社会人留学・ワーホリってどんな感じ?著者が感じたメリットをご紹介します!
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
私はワーホリビザでカナダに来る前、日本で正社員として8年間働いていました。ワーホリを検討し始めた時に一番考えねばならなかったのは、会社を辞めるリスクでした。
社会人8年目ともなると、社内でのポジションも年収も安定していて非常に好条件で働けていました。その安定を捨てて新しい環境で生活を始めるリスクを考えると、なかなか一歩が踏み出せませんでした。
「こんなことなら大学生のうちにワーホリに行っておけば良かった…。」と後悔したりもしました。
けれども、実際に会社を退職してカナダワーホリを決行してみると、「社会人生活を経てからのワーホリで良かった!」と思える側面がいくつかありました。
そこで今回のコラムでは、社会人経験を積んだ後のワーホリで私が感じたメリットをお伝えしていきます。
本コラムが「社会人留学やワーホリってどんな感じなのかな?」と不安がある方の参考になれば嬉しく思います。
金銭的余裕があった
まずワーホリ中の私にとって一番心の支えになったのは、金銭的な安心感です。大学生だった頃と社会人時代の金銭状況は、比べ物にならないくらい違います。
私の場合は、社会人一年目から「いつか海外に住みたい!」という夢があったので、毎月の給料をできるだけ貯金して年二回のボーナスも全て貯蓄していました。
そんな生活を何年も続けていたので、ワーホリに行く頃には数年間仕事をしなくても衣食住できるお金を貯められていました。
ですから、ワーホリ中に「貯金がなくなりそう…。どうしよう…。」と頭を悩ませることはありませんでした。
もしも学生時代にカナダ生活をスタートさせていたら毎月使えるお金が限られていて、思う存分、海外生活を満喫できなかったかもしれません。
ワーホリ中は見るもの、聞くもの、口にするもの全てが新しく、お金さえあればそれらの経験が簡単に手に入ります。
突然の事故や病気の際にもまとまったお金が必要です。
したがって、金銭的な余裕は留学・ワーホリ生活に欠かせないと思います。
特にワーホリの場合は現地で働けるので、そこでの仕事をアテにして少ない貯金で渡航し「現地でなんとかしよう。」という考え方もできます。
ですが、現実にはすぐに仕事が見つかる保証はなく、途中で解雇される可能性もゼロではありません。
一方、十分な蓄えがあれば、仕事に困ったとしても生活苦には陥らないので精神的な不安が和らぎます。
お金の重みを理解していた
お金に関するメリットはもう1つありました。
それは、自分で稼いだお金で授業料や生活費を全て支払えた点です。留学・ワーホリ費用を全部自分でまかなったと言うと、「それのどこがメリットなの?」と思われてしまうかもしれません。
けれども、このように経験を自分のお金で買う行為は、留学・ワーホリ中の意識の持ち方を変えてくれるように思います。
仮に私が学生時代にワーホリを決行していれば、親に学費や滞在費用を出してもらっていたでしょう。一見すると、親にお金を出してもらえるのはメリットのように思えます。
しかし、学生の頃はお金を稼いだり貯金したりする苦労を実感する機会がほとんどありませんでした。お金は貴重なものだという理解はありましたが、100万円を稼ぐ苦労は知りませんでした。
一方、社会人になってからはお金を稼ぐ大変さや貯金する苦労を自分で体感しました。ですから、大金を費やしてワーホリを決行するからには「絶対にこのお金を無駄にしたくない!」という気持ちがより働いた気がします。
そんな気持ちがあったことで楽しそうなイベントがある日でも、大学や語学学校を1日も休まず「必ず英語を上達させる!」と強い意志で毎日を過ごせました。
もちろん、親にお金を出してもらったとしても浪費はしなかったはずです。
しかし、家族に頼りっぱなしの生活では、カナダ滞在中に甘えが生じていたかもしれませんし、自分を厳しく律することもできなかった可能性があります。
様々なトピックに対応できた
ワーホリ中は、学校でも職場でも幅広い世代の人々とコミュニケーションを取る機会がありました。
