スペイン留学で現地生活をするうえで、日本の生活習慣との違いを感じるのが彼らの食生活と1日の時間の流れではないでしょうか。特にスペインの食生活については、かなり日本の感覚と違うので驚く方も多いと思います。ここでは、食べることをこよなく愛するお国柄、スペインの食事事情と1日の時間の流れについてご紹介します。
スペインでは食事が生活の中心となっているため、軽食などを含み1日5回ほど食事をする文化です。さらにサマータイム中は日照時間が長く、夜10時頃まで日が出ていることもあり、食事の時間も2~3時間日本と違います。まず1日の始まりである朝食は、パンやクッキーにホットチョコレートのような軽めのもので済ませるのが一般的で、その後ランチとの間の11時くらいにまたサンドイッチのような軽食を取ります。そして、スペイン人の一日のメインの食事となるのは昼食で、午後2~3時ごろからゆっくり1~2時間ほどかけて、前菜、メイン、デザート、そしてワインまでも楽しみながら食事をし、午後4時頃にお店を出るのが一般的な流れです。
フルコースでランチを食べた後はシエスタと呼ばれる昼寝をする習慣がスペインにはありますが、最近では昼寝をするという習慣は大都市ではみられず、昼食の後の余った時間はジムや習い事に使っている方も多いです。夕方には仕事帰りに友人や同僚とバルに立ち寄って軽く一杯飲むのも普通です。最後の夕食はだいたい9時頃からとるため、家庭ではサラダやスープといった簡単な食事で済ませることも多いようです。
ここまでスペインの食生活と時間の流れについてご紹介させて頂きましたが、日本のライフスタイルとは大きな違いがありライフスタイルには驚かされます。スペイン留学への渡航へ向けて、事前にこのような違いを理解してから出発すると、現地の生活に溶け込みやすいでしょう。
平日のタイムスケジュール例
時間 | 詳細 |
---|---|
7:00~8:30 | 朝食、身支度 |
8:30~9:00 | 通学 |
9:30~14:00 | 授業 |
14:00~ | アクティビティ/自由時間 |
スペインでの生活情報
ホームステイ
スペイン人の家庭に滞在して生活を共にするスタイルです。授業以外でもスペイン語の環境に身を置くので生きたスペイン語が身につき、食事の時間は家族と会話をしながらスペインの文化や習慣に触れることができるのも大きなメリットです。ホームステイでは、部屋は個室一人部屋で、バス・トイレは共有のことが多く、食事は1日2食又は3食付きます。
ホームステイをするにあたって大切なのは、自分も家族の一員としてその家庭のルールや習慣を尊重することです。何かわからないことがあった場合は、遠慮せずその都度聞くようにしましょう。また、自分の部屋の整理や掃除などは自分でするのがマナーです。
シェアルーム
数人の学生が共にアパートに入居するスタイルのシェアルーム(シェアハウス)は、ホームステイに次いで主流となります。それぞれ個室があり、キッチンやリビングは共同で使って生活します。食事は提供されませんがキッチンが備わっているので自炊することができます。アパートにより設備や部屋数は異なりますが、一般的にテレビや家具が備え付けてあるところが多いため、初期費用を抑えて滞在したい方にはおすすめです。
ただし、ある程度スペインでの生活や習慣に慣れるまではホームステイに滞在し、慣れてきたら新たな生活の場や費用を抑えるためシェアハウスに引っ越すという流れをおすすめします。シェアアパートで暮らすうえで掃除や騒音などの生活問題は、気づいたらお互いにはっきり伝えて解決することが大切です。
スペインの食事・外食
豊かな食文化を持つ国として知られるスペインの食事は一般的に、 軽い朝食、間食、メインの昼食、間食、軽い夕食と、ずいぶん日本での習慣に違いがあるので最初は驚くはずです。スペインはヨーロッパでは珍しく魚介類をよく食べる国で、たこやイカなどを使った料理が多いのも特徴です。他にも肉や野菜、生ハム、ニンニク、オリーブオイルなどそれぞれの食材の持ち味を生かしてスペインならではの味わいを楽しむことができます。甘いデザートやお菓子も好んで食べられており、日本でも有名なチュロスやお米で作った甘いプリン等のスイーツも見逃せません。
公共交通機関
スペインの主要都市では、地下鉄が発達しており移動に困ることはありません。主要観光スポットの近くにはたいてい駅がありますし、地下鉄がない地方都市や小さな村では路線バスやトラムが便利でよく利用されています。地下鉄の運賃は日本と同じで区間によって異なります。チケットは1回券、10回券、1日券等から選択でき、1回券を買うよりも回数券の方がお得に設定されています。
