は、多くの方にとって大きなテーマだと思います。

英語ができれば世界が広がり、国際化を目指すにはやはり英語が必要なのか…。

 

日本で本屋さんに行くと多くの言語学習本が出ており、どの本でどのように勉強したら良いのかも見当がつきません…。

 

学校での勉強だけでは最低中学で3年、その後高校で3年、そして大学まで行けばそれ以上に勉強していきますが、それでも話せるようにはなりません。

また、それだけ勉強しても、英語の本が読めるようになるわけではなかったり、英語の作文やエッセイが書けるわけでもなかったりします。

日本の本屋さんや、語学学習サイトを見ていると、どうやって勉強するかの「ハウ・ツー本」が沢山あり、語学学習というのは一種のビジネス化しているようにも感じました。

 

もちろん、それだけ世の中には語学習得への需要があり、英語が話せるようになりたい、フランス語が話せるようになりたい、という方は多いと思います。

 

私は一応俗に言うところのマルチリンガルで、日本語が母国語、英語やフランス語のビジネス通訳などをこなしています。それにプラス、イタリア語とスペイン語も旅行会話くらいは分かります。

そんな私がよく質問される語学に関する疑問について、幾つかお送りしたいと思います。

語学には生まれつき得意不得意があるのか?

人によっては、語学学習を最初から諦めている人もいるのではないでしょうか。人によっては「私は語学が得意じゃないから。」と言う人もいると思います。では、語学は生まれつき得意不得意があるのでしょうか?

他言語を話す私は、生まれつき語学に長けていたと思われるかもしれません。現に周りの友達には、良くそう言われることもありました。

確かに周りの人に比べたら12歳で渡仏したので、ある程度幼い頃から外国語に触れてきたとは思いますが、実は昔は語学が苦手でした。高校の英語の成績は5段階の3でした。特に文法は不得意でした。英語が大好きという事もありません。

 

ですが、誰かとコミュニケーションが取れないことが悔しくて、ちゃんとコミュニケーションを取りたいと思う気持ちが強かったのは事実です。

 

なので、得意不得意というよりは、環境内での語学の必要性に関係していると思います。

3言語できると「生まれつき能力があるんだ。」と言われたこともあります。でも、それは語学が不得意と思っている方の言い訳かもしれません。私は読書が好きなので、文系タイプだとは思います。

しかし、理系の人でもマルチリンガルの人もいます。一概に文系や理系、というように生まれつきの能力があるか否か、ということで決められないと思っています。

 

語学学習は『学習』ではない?『学習』というより『習得』

あくまでも私個人の意見ですが、語学学習が難しく思うのは、英語が学校の科目として考えているからではないでしょうか?

自分が語学の勉強をしてきて感じるのは、「語学学習」というよりも「語学習得」なのではないかとも思うのです。

 

語学学習が難しい点は、4技能があることも関係していると思います。

 

学習に近い「読み・書き」に加えて、「聞く・話す」という4つの能力を養う必要があります。

第一言語習得で考えた場合ですが、最初に習得していくのは「聴解」で、その後に「話す」。そして、幼稚園、もしくは小学校に入って読み書きを勉強し始めます。

つまり、第一言語習得と比べた場合、第二言語習得は逆の方法で勉強していくということになります。

 

さらに、国語文法というのは小学校に入って、既に日本語が話せるようになってから勉強します。

 

第二言語習得に関しては、既に第一言語での様々な知識も得ているので、第一言語の同じようには学習しません。

バイリンガル家庭の子ですと、産まれた時から母親の母国語、父親の母国語を聞いて育つこともあるので、2言語同時に第一言語として習得するため生まれつき2言語が話せるということです。

ですが、「聞く・話す」ことができても「読み・書き」はできない、というケースもあります。これは、語学を「学習」したのではなく、「習得」したからとも言えるのではないでしょうか?

 

多くの留学生にとって語学学習(語学習得)は、「聞く・話す」を重視していると思いますが、机に向かっての学習以外の方法が有効なのかもしれません。

 

全く知らない言語に関しては、もちろん最初に文法などをある程度知らないと話せないと言う方も多くいます。

以前フランス語を教えていた時、フランス語の初心者向けの会話クラスがありました。そのクラスに参加していた学生さんは、「泳げないのに、池にポンと放り投げられたみたい。」と言っていました。

大人になってしまうと、やはり第一言語とは全く同じようには言語習得は難しい部分もあると思います。

 

→ 語学は机に向かってするだけではありません。

 

語学習得は音楽やスポーツのトレーニングと似ている?

