フランスにおける外出制限の生活の中で「困ったこと」や「辛かったこと」
現在は世界中どこに住んでいても、何かしらの「外出制限」の中で暮らすのが大半だと思います。
現在私の住むフランスでも外出制限が続いており、必要最低限の外出以外は許されていません。
私は現在フランスの中でも、特に新型コロナウイルスの状況が深刻なアルザス地方に住んでおり、この地方だけ他地域と異なる規制が出ることもあります。
そんな外出制限の生活中、やっぱり辛い事、困ったこともありました…。
ほんの些細なこともあるし、大きなものありますが、この外出制限中の生活の中の辛い事、困ったことをシェアしたいと思います。
外出制限で辛いこと
外出制限が出て、自由に好きな時に好きなように外に行けないことは確かに辛いことです。しかし、私の場合は元々インドア派であったので、「引籠り生活」は他の方より苦ではなかったと思います。
ですが、この生活を続けていく中で、ストレスや辛さ、失敗など辛いことが出てきました。
大好きなカフェが飲めない
私は一人でも結構カフェ巡りをすることが好きなのですが、飲食店が閉まっているため、外で美味しいカフェが飲めなくなってしまいました。
私はカプチーノとかカフェラテが好きなのですが、家ではカフェのようには行きません。家では簡単にエスプレッソが作れないこと、そしてカプチーノのフワフワしたミルクが作れないことは多少ストレスになりました。
外出制限の発令から執行までの時間があまりなかったこと、そして外出制限後の生活を想像することも難しく、実際にこの生活になってから色々不便なことが分かった感じです。
コーヒーマシーンを買えれば良いのですが、お店も開いていませんので、そう簡単に何でも手に入れられません。
スタバのようなカフェ、コンビニで好きな何かを頻繁に買っていた方にとっては、やはりこうした状況は辛いことかもしれません。
フランスは本当に開いているお店が少なく、特に飲食店が開いていないため、外でコーヒーやカフェラテなどが飲める場所が無くなる状況になってしまいました。
ケーキが食べられない
毎回ではないもののカフェに行くと、ケーキも一緒に食べることも。パン屋は開いているけれど、飲食可能なケーキ屋などは閉店していることが多く、この間ケーキを食べることもできません。
もちろん、スーパーなどでも袋に入ったような甘いお菓子やケーキもありますが、やはりケーキ屋さんのケーキが食べられないと、さすがに辛くなってきました。
そんなに甘党ではないのですが、たまに食べるこういう小さな幸せも奪われ、多少のストレスを感じます。
体重が増える
こんなにも長期的に外出をしない生活を続けていると、気が付いたら多少お腹に肉がついた気がします。これは誰でも想定できることなので、なるべく家でエクササイズをしたり、適度な運動での外出は可能なので運動や散歩したりするべきでしょう。
私は普段スポーツをしないのですが、今までの日常生活を考えると、外出する時には結構歩く頻度が多くありました。
また、エレベーター無しのアパートの6階に住んでいることも、ある程度の運動にはなっていたのかもしれません。
食材を廃棄する率が高くなる
現在の外出制限下では週1~2回しか買い物に行かないため、ある程度数日間の食材を買い溜めする必要があります。そういう買い物の仕方に慣れていないため、1回の買い物の際に「念のため…」と多めに食材を買ってしまうこともあります。
数日間の食材を買う必要性がありますが、買ったのをすっかり忘れて腐らせてしまうことが多々あります。多くの方は、「足りなければコンビニ行けばいいや。」とか「明日買えばいいや。」みたいな感覚だと思います。
そのため、なかなか計画的に数日分の食材を買うことが下手なようです。この機会に計画的に食材を買うことを学ぶのもいい機会かもしれません。
お祝い事なども祝えない
この時期に誕生日や何か記念日がある場合、皆が1つの場所に集まってお祝いをすることができません。この時期に結婚式を予定していた方は、式を延期するニュースも見ました。自分にとって大事なお祝い事すら叶いません。
ヨーロッパでは少し前までは結婚式を開いて、そこでクラスターが起こってしまったというケースもニュースで観ました。自分のお祝い事、特別な日を大切にしたい気持ちは分かるのですが、多くの人が集まるイベントはリスクでもあります。