地下鉄で日本と異なるところは、レバーやボタンを押してドアが開閉するタイプと自動ドアタイプがあり、車両によって異なります。小さな街では、徒歩での移動でもあまり時間がかからずに目的地につけるところもあるので、時間に余裕のある場合は散策がてら歩いてみるのもお勧めです。
スペインの治安事情
近年は警察や自治体などの取り組みにより改善されてきていますが、それでも地下鉄や混雑したデパートの店内などで観光客を狙ったスリや置き引きによる被害が報告されています。また、旧市街や人の多い観光地では単独犯ではなくグループで取り囲んで犯行に及ぶケースもあるので十分な注意が必要です。
外出の際は、パスポートや現金、カード類などの貴重品は極力持ち歩かないよう心掛けましょう。やむを得ず持ち歩く場合には、必ずファスナーがある中身が見えないバッグで、観光中はストラップを短くするなどして体にぴったりさせ脇に挟むように持ち、バックパックの場合は前にかけることを心掛けてください。
医療機関・医療レベル
スペインの医療レベルは、平均的に先進国と同等のレベルを持っているため安心して診察や治療を受けることが可能です。ただし、日本人の医師や日本語を話せる医師やスタッフは殆どいないため、持病がある場合は予め日本で英文の診断書を作成して持参しましょう。スペインでは、まず地域の担当医の診察を受けてから、必要な場合のみ専門医院を紹介される流れとなります。スペインの医療機関は公立と私立の2種類あり、基本的に公立は無料ですが私立は実費になります。
公立の医療機関は医療費が無料のため選ぶ方が多いですが、その場合は自分で病院や医者を選べませんし待ち時間も長いのがマイナス点です。反対に私立の医療機関では設備も充実しており、医師の医療技術も総体的に高いですが、その分医療費も高くなる傾向にあります。このような事情から、事前に日本で海外旅行保険に加入しておくことを強くお勧めします。
ショッピング関連
スペインでは、レストランなどの飲食店や娯楽施設などは日曜日や祝日でも営業していますが、デパートやショッピングモール、ブランドショップなどのお店は基本的にお休みです。また、スペインでは昼休みが午後2時頃から4時頃までというケースが多く、この間にゆっくり昼食をとる習慣があることから、営業時間内に中休みというものもあります。デパートやレストランの営業時間は個々に若干異なるとしても、 おおよそ下記の通りです。
・デパートやショッピングセンター: 月~土曜10:00~22:00
・レストラン: 営業時間13:30~16:00、20:30~23:00
各お店によっては、夏のバカンスシーズンに長期休暇を取る場合もあります。日本のような24時間営業のお店やコンビニエンスストアは殆どなく、遅い時間に急に必要なものが出てきた場合、気軽に買い物に行くことができませんので、営業時間内に購入しておくようにしましょう。
スペインの物価事情
スペインの物価は他のヨーロッパ諸国と比較すると安いと言われていますが、ユーロが導入されてからは以前より物価は上がっています。基本的にユーロ高なので、日本と同等か少し高いといった印象です。一言にスペインの物価と言っても地域差があり、南部は北部より、田舎は都会より物価が安いのがスペインです。特に外食をした場合は日本より少し高く、ランチが平均10~15ユーロ(1,300円~2,000円)、ディナーで20~40ユーロ(2,600円~5,300円)といった具合です。
一方、スペインは生鮮食品の値段が安いので自炊をすれば食費はかなり抑えられます。他にも、電車やタクシー等の公共機関もスペインでは比較的安く乗ることができます。地下鉄料金は1回300円程度で、10回分の回数券を購入すれば1回あたり150円くらいとかなりお得になります。タクシーの初乗りも270円程度なので気軽に利用可能です。※€1=132円で換算
スペインの税金
スペインの消費税に関して、日本と大きく異なり商品やサービスによって税率は異なります。「IVA」と呼ばれるスペインの消費税は3種類に分けられており、それぞれの税率の区分は以下の通りです。
・特別軽減税率4%: パン、卵、牛乳、野菜、本、雑誌、新聞、医薬品等の生活必需品
・軽減税率8%: 4%の税がかかる食品以外の食品、映画、演劇、レストランやホテルのサービス等
・標準税率21%: アルコール類、たばこ、CD等
※上記税率は当ページ作成当時のものであり、その後変更される場合があります。ご覧頂いた際、税率が異なっている場合はご了承ください。