アイルランドのコロナウイルス対策に大きな展開!今回発表された規制緩和のロードマップとは?
ダブリンからこんにちは!重綱です!
日本ではコロナウイルスに関する緊急事態宣言が5月31日(日)まで延長されることになりましたね。アイルランドも同様に、これまで数回再延長の措置が取られていました。
5月1日(金)の政府の公式会見にて、今後の制限措置に関して「5段階に分けて制限を緩和していくロードマップ」を公表しました。
具体的にはどのような内容なのか?結局いつまで続くのか?
今回は、アイルランドのコロナウイルス対策に関する今後の流れを紹介していきたいと思います。
※上写真は、訪れた公園内にあったアイルランド国旗。緑はカトリック、オレンジはプロテスタント、白はその両方の友情と平和を示すとのことです。
5段階解除措置を取るそれぞれの日付について
元々アイルランドの方針としてロックダウンの措置は5月5日(火)まで延長されていました。
一方で新規感染者数は減少傾向にはあるものの、4月30日(木)は359人、5月1日(金)は221人、5月2日(土)は343人と依然として多くの方が新たに感染しているというのが現状です。
そこで政府は5月5日(火)以降、「短時間,個人的に体を動かすための自宅から2km以内の外出。」という文言を2kmから5km以内に変更しました。
それと同時に、制限緩和に関する5段階のロードマップを発表しました。
5段階のロードマップとは、それぞれ5月18日、6月8日、6月29日、7月20日、8月10日の3週間毎の5段階に分けて規制を緩和する中長期的な方針です。
さらに、以下の6つのカテゴリーに分類して規制を発表しました。
参考ページ
・Government of Ireland / Roadmap for reopening society and business
https://www.gov.ie/en/news/58bc8b-taoiseach-announces-roadmap-for-reopening-society-and-business-and-u/
制限解除における具体的な内容
以下、5段階に設定された制限解除の具体的な内容です。
5月18日(月)から
・Community Health(公衆の健康)
同居人以外でも4人以内ならば家の外で会うことを許可。外出制限は5km以内のまま継続。不要不急の外出は控えること。
・Education / Childcare(教育と子供の世話)
遠隔授業を行うため、教師に対して学校や大学を開けることを許可。
・Economic Activity / Work(経済活動と労働)
建設、測量など屋外で行う労働の許可。可能な限りRemote Working(遠隔労働)を行うことの継続。
・Retail Service / Commercial Activity (小売業、サービスと商業活動)
アウトドア用品、家庭用品を取り扱う店舗の再開。具体的にはガーデンセンター、ハードウェア販売店、修理店などが対象。
・Cultural / Social(文化と社会)
テニスコート、サッカー場、ゴルフ場、遊歩道、砂浜などの屋外運動施設の再開。ただし1グループ4人までの利用。
・Transport/Travel(交通と旅行)
乗客に対するSocial Distanceと衛生対策の継続。
6月8日(月)から
・Community Health(公衆の健康)
短時間かつ4人以内のグループならば他の家への訪問を許可。家族や親しい間柄に対する葬式の出席許可。外出制限を5kmから20kmに延長。不要不急の外出は控えること。
・Education/Childcare(教育と子供の世話)
5月18日から変更点なし。
・Economic Activity / Work(経済活動と労働)
単独での労働の許可。可能な限りRemote Working(遠隔労働)を行うことの継続。
・Retail Service / Commercial Activity (小売業、サービスと商業活動)
小売店舗の再開。(入場制限を設けること。)市場の再開。
・Cultural / Social(文化と社会)
図書館の再開。少人数の集団スポーツにおける練習の再開許可。(試合は不可。)
・Transport / Travel(交通と旅行)
5月18日から大きな変更点なし。
6月29日(月)から
・Community Health(公衆の健康)
6月8日からの変更点なし。
・Education / Childcare(教育と子供の世話)
保育施設の再開。(必要不可欠な労働を行っている者の子供のみが対象。)
・Economic Activity / Work(経済活動と労働)
従業員とその他の人々とのやり取りの機会が少ない企業の再開。可能な限りRemote Working(遠隔労働)を行うことの継続。
・Retail Service / Commercial Activity (小売業、サービスと商業活動)
非生活必需品を取り扱う店舗の再開。(路面に出入り口がある店舗のみ対象。出入口の構造によって一部のショッピングセンターは対象外。)
