ドイツの大学留学は高校の成績も評価してくれる!?ドイツの大学の入学条件徹底解説
「いつかドイツの大学へ進学したいな!」と考えているあなた!
今回はドイツの大学留学についてお伝えしていきたいと思います。
ドイツの大学は、高校の成績も評価してくれることで非常に有名です。
高校を卒業した後でも、大学入学共通テスト(センター試験)の成績を一定以上収めていれば、応募のチャンスはありますし、日本の全日制大学を卒業して学士を取得していれば、基本的に出願する条件に当てはまります。
ドイツの主要都市にある大学であれば、学科によっては英語だけでも授業を受けることができる場所もあります。
しかし、一般的には、現地に住むドイツ人と同じレベルのドイツ語が必要となる場合が多く、ドイツ語のレベルを上げてから大学へ通う必要があります。
つまり、ある程度のドイツ語能力の証明とドイツの大学入学条件さえ満たせば、誰でもドイツの大学で勉強できるチャンスがあるのです。
ですが、ドイツの大学への正規留学情報はなかなか見つけにくいうえに、情報が錯そうしています。筆者も現在、ドイツ留学をまた行うべく正規留学の方法について探しています。
筆者の場合、最初のドイツ留学は大学の交換留学だったので、ある程度大学側で手続や情報提供のサポートがありました。しかし、今回は個人でドイツ留学するため、情報集めが非常に大変でした。
ドイツの大学へ入学してみたいあなたに向けて、実際にドイツの大学へもコンタクトを取った筆者が、ドイツの大学へ留学するときに必要な一般知識としての「大学入学条件」についてまとめていきます。
ドイツの大学入学条件やフローは、日本の大学と全く違う!
「ドイツの大学で勉強してみたい!」そう考えたあなたは、まずドイツの大学入学条件を入念に確認する必要があります。
この「大学入学条件」というのは、ドイツの州文部大臣常設会議(KMK)で国毎に決められているものです。さらに、ドイツは州毎に法律も決まっていますし、大学の制度も州および大学毎に異なってきます。
つまり、ドイツの大学入学条件というのは日本と違い、ドイツの各州や各大学で、それぞれ入学条件に対しての決まりごとがあるんです。
日本だと、ざっくり言えば私立大学と国立大学で入試のフローが分かれていますが、ほとんどの大学についてはほぼ全国一律のルールを設けていますよね。
しかしドイツの場合はそうはいかないため、大学毎に必要書類も違いますし、ルールも違ってくるのです。さらには大学の専攻毎に必要とされる様々な条件までも変わってくるので、募集要項や入学条件をしっかり確認しなければなりません。
ですので、以降はあくまで「一般的」に必要な大学入学条件やについて話を進めていきたいと思います。
もちろん、必要書類は各大学で異なります。上記を前提としたうえで、あなたの学歴によってチェックすべき一般的な大学入学条件を解説していきます。
あなたの学歴と照らし合わせながら、見ていくことをおすすめします。
では、さっそくご覧ください。
1)日本で高校を卒業したら、大学入学共通テスト(センター試験)の結果が必要!
日本で高校を卒業予定または高校卒業済みで、その後に学歴がない状態でドイツの大学へ入りたいと考えているあなたは、以下の出願書面を日本で取り揃え、提出する必要があります。
・高校の成績証明書
・大学入学共通テスト(センター試験)
高校の卒業証明書や成績証明書だけでなく、大学入学共通テスト(センター試験)の成績が重要となるのが特徴的です。
大学入学共通テスト(センター試験)で62%以上の成績を収めることができた学科や関連学科のみの出願が許されるのです。たとえ、あなたの成績がギリギリの61%だったとしても、62%に満たないため切り捨てられる可能性が高いので注意が必要です。
それだけでなく、高校3年間すべての学年で以下を履修したうえで卒業する必要があります。
・理科(1科目)
・国語
通常の学科(いわゆる普通科)を卒業または卒業予定であれば大丈夫かと思いますが、筆者のように高校がコース制で、学年の途中から専門分野の履修が多い場合は要注意です。
大学入学共通テスト(センター試験)での成績開示や成績証明書の英文発行が必要となってしまうため、発行に少々時間や手間ではあるのが難点です。しかし、高校の成績を評価してくれるのは非常にありがたいことですし、それだけドイツの大学は外国人学生のために門戸が開いている証拠ですよね。
もちろん前述の通り、統一の入学規定はありません。つまり、最終的にドイツの各大学があなたの入学可否を判断します。これからドイツの大学に進学したいとお考えの中高生のあなたは、高校生活や大学入学共通テスト(センター試験)の勉強を頑張れば、チャンスはありますよ!
