留学とTOEICの関係性って?バランス良く両立させるためのコツ
「留学」や「英語」と聞いて、TOEICをイメージする人は少なくありません。
今やTOEICは英語を学んでいない人にも広く知られた試験ですよね。
もしかしたら、この記事を読んでくれているあなたは「留学するからTOEICを受けないと…。」と準備していたり、「留学後にはハイスコアを!」と目標を掲げていたりするかもしれませんね。
しかし、なぜTOEICなんでしょう?留学とTOEICはどうつながるのでしょう??
確かに目標を持つことは素晴らしいですが、TOEICだけなら留学しなくても取れますし、すべての人にTOEICハイスコアが必要なわけでもありません。
多くの人にとって留学は期間限定です。なぜTOEICが必要なのか、留学で何をしたいのか、この2点をそれぞれ別物としてクリアにすると、帰国後のキャリアに活かせる留学経験になります。
今回はTOEICと留学の関係性についてのお話です。
留学そのものとTOEICはあまり関係ない
結論を言うと、留学そのものとTOEICはそれほど…というか全く関係しません。ご存知かもしれませんが、TOEICの世界的な知名度ってとても低いんです。
元々は日本人が、日本における国際コミュニケーション能力を高めるために作られたテストで、TOEIC受験の主要国は日本や台湾、韓国などのアジア圏。そのため留学時においても、TOEICスコアが必須なんてまず無いと考えていいでしょう。
もちろん海外でも英語学習関係者はTOEICの存在は知っていると思います。ただ、TOEICはリスニングとリーディングだけの内容で、総合的な英語力の指標にはなり得ませんよね。
そのため、TOEICのスコアと、”実際のコミュニケーションを英語で取れるかどうか”は別と考えるのが一般的。
海外の大学へ進むならTOEFLやIELTSの方が必要になり、ESL(語学学校)などに通う語学留学であれば特別必要な資格はありません。
TOEICは日本での就職や転職に活かすもの
では、「TOEICは全く役に立たないのか?」と言えば、そんなことはないんですね。TOEICが最も役に立つのは、日本での就職や転職など国内のビジネスシーンです。
TOEICを採用基準にしている企業は多く、たとえばNTT東日本では700点以上、楽天株式会社や住友不動産では800点以上、NTTコミュニケーションズでは850点以上を採用基準としています。
ハイスコアを取るほど選択肢は間違いなく広がりますし、採用基準にしていない企業でもアピールになるのは言うまでもありません。
一般的な感覚として、700点以上あれば「そこそこ英語が出来るんだな。」とイメージされ、800点以上なら仕事でも問題なく英語を使いこなせると認識されるでしょう。
また、最近は「TOEICなんて使えない。」という言葉も耳にしますが、TOEICは内容がビジネス中心です。そのためTOEICに必要な勉強を続けているだけでも、ビジネスに使える語彙力や表現力は身についていきます。
実際にTOEICスコアアップのために留学をする人は少なくありませんし、語学学校のTOEIC対策プログラムは人気が高いです。TOEIC対策での留学は、英語環境に身を置きながらのTOEIC特化の学習になりますので、短期間での大幅スコアアップも夢じゃないですよ。
一方で、まだ将来何をするかも決まっていない人・外資系などに興味がない人は、ここまで読んでTOEICは不要と感じたかもしれません。
もちろん、TOEICが全てでは無いのですが、日本で生きるならTOEICは強い武器になります。
やはりTOEFLやIELTSと比べてTOEICの知名度は圧倒的ですので、”誰もがひと目で分かる英語力の指標”として使えるんですね。
ハイスコアの高さだけではなく、例えば「半年間の留学でTOEIC500点から800点に上げました。」と言えば、その努力も高く評価されます。
今の時代、留学経験がある人はごまんといるので、それだけをアピールしてもインパクトにはやや不足…。私もかつてはあまりTOEICに興味がなく、会話や発音には自信があったのですが、それらをアピール出来るのは入社後なんですよね。(笑)
応募や面接段階で「留学経験があります。」といったアピールはさほど役に立たず、悔しい思いをしたことがたくさんありました。
留学経験って、可視化して初めて武器として使えるんです。
そのため、これから留学される方たちには、ぜひ留学中~帰国後のTOEICを受け、狙える限りのハイスコアを取って欲しいなと思います!