・Cultural / Social(文化と社会)
遊具などのある児童公園の開放。屋内スポーツにおける活動の許可/カフェやレストランの再開。
・Transport / Travel(交通と旅行)
中心街への移動の制限の継続。乗客に対するSocial Distanceと衛生対策の継続。
7月20日(月)から
・Community Health(公衆の健康)
4人から少し増やした人数でも短時間なら他の家への訪問を許可。結婚式など家族や親しい間柄に対する小規模な集会の許可。外出制限を20kmから居住地域外までに変更。
・Education / Childcare(教育と子供の世話)
保育施設の再開。(すべての子供が対象。)
・Economic Activity / Work(経済活動と労働)
Remote Workingが不可能な業種の再開。Remote Working(遠隔労働)を行うことの継続。
・Retail Service / Commercial Activity (小売業、サービスと商業活動)
理容店や美容室など、接触リスクの高い業種の再開。
・Cultural / Social(文化と社会)
博物館や美術館、礼拝施設などの再開。サッカーやゲーリックフットボールのリーグ戦の再開。
・Transport / Travel(交通と旅行)
ホテルなどの観光関連施設の再開。(ホテル内のバーは閉鎖を維持。)中心街での制限を徐々に緩和。乗客に対するSocial Distanceと衛生対策の継続。
・8月10日(月)から
・Community Health(公衆の健康)
結婚式など大規模な集会の許可。
・Education / Childcare(教育と子供の世話)
小中学校、高校、大学などは新学期に該当する9月から再開。
・Economic Activity / Work(経済活動と労働)
屋内で行う業種の許可。感染リスクが高いと判断された業種については未定。
・Retail Service / Commercial Activity (小売業、サービスと商業活動)
6月29日に対象外であった構造的問題を抱える商業施設の営業許可。接触リスクのあるタトゥーショップやピアスショップの営業許可。
・Cultural / Social(文化と社会)
映画館、劇場の再開。より接触の機会の多いスポーツ(ラグビー、レスリング、ボクシングなど)の許可。ジム、ダンス教室、その他スポーツクラブの許可。人数などの制限を条件にスポーツ観戦の許可。オープンパブ、バー、ナイトクラブや屋内、屋外イベントの許可。(人数などの制限付き。)
・Transport / Travel(交通と旅行)
島嶼(とうしょう)部への旅行を許可。乗客に対するSocial Distanceと衛生対策の継続。
この発表内容においては、活動時にあたってSocial Distanceを保つことを前提としています。さらに今後、新規感染者数が悪化する場合は、より厳しい制限に戻す可能性があることも発表しているため、互いの協力を呼び掛けるようになっています。
さらに細かく見てみると、不要不急の外出の自粛は6月29日(月)までの第三段階までは記載されています。
そのため、この通りに進んでいくと、7月20日(月)から本格解除ということになります。
また学校に関しては新学期に合わせて9月以降から再開するという方針であり、語学学校もこれに合わせて再開するか、場合によっては8月から再開される可能性もあるとのことです。
しかしながら、今回の発表において基本的にはこの通り進めるということですが、専門家と確認しながら、制限についてはその都度修正するということも述べています。
現段階では内容が曖昧な部分もあるのはそのためなのかな…といった感じです。
アイルランド政府からの発表を受けて
この発表を受けて思ったのは、まだまだ先は長いな…という思いと、長期的な目安があることでどのように動くべきか、少しだけ目途が立ったなということです。
特に、これまでの再延長発表の繰り返しだと出口がわからず、先を見通せないストレスがありました。しかしこのような発表があったことで、少しそのストレスが軽くなりました。
最も、考え過ぎてもコロナウイルスは一瞬で消えるものではないので、これまで通り、ひたすら待つことと、動き出しのための準備をするだけですね。
さらに統計を見ると、ここ数日間は新規感染者数が明らかに減少傾向にあり、もしかしたら予想より早く動き出せるかも…という希望的観測も個人的には持ち合わせているような状態です。
他国の状況を見ると、ドイツではサッカーリーグの再開決定し、オーストリアではロックダウンの規制緩和が実施されているなど、徐々に動き出しています。アイルランドも他国の様子を見ながら、また方向転換をするかもしれませんね。
今回は5月5日(火)に行われた、アイルランドの制限措置に関して記載致しました。5月に入り、気温も上がり風も心地良くなってきました。夏を待ちわびながら、少しでも状況が良くなることを願いつつ日々を過ごしていきたいと思います。
では、次回また会いましょう!Slán leat!