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カテゴリー:現地生活情報

留学の色々ある恋愛事情 ~ヨーロッパと日本の恋愛感覚の違いについて~

公開:2020/02/26 著者:小松 久里子 8852 Views

海外留学をしていると、たまに「外国人の彼氏ができましたか?」、「外国人の彼氏がいますか?」と聞かれることがあります。

海外にいると、現地もしくは他の国の彼氏、彼女ができないかな…と思う方もいるのではないでしょうか?

私も留学中にも、周りで色んな恋愛事情を見てきました。もちろん、そういった恋愛事情は日本の大学生活も似たようなものだと思います。

 

特にフランスは、「愛の国」なんて言われたりしますが、フランスの恋愛事情は日本とはちょっと違うかなという印象があります。

 

そんな「愛の国」フランスから、留学の恋愛事情をお送りしたいと思います。

留学中の外国人の方との恋愛はアリか?ナシか?

留学というのは語学留学も含めれば数週間のものから長期1年以上のものもあります。それでもやはり期限の決まった留学生活のであり、そんな中で恋愛は可能なのでしょうか?

 

答えは”Yes”です。

 

たとえ期間が短くても、どんな出会いがあるかわかりません。もちろん、そんな出会いの中で人生の伴侶を見つけるような大恋愛をするのか…というと、そこは人それぞれなので分かりません。

私が出会った日本人留学生の中には、「外国人の彼を見つけるために海外に来た。」、「フランス人の旦那を見つけるために来た。」なんて言っていた強者にもお会いしたことがあります。

実際に彼氏ができたのか、フランスで結婚したのか、という事までは分からないのですが、そういう気持ちで留学、海外滞在をしている方もいなくはないという事です。また、意外と短期留学であっても外国人の彼氏ができたという話も耳にします。

 

ただ、フランス(ヨーロッパ)と日本では、付き合うまでの過程や付き合い方にも多少違いがあるようです。

 

ちょっとびっくり?!文化の違い、フランスの恋愛事情

フランスに来てびっくりしたことは、やはり恋愛観や恋愛するまでのステップ、付き合うまでのステップが日本とはかなり異なっていることでした。

それをよく分からずにいて、その違いに傷付く日本人留学生にも出会ったりしました。

私のその驚きなども含めて、フランス人の友達と話していて、びっくりすることが幾つかありました。そんな自分の経験や聞いたことを元に、フランスの恋愛事情について2点綴っていきたいと思います。

 

その① On sais jamais(やってみないと分からない)

フランスでは、”On sais jamais”という言葉を何度か耳にしたことがあるのですが、これは直訳すれば「絶対分からない。」という事です。「どうなるかなんて誰にも絶対分からない。」とか「やってみないと分からない。」そんな意味合いでしょうか。

あまりカッコよくない子が、とんでもない美人を狙っていたとして、周りは恐らく「絶対無理だよ。」と言うかもしれません。けれど、フランスでは「(やってみなければ)絶対分からない。」ということで、どんな状況でも相手がどんな高値の花でもとりあえず声を掛けてみる、誘ってみる、ということのようです。

ただし、これは当たって砕けろ、と告白をするという事ではなく、誰かを想い初めて、想って想って時間が経って、そして告白するというのではありません。

 

ちょっと良いなと思ったその時に、もっと気軽に声を掛ける感じです。

 

お茶に誘うとか、飲みに誘うとか、そんな段階の話だと思います。だからこそ、声も掛けやすいのかもしれません。

そしてこの時に相手から脈ありか、脈なしか分かるので引きずることなく、次に進んでいくんだと思います。

 

→ フランスでは相手を気に入ったら、気軽に声を掛けるのが一般的。先ずはお茶から!

 

その② とりあえず声を掛けてみる!

フランスの恋愛事情は、好きになったら、というよりもちょっと好意を持てた人や、「良いな。」と思った人がいたら、「とりあえず声を掛けてみる。」というのがフランスの恋愛の基本のようです。

もちろん、それが絶対ではないですし、個人個人の意見もあれば個人差もあります。だから「フランス人の恋愛はこう!」と決めつけることはできませんが、日本と比べると最初のとっかかりは違うというイメージです。

私の日本の恋愛のイメージというのは、まず誰かを好きになって、相手を想って、ある程度の期間想い続けて…いつかその「好き」という気持ちを伝えるために相手に告白するというイメージです。

 

そして、相手に自分の想いが伝われば、めでたく付き合うことになる…という感じではないでしょうか。もちろん、振られるために付き合うわけではないので、できれば両想いになりたい、相手と付き合いたいと思って告白するんだと思います。

もしくは、ただただ想いを伝えるためだけに、告白するパターンもあるかと思います。とりあえず自分の想いだけでも相手に知っておいて欲しい…。例えば相手がこの先どこか遠くに行ってしまうからその前に気持ちだけでも伝えておこうとか、相手に恋人がいても、自分の想いだけは伝えたい、なんていう事もあるんでしょうか。(これはドラマやマンガだけ?の世界でしょうか?)

