VERSANTってどんなテスト?対策もしっかりチェック
「VERSANT(ヴァーサント)スピーキングテスト」という英語のテストをご存知でしょうか?
「最近よく聞く!」、「何となく気になるけどよく分からない…。」といった方が多いかもしれませんね。TOEICほどの知名度はないものの、最近では企業の英語研修などでも取り入れられているテストです。
今回は、VERSANTがどのようなテストなのか?高得点を得るための対策を解説します!
VERSANTってどんなテスト?まずは概要を知ろう
今回スポットを当てるのはVERSANTの「スピーキングテスト」です。ライティングテストもありますので、気になる方は公式サイトをチェックしてくださいね!
スマホがあればいつでも受験できるのがVERSANTのすごいところ。その上コンピューターによる自動採点でその場ですぐに認定証を発行してもらえます。
受験日程や場所が限定されているTOEICと比べると、かなり受けやすい印象を持つのではないでしょうか?また、試験内容そのものについても、TOEICとは大きな差があります。
TOEIC(L&R)で測れるのは「読む」・「聞く」の部分ですが、VERSANTは「話す」に軸を置いているテストなんですね。
現状はTOEICと比べると知名度は低いものの、グローバル系企業への就職・転職を考えている方は受けておいて損のないテストです。
ちなみにこのVERSANTを運営しているのは、日本経済新聞社とピアソン(Pearson)で、CEFRとも相関しています。
ちなみに、公式サイトからサンプルテストも受けられますので、興味がある方はチェックしてみましょう!
ちなみに、海外赴任に必要なスコアの目安は47点以上です!
VERSANT | CEFR | 英語力の目安 |
79-80 | C2-C2+ | 微妙な意味合いを、正確かつ自然に伝達できる。 |
69-78 | C1-C1+ | 流暢で自由な表現を、適切な単語・フレーズ・構文を使いこなして明確に話すことができる。 |
58-68 | B2-B2+ | 大きな負担を感じさせずに、さまざまな事柄の情報や視点を細かく明確に述べることができる。 |
47-57 | B1-B1+ | 身近な事柄において、伝えたいことの要点をかいつまんで述べることができる。 |
36-46 | A2-A2+ | 基本的な情報(仕事や経歴、家族、趣味など)について比較的スムーズに述べることができる。 |
26-35 | A1 | 個人的なことや、メジャーなテーマについて、簡単な単語・構文を使って述べることができる。 |
20-25 | A1以下 | A1で定義されるよりも下位レベルである。 |
(出典: VERSANT)
VERSANTスピーキングテストの試験内容は?
ここからは、VERSANTスピーキングテストの具体的な試験内容について解説します。
問題数は全部で63問あります。パートAからFに分かれているので、それぞれ詳しくお伝えしていきますね!
パートA: Reading 8問
画面に8つのセンテンスが映し出され、1つずつ読むように指示されます。「Now read, sentence 1」のように指示が出ますので、そのタイミングに合わせて読みましょう。時間内に読み終わるようにし、次のセンテンスに目を通しておくのがコツ。区切り・抑揚・つなげる部分などを意識して見つけてくださいね。
パートB: Repeat(16問)
16問のセンテンスを、音声のあとに続いてリピートします。最初は短いセンテンスですが、だんだん長くなります……。場合によっては多少の雑音が入ったり(おそらく意図的に)、早口だったりと難易度はそれぞれ。コンピューターによる採点ですので、そっくりそのまま真似るようにするのがコツです!
パートC: Questions(24問)
24問の質問に端的に答えていくパートです。例えば実際に出題された問題には「Where do you put milk to keep it cold?」というものがあります。これに対してのもっとも良い答え方は「Refrigerator」です。会話のように文章にせず、ただ単語で答えていきます。中には日常生活に馴染みのない質問も出ますので、慌てないように!
