ドイツ大学留学の応募をして準備計画で重要だと思ったこと5つを紹介
ドイツの大学留学(正規留学)にこれからチャレンジしてみたい方は、1年以上前から念入りに計画して行かなければなりません。
ドイツの正規留学は、希望する学科によってはドイツ語力が必要になってくる場合もありますので、早めの準備と語学力の増強が大変重要です。それだけでなく、応募書類の入念な準備も欠かせません。
筆者は、実際にドイツ正規留学の準備や応募を経ていく中で、「あーしておけばよかった!」とか「もっと学生時代に勉強しておけばよかった!」と思うことがたくさんありました。
ドイツ大学留学をするために2か月の準備期間を要した筆者ですが、ドイツ大学留学に応募して重要だなと思ったことを5つご紹介します。
これからドイツ大学留学を検討している方や、ドイツ大学留学をしたいと思っている方の参考になれば幸いです。
1)ドイツ語力
ドイツへの大学留学を考えている場合は、今のうちにドイツ語力を可能な限り伸ばしておくことをお勧めします。
ドイツの大学で正規留学生として勉強をするためには、基本的に「ドイツ人と同等のドイツ語力を持っている」ことを証明しなければなりません。
もちろんドイツ語力がなくても学科によっては出願を認められる場合がありますが、ドイツ語力が低ければ選択肢の幅も狭まることになります。ドイツ語レベルは出願する大学にもよりますが、基本的に以下のレベルを求めてくる場合が多かったです。
これらは、いずれも「大学の学部入学に十分なドイツ語能力を有している」という証明にもなります。
そのため、ドイツへ大学留学をすると決めたら、志望する学科の幅を広げるためにもドイツ語をある程度まで上げてから出願することをお勧めします。
GER B1を持っていれば「大学準備コース」にエントリーできる可能性も
大学準備コースというのは、ドイツの大学への入学に当たり、成績が足りなかったり語学レベルが足りなかったりした場合に1~2年の通学で足りない部分を補完し、ドイツの大学へ再応募するためのコースです。
また、外国人がドイツ語のレベルを測る方法として「GER(Gemeinsamer Europäischer Referenzrahmen / ゲマインザマー オイロペイッシャー レフェレンツラーメン)」という「ヨーロッパ言語共通参照枠」という6段階の語学レベルの基準が設けられています。
筆者も持っているこの「B1」というのは、以下の証明が可能です。
・明瞭な標準ドイツ語が使われ、仕事、学校、余暇などの身近な事柄が扱われている場合に、主な情報を理解することができます
・ドイツ語圏を旅行する際に出会うほぼすべての状況に対応することができます
・身近なテーマや興味のある領域について、簡単な表現でまとまった内容を伝えることができます
・自分の経験や出来事を説明したり、夢や希望、目標について詳細に述べることができます。また、計画や見解に簡単な論拠や説明を加えることができます
出典: ゲーテインスティテュート
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/sta/tok/prf/gzb1.html
GERはそれぞれの外国語学習の進歩を判断するために設けられていますが、ドイツ語の「GER B1」と呼ばれるレベルを持っていれば、大学によっては「条件付き入学許可書」が発行され、「大学準備コース」に応募することもできます。
ドイツ語を伸ばすには時間がかかる!
