海外でも起こる?!フランスの日本人コミュニティでオトナのいじめにあった話 | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

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海外でも起こる?!フランスの日本人コミュニティでオトナのいじめにあった話

公開:2020/04/01 著者:小松 久里子 2726 Views

私は現在フランスの地方都市在住なのですが、先日フランス・パリに仕事に行き、日本人コミュニティの中で軽い「いじめ」にあって来ました。

大げさにいじめと言うほどのことでもないですが、日本人コミュニティの怖さを始めて体験しました。職場のいじめは日本ではよく起こることだと思いますが、まさか海外でもこんなことが起こるなんて想像しておらず、かなりびっくりしました。

けれど、大人になってから海外でいじめを体験したことによって、色んなものが見えた気がします。そこで今回はそんな自分の体験をもとに、日本人コミュニティのいじめや嫌がらせの特徴について述べたいと思います。

 

そしてこれは留学や海外滞在においてだけではなく、日本の職場のいじめやママ友のいじめ、そして学校内いじめなどにも繋がることだと思うので、ぜひ参考にしてほしいと思います。

いじめられた側の意見やいじめた側の意見というのもテレビなどでも最近取り上げられていましたが、私は自分の体験を元に色々分析をしてみました。

これがどこかで参考になればと思って、今回はちょっと変わった記事の内容ですが、少しでも多くの皆さんとシェアできれば良いなと思っています。

いじめにあった今回の仕事場について

今回の私の仕事の現場は、展示会のアテンド(通訳)スタッフというものでした。日本から来た出展者さんについて、もしくは彼らの代わりに商品説明を英語やフランス語で対応するというものです。

お客様は来場者のフランス人を含めた外国人の方、私たちの雇い主はフランスにある日本企業でしたが、その上に今回の出展者である日本からの方々がそのブースにいました。

展示会アテンドスタッフは現地の日本人が主で、こういった展示会のアテンドの仕事は大都市では結構人気の仕事です。

 

この仕事は、短期間でそこそこ稼げることと、仕事も通常そんなに大変な通訳ではないこともあるため、皆この仕事を取り合って得る印象があります。

私は以前からお仕事をしている日本からの出展者さんの依頼で、今回お仕事を引き受けたので、他のアテンドスタッフさんとは多少別枠で雇ってもらっていました。

しかしながら、雇い主は他のスタッフさんと一緒で、フランスにある日系企業さんが雇い主でした。

 

いじめの発端

最初に他のスタッフさんと揉め始め亀裂ができたのは、仕事の2日目でした。1日目が終わって業務上の修正や変更を提案したら、女ボス的スタッフがその提案を全て否定し、自分の思い通りに色々変更を提案しました。その様子は、さも自分が仕事ができる風を見せているように感じました。

しかしながら、1日目に全く仕事をしていなかった彼女の提案は全く役に立たず、とにかく仕事もできない上にこうして提案することで、自分が仕事ができる風を周りにアピールしているようにも思いました。そして、こういう発言や提案は、他の人には決して悪い印象は与えないと思います。

これは学校も同じで、こういう率先した学生は目立つし、クラスをまとめてくれたりして先生には好かれると思います。今回の仕事の雇い主も最初彼女のことを「知り合いが多く、顔も広く他のスタッフ集めもしてくれるんだよ。」と言っていました。なので、私も最初はそうなんだ、彼女は顔が広くて仕事のできる方なんだと認識していました。

 

上には良い顔をして、上司がいない時には他の目立つスタッフをいじめる、嫌がらせをする、こうすることによって自分の立場を確立していくんだと思います。

 

もちろん、誰でもいじめの対象になるわけではなく、雇い主にあたる会社の若いスタッフが女ボス的スタッフに注意をしても雇い主側の方が立場は上なので、年齢が若くともいじめの対象になんてなりません。

結局立場が同じでちょっと目立った行動をする邪魔な存在の弱者が目を付けられ、そのため今回最初に色々提案した私が邪魔な存在となったんだと思います。

また、彼女は職場で皆を集めその輪の中心におり、他のスタッフと一緒におしゃべりをしていました。その間、私が一人黙々と仕事をすることは目障りで、そういう私みたいなのが邪魔で蹴落とし、消していこうと思われていじめの対象となってしまったのかもしれません。

