ニュージーランドに来て感じたカルチャーショックシリーズ② ~家の中編~
前回は、カルチャーショックシリーズ①として、街中で見かけた様々な違いについて紹介しました。
初めてのニュージーランド旅行後、ご縁があってワーキングホリデーでニュージーランドにまた戻ってくることができました。
長期で生活することによって、旅行では見られなかった本物のニュージーランドライフを知ることができました。
今回は、カルチャーショックシリーズ②家の中編と題しまして、「ニュージーランドのお宅で見つけた様々な違い」をご紹介したいと思います。
① サイズが大きくて位置が高い!
まずは家の敷地が広い家が多いです。郊外ではアパートよりも庭付きの一軒家がずらーっと並んでいます。人口密度の違いがそれを表しているのでしょうね。
そして、家の中に入るとドアノブ、鏡、戸棚、洗面台、台所の作業場などが日本よりも若干高い位置にあって、初めはまるで小人になったように錯覚してしまいました。
歯ブラシやティッシュの箱、傘も大きくて、省スペースやスリム化を目指している日本の製品とはまるで違うのは、最初は違和感を抱く部分だと思います。
② キッチンでの異文化
私にとってキッチンでの嬉しい違いと言えば、多くの家に備え付けの大きなオーブンがあるので、オーブン料理が存分に楽しめるということです。大きな塊のお肉をローストしたり、パン、ピザ、ケーキなどを焼いたりする機会が格段に増えました。
その代わり、電子レンジにはオーブン機能が付いているものはあまり見かけません。
トースターは、トーストを作る機能があれば十分なので、出来上がったらガシャンッと上がってくる古風なスタイルが主流のようです。なので、食パンにチーズをのせたり、ピザトーストをしたりするのが逆に手間になるのでやらなくなりました。
炊飯器にも大きな違いがあります。日本のような多機能な炊飯器は、日本人や中国人などのお宅で見たことはありますが、珍しい方だと思います。むしろ、お米を主食としない家庭やヨーロッパ系の家庭では、炊飯器を持っていないお家も珍しくはありません。
ニュージーランドやオーストラリアで一般的な炊飯器はとてもシンプルで、保温機能はありますが浸水や蒸す時間が少ないので20~30分で炊き上がります。そのため、お米そのものの違いもありますが、炊き上がりも日本のお米のようにフワフワモチモチという食感は欠けます。
注意して欲しいのは、炊飯器の蓋が鍋蓋のような被せるタイプのガラス蓋のため、ものすごく吹きこぼれます。(笑)周りが結構汚れるので、うちの炊飯器は7合炊きですが最大3合までしか炊かないようにしています。
ニュージーランドで自炊を始めて感じたカルシャーショックの1つは、米を主食にする日本人の炊飯器へのこだわりと誇りを実感したことでした。
細かな調理器具の中にも見たことのないものがいくつかありました。ニュージーランドで初めて使った調理道具の1つに、「グレイター」というおろし器に近いものがあります。4面または3面それぞれに異なった形と大きさの穴があり、料理の目的に合わせてすりおろしたり、削ったりするのに使われます。
うちでは、ニンジンやリンゴをサラダやケーキに入れるのに削ったり、チーズを細かくしたりするのによく使っています。チーズも塊で買ったほうが安いので、切ったり削ったりして冷凍保存しています。
それにしても、機能の割にずいぶんと収納スペースを占領する器具だと思いませんか?(笑)
③ お家コーヒーの淹れ方にも違いがあった!
