ロックダウン宣言から1か月のアイルランドの現状と最近気付いたこと | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

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ロックダウン宣言から1か月のアイルランドの現状と最近気付いたこと

公開:2020/04/26 著者:重綱 蒼太 671 Views

ダブリンからこんにちは!重綱です!

アイルランドは変わらずロックダウン中です…。ここ数日、アイルランドでは素晴らしい天気が続いていて、もし今自由に出かけられたらどんなに楽しいことか…と思いながら悶々としています。

 

と言っても、今僕にできることはおとなしく待つということと、制限が無くなった後すぐ動けるように準備すること、英語の能力を高めるべく毎日しっかりと勉強することですね。

 

その合間に料理などのちょっとした楽しみを見つけて過ごすのが、精神的も一番自分に合っているのではないかと思います。

さて、最近の投稿においては料理の紹介などを致しましたが、ここ数週間でアイルランドも新型コロナウイルスに関する動きがいくつかありました。

今回は、アイルランド(ダブリン)の現状について記載していきたいと思います。

 

※上写真は近所の公園で撮影した写真ですが、ロックダウン宣言後に2メートルのソーシャルディスタンスを取るように描かれました。

 

アイルランド全体のコロナウイルス感染状況

Irish Timesによると、アイルランド全体の感染状況は2020年4月24日(金)現在、感染者の合計が17,607人、亡くなった方が合計で794人です。特に4月10日~4月18日にかけて新たに感染した方が急増しましたが、ここ数日間は減少傾向にありました。

具体的な数字を見ると、最も新規感染者が多かった4月10日(金)では1,515人、その後18日(土)までは最低でも700人以上は感染してしまったのですが、19日(日)は500人を割り498人。21日(火)は388人となっています。

しかし、その後また増加し、22日(水)は631人、23日(木)は936人でした。23日は感染者の増加が伸びましたが、ピークは過ぎつつあるのではないかという意見も出始めています。

 

さらに、感染者の合計に対し、2020年4月24日(金)時点で9,233人の方が回復済みであると公式に発表されています。

 

少しずつでも状況を改善しようと、医療関係者が奮闘している成果だと理解できます。本当に頭が下がる思いです。また、アイルランドのバラッカー首相は元々医者のため、週1日だけ現場復帰をしています。これは医療現場の現状を把握するという意味もあり、幸いにも現段階では医療崩壊は発生していない状況です。

また、一般市民も2m以上距離を取るソーシャルディスタンスをしっかり意識しているように見えます。現地の新聞社Irish Timesが投稿した中心街を撮影した映像では、人はまばらにはいますが、通常ではありえないほど閑散とした状態です。

Garda(警察:アイルランドではPoliceではなくアイルランド語でGardaと呼びます)の方々もしっかりと見回りをしている印象でした。

 

【参考データ】
・Irish Times / CORONAVIRUS DATA DASHBOARDhttps://www.irishtimes.com/news/health/coronavirus/coronavirus-data-dashboard?mode=sample&auth-failed=1&pw-origin=https%3A%2F%2Fwww.irishtimes.com%2Fnews%2Fhealth%2Fcoronavirus%2Fcoronavirus-data-dashboard

 

アイルランドのコロナウイルス対策状況

アイルランドのロックダウンは、現段階では5月5日(日)まで延長が決まり、これまでと同じようにルールが課せられています。

以下、アイルランド政府から発表されている外出を認められる条件であり、それ以外の場合は外出禁止となっています。

 

・必要不可欠なヘルスケア,社会的介護,その他の必要不可欠なサービスの仕事であって,在宅では行えない場合に限り,通勤及び仕事のために外出すること。

・食品や家庭用品を買いに行くこと又は食事を取りに行くこと。

・予約した診察を受けること及び医薬品その他の保健のための用品を受け取ること。

・子ども,高齢者及び弱者の世話などの極めて重要な家庭の事情のある場合。

・短時間,個人的に体を動かすための自宅から2km以内の外出。家から子どもを連れて出てもよいが,2mの物理的距離を厳格に守ること。

・農業目的,すなわち,食料の生産や家畜の世話のため。

 

出典: 在アイルランド日本国大使
https://www.ie.emb-japan.go.jp/files/100035214.pdf

 

条件を満たさない限り半径2km以上の外出は禁止されていて、違反した場合警察には逮捕権が付与されています。

 

ただし、買い物目的の場合は特に登録や書類が必要ではなく、公園には運動目的の方や子供と体を動かすため家族で訪れている方々がいます。

もちろんお互い距離を取りながら活動していていますが、そのお陰か少なくとも僕の家の周りはあまりピリピリした感じは無いと言えます。

僕自身も買い物に行く時は大きな公園を通り抜けるのですが、ダブリンは公園が多いだけでなく規模が大きいものも多数あるので、正直かなり恵まれているのではないかと思います。

 

→ Kilbogget Parkにて撮影。大きな公園にまばらではありますが人々が運動しています。

 

 

アイルランド政府の経済対策は、コロナウイルスで失業した被雇用者、自営業者、学生、パートタイマーに対し週当たり350ユーロを支給する制度を発表しています。これは、欧州経済領域(EEA)内の住民、非EEA国民の区別なく支給されます。