パートD: Sentence Buildings(10問)
ランダムに読み上げられる単語を、正しい語順にして答えます。このパートの難しいところは、画面に単語が表示されない点。それほど難しい単語は使われないのですが、集中して冷静に耳を傾けないと聞き逃してしまうので注意が必要です。
パートE: Story Retellings(3問)
リスニングした話を自分の言葉で要約する問題です。比較的ゆっくりとした聞き取りやすいスピードですが、内容を正確に聞き取るのがポイントに。英会話としてではなく、コンピューターが相手のテストですので、話の中で使われていた単語を用いてシンプルに要約しましょう。
パートF: Open Questions(2問)
自由回答の問題です。自分自身に関すること(趣味や家族など)について聞かれ、40秒以内に回答します。ノンフィクションじゃなくてもいいので、模範的な回答をするのがスコアアップへのコツになります。あまり難しく考えず、一般的な内容・英語で答えやすい回答が出来るように、想像力を働かせてくださいね。
VERSANT対策に良い勉強方法は?
TOEICと比べると問題数も少なく、リピート問題などもあるため、語彙力・文法力はそれほど高くなくても大丈夫です。
と言っても中学レベルの基礎文法や高校レベルの単語はマスターしておかないと、面接でアピール出来るほどのスコア取得は難しいでしょう。
その上で、VERSANTでスコアアップを狙うために必要なポイントは、以下の2点。
まずは「正確なリスニング力」についてですが、VERSANTでは画面に映し出されない文章の読み上げを聞いて答える問題が多いですよね。
読み上げられた文章を丸ごとリピートする問題もありますので、「だいたいの内容は分かる。」程度ではやや不足。
単語1つひとつまで聞き洩らさず、冠詞や消える音まで正確にキャッチする能力が求められるのです。
この「正確なリスニング力」を鍛えるのにおすすめな勉強方法は、ディクテーションとチャンクリーディングです。ディクテーションとはリスニングしながら、1つひとつの単語を正確に聞き取って書き出すトレーニングです。まさに「正確なリスニング力」を鍛えるには、ぴったりの方法と言えるでしょう。
もうひとつのチャンクリーディングとは、文章を前から順番に訳していくトレーニングです。単語ごとに区切るのではなく、カタマリごとに区切ってどんどん和訳していきます。
リーディング学習ではあるものの、「前から訳す癖」がつくため、リスニングするときにも耳に入ってくる英文がスムーズに理解できるようになりますよ!もちろん語彙力UPにも役立ちますので、ディクテーションとセットでおすすめしたい勉強方法です。
続いて「発音の正しさ」についてですが、こちらは少し注意が必要。というのも、最近では発音練習=オンライン英会話、のような流れがありますが、個人的にオンライン英会話はおすすめ出来ません。
VERSANTは、あくまでもコンピューターを相手にしたテストです。求められるのは英会話能力やコミュニケーション能力ではなく、コンピューターが認識できる範囲の模範解答が出来るかどうか。
オンライン英会話は自由度が高すぎて(そこが良いところでもあるのですが)、VERSANT対策には向かないんですね。
私は数十社のオンライン英会話を受講してきましたが、細かく間違いを指摘してくれる講師はほんのひと握りです…。
もし、あなたが既にオンライン英会話を利用していてVERSANT対策にも活用したいなら、まずは利用しているスクールのカリキュラムに「発音矯正」があるかチェックしてみてください。
無い場合でも、講師に自分で「発音を徹底的に練習したい。」と伝えましょう。
個人的におすすめしたいVERSANT対策としての発音練習は、ネイティブスピーカーによる読み上げがある教材のリピート・シャドーイングです。
私が知る限り、VERSANT用の教材はまだ出ていませんので、TOEIC公式問題集などで代用すると良いでしょう。
洋画や海外ドラマも良い教材ではあるのですが、慣れない内や初心者さんは機械的な音声の方が正しい発音を習得しやすいメリットがあります。もちろん、VERSANT対策以外なら、オンライン英会話も洋画もおすすめ出来る勉強方法です。
ただ、テストである以上はテストに合わせた対策が必要ですよね。その点を忘れずに進めましょう!
【まとめ】 ビジネス英語取得を目指そう!
VERSANTのスコアを採用条件にしている企業はまだありません。しかし、楽天やHiltonホテルなどでは、既にVERSANTを導入し、社員の英語スピーキング力向上に活用しています。
正確なリスニング力・要約力・回答の瞬発力を求められるのがVERSANTを受けるメリットです。実力試しに使うのも良いですが、しっかりとした対策をすればするほど、間違いなくビジネスの現場で役立つ英語力が鍛えられます。
「ビジネス英語を学びたいけど目標が曖昧…。」という方も、ぜひVERSANTにチャレンジしてみてくださいね!