留学生活を思い出だけで終わらせないためにするべきこと
私がニュージーランドに留学をしたのは2016年。
あれから時が流れ、あっという間に5年が経とうとしています。
毎年、成田空港から出発をした2月になると、あの日のことを思い出します。
そして、その度に確実に今の自分は、留学中に経験したことや感じたこと、胸に刻まれた想いにインスパイアされてできているんだと確信します。
留学中に経験したことや心に残ったこと、記憶に刻まれた体験には、その後どうやって今の自分、そして将来の自分に生かしていくべきかのヒントがたくさん隠されています。
この記事では、留学中の日々の経験からそれらを見つけるためにするべきことを経験者の私と一緒に探っていきましょう!
筆者が留学中に経験して心に残ったこと
著者が留学中に経験したことの中で、特に心の中に残ったことは主に3つあります。
① 心強い先生との信頼関係が英語力とその発信力に影響
私は留学中、ウェリントンにあるビクトリア大学附属の語学学校に通っていました。この語学学校に通い、最終試験やIELTSのスコアで学部や修士課程、博士課程などで研究をするための英語力がついていると判断された場合進級をすることができます。
中には私のように日本の大学との協定プログラムで入学して、ビクトリア大学の学部や修士課程などに進学する予定はないけれど、英語力の向上のために在籍する生徒もいます。
このビクトリア大学の語学学校の先生たちはもちろん語学教育のエキスパートです。
各生徒の英語の4技能(話す・聞く・読む・書く)とそれぞれのレベル、長所と短所、短所を伸ばすための具体的な勉強方法、論理的に伝える力、批判的に物事を見る力、などを細かく分析して伝えてくれます。
しかも、ただ語学の指導が上手なだけではなく、生徒一人一人の性格や学習嗜好、留学中の悩みや不安、人間関係、得意不得意、興味のある分野などを考慮してサポートしてくれます。
それもそのはず、この語学学校では担任の先生と面談をできる機会が多く用意されており、その度に直接担任から英語学習についてのアドバイスが受けられたり、留学生活の悩みを聞いてもらえたりするのです。
私の担任のヘレン先生は、私が英語教育と音楽教育に興味を持っていると面談の際に打ち明けたところ、大変興味を持ってくれました。
そしてある日、まだ私が授業中にクラスの前で意見を言うのに不安を持っていた頃、ヘレンが私にこう問いかけました。「みさき、前にあなたが話してくれた言語習得とピアノの練習の共通点についてみんなにシェアしてみてくれない?」と。
正直なところ一瞬、この話を振られたときに「私にできるのだろうか?」という気持ちが頭をよぎりました。
でも、私の英語教育と音楽教育への熱い思い、親身になって聞いてくれたヘレンからの良い意味の期待と、「何となく話せる気がする。」という直感を信じて、私はクラスメイトの前で自分の思いをシェアしました。
その結果、話すことができました!話している最中、自分が強く興味のあることについて、留学中初めて大勢の前で堂々と思いを語ることがとても楽しかったのです!
私が話をしている最中も、担任のヘレンは頷き微笑みながら、見守ってくれていました。
おそらくヘレンは面談の際に、私がクラスメイトの前で自分の意見を述べることができる準備ができていると判断したのでしょう。
英語力の面はもちろん、ある物事に対する自分の意見の強さ、そして論理的に伝える力など総合的に判断してくれていると思います。このように、クラスメイトの前で話をするように振ってくれたのだと思います。
この日以来、クラスメイトや講義上の前で発言することや、自分の意見を述べることに不安を覚えることがなくなり、むしろその時間を楽しいと思えるようになりました。
② ホストファミリーと楽しんだ音楽
私がお世話になっていたホストファミリーはお父さん、お母さん、ブラザー二人とシスター、そして犬のジェシーの6人家族。そして、休日にはよく両家の祖父母が遊びに来ていたためいつも賑やかでした。
そんなホストファミリーとの思い出は、音楽と共にあります。シスターのキーリーは、ジャスティン・ビーバーの大ファンで、彼の曲をいつもギターで練習していました。
長男のコーリーはウクレレを弾くのが上手で、ネットで楽譜を探してはいつも違う曲を弾いていました。また、次男のルーカスはキーボードやピアノを弾くのが趣味で、家には彼のキーボードが置いてあり、いつでも弾いて良いよ、と留学初日に教えてくれました。
夕食が終わるとリビングルームに設置してある超高音質のスピーカーから音楽を流すのが、私のホストファミリーの習慣でした。
