多くの留学生が選ぶニュージーランドのクリーニングジョブとは!?
こんにちは。ニュージーランド留学中のまゆです。
留学先での仕事では、たくさん種類があります。定番なものだと、レストランやカフェ、ホテル、クリーニングジョブ、スーパーマーケットが挙げられます。
今回私が取り上げるクリーニングジョブですが、ニュージーランドに来る留学生にとって人気の高い仕事の1つになります。
通常は留学生やワーホリの仕事と言えば、レストランやカフェのイメージが強いと思いますので、意外に感じる方も多いかも知れません。
ワーキングホリデーで人気国であるオーストラリアやカナダでは、クリーニングジョブはそこまで聞かないかも知れません。
そして、日本国内にいても、通常あまり経験することのない仕事の1つとも言えるでしょう。
今回はニュージーランドでのクリーニングジョブ体験談を紹介しつつ、なぜ多くの留学生の多くがこの仕事を選んでいるのか解説します!
クリーニングジョブが選ばれる理由とは?
まずは、なぜニュージーランドでクリーニングジョブが人気のある職種の1つなのかについて紐解いて行きましょう。
① 採用され易い仕事であること
会社は優先的にニュージーランド人(地元の人)を雇う傾向にあります。
一方、クリーニングジョブや他のホスピタリティー系の仕事は、あまりニュージーランド人の応募はありません。
そのため、こういった職種では比較的競争率が低く、応募して受かる確率が高いのです。つまり、外国人の私たちでも挑戦しやすい仕事です。
② コミュニケーションが苦手な人に向いている
仕事場によっても変わりますが、音楽を聴きながら黙々と一人で作業できる場合が多いです。カフェやレストランのようにたくさん人と喋ったり、英語を使ったりしません。
英語が苦手、英語力に自信がないという方にも人気がある仕事です。私が語学学校に通っていた時は、友達は放課後にクリーニングの仕事を入れていました。
英語がまだ十分に喋れないので、語学学校で学びながらクリーニングの仕事に就いたそうです。
③ 離職率が高いので求人情報が多い
高い英語力が求められない仕事ですが、クリーニングは体力仕事です。力仕事にも関わらず、給料は他の職種と同じです。現在のニュージーランドですと、給料は20ドル(最低賃金)~22ドルのところが多いです。
決して華やかな仕事ではないので、単調な作業に飽きてしまう人も多く、離職率は高いのです。個人的な主観ですが、クリーニング会社はどの会社もいつも求人を出しているように感じます。
あまりにも高い金額を提示している会社だと、仕事内容がかなり大変な場合もあります。従業員がすぐ辞めてしまうので、高く設定している場合が多いのです。
就労ビザの場合は一度就職してしまうと、仕事を買える場合また新たにビザを発行する必要があり、お金も時間もかかるので、仕事はすぐに変えるのは難しいですよね。
だからこそ、仕事選びが重要です。もし給料設定が相場より高かったら、仕事をしているスタッフと話せると安心ですね。
私は、面接に行った時に、働いているスタッフがいたので、話を聞きました。聞いた限りだと自分でもできそうだったので、現在の会社で働くことを決めました。
クリーニングジョブにも種類がある
クリーニングジョブと一言で言っても色々な種類の仕事があります。よく求人で見る仕事内容を紹介すると以下の通りです。
私が見つけた仕事は、バス会社のクリーナーでした。面接の時にマネージャーから日本人は綺麗好きで仕事も丁寧だから、採用したいと言われました。
バスクリーナーで働くメリット
・バスドライバーから綺麗になったと褒めてもらえる
これが一番のやりがいですよね。乗客の人から声を聞くことはできませんが、仲良くなったドライバーさんからは、あなたが来る前と比べてとても綺麗になったと言ってくれます。
ちなみに私の勤めている会社のドライバーの給料は、$20$~$25と意外にも低いです。免許にかかるお金は会社が負担してくれますが、給料自体は低いので満足度の高い仕事とは言えないかもしれませんね。
そのため、バスドライバーの離職率も高いです。少しでも気持ちよく運転してもらえるように、バスを綺麗にしようと毎回心掛けています。
・街に知り合いが増える
私が勤めている会社はニュージーランドでも多くのシェアを持つバス会社なので、ドライバーもたくさんいます。
休日に街を歩いている時でもドライバーを見かけることが多く、一気に知り合いが増えた感じがします!
