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カテゴリー:留学の準備

【コロナ VS 海外旅行保険】保険がどこまで使えるか、補償されるかを調べてみた!

公開:2020/05/27 著者:中埜 紗貴 1654 Views

コロナウイルスの影響で、みなさんの生活に支障が出ている方もいるかと思います…。

留学やワーキングホリデーで渡航している人も、今回の不測な事態で緊急帰国されている方もいますよね…。

 

この数週間、弊社でも「こんな急な事態だし、せっかく加入した海外旅行保険は何か適用されないの?」という声をいただきます。

 

せっかく高いお金を払って加入したのだから、何かしら補償してほしいですよね!

手続きする側の私が言うのもなんですが…私もそう思っています。

そういうわけで、今回はコロナウイルス関連でどこまで海外旅行保険が補償されるかお伝えできればと思います。

コロナウイルスに感染して亡くなる場合

もし留学先でコロナウイルスが原因で亡くなる場合は「疾病死亡」という補償が適用されます。

海外旅行保険の死亡補償には、「傷害死亡」と「疾病死亡」の2種類があります。

傷害死亡は怪我が原因で亡くなった場合の補償に対して、疾病死亡は病気が原因で亡くなった場合の補償の事を指します。

 

コロナウイルスは病原体なので、今回は疾病死亡に当てはまります。

 

ちなみに傷害死亡と疾病死亡の2つの補償では、一般的に傷害死亡補償の方が補償額は高くなるので、疾病死亡補償は金額として低めのケースが多いです。

留学中に亡くなることはもちろん、保険期間終了後72時間以内に治療を開始し、治療開始から30日以内に亡くなった場合も補償されます。

そのため約款上では、帰国してから72時間以上経って発覚したコロナウイルスは補償の対象外ということになります。

 

ただ、今回のコロナウイルスがイレギュラーなものなので、金融庁および厚生労働省の要請により、弾力的な対応を求められており、現在各社が1類から4類感染症と同様に帰国後30日まで補償範囲を広げる方向で動いているようです。

 

今後のコロナウイルスの感染者数や状況によってルールも変わってくるので、もしも帰国後感染が確認できたら、保険の相談をしてみましょう。

 

コロナウイルスに感染した場合

もしも自分がコロナウイルスに感染した場合、現地で発症したものとみなされれば「治療費用」という補償が適用されます。

治療費用とは、留学先で怪我や病気が原因で治療をする場合の補償です。今回のコロナウイルスの場合は、「病気」に該当しますね。

どのような補償がされるかというと、病院での診察やお薬代だけでなく、入院費や手術費などが補償されます。もちろん補償金額に上限がありますが、なんと自宅から病院までの交通費、入院の時に必要な生活用品に関してまでも補償となります。

 

コロナウイルスに感染したら、病院に受診する時の一通りの補償がされるので安心ですね!

 

帰国して機内でPCR検査を受けて帰国後すぐに陽性と判断され治療が開始されれば、今後のコロナウイルスの治療に関しては保険が適用されるということになります。

先ほど疾病死亡の項目でも伝えた通り、日本でコロナウイルスと判明した場合、保険終了日から72時間以内に治療を開始しないと補償されません。

こちらも上記でちらっと説明しましたが、コロナウイルスの状況次第で保険のルールが変わってくるので、心当たりのある方は一度加入した保険会社に相談してみましょう!もし陰性が出た場合、注意してほしいのが隔離期間です。

 

厚生労働省の隔離について

3月28日午前0時以降にインドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、イスラエル、カタール、コンゴ民主共和国、バーレーンを出発され日本に到着する航空機及び日本の港に入港する船舶に乗って来られた方、又はそれ以外の全ての国・地域を出発された方で、4月3日0時以降に日本に到着する航空機及び日本の港に入港する船舶に乗って来られた方には、検疫法での隔離・停留が必要な場合のほか、検疫所長が指定する場所(自宅等)において14日間の待機をお願いすることとなります。

出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/index.html

 

海外旅行保険は「海外で発症した病気や怪我などを補償してくれる保険」です。

そのため、隔離期間は病気とはみなされないため、残念ながら自身で負担した宿泊費や食費などは海外旅行保険では適用されません。

 

コロナウイルスで海外の病院で入院する場合

先ほど入院費に関しては、疾病治療費用で補償されるとお話ししました。もし自分がコロナウイルスに感染して海外の病院に入院することになる場合…知り合いや頼れる人もいないし、心細いですよね。

きっと日本にいるご家族様も「子供のもとに駆け付けたい!」と懇願している方もいると思います。

そんな時は、「救援者費用」という補償が役に立つと思います。

 

救援者費用では、もしご自身が海外の病院に3日以上入院した場合にご家族様が駆けつける場合の往復の航空券や宿泊費用、現地での交通費などが補償されます。

また現地で亡くなった場合の遺体輸送費用もこの補償に含まれています。

本来であれは、この救援者費用でかかった費用は全額保険でおりると思いますよね?しかし、保険会社の約款には「社会通念上妥当な金額」を支払うと書いてあります。

 

救援費用

保険契約者、被保険者または被保険者の親族が支出した費用で社会通念上妥当な次の費用をお支払いします。

出典: ジェイアイ傷害火災保険
https://www.jihoken.co.jp/

 

例えば、このような状況になったらどうでしょうか。

 