語学習得は、音楽やスポーツのように練習(会話練習など)が必要です。

私が語学を勉強してきて感じることは、特に「聞く・話す」に関しては実践量がある程度関係するように思います。

 

勉強の仕方が、スポーツや音楽演奏とちょっと似ているところがある気がするのです。

 

スポーツも音楽演奏も、一番大事なのはその練習量です。語学も会話ができるようになるには、その会話の練習量、語学への慣れが必要だと思います。

例えば、フランスの大学の日本語専攻で3年間勉強してきた学生さんが、読み書きもある程度でき単語力もあるのに、会話のクラスで全く話せないというケースもありました。よく聞くと、日本に行ったことはない、日本語を話す機会もほぼ無かったと言っていました。

彼はカナダに留学経験があり、英語は話せるので外国語を話すと言う事に関しては問題ありませんでした。しかし、大学3年間で日本語を話す機会がなかったので、会話ができない、日本語を話そうとすると頭が真っ白になってしまう、何をどう話せばいいか分からない、という状況になるとのこと。

 

その後、何度か会話の練習などをして慣れてくると、ある程度話すことに慣れ、少しずつ会話も上達していきました。

 

つまり、スポーツや音楽演奏と一緒で、語学が上手くなるには練習量、「聞く・話す」量が大事だと言えるでしょう。

そして、一つの楽器が弾ければ音符が読め、基本的なことが分かるようになります。すると楽譜も読めるので、他の楽器も弾けるのと同じようなことと似ています。

もちろん、同じ弦楽器なら他の弦楽器も奏でやすいけれど、ピアノはできないことはあると思います。同様に日本人は漢字を知っているから、中国語は漢字を見ただけで多少意味が予測できる、というのにも似ていると思います。

 

また、一つのスポーツができると、筋肉や体力もついているので他のスポーツも習得するのが早かったりしますが、これも同じ原理だと思います。

一度語学習得方法を覚えると、他言語に対しても勉強の仕方という意味では似ているため、3言語できると4、5言語の習得がしやすいのかもしれません。

スポーツに関しては運動神経が関係しますし、音楽に関しても絶対音感なんていう言葉もあるので何かしらの特殊な技術、能力も関係することもあるでしょう。

 

言語は特殊技能ではないので、何より大事なのは練習量ではないでしょうか。語学もその練習量、学習量がそのレベルに反映されるものだと思います。

 

言語は先天性の能力や環境か?

語学は先天性のものか後天性のモノか…。これは生まれつきの能力というよりは、生まれた環境などのことをお話したいと思います。

私は元々アルファベットなども苦手でしたし、英語も苦手でした。周囲に比べれば早い段階で海外在住していたので、外国語のインプット量という意味では多かったと思います。

確かに世の中には語学が苦手な人もいれば、多言語話せる人もいますが、それは生まれつきの能力よりは育った環境の方が関係していると思っています。特に国によっては、最初から多言語国家という国も多くあります。

 

それを環境のお陰と言えばそれまでですが、日常生活の中でどれだけその言語に触れてきたかが重要なんだと思います。

 

つまり、生まれ持っての能力というよりは、生まれた環境というのは一つの要素かもしれません。日本は特に単一言語国家で島国でもあるので、日本語以外を耳にする機会が少ない環境とは言えるでしょう。

例えばスイスでは一つの国で公用語が4つあり、アジアの国の中にはマレーシアやシンガポールのような多民族国家の国で、多くの言葉が使用されている国もあります。

また、アフリカでも昔の領地の影響もあり、公用語は英語やフランス語ですが、アフリカの民族毎に言語が異なるため、やはり多言語環境とも言えます。

 

そういう点では、日本は言語学習においては環境的には不利な国かもしれません。

 

→ 大学での勉強を通じて語学力も向上した。

 

大事なことは語学が好きか嫌いか

語学習得で、一番大事なことは語学が好きか嫌いかだと思います。

その言語が好きであれば、言語に触れている時間も長くなる傾向にあります。

 

どんな人間にも1日は24時間しかありません。語学ができる人はその24時間の中で外国語に触れている時間が長い、言語インプット量が多いはずです。

 

また、海外留学していれば、その言語に触れる機会は多いので、言語の伸びるスピードも速いでしょう。しかし、ただ海外に住んでいるだけで、日本人留学生と日本語ばかり話していれば、語学力も伸びないのは明らかです。

もう一つ大事なのは、コミュニケーションでしょう。外国語でコミュニケーションが取りたい、その国の人たちと話したい、という想いが強ければ、語学の勉強に繋がるんだと思います。

私もイギリスやフランスでは大学に通っていたので、その言語に触れる機会は多く、「話す・聞く」だけではなく、「読み・書き」も多くしてきました。日常生活も含めて、インプットの量が語学学習にも関係するんだと思います。

 

→ 自分の好きなことを見つけて、それを外国語で触れるのがお勧め!

 

語学は「目標」ではなく「手段」

イギリスやフランスの大学に入るためには、まずは語学力が必要です。しかし、それはまず一つの目標で、その後は語学そのものの勉強ではなく、他言語で他教科の勉強をしていました。

語学を好きなことも大事な事ですが、語学は「目標」ではありません。語学というのは何かをする為の「手段」でしかありません。

 

語学学習者は語学を学習することが「目標」になっていることがありますが、何か好きなことや、その言語で何かしたいという言語学習(習得)のその先の「目標」がないと、語学の勉強を続けることが難しくなります。

 

まずは小さな目標でも良いので、「海外に行った時にレストランでメニューが分かるようになって、好きなものを注文して食べたい。」、「海外に行った時に買い物に困らないようにしたい。」とかでも良いと思います。

語学は得意不得意、向き不向き、そして生まれつきの能力があるかも…と思って諦める方もいると思います。

けれど、実際何よりも大事なことは、やる気と好きという気持ち、そして「目標設定」だと思います。私もそれで言語が話せるようになったと思っているので、皆さんも頑張ってください。

 

→ 大学へ行く「目標」のために語学の勉強をしていた。

 

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