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ニュージーランドの就労ビザ申請の手順と準備するモノのまとめ

公開:2021/05/26 著者:神田 真悠子 3290 Views

こんにちは。ニュージーランドに留学中のまゆです。

今日は、ニュージーランドで働くのに必要な就労ビザの申請について説明します。コロナウイルスの影響もあり、ビザ内容も色々変更になりました。

ここでは、2021年4月現在の情報をお届けします。

就労ビザとは?

ビザとは、「査証」とも言われていて、自国民以外の人が滞在して良いという入国許可書のようなものになります。短期滞在(3ヶ月以内)であれば、日本人はニュージーランドにビザなしで入国できます。学校に通うこともできるので、短期留学として勉強しに来る学生も多いです。

長期滞在の場合はビザを申請する必要があります。国によってビザの種類は様々ですが、ニュージーランドでは、長期観光ビザ、学生ビザ、ワーキングホリデービザ、就労ビザ等があります。ニュージーランドのビザの種類は色々ありますが、私が今回申請したのは『就労ビザ(Work Visa)』です。

就労ビザとは就労を目的としたビザで、申請した会社(雇用主)の元でのみで働くことができるビザです。就労ビザの中でもカテゴリーがあり、Higher-paid WorkerとLower-paid Workerの給料の違いによって2つに分かれています。

 

・Lower-paid Worker

時給は、NZ$25.50未満の仕事に与えられるビザで、ビザ有効期間は半年です。しかし、延長が可能で最長3年まで滞在が可能です。

半年更新なのでその都度申請する必要があります。その後、一度ニュージーランド以外の国で1年過ごせば、また同じビザが申請できます。

ちなみに、パートナーがいる場合、観光ビザであればサポートできます。観光ビザなので、パートナーの方は働くことはできません。

 

・Higher-paid Worker

時給は$25.50以上の仕事に与えられるビザで、有効期間は最長3年間です。

シェフや、マネージャー職、工事現場の人、何かしら技術をもって働いている人はこれに当てはまる場合が多いです。更新し続ければ何年いても大丈夫です。

パートナーがいる場合、パートナーシップビザを申請することができます。パートナーも働くことができます。

 

今回、私が申請したのは、Lower-paid Workerの就労ビザです。今までビザは最大1年発給されていたのですが、コロナの影響もありルールが変わりました。申請料は変わらず、6ヶ月のみの発給となりました。

私が就労ビザを申請した経緯ですが、今まではワーキングホリデービザを使って留学していました。しかし、コロナの影響により政府からNZの季節労働者不足を補うために新たに無料で付与されたSSEビザというものが発給されファームで働いていました。

その後、日本に帰ることも考えましたが、一度帰国してしまうとニュージーランドに再入国できないので、もう少しニュージーランドに滞在するために就労ビザを申請したと言う流れです。

 

※SSE: 補完的季節労働ビザ(Supplementary Seasonal Employment Visa=SSEビザ)。果樹・野菜・草花(Horticulture)・ブドウ栽培 (Viticulture)のファームでのみ働けます。

 

まずは仕事に応募しよう!

 

一番に取り掛からなければいけないのは仕事探しです。就労ビザでは、自分のビザをサポートしてくれる会社を見つける必要があります。会社側は、ワーキングホリデービザやパートナービザを持っている人を優先的に雇いたがる傾向があります。

理由は就労ビザの場合、会社は従業員に週30時間の勤務時間を保証しなければいけません。契約書にも書いてあるので、会社がこれを守らなかった場合、トラブルになるからです。

ワーホリやパートナービザの場合、週の勤務時間が決められていないカジュアルな勤務形態になります。会社側とすれば、閑散期の時に少しでも人件費を抑えたいはずです。

 

つまり、勤務時間の決まっていないビザの人をとる方がリスクが少なくて良いですよね。他にも就労ビザの場合、色々な書類を会社側から用意してもらう必要があります。

人事担当がいれば良いですが、個人経営のレストラン等だとオーナーが兼任してやっている場合もあり手間ですよね…。

そのため、あまり手間がかからないビザを持っている人の方が、仕事を探すには有利というわけです。以下では、申請手続きの流れを紹介します。

 

1. CV(履歴書)とカバーレターの作成

履歴書の作成時に自分のビザステータスを書く必要があります。私の場合、『現在はSSEビザを持っています。○月○日に期限が切れます。私の就労ビザをサポートしてもらうことは可能ですか?』と書きました。

長期滞在の場合、何かしらのビザを持っているはずです。滞在を延長したい場合は、自分が保有しているビザが切れる前に前もって新しいビザの申請をしましょう!

