ワーキングホリデーとは?留学との違い・特徴・メリット・デメリットをプロが徹底解説!
ワーキングホリデー(ワーホリ)とは、「海外(ワーキングホリデー協定国)に渡航をして休暇を楽しみながら、働くこともできる」という制度の事です。
おそらく…ワーホリって名前は聞いたことあるけどよく分からない…。
それって、海外で働けるビザの事でしょ?
こんな風に何とな~く把握している人がほとんどではないでしょうか?
そこで、この記事ではプロの目から「ワーキングホリデーとは一体何なのか?」を徹底解説していきます。
また、「ワーホリの特徴やメリット・デメリットは何なのか?」という部分もバッチリ紹介していきます。
「ワーキングホリデー制度=ワーキングホリデービザ」ではない
まずは、ワーキングホリデービザの成り立ちを簡単に見ていきましょう。
日本におけるワーキングホリデーは、日本とオーストラリアとの間で1980年に結ばれた協定から始まります。
そのやり取りを簡単に説明すると、以下のような感じです。(笑)
ワーキングホリデー制度とビザの名前が同じなので、「ワーキングホリデー=ワーキングホリデービザ」と思っている方が多いと思います。
もちろん間違ってはいないのですが…正確には”制度”と”ビザ”なので完全なイコールではありません。
そのため、ワーキングホリデー制度とは、こんな風に大まかな理解をしておきましょう!
ワーキングホリデー制度は、最初に国同士での交流目的があり、次に制度が作られた。そして、最後に制度に合わせてビザができた。
日本とオーストラリアが最初に結んだ提携に続いて、他国とも「じゃあ、ぜひウチの国ともやりましょう~。」という話になり、今日までにだんだんと協定国が増えていったんですね。
このステキな制度を上手に使えるように、まずはワーキングホリデー制度の大元をバッチリ理解していきましょう。
ワーキングホリデー制度が利用できる国一覧
改めて、ワーキングホリデー制度とは「国と国が1:1で個別に話し合って、じゃあ特別に作ろうか!」という2ヵ国の合意のもとで作られる特殊な制度の事です。
なので、当然ワーキングホリデーができる国(合意がある国)とできない国(合意がない国)の2タイプがあります。
一方の国が「ぜひウチとワーキングホリデー制度やろうよ!」と声を掛けても、もう一方の国が「いやいや、ウチはやらないよ~。」と意見が分かれてしまったら実現しないのです。
私たち一般人からしたら、「全部の国でそうした制度があった方が便利で良さそう!」と思いますよね?
でも、各国にもいろいろな心配点や事情があって、そう簡単な話でもないのです。
ワーキングホリデーを受け入れる国にとっては、以下のような心配事があるのです。
そのため、「全世界の国でワーキングホリデーを実現しよう!」というのは正直なかなか難しいのが実情です。
誰もが知るアメリカでさえ、ワーキングホリデー制度を実現していません。
2020年現時点では、ワーキングホリデー制度が利用できる国は下記のようになっています。
・ニュージーランド
・カナダ
・韓国
・フランス
・ドイツ
・イギリス
・アイルランド
・デンマーク
・台湾
・香港
・ノルウェー
・ポーランド
・ポルトガル
・スロバキア
・オーストリア
・ハンガリー
・スペイン
・アルゼンチン
・チェコ
・チリ
・アイスランド
・リトアニア
・スウェーデン
・エストニア(2020年3月11日開始)
・オランダ(2020年4月11日開始)
結構たくさんありますよね!?全体の傾向として、ワーキングホリデー提携国は年が進んで行くにつれて着実に増えて行っているので、今後はもっともっと行ける国が多くなるはずです。
なんと2015年からの過去5年間で13ヵ国も増えているのです!
ちなみに、現在マルタでもワーキングホリデー制度の話が出ていますので、マルタに長期滞在したい人などは要注目ですね。
ワーキングホリデー制度の基本ルールとローカルルール
ワーキングホリデー制度は、「2ヵ国間の国同士の同意」で作られます。
基本の大枠は同じなのですが、細かな所は国毎によってローカルルールとして少しずつ異なります。
例えば、こんな感じです。
ワーキングホリデーの基本的な大枠ルール
・利用できるのは若者だけ(31歳以上は利用できない)
・その国に対して1回だけしか使えない
・滞在期間は最大1年間
・学校や仕事ができる期間には制限がある
国毎の特別な例外ルール(ローカルルール)
・条件を満たせば最大3年間滞在しても良いよ(オーストラリア)
・滞在期間は最大2年だよ(イギリス)
・学校や仕事も自由にして良いよ(イギリス/アイルランド)
各国の例外ルールについては、単純にお互いの国が「それでOK!」と言えば、そのルールになります。逆に、どちらかの国が「それはちょっと…」となれば、制限が設けられるという感じです。
また、国毎に見ていくと例外ルールは結構細かいのですが、基本的に各国はこんな風に考えています。
下記にワーキングホリデー人気国でのルールをずらっと一覧表にしてみたので、ぜひチェックしてみましょう~。
人気の渡航国のルール一覧(2020年時点)
国 | 滞在期間 | 就学期間 | 就労期間 | 年齢 | 申請費 |
オーストラリア | 最大3年 | 4ヶ月 | 同じ勤務先で6ヶ月まで(※1) | 18~35歳(※2) | 485ドル |
カナダ | 1年 | 6ヶ月 | 制限なし | 18~30歳 | 338ドル |
ニュージーランド | 最大1年3ヵ月 | 6ヶ月 | 制限なし | 18~30歳 | 無料 + 健康診断費用 |
イギリス(※3) | 2年 | 制限なし | 制限なし | 18~30歳 | 244ポンド |
アイルランド | 1年 | 制限なし | 1週間に最大39時間 | 18~30歳 | 13,800円 |
(※1)特定の仕事内容(農業や畜産)、北オーストラリア地域での特定の業種、山火事の復旧作業であれば、同じ勤務先(同一雇用主の下)であっても6ヶ月以上働けます。
(※2)2020年時点では、日本国籍は18歳~30歳となっています。(カナダ人、フランス人、アイルランド人のみ35歳まで応募可能)
(※3)イギリスはYouth Mobility Scheme(YMS)という就労ビザで正確にはワーキングホリデービザではありませんが、ここでは便宜上ワーキングホリデービザとして分類しています。
こうしてみると、「大枠は同じだけれど、細かな所はちょくちょく違っているな~。」というのがよく分かるのではないでしょうか?
ちなみに、「当初はこうだったけど、こうしたルールに変更しますよ」と国の都合で途中からルールが急に変わることも珍しくありません。
渡航する国のワーキングホリデールールは、渡航前にバッチリ押さえていきましょう!
>次のページでは、ワーキングホリデーを国毎に徹底比較をしていきたいと思います!