フランスではそういうパターンが少ない気がします。そこまで想いふける前に相手に近づき、ダメなら次へ行く。これならば、ただただ想っている時間を無駄にすることもない、ということなのかもしれません。

 

恋愛観の違いはバレンタインデーにも反映されている

その後に何もないかもしれないけれど、気持ちだけ伝える、告白する、というのが日本では普通に起こることだと思います。

それはバレンタインデーの過ごし方にも繋がると思います。日本でバレンタインデーは「愛を告白する日」で、どちらかと言うと片思いの女性の日です。

もちろん既にカップルである人でも、自分の彼氏にチョコレートを渡す日です。そして、たとえ相手に彼氏彼女がいても、自分の想いを伝えるためにチョコレートを渡す人もいるかもしれません。

 

ですが、フランスなど欧米ではバレンタインデーは恋人、カップルの日です。

既にカップルである人たちが一緒に過ごす日で、どちらかというと男性が女性にプレゼントを渡す日です。

もちろんホワイトデーという日もありません。ホワイトデーがあるのは日本と韓国だけだと聞いたことがあります。

 

最初の「好き」には違いがある

それではフランス人(ヨーロッパ人)と日本人との間には、「好き」の違いがあるのでしょうか?

フランスでは良いなと思った子がいればとりあえず声を掛けて、相手が誘いに乗ってきてくれたら一緒にお茶に行ったり、一緒に飲みに行ったり、そして家に誘たりします。

 

この良いなと思う気持ちは、まだ「好き」になる前の「気に入っている」というくらいの想いだと思います。

 

ただただ遠くから見ているだけじゃ、その子の中身も性格も知らないし、自分と合うかもわかりません。遠くから見ているだけでは本当に相手を好きになるかも分からない。なので、とりあえず声を掛けてみて、お近づきになるということのようです。

またこの場合、同時期に声を掛ける子が複数いる時もあるし、声を掛けてダメだとすぐ次の子に声を掛ける姿も見かけます。

これは、本当に相手のことを好きかどうか一緒に過ごしてみないと分からないので、とりあえずちょっとでも「良いな」と思った子がいたら、声を掛けてみるということなんだと思います。

 

フランス人全員がそうだということではないのですが、彼らに言わせると「だって、声を掛けてみないと分からないじゃないか。」ということです。声を掛けてみなければ何も始まらない、声を掛けてOKがでればラッキーという軽い感覚です。

それに、それはまだ愛の告白でもないし、とりあえずちょっとでも良いなと思った子がいたら、声を掛けて一緒に遊びに行き、一緒に時間を過ごして、そこから好きかどうか確かめていく。そういうプロセスのようです。

けれど、日本は遠くから見ていたり、最初は友達関係だったりを経て、いつの日か「好き」になって、それから告白というプロセルなのかもしれません。

 

フランスでは告白がない?

もう一つフランス(ヨーロッパ)と日本の違いは「告白」です。フランスでは告白をするという文化がありません。けれど、日本には「告白」がつきものな気がします。日本ではまず相手を好きになって、相手に告白して、それから付き合う、というプロセスです。

一方、フランスでは相手のことを良いなと思って、声を掛けて、上手くいきそうなら一緒に出掛けていくうちにだんだんそれが友達から恋人になり、付き合い始める、という印象です。

なので、そのプロセスの間に「付き合いましょう。」という言葉もなく、徐々に相手と一緒にいる時間ができ、友達から付き合うに発展していくパターンが一般的です。発展というのは、友達としての一線をどこかで超えていくということです。

 

友達ではしない行動に発展していけば、自分と相手が友達以上になったと認識できるということなのです。

 

ですが、たまに友達以上の関係になっても、まだそこに「好き」という気持ちがない、まだ「好き」かどうか分からないというケースもあるようです。実際、体の関係があっても、「気に入っていたけど、好きにはなれなかった。」なんていうフランス人の子もいます。

そういう気持ちや付き合うまでのプロセスの違いがあまり分からず、日本人女性が泣かされるということもあります。

「海外では告白がない。」ということも聞いたことがあるかと思いますが、それがこのプロセスの違いです。では、「好き」とは、どういう事なんでしょうか。

 

「好き」は付き合ってから?

じゃあ、いつになったら「付き合っている。」と言えるのか?変にそこを相手に問いただしてみても、さらっとかわされてしまうこともあります。もっと言うと、驚くことに付き合っていても、相手の事を好きじゃない、というケースもあります。

これはたまに日本でもあるかもしれないのですが、誰かに告白されて、その人のことは好きではなかったけれど、何となくの流れで付き合ってみよう…と思う事はあるかもしれません。

そして、付き合ってみたけれど、やっぱりこの人の事は好きじゃない、もしくは他に好きな人がいて、その人の事が忘れられないということはあると思います。(これはドラマだけでしょうか?)