色々な国の人が働いていますし、年配の方だとニュージーランド人もいるのでキウイアクセントを聞ける良い機会です。クリーニング会社の中でも大きい会社に勤めると、色々な交流が生まれそうですね。
・ジムに行く必要なく体が鍛えられる
毎日重いものを持ちますし、バスからバスへ渡りながら掃除をしているとジムで鍛えたのと同じくらい筋肉を使います。ジムに行くお金と時間も節約できてお勧めです。
バスクリーナーで働くデメリット
・力仕事なので毎日クタクタ
クリーニングジョブの中でも色々な仕事がありますが、特にバスクリーナーは屋外の作業と重い荷物を持つことが多いと思います。
バスが置いてある発着所の駐車場の中を重い荷物を持ちながら歩き回るため、勤務後は毎日クタクタです。面接を受けた時にも、マネージャーから「体力に自信はあるか?」と聞かれたくらいです。
・埃や薬品の匂いで喉が痛くなったり、咳き込んだりする
バスによっては埃っぽいバスもあり、アレルギーなどを持っている人には厳しいかもしれません。使っている薬品も匂いがキツいことがあるので、マスクをつけて作業しています。
・男性が多い職場なので、距離感を保つことが重要
会社の9.5割は男性です。私の職場では、女性はドライバー3人、オフィス2人、クリーナー2人の合計7名しかいません。
男性社員とあまり仲良くすると、しつこくつきまとってくることもあるので距離感を保つことが重要です。オフィスの女性からは、「しつこい人がいたら教えてね、解雇忠告するから。」と言われています。
このように、味方になってくれる人を探しておくと安心です。よく「家まで送っていくよ!」と声を掛けられるのですが、どんなに仲がいい人でも断るようにしています。
1日のタイムスケジュール
以下では、バス会社のクリーナーとして働く私の1日のスケジュールを紹介したいと思います。
・13:00 〜家を出発~
毎日ナイトシフトなのでこの時間に出勤します。自分が住んでいる街中から、会社がある工場エリアはバスで30分の場所ですが、バス会社に勤めている私は無料でバスに乗れます♪
普通だったら片道2$(160円)なので週に5日出勤したとして月80$(6,300円)かかります。それが無料で乗れるのは嬉しいですね。
しかも、会社の場所はバスの発着地でもあるので、「出勤したい。」と言うと会社まで乗せてらえます。私は家から通っていますが、スタッフ用の宿泊所もあるようです。
・13:30 〜出勤〜
13:30から仕事開始です。スーパーバイザーにどのバスがスペア(一日走らないバス)か聞きそのバスを掃除します。この時間には市内で使われるバスを掃除します。
発着所に止まっているバスを掃除しているので、作業をしていると休憩中のドライバーがよく話しかけに来てくれます。
ドライバーの中には70代に近いおじいちゃんドライバーもいます。孫みたいに可愛がってくれるので、いつも楽しく話をしています♪
・18:00 〜オフィスの掃除〜
マネージャーの部屋や、バスのオペレーター室、キッチン等を掃除します。ゴミ回収や掃除機などの簡単な作業です。
・18:30 〜30分のブレイクタイム〜