結婚式のような人生で1回限りのお祝い事もありますが、人が集まるようなイベントは新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、この時期はお祝い事も延期して自分だけではなく自分の大切な人を守ることを考えましょう。
他者とのコミュニケーションがなくなる
私の家の同居人は結構無口なタイプなこともあり、あまり会話がありません。あまり友達とワイワイするタイプではないのですが、外出するとアルザスではお店の人とかもよく話してくれるので結構会話がありました。
また、大学にも行っていたり、他の活動もしていたりと結構人と話す機会はあったのですが、こうして自宅に籠ると人とのコミュニケーションの機会が減ります。
特に一人暮らしの人だと、家から出ない生活をしていると他者とのコミュニケーションが無くなってしまいます。
通常は一人暮らしでも、学校に行ったり、仕事に行ったりした時には誰かと話したり、外出して友達に会ったりして誰かと話す機会があります。多くても2~3日家に居て誰とも話さないことがあっても、その状態が1週間以上続くことはあまり無いでしょう。
日本では最近オンライン飲み会などが開催されているそうですが、この機会に友達と会う代わりにオンライン動画チャットをすることをお勧めします。
特に一人でお住まいの方は、最近チャットの時代になり、あまり電話などでコミュニケーションを取らなくなっていましたが、この機会にビデオチャットで友達や家族との繋がりを大切にするべきかと思います。
たくさんの友達や仲間がいて、よく遊びに行く方にとっては、外出制限はかなりストレスになると思います。
だからこそ、こんな状況でも外出する人達の姿や、外出して集まる集団の姿などを見かけます。
今は何よりも「うちで過ごす」ということが何よりも大事な時なので、そこは我慢するべきです。
家族とずっと顔を合わせていなければいけない
また逆に一人暮らしでなく、家族や誰かと一緒に住んでいる場合は、今度はその同居人とずっと一緒の生活になります。通常、一緒に暮らす家族でも、ずっと家で一緒に過ごすということは少ないはず。
家族も仕事に行ったり、学校に行ったり、友達に会いに行ったり、たとえ同じ家に住む家族でもずっと一緒に四六時中一緒にいるということは少ないと思います。
日常の自宅で外出できない中ずっと一緒にいることになると、ちょっと辛くなることもあります。ずっと家族と一緒にいることもそうですが、一人になれる時間も無くなるという事になり、これもストレス要因となります。
家族との口論やいざこざが増える
こういう状況ではイライラすることも多く、ずっと家族や同居人と一緒にいると些細なことでも口論になったりすることもあります。
また、そのストレスは外出できないだけではなく、見えない敵である「ウイルスとの戦い」でもあるので、外出した時でもストレスになります。また、家族の誰かが外出して家に戻ってきても、ウイスルを家に持って来てしまうのではないか…という不安もあります。
今回のこの新型コロナウイルスに関しては、人それぞれに考え方も多少異なるでしょう。今までよりも敏感になって、何でも消毒をしようと思う人もいれば、若い人は「自分は大丈夫。」と思っている人もいます。
家族内でも新型コロナウイルスに対する意識の違いなどが異なって、口論になることもあります。そういった事が原因なのか、この状況で「コロナ離婚」も発生しています。
また、外出制限でもう一つ懸念されている問題は、ストレスからDVや児童虐待なども酷くなるのでは…と心配されています。
日本は緊急事態宣言が出ているとは言え、外出自粛というレベル感です。ある程度の外出も可能なので、私が滞在するフランスよりはもちろん楽かもしれません。
外出制限で困ったこと
外出制限が発令されてから、やはり生活面でも色々困ることも起こり、生活に支障も出てきました。正直想定外だったことを以下に紹介します。
郵便物が届かない
外出制限前に海外に出した大切な書類が先方に届いていないのです。既に3週間以上経っているのですが、先方から「まだ郵便物が届かない。」と言われて困っています。