CVとカバーレターはメールで送ることが多かったですが、レストランであれば、直接お店に行って渡すことも可能です。

 

2. 求人サイトや雑誌で仕事を探して応募

就労ビザの仕事探しの際にチェックするところは、地元の人(ニュージーランド人)がやりたくない仕事かどうかです。ホテル、レストラン、カフェ等ホスピタリティ系の仕事の他、建設現場、クリーニングの仕事は地元の人はやりたがりません。

つまり、そのような職種は、外国人の私達にもチャンスはあります。会社側も地元の人を優先的に雇わなければいけないので、地元の人が働かないような仕事を選べば効率よく仕事を見つけることができます。

ちなみに私は50~60件応募して面接にたどり着いたのはたったの2件でした…。ただし、私が応募した時はコロナという特殊事情があるので、コロナ後には状況は変わるでしょう。

 

現在、ニュージーランドは国境が完全に閉まっているため、お客さんはかなり少なく、人手を必要としている会社が少ないのです。そのため、私は片っ端から応募しまくりました。(笑)
実は、人手はいらないのにもかかわらず、求人を出している会社もあります。それには理由があり、雇用主はビザサポートをする際に、求人広告を出して、NZ人(永住者も含む)の応募が今まで無かったので雇えていないという証明をする必要があります。

NZ人からの応募が無いので、外国人のビザサポートをしたいという証明として求人広告は大事なのです。

 

もし応募条件にあるNZ人を面接もせず落としてしまった場合、イミグレーションから指摘が入ってしまいます。

なので、現在形で求人を出しているというよりかは、従業員のビザ延長サポートのために求人広告を出している場合もあるのです。

見分けがつかないので、これに関しては色々考えずに片っ端から応募していった方がいいです!

 

3. 面接 or トライアル

面接に来るようにと言われる場合と、実際に仕事を現場でやってみて(トライアル)と言われる場合があります。

面接に行く前にもう一度ここで自分のビザステータスを再度伝え、就労ビザがサポートできるのか確認します。

 

幾ら仕事のできる人であっても、会社側からビザのサポートできないと言われたら働けないので、面接に行っても意味がなくなってしまうので、事前に絶対に確認しましょう!

 

私は数社の担当者から届いた返信メールの中には、私が履歴書に書いたビザステータスを読んでいないと思われる連絡もありました。

コチラとしては履歴書に書いてあるから見るだろう…と思ってしまいます。しかし、会社側も多くの履歴書が届いているので、大体見てないですね…。(笑)

その度に、「私は就労ビザのサポートが必要です。」と先方に話す必要がありました。

 

4. 仕事が決まったら

「あなたの就労ビザをサポートできますよ!」と言われたら、急いでビザ申請の準備をします。

 

就労ビザ申請で準備するもの

 

ビザの申請の仕方は2通りあり、書類を移民局に送るか、またはオンライン申請になります。

書類だとプリントアウトして郵送する手間がかかるので、断然オンライン申請がお勧めです!オンライン申請する場合は、移民局のサイトから『Work visa』を選択し、申請フォームに記入します。

以下、オンライン申請の手続きの流れです。

 

1. オンライン申請フォーム

 

イミグレーションのサイトの就労ビザ申請フォームに記入します。

 

2. ビザ用の写真2枚を用意

写真は薬局等で撮影してもらうことが可能です。ビザ用に写真を撮りたいと言えば、相手もサイズが分かっているケースが多いですが、事前に調べておく方が良いでしょう。

下記のサイトで、写真サイズやデータのサイズが分かります。写真を撮ってもらった後は、薬局のスタッフからメールでデータを受け取ります。

 

 

3. 健康診断

健康診断の項目には、身体検査、X線レントゲン、血液検査があります。近くのイミグレーションと提携している病院で検査してもらいましょう。

私が行った病院は電話予約ができず、病院に来館しての予約が必要でした。検査後、病院から番号がもらえます。

その番号を申請フォームに記入すればOKです。詳しい検査内容は病院から直接イミグレーションに送ってもらえるので、番号の入力だけで大丈夫です。

 