3月25日(水)時点では週当たり203ユーロが最長6週間の支給という内容でしたが、現在は350ユーロとパンデミック期間中という内容に変更されています。

最も現在は申請者が多数のため、対応が追い付いていない状況とのことです。GNIB(外国人登録)やPPSN(Personal・Public・Service・Number)の登録も現状ではオンラインで行えます。しかし、元々かなり時間がかかる手続きなので、根気強く待たなければならないというような状況です…。

 

ビザの関係については、3月20日~5月20日の間にビザが失効する学生は、自動的に2か月間在留資格を更新できるようになりました。5月20日(水)以降にビザが切れる場合は発表がなく、現状では通常通りの扱いとなっていますが…。

航空機に関しては、完全に運休しているワケではなく、便数はかなり少ないもののフライト自体はあります。さらに、アイルランドの入国に関しては日本からの渡航を禁止にはしておらず、14日間の行動制限(ホテルや住宅に待機など)が取られています。

EU加盟国は、原則EU圏外からの入国は禁止していますが、アイルランドはシェンゲン協定に加盟していない関係で例外となっています。しかし、14日目以降も実質行動制限はありますが…。

 

反対にアイルランドから日本に渡航する場合は、日本国籍者を除いて入国拒否している状況です。

 

結論としては、日本国籍者であれば日本とアイルランドを行き来すること自体は可能です。

しかしながら、外務省におけるアイルランドの感染症危機情報がレベル3(渡航中止勧告)と発出されています。

そのため、アイルランド留学やワーキングホリデーを予定されていた方は、現状ではまだ渡航するべきではないと言えます。

 

一方、バラッカー首相の会見では、5月5日(火)にロックダウンを再延長するのではなく、制限を段階的に解除するべく調整中だという言葉が出ました。

 

他国の例を引き合いに、「現段階では時期尚早だ。」という意見もあり、まだ先が読めない状況ではあります。

しかし、これまでは解除に向けた言葉はほとんど出ていなかったため、少しずつ前進しているのではないかという印象を受けました。

 

普段生活をしていて気づいたこと

最近外に出るとすれば、買い物に行くこと以外ありませんが、僕の家の周りでは上述の通り、思ったよりも落ち着いていて規律もしっかりしている感じです。

幸い人種差別にあったということは今のところありませんし、他の方と目が合った時は勿論一定の距離は保ちつつ、挨拶は普通に交わしています。

日曜日に大型店舗に買い物をしに行った際、かなり混雑していました。それでも誰も文句を言わず、警備員の人とコミュニケーションを取るなど、互いの状況を理解しあう雰囲気もありました。カフェショップの店員さんがコーヒーをサービスしていたり、スーパーの店員さんと会話を交わしたりと、人々は落ち着いています。

 

当たり前のことではありますが、どこの国でも感謝の気持ちとリスペクトは常に持つべきだなと思います。

 

この状況でも食料品を問題なく購入できるのはスーパーのスタッフの方々は勿論、警備員、物流を担う方々、農家の方々、問題がないかチェックしている警察の方々…。

ありとあらゆる方々のお陰で、この状況の中で穏やかに生活できているのだと実感しています。

最後に、バラッカー首相の会見について述べたいと思います。以前の会見において、首相は一人一人に語り掛けるような言い回しをしていました。

 

首相は、「私たち」「お互い」といった言葉で住民に協力を呼び掛けました。アイルランドの全ての住民に犠牲や我慢を強いるのは、自分の利益ではなく他者を救うため、会見のまとめとして「家族や友人を守るために、家にいてください。」という内容のアナウンスです。

どのように過ごすべきか、シンプルにまとめている点やアイルランドの居住者全てが当事者であるような印象を受けました。だからこそ皆が距離を取りつつも、落ち着いて過ごすことができているのかもしれませんね。

もう一つ、3月17日(火)の首相会見の際に印象に残った文章をいくつか紹介したいと思います。

 

“This is a Saint Patrick’s Day like no other. A day that none of us will ever forget. Today’s children will tell their own children and grandchildren about the national holiday in 2020 that had no parades or parties, but instead saw everyone staying at home to protect each other. In years to come, let them say of us, when things were at their worst, we were at our best.”
今年のセントパトリックスデイは今までにないものとなりました。この日は誰もが忘れることがないでしょう。しかし、この日を過ごした子供たちは、子供や孫を持った時にこう伝えるでしょう。2020年はパレードもパーティーもなかったけれども、お互いを守るためみな家に居たということを。時が来たら話しましょう、状況は最悪だったが、皆ベストをつくしたのだと。
“Viruses pay no attention to borders, race, nationality or gender. They are the shared enemy of all humanity. So it will be the shared enterprise of all humanity that finds a treatment and a vaccine that protects us. Tonight, I send a message of friendship and of hope from Ireland to everyone around the world this Saint Patrick’s Day.”
ウイルスは国境も人種も国籍も性別もお構いなしです。人類にとって共通の敵です。我々を守る治療法やワクチンを見つける事業を人類全体で共に行いましょう。このセントパトリックスデイの夜に、アイルランドから世界中の皆さんに友情と希望のメッセージをお送り致します。

 

では、次回また会いましょう!Slán leat!

 

→ 昨年のクリスマスシーズンのGrafton Street。今の状況は永遠ではなく、いつかは抜け出せるものだと思います。

 

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