ドイツ大学留学したい?ドイツ特有のシステムを使いこなせ!押さえるべきシステム3つ
今回の記事も前回記事に引き続き、ドイツへの大学留学(正規留学)の話題をお伝えします。
ドイツの大学留学は、日本と違って独自の出願ルールが存在します。
日本語で書かれている情報が古いものもありますし、ドイツの公的機関が公開している日本語対応のサイトを見ても分かり難いのが実情です。
かくいう筆者も、ひょんなことから現在ドイツへの正規留学を目指すことになり、ドイツ特有の大学出願システムに日々戸惑いながら出願準備を進めています。
今回はその中でも、ドイツ正規留学希望者が押さえるべきドイツ特有の大学出願に必要なウェブサイトを3つご紹介します。
ドイツ正規留学についてコラムを書く筆者は何者?
本題に入る前に、筆者のかんたんなプロフィールをご紹介します。
移民等々に関して今より厳しくなかった2000年代、大学の交換留学プログラムでドイツへ留学を1年経験しています。
当時は大学の交換留学であったこともあり、手続きはほぼ大学の教授陣が代行して手配をしてくれました。また、交換留学だったこともあり、正規での留学ルートを全く知らずにいました。
しかし、2020年に入った今、ひょんなことからドイツ正規留学への道を歩むことになり、数十年ぶりの大学生活に戻る予感…というわけです。
実際に準備を進めていて思ったことは、こんなにも出願手続きが面倒くさいうえに、「日本語での情報が少ないうえに古い!」ということでした。(笑)
きっと私のようにドイツの正規留学について調べているけれど、「情報が古くて信用できない!」と思っている人もいるのではないかと思い、今回この記事を執筆しようと決意しました。
ドイツ正規留学は日本のものと全く違う!?
ドイツの大学への出願方法、特に外国人が出願する場合は非常に特殊です。
ドイツの学校のシステムがそもそも日本と異なっているのでしょうがないのですが、日本では大卒と認められていてもドイツ側では高卒扱い、なんていうこともあるくらいの違いです。ですので、大学の出願方法も当然ながら異なります。
さらに、ドイツでは大学入学者選抜を国が統率・管理するというよりは、各ドイツの連邦州がそれぞれ独立した行政を行っていることもあり、大学出願方法・選抜基準においても完璧に統一されているわけではないのです。
そのため、ドイツへの正規留学をする場合は、出願に関する細かい情報を把握する英語力、またはドイツ語力がどうしても必須となってくるのです。
もし現状、英語力やドイツ語力において出願に関する心配がある場合は、ドイツの大学への正規留学を取り扱う留学カウンセラーに相談し、出願を手伝ってもらうのも1つの手段です。
ドイツ正規留学に必要不可欠なウェブサイト3つ
日本の場合、基本的には大学へ出願する場合は願書を入手し、希望する試験方法を明記したうえで、国立大学の場合はセンター試験(大学入学共通テスト)、私立大学の場合はセンター試験(大学入学共通テスト)もしくは私立大学が作成した独自のテストを経て、入学者選抜を行いますよね。
日本人がドイツの大学へ出願する方法をざっくりと解説すると、ほとんどの大学では仲介機関を使用し、仲介機関へ書類を送付します。仲介機関での書類をチェックの後、データが大学へ送られ、最終的に大学側が独自の基準を以て入学許可を出すといった流れを取っています。
大学によっては、大学側が書類の受付から入学の許可を出すまでを一括して行う場合もありますが、現在ではほとんどの大学が仲介機関を通した上で、大学の入学可否を判断しています。
また、ドイツの正規留学においては日本語でも説明があるものの、細かい記載がなくあいまいであることも多く、手続きのプロセスを自力で調べる必要があります。
それだけでなく、自分の出身校(高校や大学)がドイツからは、どう評価されているかを自分で調べなければならないという手間があります。(詳しくは前回記事をご覧ください。)さらに、出願に関するインフォメーションは全てドイツ語または英語なのです。
ドイツへの正規留学を希望する人が自力で出願のプロセスを踏む場合、絶対に押さえないといけない情報があります。その際に押さえるべきサイトは以下の3つです。
1)DAAD
DAAD(https://www.daad.jp/ja/)とは、ドイツ学術交流会(ドイツ語:Der Deutsche Akademische Austauschdienst)の頭文字をとった略称です。
こちらの機関はドイツ全土の大学が共同で設置している機関で、大学間における国際交流を促す役割を担っています。
つまり、ドイツへの正規留学を検討している場合、最初に見ておきたいウェブサイトなのです。
ここでは、ドイツへの大学出願方法の大まかな流れや、一般的に必要とされる書類は何かを日本語で記載してくれています。
難点は、重要事項に関してドイツ語または英語のウェブリンクへと飛んでしまうとこと。
しかし、ドイツ正規留学を検討しているのならば、ブックマーク必須のウェブサイトです。
DAADから留学への奨学金を貰える可能性があることも見逃せません!
