映画・海外ドラマを字幕なしで観る!必要な英語力と勉強法は?
こんにちは!英会話講師のいとうです。
英語を勉強し始めたばかりの方に話を聞くと、「映画を字幕なしで観たい!」と言われる方がとても多いですよね。最近ではNetflixやHuluなど、海外ドラマも身近な楽しみとなりました。
では、そんな映画や海外ドラマを字幕なしで観るために必要な英語力とは、どれくらいのレベルを指すのでしょうか?おすすめの勉強方法と合わせて見ていきましょう!
英語力が高くても全てを理解するのは難しい
映画や海外ドラマを字幕なしで観るのは、実は英語力が高い人にとっても意外と難易度が高いんです。
と言うのも、そもそも字幕なしで観た時の”理解”の度合いに、結構な差があるんですね。
どうでしょう?最初と最後では、だいぶ理解に差があると感じませんか?例えば、留学経験2年・TOEIC800点と仮定すると、おそらく「8割は理解できる」程度だと思います。
さらに、その時々、観る映画・海外ドラマの内容によっても変わりますよね。当然のことですが、法廷モノよりも日常のラブコメを描いた作品の方が、簡単です。
また俳優それぞれの話し方や訛り、出てくるスラングの量でも難易度に差が生まれるでしょう。とは言え、忘れてはいけないのは、「映画が理解できる」と「日常会話での英語が上手さ」はあまり関係ないという点。
そもそも、映画もドラマも、日本語でも100%完璧に理解するって、ものすごい集中力と知識量が必要ですよね?例えば歴史に対する知識が無ければ、織田信長がどうしたこうしたと話されてもよく分からないはず。
医療現場を題材にした作品でも、専門用語をすべて理解しながら観ている人なんて、あまりいないと思います。
しかし、100%理解できないからと言って、日常会話に困ることはありませんし、映画を楽しめないわけでもありません。
字幕なしで映画や海外ドラマを観る第一歩は、だいたいの流れを把握しながら最後まで観ること。
視聴の途中で「今の会話なんて言ったんだろう?」、「この単語が分からない…。」と、つまずいていては、最後まで集中できません。
「好きな作品を選ぶのが大切!」と言われるのは、そのためですよ。
映画や海外ドラマを字幕なしで観るために必要な英語力
それでは、映画や海外ドラマを字幕なしで観るためには、どのような英語力が必要なんでしょうか?
まず前述したとおり、題材やシーンによっては非常に聞き取りづらいことも多々ありますし、俳優の話し方や訛りでも変わります。そのため、リスニング力としては、教科書通りのきれいな英語ではなく、さまざまな人間が話す生の英語を理解する力が求められます。
また、必要な語彙力も作品によって変わりますが、ディズニーなどの子供向けアニメでもTOEIC700点程度と言われています。ただ、単語にこだわるとなかなか勉強も進みませんので、映画やドラマから”仕入れていく”というスタンスが良いかもしれませんね。
さらに作品の舞台となる時代により、使われるスラングや言い回しなども変わります。日本でも、時代劇と現代が舞台のドラマでは言葉が違うのと同じです。
最後に挙げた「推測力」「要約力」は、個人的に英語力を高めていく上でもっとも重要なポイントだと感じています。と言うのも、英語に限らず人間はさまざまな推測・要約をしながら会話を進めていくものだからです。
例えば、仕事で受ける電話で、「そちらの製品の〇〇を購入したのですが…。」から始まったら、「修理かな?クレームかな?」と推測しますよね。また、難しい言葉が出てきたら、前後の文脈から意味を推測することもあるでしょう。
このように、言語能力には推測力・要約力も含まれているのではないでしょうか。その辺りも意識しながら勉強をしていくと、会話の理解もグッとスムーズになりますよ!
映画や海外ドラマを字幕なしで観るための英語勉強法
残念ながら英語は「ある日突然聞き取れるように!」なんてことは無く、「これさえあれば3日で英語脳に!」という教材もありません。
地道にやっていくしかないのですが、地道な中でもコツは掴んでおく方が、上達スピードに大きな差が生まれます。
① リスニングと単語をセットで勉強する
「リスニングはたくさん聞いて勉強して、単語は書いて覚える…。」という勉強方法を取っている人は多いと思います。
間違いではないのですが、この方法では重要なポイントが完全に抜け落ちてしまうんですね。
それは、”英語は発音できないと聞き取れない”という点。
いくらたくさん聞いても、自分で発音できない限りは正しく聞き取れませんし、逆に発音できれば聞き取れるんです。
そのためリスニングは聞き流しではなく、丁寧に耳を傾ける勉強法がおすすめ。勉強に使う文章は、お気に入りの映画やドラマのセリフから抜き出してもいいですし、アプリや市販教材を使っても問題ありません。
ただ必ず、発音の練習をする・単語もセットで覚える、の2点を意識しましょう。新しい単語も、発音から学ぶことで定着しやすいですよ!
② 映画やドラマを使うなら1日10分ずつ進めよう
実際にお気に入りの映画やドラマを活用しながら勉強したい人は、一気に観るのではなく少しずつ進めるのがおすすめです。
1日10分が目安ですが、10分と言えども、会話としての量はかなりボリュームがあるはず。
そのため5分にしたり、ワンシーンにしたり、進めるペースは無理のない範囲でOK!勉強するときには、以下の順番でやってみてください。
これはディクテーションと呼ばれる勉強法を応用したものですが、丁寧に耳を傾けて調べ、さらに自分の声に出して練習することで身につきやすいおすすめの方法です。
実際にやってみるとかなり時間がかかりますが、「ココはこう言ってたんだ!」という発見や、「つながる音が苦手かも…。」という苦手ポイントの気付きも出てくるはず。
苦手ポイントが分かれば、学習計画も立てやすくなり、勉強がはかどりますよ。
【まとめ】 好きな作品を選んでコツコツと!
どんな内容でも字幕なしで…と考えたら、途方もない努力が必要です。(笑)私たち日本語ネイティブだって、日本語の映画・ドラマをすべて一発で理解できるとは限りませんよね。
まずは肩の力を抜いて、お気に入りの映画、やさしい内容のドラマを選ぶことが大事です。
そして、その作品を理解できるようになるためには、物理的な時間も費やしますので、コツコツ勉強していきましょう!