留学で得られるTOEIC以外の部分にも目を向けよう
留学はTOEICを取るためだけのものではありませんよね。就職・転職に役立てるなら、グローバル人材としてのアピール材料になるでしょう。
文科省の方針もあり、今では多くの企業が留学や英語、TOEICなどを採用の目安にしている点は先ほどお伝えした通り。しかし、これも前述したように、”留学経験があるだけ”なら他にもたくさんいますし、英語力だけで言えば留学経験がなくとも得意とする人も多いんです。
“留学経験を持つだけの人”と”留学経験はないけどプロフェッショナルな知識や技術がある人”とでは、おそらく後者が選ばれるでしょう。企業がグローバル人材としてのポイントを測るのは、留学経験の有無ではなく「留学で何をしたか」です。
インターンシップや専門留学が人気の理由はまさにそこなんですね。プラスαの経験値を付けることが、留学後の成功を導きます。
そしてプラスαの経験値は、一般的な語学留学やワーキングホリデーの場合でも、自分の行動次第でいくらでも高められるのがポイント。例えば、飲食業界で働きたい方がワーキングホリデーに行くのであれば、何か所かの飲食店で働き知識や技術を身につけつつ、業界分析も可能になりますよね。
また年齢が上であるほど、その経験から生まれるキャリアアンカー(仕事に対するブレない価値観)も企業が重視するポイントです。自分のキャリアアンカーをクリアに示せるほど面接で有利になりますので、留学中には自己分析をしっかりと行ってくださいね。
このように留学を就職・転職に役立てるなら、留学中に何がしたいか?どんな世界が見たくて海外に行くのか?を明確にしておきましょう!
留学での経験値UPとTOEIC学習をバランス良く両立させるコツ
では、留学生活での経験値を高めつつ、TOEICも進めていくためには?
今回はそのコツを2つお話していきます。
① 目標を第三者に相談する
目標を持つことが重要なんて、おそらくもう皆さん分かりきっていますよね。しかし、ひとりで完結しようとすると、目標があやふやだったり達成までの道筋が見えなかったり、そんな悩みにもぶつかると思います。
そこでおすすめしたいのは、第三者への相談。第三者へ相談する時には、頭の中で考えていることを言語化しなければいけませんよね。実はこのプロセスってとても重要で、言葉にするだけで人間の意識は大きく変わるんです。
まだ第三者へ相談することにより、自分ひとりで抱えている目標が、ある意味で”他者との約束”に変わるのもポイント。
丁度良いプレッシャーが自分にかかると、行動が変わります。
特にモヤモヤが大きい方は留学カウンセラーに相談してみましょう。カウンセラーに相談する最大のメリットは、言語化を引き出してくれること。
「目標は何ですか?」というシンプルな質問から、自分では掘り下げきれない部分まで引き出してくれます。さらに目標達成までのプロセスもよく知っている方たちですので、いつまでに何をすべきか、どこでどう行動すべきかも示してくれるでしょう。
私も英語学習でコーチを付けていますが、ひとりで抱えているのとは行動量に大きな差が生まれます!「何となく夢だった留学」を叶えたいなら、まずは相談する一歩から踏み出してみてくださいね。
② TOEIC学習は別で行う
留学でしっかり英語環境に身を置けるなら、何もしなくても自然とTOEICのスコアは上がる人がほとんど。
しかし、ハイスコアを狙うなら尚更、英語環境だけではどこかで頭打ちになるのもTOEICです。
と言うのも、TOEICは文法理解・頻出するビジネス英語用語・時間配分などが重要になるちょっと独特な側面を持っているんですね。
そのため、TOEICハイスコアを目標にするなら、留学中にはTOEICの学習は別で行うことをおすすめします。
海外の書店でもTOEIC関連の問題集は手に入りますが、日本語での解説がセットになっている方がベターです。
特に品詞・文型は基本としておさえておきたい部分ですので、まずは基礎的な内容の参考書、もしくは公式問題集が良いでしょう。
留学期間中は何かと忙しくなるものですが、1週間に一度でもいいのでTOEICと向き合う時間を作ると、結果にちゃんと反映されますよ。
【まとめ】 TOEICスコアは持っておきたい資格
留学とTOEICは直接関係するものではありません。しかし、留学経験を帰国後の自分に強みとして残したいなら、TOEICスコアは持っておいて損のないもの。
これらをひとつずつ明確にしていくと、目標達成までのステップを作っていけますよ!
箇条書きにしてみたりカウンセラーに相談してみたり、まずは一歩、踏み出せるのを応援しています。