→ 健康診断の予約時には、このような紙が貰えました。

 

4. 無犯罪証明書

ニュージーランドに合計滞在期間が2年を超える場合は、無犯罪証明書を提出する必要があります。

これは日本における犯罪歴の有無を証明するもので、日本の警察庁が発行します。無料で申請できます。

 

・無犯罪証明書の申請の流れ

1. 申請書を日本国総領事館のホームページより事前にダウンロードします。また、パスポート原本、ビザのコピーを用意しておきます。

2. 日本領事館に予約の電話を入れ、来館日を決めます。

3. 当日忘れずに書類を持参し、両手の指紋を取ってもらい終了。指紋を取ってから犯罪証明書が届くまで大体2~3ヶ月で、発行後6ヶ月間が有効期限です。余裕を持って申請しておくと安心ですね。

 

5. 雇用契約書

会社が用意してくれる契約書です。オンライン申請なので、契約書も紙面だけではなくデータとしてもらっておくと良いです。

 

6. 求人広告

雇用主が掲載した広告を提出する必要があります。上記で紹介した通り、雇用主はNZ人を優先的に雇う必要があります。

この広告と共に、今までNZ人が面接に来ておらず雇えていない、だから外国人を雇いたいということも示さなければなりません。

 

7. ジョブオファー

雇用主から、私の会社があなたをサポートしますということが書いてある手紙で、雇用主のサインもあります。

 

8. Skills Match Report

仕事内容の詳細や、この仕事をする上での必要なスキル等が書かれています。他にも、週に保証してくれる勤務時間と一時間あたりの給料が書かれています。

 

9. 雇用証明書(IN Z1113-Employer Supplementary Form)

雇用される人の名前、住所、電話番号、会社のビジネスナンバー(ニュージーランドで仕事をする上で与えられる会社の番号)、会社の従業員や地元の人が何人働いているか等の情報が書かれています。

 

10. 就労ビザ申請にかかる費用

・ビザ申請費: $495(約39,000円)

・健康診断費(X線以外): $255(約20,000円)

・血液検査: $202(約15,700円)

・ビザ申請時に提出する写真の撮影費: $18(約1,400円)

 

合計: $970(約76,000円)

 

就労ビザで保証されている最低労働時間は週30時間です。

現在は、どこの会社も30時間ギリギリのところがほとんどで、場所にもよりますが多くの留学生は30時間以上働けていません。

お金に換算すると、週$600(約47,000円)が額面で、ここから税金が引かれます。そう考えるとビザ申請だけでかなりお金かかりますよね…。

 

※私は、ニュージーランドに来る前に日本でX線検査したので今回再度調べる必要はありませんでしたが、X線レントゲンの料金は健康診断の料金に含まれていません。
※血液検査に問題があった場合、$40程(約3,000円)で再度調べることができます。
※ビザの申請日は、取得を保証するためのものではなく、あくまでも申請費です。ビザが降りなかったとしても申請費は返金されません。

 

就労ビザ申請の流れ

1. 会社に書類を用意して貰い、必要事項に記入し全ての書類を揃える。

2. 健康診断と無犯罪証明書の準備をします。健康診断は予約日にもよりますが、最短1週間です。無犯罪証明書の取寄せは2~3ヶ月かかります。

3. イミグレーションの申請フォームに全て記入します。大体1ヶ月程でビザの結果が分かります。申請者がたくさんいる時は混み合うので、もっと時間がかかる可能性があります。

 

申請時に起きたトラブルと解決方法

 

問題1: イミグレーションのオンライン申請ページがエラーで、申請するのに時間が掛かりました。日を置いて何度試してもエラー表示で、全然申請できなくて悶々としました。

 

イミグレーションに電話したところ、ChromeではなくSafariならできるとの回答でした。

Safariで申請を試しましたが、途中でエラーになり、結局パソコンでは出来ずにタブレットを友達から借りて申請完了となりました。

スマホでも試みましたが、小さすぎて申請するのには不便ですね。もし申請ページがエラーになってしまったら、サイトを変えるか、デバイスを変えるか色々試してみてください!

