ニュージーランドの家族のさまざまな形 ~ホームステイを通して見えたもの①~ | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

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ニュージーランドの家族のさまざまな形 ~ホームステイを通して見えたもの①~

公開:2022/05/02 著者:高橋 美沙季 691 Views

今回の記事では、筆者の私がニュージーランドのウェリントンで留学生活を送ってみて感じた「ニュージーランドの家族のさまざまな形」についてお送りしたいと思います。

留学生たちの中には、大学専用の寮での生活やアパートなどでの賃貸生活などの選択をする人も多いです。ですが、留学の醍醐味として、外国人の家族たちと一緒に生活を共にすることのできるホームステイも貴重な経験です。

ホームステイでは寮生活やアパート暮らしでは経験することのできない「現地の家族との時間」を思う存分楽しむことができます。私の場合はニュージーランドでしたが、ニュージーランド人の家族たちと一つの屋根の下で共に生活をすることで、家庭の色や雰囲気を味合うことを経験しました。

 

実は、そのホームステイ生活を通して、ニュージーランド人の多様な家族の在り方について考える機会がたくさんありました。日本ではまだ馴染みのない結婚の制度や男女の在り方、家庭の中の役割分担に対する概念、価値観を間近で見て知ることができました。

自分自身の「結婚」や「家庭」に対する新たな価値観を持つことができたのも、ホームステイ生活のおかげだと思っています。

日本を出たら日本の価値観が当たり前だと思うことはある意味怖いことです。ニュージーランドに限らず、これから日本以外の国への留学を検討している方は、海外の国々についての新しい価値観を探求するつもりでこの記事を読んでいただけたら幸いです。

「事実婚」って知っていますか?

 

皆さんは「事実婚」という結婚制度を耳にしたことがありますか?また、「事実婚」という結婚制度についてどの程度の知識がありますか?

実は、ニュージーランドでホームステイ生活をすると、この「事実婚」という制度について家族との会話中に耳にする機会があるかもしれません。それもそのはず、ニュージーランドでは「事実婚」を選択しているカップルたちが数多くいるのです。

そこで、「事実婚」とは一体どんな結婚制度なのかを見ていきたいと思います。

 

事実婚と法律婚

日本人の間で一般的に「結婚する」や「入籍をする」というような結婚制度は、正式には「法律婚」と呼ばれるものです。 区役所などに入籍届、婚姻届を提出して、法律の上で結婚をすることを「法律婚」と言います。

一方、「事実婚」は、事実上夫婦関係である二人であるけれど、区役所等に入籍届・婚姻届を提出しないことを言います。

「事実婚」であるかどうかを見極めるには、入籍届・婚姻届を提出していないことに加えて以下の3点が挙げられます。

 

① 「夫婦である」とお互いが認識していること
② 共同生活を送っていること
③ 社会的に夫婦と認められていること

 

事実婚を選択するメリット

「法律婚」ではなく「事実婚」を選択することによって得られるメリットがあります。まず、夫婦別姓が可能である点です。法律婚を選んで小人届を提出した後は各種身分証明書、職場の登録名などとにかく名義を変更する手続きが大変です。

しかし、法律上認められていない「事実婚」を選択すれば夫婦別々の苗字を使い続けられますし、名字を変更する側のパートナーのみ大変な思いをすることなく済みます。平日仕事があるため、区役所や郵便局での手続きができないなどの不便を気にしなくて済みます。

また、もし万が一、2人の関係が変わってしまっても戸籍に影響がないこともいい点と言えるでしょう。法律上で登録がされていないため、「離婚」という措置も取る必要がありません。

 

そして、事実婚を語る上で何よりも重要なことは、「事実婚は2人の気持ちで成立しているということ」です。結婚に法律が介入しないので、事実婚とはとにかくシンプルに「2人の間で一緒に生きていくことへの同意」が成されているだけということ。

一緒に生きていくことも離れて暮らすことも自由であるため、そのような価値観のもと人生を歩んでいきたいカップルには最適です。

2人の心から、「好き」というシンプルでピュアな気持ちに向き合える方法だと言えるでしょう。

 

ニュージーランド国内の結婚制度について

 

ニュージーランドでは「事実婚」が一般的であるということと、「事実婚」についての基礎知識を得たところで、そもそもニュージーランドの結婚制度は一体どのようなものなのかを知っておきましょう。

ニュージーランドには「結婚(法律婚)」と「事実婚」、そして「規制事実婚」という3種類の結婚制度が存在しています。「結婚は」先ほどの説明の通り、法律上夫婦として認めてもらうために籍を入れて、戸籍を一つにするという結婚制度です。

ニュージーランドの「事実婚」は、元々何らかの理由により結婚を認められなかった同性のカップルが結婚と同じ制度を選択するための目的で作られたそう。そして一番聞き慣れない「規制事実婚」とは、シンプルにお互い結婚はしていないけれども長い期間一緒に共同生活を送っているから結婚していると認めていいよという制度になります。

 

冒頭でも述べた通り、日本と比較しても「事実婚」を選択するニュージーランドのカップルはとても多いです。その理由は、「結婚(法律婚)」を選んだカップルが離婚をする場合、最低でも2年間の別居生活を送らなければいけないという法律があるためです。

それに比べて「事実婚」を選んだカップルは離婚をすると言ってもただの「同居生活の解消」と「お互いの結婚への同意の解消」であるため、とってもシンプルなのです。

このような背景もあり、近年では多くのニュージーランド人が「結婚」ではなく「事実婚」を選択しているようです。

 

「結婚 (法律婚)」を選んだニュージーランド人のカップルが離婚した場合、法律では財産は折半になります。また、行政からは離婚後の手当や保護が抜かりないため、例えシングルマザーになっても金銭的な部分で困ることはありません。

何と驚くことにこれは、事実婚をした場合でも同じです。そのため、2人が離婚したいとなった場合、最低2年の別居生活と離婚の手続きをする必要のない「事実婚」を選ぶカップルが増えているのだとか。

日本の結婚制度とは全く異なるニュージーランドの結婚制度、とても興味深いですよね。

 

海外の価値観を体験するのも留学ならでは!

今回の記事では、近年ニュージーランドで選択の広がる「事実婚」という結婚制度についての基礎知識と、ニュージーランドの結婚制度について紹介してきました。

私はニュージーランドで、このような「事実婚」制度をパートナー同士で選択し、幸せに自分たちらしく暮らしている夫婦に何組か出会いました。

次回の記事では、私が実際にニュージーランドで体験した「事実婚」に関するエピソードを紹介していきたいと思います。

 

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