夕飯はいつもこの時間にとりますが、毎日お弁当を家から持ってきています。併設されているキッチンで食べます。キッチンにはバスの運賃を計算するマシーンが置いてあるので、ドライバーが仕事を終わりに寄ります。
ヒーターが付いている部屋なので、冬は暖かく快適です。キッチンには電子レンジやトースター、冷蔵庫、調味料が置いてあり料理もできます。
・19:00 〜ツアーバスに使われている大きなバスが到着〜
日によっても違いますが、1~2台のツアーバスを掃除します。オーストラリアとニュージーランド間の国境が空いてからはツアーのお客さんが増えました。
ツアーバスは市内循環バスに比べて綺麗ですが、床だけは食べこぼして汚いので掃除機をかけるのに時間がかなり掛かります。
22:00 〜勤務終了〜
8時間の勤務を終えて、近くのバス停までダッシュします。日本のようにきちんと上司に「お疲れ様でした。お先に失礼します。」と言わなくても「おやすみ!」とだけ言って、そそくさと帰ります。
この時間が終バスなので乗り遅れると大変です。(笑)帰りは遅い時間なので、発着所から出ているちょうど良い時間のバスがなく、自分で近くのバス停からバスを拾う必要があります。
ちなみに、家の最寄りのバス停までは約30分です。毎日ドライバーが変わるので、降りる前にドライバーと少し喋るのが楽しみの一つです。
バスクリーナーの仕事内容
上写真は、私が実際に使用しているクリーニング道具です。以下、内容物を紹介したいと思います。
・Disinfectant(殺菌力のある消毒剤)
マルチパーパスより殺菌力は弱いです。
・Multipurpose(マルチに使える液体)
お客さんが肌に触れる手すりや肘かけなどから、床まで全てこの一本でまかなえます。
・Window cleaner(窓を掃除する専用の液体)
窓や鏡を綺麗にするのに使います。
・Dashboard cleaner (運転席のダッシュボードクリーナー)
運転席のダッシュボードを綺麗にするために使います。革製のものだと、拭いたあと輝きが増します。
・Air freshener(エアーフレッシュナー)
ツアーバスの掃除完了後、このスプレーをかけて良い匂いのまま次の日のツアーに備えます。
ちなみに、市内のバスは飲食禁止です。CCTV(セキュリティカメラ)もバスの中についていますが、フライドチキンの骨が落ちていたり、ガムがへばりついていたり、結構マナーは悪いです。
個人的な感想ですが、ニュージーランドは環境に優しい商品が多いです。ニュージーランドの洗剤や掃除用の液体は、日本のように強力なものはなく掃除をしても落ちない汚れもあります。
日本人よりマナーが悪い人が多く汚れているケースも多い中で、日本より弱い洗剤で落とすって…。落ちるわけがないですよね…。
このように、落書きもたくさんあります。中には、窓にも書かれていたりすることもあり、落書きを消すのにも一苦労です。
市内に走っているバスは、インドから輸入したものらしいです。色々なところが壊れるのですが、そのまま走っています。(笑)
肘置きの下が取れていることは多く、バスによってはほとんどのこの部分が壊れています。(笑)
上写真ですが、手で掴めるようになっているのですが、根こそぎ壊れています。どうやったらこんなに壊れるのでしょうか!