 

「いじめっ子」の特徴

いじめっ子と化した女ボス風の女性は、パッと見「できる女風」でした。

学校のいじめも同じだと思いますが、大抵いじめっ子はクラスの中心人物、どちらかと言うと目立つ強い人物だと思います。
そして、今回の職場でも彼女は周りとも上手くやっていたし、他のスタッフが彼女の取り巻きをしているように、周囲とも上手くいっている人でした。

 

これが学校という環境でも、いじめっ子は恐らく先生なんかとも上手くやっている人物なのではないだろうかと思います。

 

いじめられっ子の特徴

いじめられっ子としてターゲットにされるのは、どちらかと言うと周囲との会話が苦手だったり、積極的じゃなかったり、またコミュニケーションが苦手ではないかもしれませんが、社交的ではない可能性もあります。

私も仕事では英語を使ったりフランス語を使ったりコミュニケーションが大事な仕事をしていますが、実際の性格としてはあまり社交的ではありません。そんな理由もあり、そういうタイプの人がいじめのターゲットになる可能性もあるんだと思います。

また、何もしていないというのではなく、何かしら多少目立つことをしていじめっ子に目を付けられるというケースで、私も今回はそんな状況だったと考えられます。

 

今回の仕事では私も仕事先で兎に角仕事に集中して、あまり周りとのコミュニケーションに重点を置いていませんでした。

とにかく忙しかったため、特にお客様との対応に追われて内部とのコミュニケーションを重要視していませんでした。

そういう一人一生懸命仕事をしている姿が気に障ったのかも知れません。つまり「出る杭は打たれる」という現象でしょうか。

 

どんな形でも目立ってはいけない、そして一人でいるようにしてはいけない、ということです。一人でいるから、いじめや嫌がらせのターゲットになるんだとも思います。

 

いじめに発展するきっかけ

いじめのきっかけは本当に些細なことでしょう。例えば、他のスタッフが皆固まっていておしゃべりばかりしていた姿を目にしていました。そんな時、もし仮にその女ボスが一言でも私に対して否定的なことを周囲の取り巻きに言った場合、周りはそれに同調する力が働きます。

それはただ単に「いや、それは…」と言って彼女に嫌われるより、同調してしまった方が楽です。「そうね。」と言ってしまうことは決して難しいことではないし、あまり深く考えずにできることです。

 

人は皆何かに属したいものですし、だからこそこうして誰かに同調することによって、自分はグループに属していると感じることができるのです。

 

そんな風にいじめは本当に些細な感じで始まるのではないでしょうか。

仕事現場ではかなり忙しく、とにかく一生懸命働き、たまにふっと時間ができることがありました。そして、気が付くと他のスタッフが私と話をしてくれない、私に近づいてくれないという事に気が付きました。

これがそのいじめ、仲間外れの始まりです。そして、その女ボスと取り巻きが固まって、ずっとおしゃべりをして仕事をしないという状況が出来上がってしまったのです…。

 

そのため、仕事において最悪な状況になり、誰も動かない、仕事をしない、そのため私だけがずっと動きっぱなしという状況になりました。

誰も動かないのに、私だけがあっちこっちに動いて働かされるという事になります。

これもある意味嫌がらせ、いじめの最初の一歩に繋がるのではないでしょうか。

 

いじめや嫌がらせは些細なことが徐々に発展していく

これがエスカレートすれば、一人のいじめの対象者だけに仕事を押し付け、誰も仕事をしない、手助けしない、そうなると一人だけ休みなく働かされることになるわけです。

今回は期間がある程度短い仕事の現場でしたが、こうして一人が「あの子が気にくわない。」と思い、それを周囲に伝えて嫌う態度を取ると周りもそれに同調し、それがどんどん発展していくんだと思います。

この女ボスも決して本当のボスでも上司でもありません。皆で集まっておしゃべりをし続ける状況は、先ず本当の雇い主がいない時に起こり始めます。

 

当たり前ですが、雇い主がいる場合はある程度良い態度を取ります。自分の立場が悪くなるようなことはしないのが普通です。

 

