12歳でのフランス留学 ~語学学習はどうしていたのか?~ 【後編】 | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

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12歳でのフランス留学 ~語学学習はどうしていたのか?~ 【後編】

公開:2019/12/18 著者:小松 久里子 374 Views

私は12歳から3年間、フランスにあった日本人全寮制学校に留学をしていました。

フランス留学と言っても、日系全寮制学校だったので、3年いてもさほどフランス語ができるようになりませんでした。

 

それでも、この留学のお陰で今の自分があり、その後の人生や語学向上には役に立っていると思っています。

 

前回は寮生活についてお送りしましたが、今回は語学学習を中心としたフランスでの生活をお送りします。

語学の授業

学校の授業は、基本的に日本の学校と同じなのですが、確かに語学の授業は多かったです。

英語は週5時間、フランス語は週3時間ありました。また、既に勉強済みであれば、フランス語以外にドイツ語の授業を選択することも可能でした。

中学1年生で英語も勉強するので、私たち中学1年生は英語とフランス語を同時に学習し始めなければなりませんでした。

 

2言語を同時に勉強すると言うのはなかなか困難で、どちらのレベルも低い時には両言語が混ざってしまうこともあります。

 

私もしばらくしてスペルミスなど英語とフランス語が混ざってしまったことがありました。

発音などに関しては全く異なるので、話す方ではそこまで問題はなかったです。というより、中学1年生の時はまだ会話ができるレベルにまで達していなかった、ということもあります。

 

→ フランス語に加えて英語も勉強しなければ行けなかった。

 

語学以外の授業

以前も書きましたが、語学の授業以外の美術と体育はフランス人の先生でした。

ですが、芸術のクラスとして、美術か音楽を選択することができ、音楽を選択すると日本人の先生でした。

また、体育も男女別で、女子はフランスの先生、男子は日本人の先生でした。と言うことは、私はフランスの先生の授業が週4時間ありましたが、音楽の授業を選択した男子はフランス人の先生の授業が0だったということになります。

 

じゃあ、フランス語で行う美術などの授業で「フランス語の向上につながったのか?」というと、実はそこで学習できたという認識が全くありません。

 

体育の先生は彼女が頑張って日本語を覚えてくれて、「走れ!」、「止まれ!」など単語を覚えてくれました。基本的にはダンスを踊る内容や、見様見真似で何とかなる内容が多かったです。

美術の授業は最初だけフランス語の日本人先生が通訳をしてくれて、大体内容を把握し言われたものを描いていく感じでした。

授業中先生にアドバイスをもらっても何を言っているのか分からないので、結局先生が私たちの絵に手を加えていき、「ああああ…。」と思っている間に全く違う絵になっていたりしました。描くもの自体は、すごくフランスぽかったと思います。

 

授業以外で触れるフランス語

校内の掃除の方、学食のスタッフさんなどはフランス人でした。あまり会話する事はなかったのですが、私は小さかったし沢山食べなかったので、いつも「少しにして下さい。」とフランス語でお願いしていました。

もちろん、お替りをする子たちも「おかわり下さい。」などのフランス語は覚え、そういう言葉は使えるようになっていました。でも、やはり日常会話をするというところにまでいきませんでした。

数人の生徒は、元々現地校に通ってから来ていたので、そういう子たちは食堂のフランス人スタッフさんと話をしていたと思います。

 

やはり言語は先にある程度できてこそ、現地でそれを使用でき、有効に活用できるものだと感じました。

 

言語力0で海外に行っても、そこから勉強を始めると、まず語学ができるようになるのに時間がかかり、その言語を使えるようになるまでに時間が掛かってしまいます。

 

→ 何もすることが無い時は、この渡り廊下をただただ歩いたりもしていた。

 

語学に関するカルチャーショック

実はこの学校は日系の学校でしたが、私のように日本から来た生徒だけでなく、主に海外在住の生徒も多く、その子達の中にはー日本人学校出身者、インターナショナル学校出身者、そして現地校出身者がいました。

この学校で一番驚いた事は、自分と同じくらいの年の子が、既に日本語だけでなく、英語も出来る子がいた事、そして、英語ではなくフランス語やドイツ語など他の言語ができる子がいた事でした。