2)大学を中退してドイツへ留学したい?
現在日本の大学に通いながら、「休学してドイツへ留学するぞ!」というあなたは、まず1年は日本で踏ん張るようにしましょう。
日本の大学の学部課程を1年以上修了していれば、あなたの専攻している学科や関連する学科に出願をすることができるケースが多いからです。
その際に、必要とされる一般的な書類は、下記の通りです。
・高校の成績証明書
・大学の成績証明書
また、大学の成績には条件があります。
それは1年間で35単位以上を習得していることが求められます。学年が上がれば上がるほど必要単位数が上がっていき、2年次で70単位、3年次で105単位以上を取得する必要があります。
一般的に必要とされる書類は成績証明書や高校の卒業証明書ではありますが、単位取得証明書を発行できるようであれば、一緒に発行して貰いましょう。
3)日本の短期大学を卒業済み!ドイツの大学へ出願できる?
短期大学を卒業している場合も、もちろんドイツの大学へ出願できる可能性があります。
基本的に、日本の短期大学で学んだ学科と同じ専攻学科へ出願することができます。
その際、必要とされる一般的な書類は、下記の4点です。
・高校の成績証明書
・短期大学の卒業証明書
・短期大学の成績証明書
4)日本の全日制4年制大学卒業の場合は希望大学への出願が可能に!
日本の4年制大学(全日制)を卒業し、学士号を取得したあなたは、あなたの希望する学科に出願することができます。
その場合は、以下の4点を用意しましょう。
・高校の成績証明書
・大学の卒業証明書
・大学の成績証明書
あとは、大学側の求めるドイツ語(ないし英語、あるいは両方)の語学力を証明できる書面と、各大学で定められた出願書類さえ取り揃えれば、ドイツの大学へ出願することができます。
注意1) 書類の発行期限
語学学校からスタートし、その後にドイツの大学に入学する手順で進めると、最低100万円は必要となります。
そのため、社会人になって「お金を貯めてから留学をしたい!」という方も多いと思います。そして、「大学や高校を卒業して数十年経っている…。」というケースもあり得ますよね。
筆者も現在、自力でドイツへの正規留学の準備をしていますが、なんと出身高校の成績証明書の発行期限が5年以内だったことが判明しました!急きょ、「高校の成績証明書を発行できない旨」を英文で作ってもらうことになりました。
果たして、これで通用するかは不明ではあるものの、「発行期限により高校の卒業証明書が発行不可」という英文書面があるに越したことはありません。
証明書を発行することができない然るべき理由を添えて、希望するドイツの大学に問い合わせ、代替の書類が必要かどうかを事前に問い合わせることが必要です。
このような筆者のケースも考えられますので、ドイツの大学出願に必要な証明書は、早めに準備をしましょう。
あなたが出願したいドイツの大学の必要書類を調べて、手に入らない書類があればどうしたら良いか大学側に確認し、出願準備を進めて行くことを強くおすすめします。
注意2)あなたの卒業大学・短大・高専は、ドイツの”大学卒業”にあてはまる?
実は、ドイツでは独自の基準で各国の学校を大学として認定するかどうかを、データバンク上で管理しています。
その名も「anabin(https://anabin.kmk.org/)」と言い、このデータバンクに登録されていない大学や短期大学、またはここのデータバンクに登録されていても基準を満たしていない大学や短期大学は、たとえ卒業証明書を持っていても、これまで紹介した入学条件として認めてもらえず、門前払いをされる可能性があります。
ドイツの大学留学を検討している場合、入学条件に必要な書類を取り寄せる前に、「anabin」を使って自分の所属している(していた)大学や高専、短大がドイツで認められるかどうかを確認しましょう。こちらのサイトは、英語とドイツ語での閲覧が可能です。
疑問1)芸術や音楽留学をしたい場合はどうなるのか?