ドイツは学費がほぼ無料であることは、日本でも有名な話ですよね。
とは言え、留学に必要とされる金額は、語学学校からスタートすることも含めると何百万もかかります。
DAADでは、ドイツ留学費用を抑えるべく多種多様な奨学金を紹介しています。条件さえ満たせれば応募は可能ですので、奨学金を検討している場合は見逃せないウェブサイトです。
2)anabin (アナビン)
Anabin(https://anabin.kmk.org/anabin.html)というウェブサイトは「Anabin Datenbank(アナビン ダーテンバンク)」という正式名称で、ドイツの大学や公的な機関が外国にある教育機関をドイツ式に評価し、データをまとめたウェブサイトです。
つまり、あなたの卒業した学校は、ドイツの教育システムにおいてどの位置づけになるのかをまとめているサイトです。
あなたの卒業した学校が、ドイツ式で本当に大学または短大・高専卒業として認定されているかどうかがわかるのです。
このウェブサイトは日本人がドイツへ正規留学を目指すにあたって、非常に重要なウェブサイトとなっています。
もしanabinにあなたの卒業学校の掲載がないまたは卒業として認められない場合は、いくら卒業証明書を持っていてもドイツへの正規留学の応募資格に満たない扱いとなり、留学が困難となります。
ドイツでは、日本の高校全部をドイツの高卒と同等とみなしている反面、大学や短大・高専については厳格な基準を持っています。
また別の機会にanabinについて詳しく紹介しますが、学校別のステータスを確認し、自分の大学がドイツでの登録状況を確認する必要があるのです。
このようにドイツへの正規留学を検討している場合は、anabinを使い、あなたの現在通っている大学・短大・高専を検索し、応募資格があるかどうかを自分で確認しなければなりません。
なお、anabinはドイツ語のウェブサイトとなりますので、ドイツ語に不慣れであれば翻訳機能を使用するか、ドイツ語が分かる人と一緒に操作することをおすすめします。
3)Uni-assist(ユニアシスト)
最後に紹介したいのが、ドイツへの正規留学において、大学への出願にほぼ使用する出願システムのUni-assist(https://www.uni-assist.de/)です。Uni-assistは、2003年にスタートした出願システムです。
近年、ドイツの大学は、「他国に比べると門戸が開けている。」ことや「ドイツの大学は学費が無料!」ということが世界的に知られ始めました。
日本人の間でも話題に取り上げられており、日本の大学とドイツの大学が比較されることが多くなっています。
しかし一方で、外国人の大学出願者が増加傾向にあり、各大学の留学課の仕事がパンク状態になってきました。
そのため、Uni-assistという場所に書類を一括で集め、そのうえで出願書類をチェックし、各大学の書類作業の負担を減らそうという目的で設立されたのです。
ドイツ国内でも、Uni-assistを経由しての出願を取る大学が増えており、今ではほぼすべてのドイツの大学で採用されています。
もちろん、一部の大学では大学独自で書類を外国人出願者の書類を審査しているところもあります。そのため、自分の入学希望する大学がUni-asssistを採用しているかどうかは非常に重要になります。
Uni-assistについてもまた別に機会に詳しくお話ししますが、出願方法を簡単に説明しておきます。出願に必要な書類を集めたら、Uni-assistへ登録し、書類を決まった方法で送ります。
そのデータをもとに、Uni-assist側で不備がないか大まかにチェックしたうえで、データを大学側と共有し、最終的に大学が入学可否を判断する、といった方法で出願していきます。
ちなみにUni-assistでは、ドイツ語または英語を言語選択できます。
また、Uni-assistでは出願料が発生します。
Uni-assist経由で出願をする場合、一部の大学を除きますが出願費用が発生します。2020年2月現在、最初に出願する1校目の費用は75ユーロ、以降大学の出願科目ごとに30ユーロ発生します。
1校目だけちょっと値段が高いものの、2校目以降はいくつ出願しても30ユーロなのです。
日本は、学校ごとに出願料が異なりますから、金額が統一されているのは非常に便利ですし出願料もお手頃です。
ドイツ正規留学は慎重に時間をかけて確実に進めよう!
今回は、ドイツの正規留学に欠かせないウェブサイトを3つ紹介しました。
ドイツ留学は日本と違う複雑なシステムを利用しているだけでなく、たくさんの情報を確認し、理解していきながら応募準備を進めていく必要があります。
また、日本語での情報もDAADだけではわかりづらい部分もありますし、インターネットでのユーザー記事は古いものが多く、参考程度にとどまるのみとなります。
さらに、ドイツの正規留学は願書締め切りが非常に早く、かつ大使館や役所での書類取り寄せも必須となりますので、指定の書類を漏れなく準備する必要があります。そして、希望の学部によっては、英語力だけでなく、高等レベルのドイツ語力が求められる場合があります。
このことから、ドイツの正規留学を決心した場合は、最低でも半年から1年は余裕をもって情報を集め、出願準備を整えるようにしましょう。筆者も情報集めに非常に苦心し、上記3つのウェブサイトの読み込み、出願する大学への問い合わせを何度も行いました。
幸いにして、筆者はドイツ人による助けがありましたが、多くの方にとってはそのような環境にない場合が多いかと思います。そんな時こそ、留学アドバイザーに頼ってみましょう。日本語で相談に乗れますので、心も軽くなりますよ。