 

問題2: 健康診断の血液検査で白血球の割合が少なく、病院からこの結果だとイミグレーションに再検査を促されるかもと言われました。

 

再検査なしで、そのままの結果をイミグレーションに送りました。もちろん再検査することもできますが、再検査代もかかります。

私の周りにも血液検査で少し異常があったけど問題なくビザが降りたと聞いたこともあったので、私もとりあえずそのままの結果を送り、問題はありませんでした。

ですが、血液検査に異常がないことが一番なので、もしお金と時間に余裕がある方は再検査するのも良いと思います。

 

問題3: 健康診断中に医者の言っていることがわからない!私は日常会話に問題はありませんが、身体検査中、肺炎、結核、喘息など専門用語が出てきた時に、何言っているかわからなくて困りました。

 

病院はイミグレーションの提携先で、多くの留学生が健康診断を受けています。私が受けた病院では、日本、スペイン、フランス、中国、韓国等で訳された健康診断用のチェックリストがありました。

そのため、基本的に言葉の問題は心配しなくて大丈夫です。万が一置いてない場合もあるので、グーグル翻訳アプリ等(文字をスキャンすれば訳してくれるアプリ)を用意しておくと良いかもしれません。

もし可能だったら、英語の分かる友達(ネイティブレベル)で、且つ日本語通訳できる人がいると安心ですね。

 

問題4: 本来無犯罪証明書は必要ないのにビザ申請後、「無犯罪証明書を提出してください。」とイミグレーションから連絡がありました。

 

私が申請したビザは6ヶ月間。合計滞在期間が2年以内なのでこの書類は本来であれば必要ありません。

無犯罪証明書を提出してくださいと連絡があった時はかなり焦りましたが、イミグレーションに理由を話すとすんなりOKをもらえました。

履歴書の時と一緒で、私の申請書類をきちんと見ていないことがよくわかりましたね…(笑)

 

問題5: ビザ申請後、申請欄になかった運転免許書の提出を求められました。ニュージーランドに取得した国際免許書は期限が切れてしまったので、今はニュージーランドで運転ができません。

 

期限切れの国際免許証と、日本の免許証を提示しました。

併せて会社のマネージャーから『仕事内容で車を運転するようなことがあれば、会社が免許更新費用を出します。』と一筆頂き、イミグレーションに提出してOKを貰いました。

 

就労ビザは余裕をもって申請しよう!

就労ビザをサポートしてくれる会社探し、ビザに必要な書類の把握、申請後いつビザが降りるか分からないと、ビザ申請には時間がかなりかかります。

申請した後もイミグレーションから何度か連絡があり、追加書類を求められました。下記、私が追加で提出した内容です。他にも、コロナの影響だと思いますが、就労ビザ申請時に多くの資料をイミグレーションから求められたという友人もいます。

具体的には、給与明細や納税記録など、普段では求められないような書類を提出する必要があった人もいます。

 

→ 移民局から提出を求められた書類のリスト。

 

私がニュージーランドに来た時はまだコロナ流行になる前で、色々な機関が正常に動いていました。イミグレーションはいつも忙しそうで、電話をすると1~2時間は自動音声のままで待つ必要がありました。

現在は外国人の数もコロナ前の比べて大幅に減り、問い合わせも少なくなったのか、今は電話をすると数コールで繋がります。

イミグレーションのスタッフも人間なので、対応が良い人と悪い人がいます。英語をゆっくり喋ってくれたり、丁寧に説明してくれたりする人ばかりではありません。

 

先方も忙しいので、あまり催促するのは良くないですが、あまりにもビザ申請に時間がかかっていたら、最速の連絡してみるのもいいと思います。

私の場合、最後の修正が終わったにもかかわらず、1週間も連絡が来なかったので、会社からイミグレーションに電話してビザの状況を聞いてみてと言われました。

電話したところ、私は名乗ってもいないのに『残念ながら、あなたの書類まだ確認できていません。1週間後にはできると思う。』と言われました。明らかに私の書類をチェックせず、受け流している感じの対応でした…。

 

ちなみに、1週間かかると口頭で言われた私のビザですが、電話してから数時間で無事にビザが降りました。(笑)

外国人として働くのって大変だとひしひしと感じましたが、やっとビザが降りて働ける感動で楽しく働けています。

ビザの状況は頻繁に変わりますので、イミグレーションのホームページを確認したり、周りの留学生コミュニティで情報交換してみてください。

 

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