仕事の現場には上司が随時現場にいないことも多く、上司がいない時に態度がだらけ、そして他の気にくわないスタッフにも嫌がらせ的な態度を取り、それが周りにも伝染していく感じでした。

 

1人の率先者から、あっという間に集団いじめに発展

実際は一人一人は良い人で、通常ならそれなりに仕事をする人たちなんだと思います。けれど、こうして全スタッフを自分の周りに集め、おしゃべりだけしている女ボスのせいで、誰も仕事をしない現場となりました。

こういうのをグループ集団行動というのでしょう。いじめが1対1でないのには、こういうグループ集団心理というのが働いているとも思います。

彼女たちが皆仕事をしない人ということではなく、人はただただ楽な方に同調するし、それ以上のことは考えていないということです。同調することに悪気はないし、誰かを仲間外れにしている意識が無いんだと思います。

 

また、他の周りからしても私が仲間外れにされているとは思ってもいなかったと思います。

 

というのは、私は私で仕事をこなし、他のスタッフと群れていないだけで、私ですら最初気が付かなかったくらいです。

私も動き回って仕事をしていたので、他の方々はそれが軽い嫌がらせや、いじめに発展していたとは気が付いていなかったのでしょう。

 

→ 海外でも日本人コミュニティとの付き合いがある。

 

いじめはその根源を無くさないと無くならない

例えば、これが実際の学校のいじめの場合、何も言わない人が多いと言うのは、今度は自分が被害者、いじめられっ子になりたくないから何も言わない子が多いと考えられます。

実は他の子達は、そこまで考えていないことも多いのではないだろうかと思います。

 

誰か強い者に同調することは、とても楽なことなのです。これは海外の小さな日本人コミュニティであっても、同じことが言えるのではないでしょうか。

 

仕事先でのとある午後、その女ボスが他の仕事で不在だった時がありました。その時に初めて他のスタッフが私とも話してくれました。彼女がいなければ、皆自然に自己意思で動くようになるんだと思います。

取り巻きの方と話してやっと気が付いたのは、恐らく彼女たちは私がうんと小さくて、まだ若いからよく動き、働いていたんだと思っていたんだと思います。

だからこそ色んな意味で私を「下(弱者)」に見ていたんでしょう。けれど実はそんな取り巻きの方々は私より年下も多く、女ボスも私とほぼ変わらない年齢だという事が分かりました。

 

女ボスは顔が広く、色々な仕事をしているという事もあり、彼女側についていればきっと自分の所にも今後こういう仕事があれば回してくれることもあるのでしょう。

女ボスとその取り巻きは、利益がある関係性であったという事も一つの要素だと思います。

自分と同年代の方がこんなバカみたいなことをするとは驚きでしたが、彼女はこうしないと自分の立場を確立できない人だったのでしょう。

 

いじめ、無視のエスカレート

最初は私も仕事が忙しく、いじめや嫌がらせに気が付かなかったのも事実です。ある時女ボス風の方が不在の時に私もみんなと話をするようになりました。その後、女ボス風の方が戻ってきた時に、いじめとはこういう風に発展していくんだと感じた瞬間がありました。

私が仕事をしながら他の方と話をしていると、また他のスタッフもそこに集まってきました。そこへすーと女ボス風の方がやってきて、私を無視して他の方と話をしながら、皆を自分の輪の方に誘導し、私一人を残して他の方へと移動していきました。

彼女は他の方とお話をしていたのですが、私が他のスタッフと話していたため、その輪を自分の方に持って行ってしまったのです。その瞬間「ああ、これがいじめの始まりなんじゃないか。」と認識した瞬間でした。

 

彼女方に引き寄せられていった他のスタッフも決して悪気があったとは思いません。

でも、人間は強い方に引き寄せられていくのです。それ以来。私はその彼女がいない時しか他のスタッフとも話があまりできませんでした。

これは、恐らく周りも自分が私と同じような立場になりたくないと思うからだと思います。

 

いじめの現場は他のオトナにどう映っていたのか?