さらに、中には日本語よりも英語ができる子もいて、いろんな意味でカルチャーショックを受けました。

 

学校以外での語学の勉強

語学ができなくては、外に出てもコミュニケーションが取れない。悔しくて、最初のうちは自習時間にもフランス語の勉強をしていました。ですが、普通の日本の学校と一緒で宿題もあるし、中間テストや期末テストもあります。

そうなると、なかなか語学の勉強だけをしている事も出来ない状態でした。

全寮制学校の中で、日本の環境にいると、なかなか語学学習ができる環境でないということが分かるでしょうか。

 

私の例は、恐らく語学学習と言う点においては、いい環境ではなかったと言えるでしょう。

 

しかし、この留学で学んだ事も多く、あの3年間があったからこそ、今の自分があると思っています。

以下では、12歳の留学経験で私が得た事、についてお送りします。

 

現地の人との交流

これまでもお伝えしてきた通り、私が12歳で留学した際の学校は日系の中高一貫校なので、生徒は基本日本人、せっかくフランスにいるのに、かなり日本環境でした。

このようなスタイルの学校は、多い時で世界に10校ほどあったのですが、今現在では数が減ってしまいましたが、それでも世界各国に数校存在しているようです。

このような環境で、実際現地の人との交流はどうしていたのかをご紹介します。

 

村の人との交流

学校が始まった頃は、周りの村の人も興味を持ってくれており、村の子供たちと遊ぶ機会もありました。私達も現地の子と仲良くなりたいと思い、数人のグループで遊びに行きました。そして、村の子たちも同じ年位のグループの子たちでした。

フランス語は全くできなかったのですが、それでも身振り手振りでコミュニケーションを取り、皆で週末に何度か村の公園や広場で遊んだりしていました。やはりお互いに1人じゃないと言うのが心強かったです。

村の子が日本人の子を招待してくれるような形で、それぞれのおうちに1人ずつお家に呼んでもらいました。別々の家でお昼を食べて、その後また村に集まって公園で遊ぶ、なんて事をしていました。

 

交流の継続の困難さ

ただ、平日は門限が6時だったこと、週末も学校での行事がありますし、テスト期間は遊べなくなる事で、その交流はずっと継続できるものではありませんでした。

お互いグループだったので、全員の予定を合わすのも難しくなり段々と交流が途絶えてしまいました。また、夏休みなど長期の休みが入ると、会う約束をするのも難しいのです。

また、言葉の壁は大きかったです。約束をするには電話をしなければならなかったのですが、電話で外国語を話すのは、直接会って会話をするよりも難しく、なかなか継続させられませんでした…。

 

→ 学校内でもテストや行事があるので、現地の同年代の子達との交流は続かなかった…。

 

ホームステイ制度

長期休暇や夏休みの時は、学校でホームステイ先を斡旋してくれました。私も中学2年生の夏休みに5週間ホームステイを経験しました。

このホームステイのお陰で、かなり語学力が伸びました。やはり、現地の人と過ごす時間とコミュニケーション時間は、かなり重要な要素です。

また、高校3年生は寮を出て、1年間現地の村でホームステイをして学校に通うことのできる制度もありました。この制度を利用した子はフランス大学入学を目指し、かなり語学力も上がります。ただし、高校3年生だけなので、私は利用できませんでした。

 

課外活動やイベント

回数は多くはないものの、現地のスポーツクラブなどに入ることも可能でした。また、文化祭などもあったので、このようなイベントは外からの人も参加することができます。つまり、こうした機会に知り合いや友達を作る事も、不可能ではありません。

私の2度目のフランス留学では、同じ地方の大学に留学しました。その時は、大学のフランス人の友達で、日本語を勉強している子と一緒にフランス留学し、その子は私の母校の高校生と友達になっていました。

 

環境によっては、留学しても語学力向上にあまり役に立たない事もあります。

 

ですがどんな状況でも、本当に頑張ればある程度現地の人と交流し、語学力向上も目指せます。

どこにいても、現地の人との交流をせず生活することもできるし、現地の人との交流を持つことも可能です。

ただし、前提条件として、交流できるだけの言語力は大事な要素となります。

 

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