これは予想外すぎて…! 留学中に起きたびっくりエピソード集②
前回の記事から「留学中に起きたびっくりエピソード」を特集しています。
前回は「ウェリントンの街を颯爽と歩く馬」や「ドライブ中に突如現れた野生ペンギンの群れ」、「学校帰りに遭遇したハリウッドスター」などの驚きエピソードを紹介しました。まだ記事をご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。
今回も私がニュージーランドのウェリントンで生活中に起こった、ありえない驚きの体験を皆さんにお届けしていきます!
④ ホストマザーが散歩中に遭遇した巨大な生物とは?
前回の記事に引き続き、「遭遇した生物シリーズ」がやたらと多いなと思う方もいらっしゃるかもしれません…。(笑)それもそのはず、ニュージーランドは首都のウェリントンであっても車で10分も走れば大自然に溢れているのです!
最初に紹介するこのエピソードも、そんな自然たっぷりのウェリントンで起きた出来事です。このエピソードは私自身が体験したと言うよりは、私のホストマザーの体験になります。この出来事を話してくれた時のホストマザーの興奮冷めやらぬ様子は、今でも忘れられません!
ある平日の朝、いつも通りアラームを止めて6時ごろ目を覚ました。身支度を整えに2階にあるバスルームへ向かいます。この時間にはすでに、ホストマザーとホストファザーは起床して朝ごはんも済ませており、ホストファザーは仕事へ、ホストマザーは愛犬のジェシーを近所へ散歩に連れ出しています。
丁度私が身支度を整えて、朝ごはんを食べにキッチンへ降りようとしたところにホストマザーとジェシーが散歩から帰ってきました。ジェシーは、私が起きているのを確認すると一目散に私のところへ駆けてきて、まるで久しぶりに飼い主と会った時のようなとびきりの挨拶をしてくれます。(一緒に住み始めて数ヶ月が経つと言うのに毎朝の習慣です。)
しかし、この日の朝はなんだかジェシーの様子が違いました。いつものように私の方へ駆け寄ってきて飛びついてくる様子がないのです。それどころか、なんだか尻尾をしまって心なしか元気がない様子。一体どうしたんだろう?気になった私は玄関からキッチンへ入ってきたホストマザーに聞いてみることにしました。
すると、そのホストマザーもいつもより息が荒く、疲れ切っています。「どうしたの?!」と私が聞くと、「それがさ、散歩中にすごいものに出会ってしまったよ!」と、ホストマザーが言うのです。
ホストマザーとジェシーは、だいたい毎朝6時半に散歩へ出かけます。コースは決まって歩いて5分ほどの場所にあるビーチへ続く道でした。毎朝まだ人のいないビーチでジェシーを放し、自由に遊ばせてあげるそう。
その日もビーチに散歩へ行ったようですが、一体ビーチで何に出会ったのでしょうか?
ニュージーランドの首都ウェリントンのビーチで私たちが出逢いそうな何か、とは?皆さん、想像がつきますか?
ホストマザーとジェシーがその早朝にビーチで出会ったのは巨大なトド(オットセイ?)!
その日の朝はまだ薄暗く、砂浜の色も少し暗めの色であるため足元が見えにくい状態だったそう。ホストマザーとジェシーがいつも通り砂浜をリラックスしながら歩いていると、大きな大木がありました。ホストマザーは助走をつけてその大木を飛び越えたそうです。
すると、その大木が突然唸り声をあげて動き出したのです!驚いたホストマザーはその場から距離を置いて、大木のようなものをじっと目を凝らして見たそうです。なんとそれが大木などではなく、眠っていたトドだったとは…!