 

例えば、「女の子と付き合うことになった。」と言っていたフランス人の男の子に彼女を好きかと聞きました。

すると「付き合ってみないと好きかどうか分からないじゃないか。」との答えが返ってきたことがありました。

たとえ自分が誘っていても、誘われたとしても、ある程度良いなと思わなければ付き合わないとは思います。

 

フランス(ヨーロッパ)では実は好きだから付き合うのでなくて、とりあえず好きかな、好きかもしれない、という段階で相手と付き合ってみて、その後に好きかどうか確かめるという考え方があるようです。

 

なので、何か月か付き合ってみて、「やっぱり僕は君のことを好きじゃないみたいだ。」と言って別れたという話を聞いたこともあります。

好きだから付き合うのではなくて、先ずは好きかどうか確かめるために付き合う、と言うことのようです。

 

フランス語の”Je t’aime” と英語の”I love you” は日本語の「好きです。」とは違う?

好きになるかどうか確かめるために付き合うということは、どこで相手を「好き」になるんでしょうか?

実はここで日本語と英語、フランス語の違いが出てくるのですが、言葉の意味の違いが大きく関係してきます。

さらに面倒なのは、フランス語のaimerという動詞は、英語で言うlove とlikeの意味があります。ですが、Je t’aime(ジュテーム)はlove であってlikeではないと言うことです。

 

フランス語は「好きです」と「愛しています」の動詞自体は同じなんですが、その使い方によってlove にもlikeにもなります。

 

例えば、”J’aime des chocolats”私はチョコレートが好きです。と名詞が付いていれば「好き」と訳せます。

“I love chocolate”といったように、チョコレートが大好きな人はloveを使うこともあります。それくらい好きの気持ちが強いということではあるのですが、これが人の場合はまた異なってきます。

英語なら、「I love you.(愛しています。)」と「I like you.(好きです。)」とちゃんと違いがあり、likeの時は友達として好きであることが認識できると思います。

 

日本語だと逆に「好き」と言った時には友達として、友達以上にとその前に何か付けて言うケースもあると思います。

 

もちろんこれが「愛しています。」と日本語で言った時にはそれが恋愛感情だという事が分かります。フランス語はどうでしょうか?

 

・Je t’aime = 愛しています
→ これは皆さんの知る「愛しています。」の意味です。
・Je t’aime bien = 好きです
→ Bienは「良いね!」や「すごいですね。」の意味ですが、BIENが付いた Je t’aime bienと言うと「(友達として)好き」という意味になります。
・Je t’aime beaucoup = 大好きです / 愛しています
→ beaucoupはたくさん、大という意味なので、英語で言うvery much になります。「とても愛しています。」の意味にはなるんだと思うのですが、それでもやはり一般的にカップルの間ではJe t’aime が一般的だと思います。

 

最初相手を「良いな」と思う段階から「好き」になり、最期「Je t’aime(愛しています。)」になるという事です。これは英語でも同じだと思うのですが、付き合った時から相手に対して「I love you.」ではないと言うことです。

付き合っていく間に、ある時から感情が「好き」から「愛している」になるという事です。

なので、付き合う前から相手を「愛している」かは分からないので、付き合ってみて時間の経過と共に相手を理解して気持ちがいつか「愛している」になるということです。

 

→ 留学中の外国人の方との恋愛はアリだが、恋愛に対する考え方が違うので難しい側面も。

 

フランス語の「好き」という状況と、日本の「好き」という状況

では、フランス(ヨーロッパ)人はいつどこで「好き」を言うのでしょうか。一番よく耳にするのは家族同士かもしれません。家族になっているという事は、親子の間などには必ず愛情があり、母親が子供に、子供が両親に行っているという風景や映画のシーンも良く見かけます。

もちろん、付き合っていてある時、この人の事が本当に好きだなと思った時に言うんだと思います。そして、一度言葉にすると、フランス人に場合は結構頻繁に”Je t’aime”と言っている気がします。

その最初の「愛している。」にたどり着くまでに結構時間がかかることもあるのですが、その後は日本と違ってよく言っている気がします。

 

ドラマだけかもしれないですが、日本では付き合う前から「好きです。」や「愛しています。」というセリフを聞くことがある気がします。日本語は相手に面と向かって、(今だと電話、LINEなどでも)「好きです。」や「愛しています。」の両方を相手異性に使うことがあります。そして、その境目が曖昧な気がします。

まだ付き合っていなくてもドラマなどでは相手に「愛しています。」と言っている場面もありますが、フランスでは付き合う前にはそういうセリフを言うことはありません。そのため、逆にヨーロッパの人にしたら、日本の恋愛観も不思議に感じるのではないでしょうか?

先ほど出てきた”Je t’aime bien”は友達としては好きだけど…という意味になります。自分に好意を持ってくれている相手に対し、二人でお茶に行くとか、一緒に出掛けるという事があった時、”Je t’aime bien“を使うと、相手が「なんだ、自分に気がないのか…。」と気を悪くすることもあります。

 

恋愛観は人による

とは言え、先ほども言いましたが、「フランス人はこう。」、「ヨーロッパ人はこう。」「日本人はこう。」と決めつけることはできません。

ある程度、人それぞれとも言えますが、私がヨーロッパで経験してきて感じたことを元に綴ってみました。

 

今回記事で紹介した恋愛プロセスの相違により、国際恋愛関係も様々な問題が起こることもあります。

 

その違いを事前に理解していれば嫌な思いもせず、もしかしたら良い出会いに恵まれるかもしれません。

 

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