【ボランティア体験談】ニュージーランドの保育園ボランティアに参加してわかったこと
今の時代、本当に多くの海外ボランティア活動に参加することができますよね。
その中でも、今回は私が実際に参加したニュージーランドでの「保育園ボランティア」についてお話していきたいと思います。
ニュージーランドの保育園は、移民の多い環境のもとで個性を伸ばすゆとりある教育が特徴的です。
そうした環境でのボランティアは、自分の視野を広げると共に、子どもの安全に気を配り、その成長や発達を近くで見守るという素晴らしい体験ができました。
「保育園ボランティア」は、保育士資格を持ってないと参加できないと思っている方も多いと思います。また、学校のプログラムではなく個人で参加することもできるのか疑問に思う方もいるでしょう。
そんな、みなさんが疑問に感じているであろう部分もお話していきたいと思います!「海外の保育事情に興味がある人」や「海外ボランティアをしてみたい人」にとって少しでも参考になれば幸いです!
ホストファミリーの選び方
私は、ニュージーランドの首都オークランドで、2週間現地の保育園でボランティアをしました。
その時の滞在方法ですが、ホームステイ滞在していました。
ホームステイと言っても、ホストファミリーには様々な家族形態があります。
私がお世話になったのは、ニュージーランド人のホストファミリーでしたが、必ずしもニュージーランド人がホストになるワケではありません。
実際、友人が経験したホームステイ先は、「移民の家族」が提供しているホストファミリーでした。ホームステイ先として、一般的な家庭環境は以下のようになります。
・移民の家庭
・シングルマザー(ファザー)の家庭
・老夫婦の家庭
・子どものいない夫婦のみの家庭
上記で紹介した私の友人がお世話になったホームステイ先はアフリカ系のホストファミリーだったようで、人柄は良いけれど食事が合わないと嘆いていました。
ホームステイはリクエストできる範囲も限られますが、希望だけでも伝えるようにすると良いと思います。ただし、人種の指定は難しいようです。
欧米社会では人種差別に関する意識が日本よりずっと高いため、人種の指定は人種差別的行為に抵触する部分なので、センシティブで難しいようです…。
ちなみに、私は保育園ボランティア以外にも、家庭内でも子どもと関わりたかったので、「小さな子どものいる家」を条件に探しました。
その結果、私のホストファミリーは、ホストファザー・ホストマザー・その子供たち3人(16歳・6歳・5歳)という家族構成でした。
子どものいる家の利点とは?
自分と年齢の近い子だった場合は、友達のように仲良くなれることや、より最近の若者言葉に触れることができる利点があります。
実際に、私のホストブラザー(16歳)はよく家に友達を連れてきていたので、その輪の中に入らせてもらうこともありました。
英語ネイティブの友達同士盛り上がると会話のスピードが速くなり、ついていくのが難しくなることもありましたが、とても良い経験になったと思います。
小さな子どもがいる場合は、子どもの話す英語がゆっくりであるため聞き取りやすく、英語初心者の人には良い環境と言えるでしょう。
実際私はホームステイ期間中、6歳の子どもの学校の宿題の音読を聞く担当をしていていました。
音読を聞いてその子の読めない部分を手伝ったり、時には私も一緒にテキストの音読をしたりなど、言語レベルにあまり差がないからこそ、より充実した時間を過ごすことができました。簡単な英語の絵本を読むことも、身近な英語を学べるのでとても良かったです。
小さい子供がいる家庭だと、自分たちの子供を育ててきた経験もあるので、留学生側が英語初心者でも根気強くホストファミリーが会話に付き合ってくれる傾向にあります。
また、夕飯の時間は、よくホストファミリーと「文字遊びゲーム」をしました。これは日本のしりとりとよく似ているのですが、お題に沿ったものをアルファベット順に答えていくというものです。
お題は、「動物」や「世界の国名」、他にも「自分にとって嬉しいこと」など様々でしたが、ボキャブラリーを増やせるなど楽しみながら学ぶことができました。
このような遊びを通じて一緒に英語の勉強することができるところが、子どものいる家庭の良いところでしょう。
逆に子どものいない家庭、老夫婦などがホストファミリーだった場合、比較的時間に余裕のある方が多いので、話し相手として、しっかり一対一の時間を取ってくれるパターンが多いようです。
ただし、子どもがいない夫婦共働きの家庭の場合は、仕事に追われて忙しく必要最低限の会話しかない場合もあるようです。コミュニケーションの機会を重視する方は、その辺もリクエストしておくと良いでしょう。
また、食事以外は個人の時間という家庭が多いので、自分だけの時間を確保できます。なので、コミュニケーションの機会とプライベートのバランスを重視する方にはおすすめの環境と言えるでしょう。
ニュージーランドの保育“テ・ファリキ”について
さて、本題の「保育園ボランティア」についてお話させて頂きます。
私がニュージーランドで保育園ボランティアをしようと思ったきっかけは、「テ・ファリキ(Te Whariki)」について興味があったからです。