ドイツ語を最初から取得しようとすると、一般的に総勉強時間数500時間以上が必要と言われています。
そのためドイツ語ゼロでドイツの大学進学を目指す場合、「ドイツ語の語学学校に留学してから大学にチャレンジする」パターンと、「英語力を上げて、英語だけで出願できる大学にたくさん応募する」というパターンを取っている人が多いようです。
ドイツの語学学校で学ぶケースも良く見られますが、ドイツにあるドイツ語語学学校は、まるで本当の学校のように授業がみっちりあるのでドイツ語の伸びは早い分、日本のドイツ語語学学校よりも費用が高額です。
そのため、日本である程度ドイツ語の勉強をしてレベルを上げてからドイツへの渡航をすることで、語学学校に通う期間も短縮でき留学費用を抑えることができますよ。
2)英語力
学科によっては、一定の英語レベルを求めている学科も存在します。
前述で触れた通り、英語だけで応募ができる学校・学科も存在しますが、学科も学校も限りがあるのが実態です。
ドイツ語を勉強しつつ、TOEICやTOEFLといった世界的にも通用する英語テストで中級程度以上の英語力を証明しておけば、応募できる学科の選択肢が増えます。
必要な英語レベルは学科や学校で様々なので、自分が「良いなぁ」と思った大学や学科に求められる英語力もしっかりチェックすることが大切です。
筆者は、英語が苦手であまりTOEICを受験しておらず、英語ももうちょっとブラッシュアップしておけば受けられる学科が増えたのになぁとプチ後悔しています。(笑)
3)最終学歴の成績
ドイツの大学は、最終学歴の成績も実は重要です。最終学歴がどの位置にあるかによって、ドイツの大学に必要な成績は異なってきます。
詳しくは以前の記事で紹介しているので、併せてご覧ください。
日本で大学を卒業している場合、その大学の成績証明書を基にドイツの大学入試仲介機関である「Uni-assist」や各大学でドイツ式の成績に換算されます。
そのため、最終学歴の成績証明書に独自の単位説明がある場合は、英語あるいはドイツ語でしっかりと説明できるように証明書を準備しておきましょう。
筆者は、交換留学や海外語学研修で取得した単位の説明が成績証明書上に独自の方式で書かれていたことから、「Uni-assist」から「成績証明書の単位は実際どうだったのか教えてくれ」という質問を受けてしまいました。
それに伴い、独自の成績の付け方をしているものの説明を行うために、卒業学校に新たな英文証明書を発行してもらうのに大変手間がかかりました。
またドイツの大学は、場所や学科によって最終学歴の成績順に入学許可を出す大学もあります。
現在現役の学生の場合、日ごろの成績においては、なるべく良い成績を取るように努力することを強くお勧めします。成績に自信がない場合は、最終学歴の成績順の制度を取っていない大学への応募を検討する必要があります。
当然、最終学歴の成績が良い人に比べると、選択肢の幅が狭くなってしまう要因になります。応募要項をしっかりと確認し、最終学歴の成績がどれだけ入学に響くかも確認しましょう。
4)応募書類のコピー証明
ドイツの大学に必要な応募書類は、すべてコピー証明を取得したうえで送付することが通常です。
コピー証明については、以下の記事で取得方法も含めて詳しく解説していますので、知らないという場合は是非参照してみてください。
必要書類を取り揃え、不備なくコピーを取り揃えてからドイツ大使館にコピー証明書を取得するのですが、大使館での書類チェックの際にコピーの取り方に不備があると指摘されるケースもあるようです。
幸いにして、ドイツ大使館にはコピー機もあるのでその場でコピーの取り直しも可能ですが、通常のコンビニコピーよりも値段が高いのが難点です。
書類のコピーも原本通り不備なく行い、ドイツ大使館に行く前にしっかり原本と突き合わせるようにしましょう。
5) 自分が何を勉強したいかを定めること
そして、何よりも大事なのは「自分がドイツでどんな勉強をしたいか」を定めたうえで準備を行うことです。
ドイツの大学では、日本の大学で学んだことをさらに深く学ぶこともできるだけでなく、日本の大学では学べなかったことを新たに学ぶこともできます。
日本だと、入学試験を乗り越えないと自分の興味のある分野を学ぶことは難しいですが。ドイツでは条件さえ満たせば誰にでもチャンスがあるのです!筆者を例に挙げると、日本で取得した学位は「ドイツ語学」ですが、実際に応募したのは以下の学科です。
・ヴィジュアルコミュニケーション(芸術学校)
・ヘルスプロモーション
・デジタルメディア
筆者はドイツ語に関することやドイツについて専門に学んできていますが、大学卒業後の人生において上記の内容はとても興味のある分野だったので応募しました。
芸術関係の学科については、ポートフォリオと呼ばれる自分の作品を準備する必要があるものの、昔から芸術を学んで学位を取得している人以外にも学ぶチャンスがあるのは、とても有難いことです。
このように自分が日本で学んだ分野とは別の分野にチャレンジできるため、「ドイツで自分がどんな分野を勉強したいのか」をしっかり定めると、大学留学への準備計画がしやすいのです。
【まとめ】 1年以上の時間を掛けて準備を進めよう!
今回は、ドイツ正規留学の応募をして重要だと思ったこと5つをご紹介しました。
ドイツ正規留学は、すべての準備を整えて応募するまでに、ドイツ語初学者の場合は1年以上の時間がかかると言われています。
既にドイツ語に知見があっても、「大学準備コース」を通らずに大学に入学したい場合は、ドイツ語力(あるいは英語力)をしっかり証明できるレベルに伸ばしておく必要があります。
自分がドイツの大学留学を思い立った日から、準備は既に始まっていると肝に銘じて、まずは語学力を伸ばすことに注力しましょう。
時間の使い方を工夫しながら計画を立てていくことで、ドイツの大学留学への応募条件は整います。
入念な下調べと準備を整えて、あなたもドイツの大学留学を実現しましょう!