先ほども述べましたが、今回のいじめの状況は周りから見たら普通の仕事の現場にしか見えていなかったのかもしれません。

私は一人黙々と働き、他の人たちが集まっておしゃべりしているだけの構図なのだ。けれど、実際私はその輪に自分から入らなかったし、入れてももらえなかった。そういう事に気が付いたオトナはいなかったと思います。

仕事に対して、そこまで周りをちゃんと見られる人はそんなにいないのかもしれないですし、これを学校と仮定すると、学校は会社の社長や部長などグループをまとめる仕事をしているわけではありません。

 

先生はクラス全体というのを見ているはずですが、恐らくクラス自体の成績や進学が優先されるでしょう。仕事の現場自体は悪くなかったですし、皆仲良く働いていました。

学校に例えると、クラス全体の雰囲気が良くて、もしもそこでちょっと浮いている生徒がいても、逆にそれは浮いている生徒の方が問題ありと思われるケースもあるでしょう。

現に私は他のスタッフと私が上手くいっていないのは、私のせいだと思ってしまいましたし、私が一生懸命仕事をして周囲の仕事の同僚にまで気が回らなかった部分もあります。

 

いじめは自分の立場を維持するため

誰かをいじめる、嫌がらせをするというのは、いじめる側にとってそれが無意味なことではなく、それは自分の仕事を取られないようにする術でもあります。

また、利己的で自分中心な人にとっては、多少でも自分の周りで目立つ存在は邪魔な存在なんだと思います。

それが、こういう形での嫌がらせ、そしていじめに発展していくんでしょう。

 

それは日本だけではなく、村社会化する海外の日本人コミュニティでも起こりうることなのです。

 

つかず離れず、他の日本の方との交流を持てる方がいいですが、少しでも目立つことなどをすると、こうしていじめや嫌がらせを受けるケースも実は少なくありません。いじめをするタイプは、特にその国の滞在歴が長い長期滞在者の方であるケースが多く、特に女性内ではマウンティングのようなことが起こるのをたまに目にします。

こういういじめのような圧力のある態度を取るのは、通常10年以上の海外滞在者の方々である傾向があります。滞在歴が長ければ良いということでも、偉いということでもないのですが、人は皆そうやって自分の社会的地位を維持・確立していくのでしょう。

私なら、そんな誰かを蹴落とす時間があったら少しでも働こうと思いますが、世の中全てがそうとも限らないようです。

 

→ 海外の日本人コミュニティにはマウンティングも存在する。

 

いじめられたら誰かに助けを求めれば良いと言うが…

また、いじめにあった人が誰かに助けを求めたくても、実はそれにきちんと対応できる能力を持つ人も少ないのかもしれません。

学校でも「先生に相談しないのか。」と言う方もいますがが、先生も実はこういう想定外の事への対応力が弱い人もいるでしょう。特にオトナの社会である海外の日本人コミュニティでは、誰も注意をする人がいない環境であることが多いと思います。

それは先生という職だけに限らないとは思いますが、そこまで全体を見られる人材というのは世の中には少ないのです。

 

組織や会社、そして学校を全体として、上手く動かしていくということはできても、全体像から少し外れたところで行われる闇の部分まで気が付くのは難しいんだと思います。

 

いじめる側だって、自分の地位確立、維持が目的であればいじめられっ子ではない他のオトナ達には自分の悪行がばれないように、そして周りに嫌われないように絶対に良い顔をしているはずです。

いじめられる側にも原因がある、なんていう人もいますが、実際いじめられた側にいた私が言えることは、「他者よりも目立つな、一人でいるな!」ということかもしれません。

自分が属する社会や環境で目立ってしまうと、その中のボスのような方に邪魔だ、目障りだと思われると、嫌な思いをすることがあるかもしれません。

 

「よくいじめられっ子にも問題がある。」なんて言う方もいますが、自分の立場や地位を確立したい人がいる場所では、必ずと言っていいほどいじめが起こってしまいます。

誰か一人を自分よりも下に位置付けることによって、その環境が上手く出来上がってしまうのでしょう。どんなことであっても目立つ行動を取ると、いじめの対象になりやすいでしょう。

自分がターゲットにならないようにするには、できれば何か目立つことはしない、そして自分は何もできないという態度で、目立たず周囲と接している方が無難に人間関係をこなせる気がします。

 

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