ドイツで学ぶ分野の中には、「芸術や音楽を学びたい!」と強く思う人もいます。
ドイツは芸術や音楽を学ぶ場所としても非常に最適で、「芸術を学ぶ人」は優遇されている節があります。
ドイツで芸術や音楽を学ぶ際、一般的にこれまでに紹介した入学条件と、ドイツが定める一定の学力レベルが必要となります。
しかし他と異なるのは、本人の芸術性を重視するところです。
いずれにせよ、最終的な入学判断を行うのは各大学となります。ドイツで芸術系を学びたい場合は、入学条件を各大学へ問い合わせてみましょう。
疑問2)他の分野が勉強したい!出身校がanabinで引っかかった!
ドイツの大学への最短ルートは、ドイツ基準での全日制の大学で学士を取得し、卒業する以外は、基本的にあなたの専攻していた学科や関連する学科のみ出願できます。
ここで疑問なのは、ドイツの大学で自分の専攻していた分野以外を勉強したい場合は、どうしたらよいのでしょうか?
また、「anabin」で大学卒業扱いにならない大学や短大、高専が最終学歴だった場合、ドイツへの正規留学を諦めなければならないのでしょうか?
一見、諦めてしまいそうなシチュエーションですが、まだ諦めてはいけません。
実は、あなたの状況を加味したうえで、大学側からドイツの大学入学準備コース「Studienkolleg(シュトゥーディエンコレッグ:大学入学準備クラス)」への条件付き入学許可が下りる場合があります。
StudienKollegは大学入学準備コースのことで、入学を希望するのに必要な分野や足りない部分を再学習し、分野別の大学入試試験を受けるコースの名称です。高校や大学での成績が足りない場合も条件付き入学でカバーできる可能性があります。
コチラのコースでは、語学力を補うコースも含めた、各大学や個人に合わせた内容で進んでいくため、個人個人で学習するカリキュラムが異なってきます。
筆者もこの条件付き入学許可について大学側から提案をされています。そこで提示されたのは「ある程度のドイツ語力(B1レベルのドイツ語能力)と、400時間以上のドイツ語学習時間の証明書を入手しなさい。」というものでした。
Studentenkollegを受講せずに大学へ入学した学生よりも、Studentenkolleg受講済みの学生たちは早く大学に馴染むことができるとのことです。
もし大学へ出願や問い合わせをした際に、「Studentenkolleg」へ入ることを勧められた場合は、ぜひこちらのステップを踏んでみることも検討してみてください。
ただし、Studentenkollegに入るためには、大学毎に入学試験が必要になる場合があります。入学許可書を手に入れるまでは、何事も抜かりなくいきましょう。
まとめ: ドイツへの留学は長期的で綿密な計画が必要!
今回は、ドイツへの大学出願に関する入学条件についての情報をお届けしました。
ドイツの大学に出願する前に、必ず自分の学歴をチェックすることが重要です。前もって必要な証明書を集めたうえで、出願準備を進めていくのがベストといえます。
また、大学の出願方法や出願に必要なその他の書類は、各大学や学科によって異なりますし、年度によって変化がありますので、必ず出願したい大学への確認が必要です。
基本的に、ドイツの大学の出願情報は、英語とドイツ語両方用意されています。英語ができればホームページだけである程度の情報を得ることができますが、残念なことにドイツ語でないと肝心なことが記載されていない場合が結構あります。
そんな時こそ、留学カウンセラーに相談しましょう。ドイツの大学への出願や出願条件の判断は非常に複雑です。本当に必要な書類は何なのか、本当にこれだけで出願条件がそろっているのかなど確認してもらいましょう。
正しい情報を留学カウンセラーと一緒に探すことで、あなたのストレスも軽減されますので、どんな小さいことでも留学カウンセラーを頼るようにしましょう。
また、ドイツの大学へ出願を決めた場合、高度なドイツ語力が必須です。そのため、語学学校でドイツ語力を必要条件まで上げてからの出願となります。
正規でのドイツ留学を検討している場合は、ドイツ語の語学学校へ通う期間や資格取得期間も含めて、長期間での準備が必要です。
ドイツ留学には、長期での計画や入念な情報収集が何よりも大事です。
自分の現状に合う留学先や、留学方法を知りたい人、ひとりでは準備が大変、しんどいというときは、留学カウンセラーに相談しながら留学計画を立てるようにしましょう。