運転席も掃除します。ハケを使って、ボタンの間に入っているホコリも取ります。運転席側の窓も掃除して、運転しやすい環境を作るように心がけています。
仕事場からは壮大な山々が見られるので、気持ちよく掃除ができます。
このバスは、市内循環バスです。ハケを使って埃を取り除きます。
これはツアーバスの運転席です。クイーンズタウンですと有名な観光地で世界遺産であるミルフォードサウンドに向かうバスが多いです。ツアーバスはバスの中から景色がよく見えるように、運転席と乗客も綺麗にします。
バスの外側は、男性が洗車をする場合が多いのですが、私もトレーニングとしてやりました。バスを洗車スペースに持っていくのではなく、洗車マシーンを自分で動かしてバスの周りを運転します。
このマシーンが重いので、男性が洗車をするケースが多いです。風が吹いている時は風向きに注意しないと泡と水が自分に飛んできます。(笑)
普段洗車マシーンはWash bay(洗車エリア)に置いてあります。バスのフロント部分はマシーンではできないので、専用の巨大ブラシで洗います。
ツアーから帰ってきたバスは、フロントガラスに蜂などの死骸がたくさん張り付いています。それらを綺麗に洗います。
Wash bayを遠くから見るとこんな感じです。Wash bayの近くにはガソリンを入れる機械があり、勤務後のバスはここに列を作ってガソリンを入れます。
世の中には便利なものがたくさんあるのに、私が勤めている会社では、未だに長くて重い掃除機を使っており、ほうきも昔ながらの代物です。
効率が悪いし、何より綺麗にならないので、コードレス掃除機を買って欲しいとお願いしました。(笑)日本のようなほうきであれば、隅々まで履くことができますよね…。
左のほうきはブラシみたいで、隅々のほこりが全然取れません。掃除機はおそらく業務用のものだと思うのですが、コードを収納するボタンも付いていないので、毎回長いコードを束ねています。
本体は背負えるようになっているのですが、かなり重くて大変です。バスの中を掃除する時によくしゃがむのですが、この掃除機のせいで腰にダメージを受けています。
ニュージーランドの家は部屋の床全体がカーペットの場合が多いですが、バスも同じでツアーバスの多くは床がカーペットです。そのため、掃除機をかけるのが大変です。
席と席の間を通って掃除するので、こんな大きな掃除機だとやりづらいです。ツアーバスは電源プラグがあることが多いのですが、バッテリーが上がってしまうので、外にある電源プラグから繋ぎます。
この作業も面倒くさくて、コードレスがあったらこの作業がなくなるので早く欲しいですね。
掃除の仕上げは、モップがけです。モップをかけた後は床がピカピカになります。
モップがけをやっている最中の私です。仕事場では、バスにひかれないようにセーフティーベスト(夜の暗闇で光る仕様の服)を着て作業します。ブーツも何か踏んでも大丈夫なように、安全靴を履いています。
服から靴まで、全て会社がオーダーしてくれました。冬場の作業のため会社ロゴが入ったダウンジャケットをオーダーしてくれたのですが、男性が多い現場での制服はSサイズでもかなり大きく動き辛いです。
外で作業するスタッフのために、業務用のストーブが置いてあります。温風がすごい音と共に吹いてくれるので、温まります。日本では、こんなのなかなか見ないですよね。
左側から温風が出てきます。大きいドライヤーのようなものですね。
他にも、落とし物を管理するスタッフもかなり適当です。水筒やお弁当箱のような安価なものは、その辺に放って置いてあるので、心配になりますね…。
クリーニングジョブに挑戦してみよう!
私はニュージーランドに留学する以前は、クリーナーの仕事をするなんて考えてもいませんでした。
掃除は嫌いだし、黙々と作業するより、色んな人とコミュニケーションを取りたいと思っていました。求人サイトを見ている時も、クリーナーの仕事だけは避けていました。
ですが、意外と毎日色々な人と会話ができる環境にあり、作業中は落ち着いて働けるので、実際やってみると今では気に入っています。
毎日筋肉痛で大変ですが、クリーニング系の仕事は勤務時間が長く働けることが多いです。私の場合、勤務時間は週40時間保証されています。
コロナの影響で多くの人が週30時間しか働けない中、本当にラッキーだと思っています。クリーニングの仕事では、普段は入れない建物に入れたり、高級住宅地の掃除ができたりと結構楽しいと聞きます。
バスクリーナーの仕事でもバスの中に尿入りのペットボトルやクレジットカード、かじった丸ごとのりんごが落ちているなど…日本ではあり得ない環境で案外楽しんでいます。(笑)ぜひ先入観を持たず、応募してみてくださいね!