コーヒーを日常的に飲む方にも知って欲しい違いがあります。日本では、コーヒーはペーパードリップで淹れて飲む方法が多いと思います。一方でニュージーランドやオーストラリアでは、「プランジャー」という器具を使う家が多いです。元々はフランスで開発されたようで、フレンチプレスとも呼ばれます。
取手のついたガラスのコップに粉状のコーヒー豆を入れ、お湯を直接注いで数分抽出し、先端に網のついた棒状の器具でコーヒー豆を底に押すと、上澄みにコーヒーが出来るという仕組みです。それをマグカップなどに移し替えて飲みます。
コーヒーを飲み終わった後は、底に抽出した後のコーヒーかすが残ります。それを後片付けするのはちょっとだけ面倒ですが、ペーパーフィルターを買わなくて良いし、お湯を入れて放置しておくだけでコーヒーを淹れられる利点もあります。
コーヒーに詳しい方に聞いた話によると、紙のフィルターを通さないので、コーヒーの油分も抽出することが出来て、違う味や香りが楽しめるんだとか…。とにかく、難しいテクニックは不要で美味しいコーヒーがお家でも飲めるのでオススメです。
余談ですが、この器具(Plunger)から学んだ英単語に、Plunge(下降、下がる)があります。網のついた棒をコップの底に下すことから由来しているのがイメージできますね。
グラフなどで数が下降していることを表す時に頻出する単語なので、アカデミックな英語を勉強している人は覚えておくと便利かもしれません。
画像;プランジャーコーヒー
ちょっと分かりにくいですが、網付きの棒を押し下げて粉を底に集めた後です。
④ バスルームも異文化でいっぱい!
まず、一軒家であっても、トイレ、シャワー、洗面台は共同になっていることが多いです。トイレと洗濯機が一緒の部屋にある家もありました。
それはともかく、シャワーがガラス張り、換気扇が無い、バスタブがあっても排水口がバスタブの外に無い、なぜかバスルームの床がカーペット(古い家に多い)など、日本人としては驚きと突っ込みどころ満載な異文化がたくさんありました。
まず、今のところ住んだり仕事で訪問したりした全てのお家のシャワー室は、ガラス張りでした。今の家もそうですが、曇りガラスではなく、完全に透明なガラスですよ。室内が一望できるクリアなやつです。
鍵をかけているとはいえ、慣れるまでちょっと恥ずかしかったです…。
そして換気扇が無い家が多いので、真冬でも少し窓を開けて換気します。網戸も無い家が多いので、夜に電気をつけていると虫が入ってくることもしばしば。
ニュージーランドには有毒な虫はほとんどいないので、小さな虫は気にしないという人が多いようです。
オーストラリアの場合は、毒を持った虫や動物がいるので気をつけてください。昨年シドニーの家で換気中に巨大なクモが入ってきたことがあり、しばらくトラウマになりました。網戸ほしい…。
そして、お風呂に関してですが、バスタブがあっても日本のように掛け湯をしてから入るのではなくバスタブの中で洗うスタイルなので、排水口がバスタブ内にしかありません。
掛け湯は出来ないし、洗う順番を考えないといけないので、とっても洗いづらい!そして、なぜバスタブから出たら直ぐカーペットの家もあります。これは古い家に多いのですが、昔の方もなぜそうしたのか、日本人の私にとっては永遠のミステリーです。
このように、海外生活を始めて1日目にしてまず欧米スタイル風呂の洗礼を受けました。お風呂に関してはまだ慣れません。追い焚き機能のある日本のお風呂がとっても恋しい~!
カルチャーショックも1つの学び
今回は、驚きと笑いどころ満載のお家の中のカルチャーショックについてお届けしました。
良い意味でも悪い意味でもカルチャーショックはどこに行っても受けるかと思います。住む場所や一緒に住む人によってはまた違うカルチャーショックがあり、困難に感じることもあるかもしれません。
ですが、日本で生活して見てきた自分の中の常識や固定概念を捨てて、マイナスに捉えず異文化を受け入れ、せっかくの海外での生活を楽しんで欲しいと思います。
海外では湯舟に浸かる習慣がないため、お風呂すら帰国時の最大の楽しみになりますよ!
ぜひこの体験談を心の準備の一環としていただき、近いうちにたくさんの方が海外生活に挑戦できる日が来ることを願っています。