学校で関わる人は10代から30代がメイン、職場では20代から60代の人々と接点がありました。
その中で感じたのは、様々なトピックに対応できる教養があるとどの世代ともコミュニケーションが円滑に取れるということです。
日常会話ひとつを取ってみても、日々の出来事だけでなく文化、政治、経済、環境など話題は多様です。私の場合、特に政治や経済の知識は日本での社会人生活中に得ました。
これらの知識はカナダ人との日常会話だけでなく、学校でのディスカッションやプレゼンテーションの授業でも非常に役立ちました。また、現地で仕事を始めた時には、日本で社会人時代に習得したビジネスの基本を応用できました。
職場の仕組みや効率的な仕事の回し方をすでに日本で経験していたので、カナダでは上司から指示を受ける前に自分から積極的に動けたように思います。
文化や人々の価値観の違いに気付きやすい
日本での経験が多ければ多いほど、海外生活で異文化に気付きやすいと思います。
もしも大学に通学していた人であれば、日本と海外の学校生活における文化比較ができます。
履歴書を書いた経験があれば、日本にはフォーマットがあるけれど海外では必ずしもそれが一般的ではないことを面白く思うかもしれません。
同様にして、会社勤めをしていれば各国の労働環境を比べることも可能です。
例えば、北米と日本間にある、社員の転職に関する意識や性差による仕事内容や昇給制度の違いは、日本の会社で働いたからこそ気付けました。
また、文化面だけでなく個人の価値観の違いも、将来のキャリア構築に大きな影響を与えてくれると感じました。
日本に住んでいた頃に仕事を通じて何百人、何千人と出会いましたが、それでも海外ではこれまで知らなかった多様な価値観を持つ人と縁がありました。
新しい価値観を知って、今まで当たり前だと思っていたことが当たり前ではなく、自分にはもっと多くの可能性があることに気付きました。その結果、日頃の時間の使い方や仕事、将来設計がガラリと変わりました。
自分にとって最適なものを選ぶためには、より多くの選択肢の中から吟味する必要があります。
その選択肢を用意する上で、日本と海外での経験を並べて比較できたのは私にとって大きなメリットでした。
臨機応変にトラブル対応できる
思い返せば、社会人時代には様々なトラブルを経験しました。
それらのトラブルは自分一人で試行錯誤の末になんとか解決できたものから、上司の力を借りてやっとの思いで乗り越えられた問題まで多岐に渡ります。
当時は「なんでこんなことになるのだろう…。」と何もかもが嫌になりましたが、その経験はワーホリ中に活かせました。
土地勘のない海外や価値観が違う人同士のコミュニケーションにおいては、自分が想定していないトラブルが多々起きます。
けれども、社会人としての経験を糧(かて)に「過去にあれだけのトラブルを乗り越えられたのだから、今回もなんとかなるはず!」という気持ちで落ち着いて行動できました。
もし過去になんのトラブルもない平穏な日常だけを送っていたら、海外ではパニックになって冷静に対処できなかったかもしれません。
社会人時代に経験したトラブルとカナダで起きた問題は、もちろん全く同じではありません。しかし、よく考えてみると同じ対処法で解決できる場面もあったりして、日本で培った問題解決能力が海外でも活かせる結果となりました。
自分の心構え次第ではデメリットもメリットに変えられる!
社会人留学やワーホリというと、デメリットが多いと思われがちです。
確かに、日本の会社で安定した収入を得ていたり、それなりのポジションに就いていたりする場合は、リスクがあると感じる人もいるでしょう。
私も退職してワーホリに行くことを検討し始めた頃は、不安な気持ちでいっぱいでした。
けれども、実際に新しい環境に飛び込んでみると、社会人を経験したからこそ効率良く生活できたり学べたりした側面もありました。
また、「会社を辞めたことを後悔しないような海外生活にする!」という強い気持ちと行動力があれば、社会人留学やワーホリもキャリアチェンジの過程としてメリットになり得ると実感しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。