書留で送ったのですが、この場合はDHLの方が良かったのか、他の方法が良かったのか…。既に郵便局から書留で送ってしまい、追跡して調べても「処理中」と表示されるだけでした。恐らくまだフランス国内にあるはずなのですが、問い合わせもままならいない状態です。
当たり前なのですが、今海外への飛行機も制限されている中、郵便物も届くはずがありません…。
この時期に海外郵便物などがある方、海外に何か送る方は気を付けましょう。
この先の予定が立てられない
フランスでは3月17日(火)から15日間の外出制限が発令されましたが、そこから2回の間延長を経て今に至ります。さらに、この先また延長する可能性もあります。
外出制限が出てからどんどん制限が厳しくなっていきますし、この生活がいつまで続くか分からない状態です。
日本の緊急事態宣言も延期されていますし、いつまでこの状態が続くのか誰にも分からないと言えます。状況が悪化すれば、この期間もどんどん延長されます。つまり、今後の予定を立てるのが難しいということです。
今の状況では、1~2カ月後の予定すら分からない状況です。夏休みの予定や旅行の予定、もっと先の予定であれば世界も落ち着いているかもしれませんが、それも予想の範疇でしかありません。
現状ではいつ世界が落ち着くか分からないので、この先の予定も全て白紙ということです。
必要最低限以上のものが買えない
外出制限の中では、「許可された施設における必要不可欠な買い物をするための移動」以外できませんので、買えるものにも制限があります。一応電化製品のお店なども開いているところはありますが、かなり制限されている状況です。
フランスの営業許可されているお店は、「食料品、薬局、ガソリンスタンド、銀行、タバコ、新聞販売所」となっており、これ以外の商店は閉まっています。つまり、洋服屋さんや本屋さんなどのお店は閉まっているということです。
開いているお店の情報も、全てのお店がSNSで営業の有無を発信しているワケではありません。必要な商品であるはずのパン屋さんが閉まっているケースも珍しくなく、開いているお店情報が分からないことも不便です。
眼鏡屋も開いていなくて、眼鏡が壊れても簡単に買い替えができません。使い捨てコンタクトレンズなどが買えなくて、困っていると言っていた友達もいました。
その他、携帯電話の買い替えや、新しい電化製品を購入なども苦労します。
一部、開いているお店もありますが、対応しているお店を探すのも出向くのも一苦労です。
美に関することから遠のく
フランスでは美容院も閉まっており、髪が切れない問題も出てきます。もちろん、必要最低限のものを買うためのお店しか開いていないということは、洋服などおしゃれに関するものも買えません。
また外出しなくなるので、ぐうらたした生活を送ってしまう可能性もあるため、洋服にも段々気を使わなくなって、楽な部屋服で過ごすようになっていきます。外出しないと言うことは当然化粧もしなくなるので、どんどん美からは遠のいていきます。
日本はそこまでお店が閉まっていないようなので、そこまで大変な状況にはまだなっていないと思いますが、今後さらに厳しくなった場合には色んな形での弊害は出てきます。
テレワークで働いている人もいますが、メリハリを付けるために「テレワークで自宅にいる場合でも、ちゃんと服は着替えて身支度をした方が良い。」と言われているそうです。
なので、こういう時でもちゃんと意識をして身支度をするようにした方が良いです。
辛くても頑張って「うちで過ごそう!」
外出制限が出るなど状況はかなり深刻ですが、今まで当たり前にしていたことができないのは辛いものです。
最初の1~2週間はそこまで辛くありませんでしたが、それ以上になると日常が奪われる生活環境にストレスを感じるようになります。
外出制限の中で「うちで過ごそう」と言われても、決して楽しいわけじゃありません。この生活環境に耐えきれず、必要不可欠以上の外出もする人もいます。
たまに今までの当たり前の事ができる時は、いつもよりもずっと幸せに感じます。
そして、また外出制限の生活を頑張ろうと思えます。
私のフランスの生活も日本の生活も、モノに溢れて何不自由ない生活だったと思います。その当たり前が実は当たり前でなくなった今、これまでの生活の有難さを感じます。
現状はまだまだ深刻で、頑張ってうちで過ごす状況なのです。自分の身を守ることはもちろん、自分の大切な人の身を守るために、必要な行動なんだと思います。