1. 留学しているAさんがコロナウイルスに感染。入院して3日以上経過しているから、親戚も含めて10人でAさんのもとに駆け付ける。
2. Aさんも無症状で特に問題もなさそうだし、せっかくの海外だから3週間ほど旅行して高級ホテルに泊まって帰国することに。
3. 帰りは旅疲れもあるのでファーストクラスで帰国。

 

このAさんの事例を見てどう思いますか?いろいろと突っ込みどころの多い例にはなりますが…。(笑)

まず1つめのNGポイントは「10人で駆けつける」という部分です。Aさんの緊急事態に家族だけではなく、親戚も含めて駆けつけることと、人数が多い気がしますよね。

次のNGポイントは、「3週間ほど旅行して高級ホテルに泊まる」という部分です。Aさんが問題ない場合はすぐに帰国すればいいはずが、ちょっと観光して帰国となると本来の趣旨と大きく外れてしまいますよね…?

 

そして、最後のNGポイントは「ファーストクラスで帰国」という部分です。急な帰国でフライトが取れなかったにしても、現地を観光してファーストクラスで帰国となると故意犯の可能性が高いですよね?

実際、保険金を支払う保険会社としても、Aさんの容態が心配で海外に駆け付けるAさん家族に対して、高級ホテルや大人数での渡航費用を全額支払うのはためらわれると思います。

そのような不正がないように、保険会社としても保険金は常識的にかかる費用のみ支払うといった制限を設けているんですね。駆けつける人数やお支払いできる費用に関しては、保険会社ごとで制限に違いがあると思うので、加入前にしっかり確認しておきましょう!

 

乗るはずの飛行機が欠航になった場合

留学も終盤にさしかかり、あと2週間後に帰国!残りの留学生活も頑張っていこうという時に留学先がロックダウン!

国や学校からも帰国するように促され、乗るはずの飛行機が欠航になって仕方なく早めに帰国しないといけない…そんな時は「航空機遅延費用」という補償が適用されるかと思います。

航空機遅延費用とは、乗るはずの飛行機が6時間以上の遅延や欠航した場合に、航空券や食事代、宿泊費などが補償される項目です。ここで注意して欲しいのは、自己判断で帰国する場合は補償の対象外ということです。

 

1. 航空機遅延費用の補償をしっかりつけて留学先へ出発!
2. 帰国予定日は4月の下旬だけど、3月中旬にコロナウイルスの影響で、語学学校が休校になった。
3. 航空会社からは欠航などの連絡はないが、みんな帰国するし自分も帰国することにした。

 

この場合は、残念ながら補償の対象外となってしまいます…。上記の場合は、航空会社から欠航のお知らせもなく、自分自身で帰国することを判断しているので、保険がおりる可能性が極めて低いと考えられます。

「語学学校も休校になっちゃうし、帰国しないといけない状況なのに!」と思う方も多いと思います。(私もそう思います…T_T)

保険会社としても「でも欠航や遅延になってないならルールに則って、自分自身の判断で別途予約した航空券については保険金を支払えないよ!」という回答となってしまいますので、ここは仕方のない部分にはなってしまいます…(汗)

 

保険金の請求には、必ず航空会社からの遅延または欠航証明書が必要になってくるので、今回の補償に関して該当している方は必ず航空会社から取り寄せましょう。

 

航空会社に電話してもつながらなくて入手が困難な場合は、保険会社に一度相談しましょう。

 

家族がコロナウイルスで不幸に遭った場合

もし自分が留学している最中に家族がコロナウイルスに感染して危篤・または亡くなってしまった場合…もちろん日本に帰国したいですよね。

こうした場合には、「緊急一時帰国費用補償特約」という補償特約をチェックしていきましょう!

緊急一時帰国費用とは、自分から見て第二親等の方が「死亡・危篤・行方不明や遭難」いずれかに該当した場合に、補償されるという保険です。

 

ただ、補償の条件として「身内が危篤状態になってから10日以内に日本に帰国しないといけない」や「帰国してから30日以内に留学先に戻らないといけない」といった利用条件は当然あります。

条件をクリアしていれば往復の航空券や空港から自宅までの交通費、ホテルに宿泊する場合の費用など帰国のための費用が幅広く補償されるので、とても心強いです!

そもそも「第二親等」とは、どこまでの範囲の事を言うのでしょうか…?以下、図にしてみました。

 

 

ピンク枠が第1親等で、青枠が第二親等になります。この青色までの範囲が対象になるので、おじさんおばさん、いとこなどは対象外になりますね。

ここで注意が必要なのは「既往症は対象外」ということです。例えば、留学に行く前に身内の誰かが既にコロナウイルスに感染している場合は、旅行前から分かっている病気(既往症)のため、補償の対象外になります。

あくまでも、留学中に身内がコロナウイルスに感染が発覚した場合が、補償の条件になりますね。また、帰国してから留学先に戻らない場合も補償の対象外になります。

 

【まとめ】 自己判断せずに保険会社に確認を!

 

いかがでしたか?

保険会社によってもルールや制限など異なる部分もあります。このコラムを読んで「私の場合補償の対象外かも…」と自己判断せずに、まずは電話で保険会社の事故受付センターに相談してみましょう!

状況によっては、保険がおりる可能性もあるかもしれません。また、今後保険に加入する時や留学前の方などは、こうした情報や事例をしっかり押さえた上で、保険選びをしていけると良いですよね。

 

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