流す音楽は、その日曲を選ぶ人の気分によって変わります。ある日はシスターの選曲でアリアナ・グランデの「Problem」。またある日はホストファザーの好きなジャズピアノメドレー。また違う日は、ホストマザーのお気に入りスティービーワンダーの「Isn’t she lovely」でした。
毎日毎日、スピーカーからなんの曲が流れるのか考えるのが、夕食後の楽しみの一つでした。
時には流れる音楽に合わせてダンスをした日もありました。お酒を飲んでゆったりした気分ので、メロウな音楽に合わせて踊ったり、EDMに合わせてクラブのように踊ったり。(笑)
今でも当時ホストファミリーの家で流れていた音楽を聞くと、私の留学生活は毎日、愉快なホストファミリーとそれぞれの好きな音楽と共にあったことを今でも思い出しまします。
同時に、私の音楽を好きな気持ちもこの留学中にどんどん大きくなっていったことを実感します。
③ 親友たちと音楽にのめりこんだ日々
音楽への気持ちを再認識し、その気持ちがどんどん大きくなっていった留学生活でした。それは上記でも述べたように、ホストファミリーとの生活に音楽が欠かせなかったことが一つの大きな理由です。
実はもう一つ、私の留学後の将来設計に大きく影響した音楽に関する出来事があったんです。それは、私と同じように音楽が大好きな友人たちと出会ったこと、そしてみんなで一緒に音楽にのめり込んだことです。
クラスメイトの中に、幼少期からバイオリンを弾いていた中国人の友達と、歌が好きでとても素敵な声を持つ、私と同じように日本から留学しに来た友達がいました。彼らとは偶然授業で同じ机に座るようになり、毎日授業を一緒に受ける中で仲が深まっていきました。
学校ではランチを一緒に食べて、休み時間もくだらない話で大笑いをし、放課後はカラオケや美味しいレストラン探し、ビリヤードや映画、ボーリング、夜にはMt.ビクトリア星を見に行くなど、さまざまなことをして一緒に過ごしました。
ある日、バイオリンを弾く彼が、音楽の話をし始めたことがきっかけで、私たち3人は授業が終わった放課後にスタジオを借りて、アンサンブルをしようと動き出します。
「何かをやろう!」と決めた後の行動の速さって大事だと思うのですが、この時私たちは「アンサンブルをしよう。」と決めた翌日にはやりたい曲の楽譜を見つけて印刷し、街にあるスタジオも見つけ出しました。留学中はやると決めたことをすぐに行動に移すことは、とっても大事です。
それからの毎日は、授業が終わり次第街に出てスタジオに入り、アンサンブルを楽しみました。お互いのパートを練習し、合わせ、気に入らないところを話し合って修正し、もう一度合わせてみる…というプロセスを何度も繰り返します。
このアンサンブルの時に使っていた英語は、語学学校の授業で使う英語とは全く別の種類の英語だと思います。水なことにのめり込みながら使う英語は、まさにリアルな日常英語。相手と素敵な音楽を作りたいからこそ積極的に英語でコミュニケーションをとっていくんですね。
私が日本に帰国するまで、このアンサンブルは続きました。語学留学の主な目的は、その名の通り英語力の向上だと思います。もちろん、現地に行って英語力を向上させるのにたくさん勉強して帰ってくるのは素晴らしいこと。でも、私の場合、英語の勉強に加えて、大好きな音楽を現地でできた友達と共有するという素晴らしい体験もできました。この体験は、後の私の人生にとっても大きな影響を与えてくれました。
留学経験はその後の人生に大きな影響を与えるもの
今回は私がニュージーランド留学中に経験したことの中でも特に、私のその後の人生に影響が大きかった出来事を紹介してきました。
留学に行く前、みなさんそれぞれに大きな目的や目標を抱えていると思います。
語学力を向上させたい!現地の文化をしり、今後の学びに役立てたい!異文化体験をしたことがないので、肌で感じに行きたい!みなさんそれぞれが胸に秘めているその想いは、素敵な留学生活を送る上でとても大切です。
そして、現地に着いた途端、想像もしなかった出来事がいくつも皆さんを待っていると思います。もちろん、その全てが良い出来事とは限りません。
ですが、留学中に起こるどんな出来事もその後の皆さんの人生に必ず影響を与えます。そんな留学中に体験するさまざまなことを次にステージで生かすために、思い出だけで終わらせないために、一体どんなことをすれば良いのでしょうか?
次回の記事では、今回私が紹介した心に残っている体験を思い出だけで終わらせないために、私が留学中にしていたことを紹介していきたいと思います。次回の記事もお楽しみに!