「テ・ファリキ」とは、ニュージーランドの保育指針のことを指します。
ニュージーランドは子どもの教育に関して高く評価されている国の一つで、世界的にも「子どもの個性を生かす教育」を実践していることで知られています。
テ・ファリキの基本概念は、子どもの個性を認めるところから始まります。
テ・ファリキで行われているカリキュラムで特徴的なのは、以下の2点が重要視されていることです。
子どもたちの学びは、大人や友達などの協力を通じてだけでなく、自分の力で挑戦すること、自分で考えていくプロセスを通じて学んでいくものとされています。
そんなテ・ファリキを学ぶべくして現地の保育園でボランティア活動に応募したのですが、私は大学のプログラムなどではなく個人で探しました。
一人での参加だったため心細くもありましたが、日本語を使わない環境に身を置けたという面では、良かったと言えます。
もちろん、当時は大学在学中だったため「保育士資格」も持っていませんが、ボランティアには参加できます。私が参加した保育ボランティアの参加条件はただ一つ、「子どもが好き」ということです。
もちろん好きです。大好きです。条件は揃いました。ということで、2週間の保育ボランティアを行いました。
主な活動内容は、子どもと一緒に時間を過ごす上で安全を見守ることや、食事の介助・午睡の際には寝かしつけなどを行いました。
保育園ボランティアの活動時間は9:00~17:00の8時間で、大まかに一日のスケジュールは以下のようになります。
時間 | 詳細内容 |
7:00 | 起床・準備 |
7:30 | 朝食 |
8:00 | 家を出発(バスで通勤) |
9:00 | 保育園到着・出勤 |
11:00 | お腹が空いた子どもから順に昼食を食べる ※お弁当の子も給食の子もいるため、給食の子はおかわりなどの配膳 |
13:00 | 午睡(寝かしつけ) |
13:30 | 大人は各自昼食 (ホストマザーが作ってくれたお弁当を食べる) |
14:00 | 自由に遊ぶ (子どもと一緒に遊ぶ、安全を見守る) |
17:00 | 退勤 |
18:00 | 帰宅 |
18:30 | 夕食 |
20:00 | ホームステイ先の子どもたちと遊ぶ |
20:30 | 就寝 ※ニュージーランド人は早寝の方が非常に多い |
日本の保育と違う点
ニュージーランドの保育の大きな特徴は、子どもは自由に過ごさせ、大人が必要以上に介入しないという点です。
日本の保育園と違って基本的にニュージーランドの保育現場では、集団でお遊戯・手遊びなどの活動をすることがありません。一斉保育ではなく、完全なる自由保育と言えます。
なので、昼食・お昼寝以外の時間、子どもたちは自分の好きな遊びをみつけ自由に過ごしていました。
ここにニュージーランドのテ・ファリキの概念である、「他人と異なることをしても大丈夫!自分のやりたいことを優先させる。」という幼児教育の考えが見られました。
しかし、このように自由保育の環境であることから、最初の方は時間が手持無沙汰になることもあり、どうしたら良いのか悩むこともありました。
それでもすぐに子どもたちの方から声を掛けてくれることもあり、すぐに仲良くなることができました。
実際に、絵本を一緒に読んだり鬼ごっこをしたりなどして遊びました。
…といたずらっぽい表情で言う子どもたちがかわいかったです。(笑)
保育園ボランティアで大変だったこと
難しかったのは、子どもの名前を覚えることです。今まで人の名前を覚えるのは得意な方だと思っていたのですが、ニュージーランドでは大苦戦しました。
海外の名前というのは、はじめて耳にする発音であるケースがよくあります。
なので、私は名前を覚える以前に、聞き取ることすらできないこともありました。
実際、セレニティー(Serenity)という女の子の名前をどうしても覚えられず、何度も聞き直し呆れさせてしまった経験があります。(笑)
多国籍の国であるニュージーランドでは、子どもたちの名前のバリエーションも豊かで、30人ほど子どもがいて名前の被りは一人もいませんでした。
【まとめ】 日本と異なる保育方針は勉強になる!
いかがだったでしょうか。ニュージーランドの保育ボランティアについて少しでもイメージが伝わっていれば幸いです!
海外ボランティアを通して実際に働くことで、語学学校では知り得ない、より実践的な英語力を身に着けることができます。
私はこの海外保育ボランティアを通して「人と同じことをしなくても大丈夫」、「個性を認め合えるほうがかっこいい」ということを感じました。
日本にいると、どうしても人と違うことをするのにためらったりすることがあると思います。
しかし、ニュージーランドでは、周りに合わせようとはせず、自分のしたいことを好きなようにしていました。それは子どもも大人も同じです。
むしろ「そんなあなたが素敵」とお互いを認め合っているのです。
そんな風に思わせてくれた2週間でした。
もし海外留学すべきかどうか迷っている方、海外ボランティアしようかどうか迷っている方がいましたら、是非挑戦することをおすすめします。
きっと素晴らしい経験が待っていますよ!