しかもそのトドは眠りを邪魔されたのが気に食わなかったのか、ホストマザーとジェシーの方に向かってきたそうです!焦ったホストマザーは、ジェシーと一緒に一目散に街の方へ向かって走り出しました。
ジェシーは突然現れた巨大なトドに完全に怯えてしまい、終始尻尾を丸めて家まで震えていたそう!それで、いつもはハッピーな様子のジェシーがあんなに元気がなかったのか、と納得しました。
ホストマザーによると、その地域で野生のトドに出会ったのは初めてのことだそうです。「エキサイティングな散歩だったわ!」と息を切らしながら話してくれました。
前回の馬や野生のペンギンに引き続き、今回のエピソードは「野生のトド」でした。さすが野生動物の保護に国をあげて力を入れているニュージーランドです!日本の野生動物とはスケールが違いますね。
⑤ 家の庭に現れた謎の動物とは?
今思えば、ニュージーランド留学中に出会った野生動物って一体何種類あったのだろう?と思います。次に紹介するエピソードにも、普段日本に住んでいる皆さんであればあっと驚く意外な動物が登場しますよ。
その日は特に予定のないとっても和やかな休日でした。アラームをかけずに寝て、朝はゆっくりと起床し、好きな時間に朝ごはんを食べる。そんなある意味怠惰な午前中を送っていた時、玄関からホストシスターのキーリーが帰ってきました。
キーリーは、私がいるキッチンに入るやいなや、何やら興奮した様子で私に話しかけてきました。「ミサキ、急いできて!外でミサキに見せたいものがあるの!とにかく急いで!」と、キーリーが言います。
外で?私に見せたいもの?一体何だろう?また大きな馬でも家のまえにやってきたのかな?などと考えながら、私はキーリーの後をついて外へ出ました。するとキーリーは家の前にある小さな茂みを指差します。「あの茂みの中をそっと覗いてみて。とにかく、そーっとね。」と小声で私に話しかけます。
オッケー、とにかくそっと、ね。これまでの経験上、この国では予想だにしない野生生物に出会う確率が高いため、私は少し怯えながら、恐る恐るその茂みを覗いてみました。するとそこには、なんだか茶色の、トゲトゲした丸っこい小さな何かがうずくまっています。
ん?これは一体何だろう?少なくとも日本ではみたことがないぞ?
私たちの気配を感じているのか、茂みの中で動かず、じっと固まっている謎の生物がいます。そこでキーリーが少しだけ、茂みに生えている草を動かします。
すると、謎の生物が反応し、こちらの方に顔を向けてくれました。そこで私はこの生物が何なのかやっとわかりました!
キーリーが私に見せたいと呼びにきてくれたその生物は、「ハリネズミ」だったのです!
ハリネズミと言えば、日本では「ハリネズミカフェ」までありますし、ペットとしてお家で買う人も増えているとても人気のある小動物ですよね。
ニュージーランドでは、ハリネズミが野生でそこら中に生息しているのです。この瞬間までそのことを知らなかった私はとても驚きました。学校に行ってこの話を留学生友人たちにすると、「私も学校帰りの道でみた!」、「うちの家の庭にも出た!」などという声もちらほら。
こんなに可愛い小動物が野生で暮らしているなんて、ニュージーランドはやっぱり動物にとっても安全で素晴らしい国ですね。
⑥ 遭遇した誰もが何これ!?と声を上げてしまう昆虫
最後に紹介するのは、ニュージーランドに行ったことのない人はおそらく見たことがないであろう変わった昆虫に関するエピソードです。極度に昆虫嫌いの方は少々グロいのでご注意を。(笑)
このエピソードは私の日本人の友人が経験したものです。友人のホストファミリーは、彼女より年下の小学生の兄弟が3人もいる家庭でした。上2人はやんちゃな男の子で、末っ子は兄2人に負けないくらい強い女の子でした。
ある日の休日、友人はホストシスターたちと外で遊んでいました。ニュージーランドの日差しはとても強いため、数十分外に居ただけでも真夏は汗が噴き出てきます。少し涼みに日陰へ移動した友人は、木陰にあるデッキに見慣れない何かがいるのに気がつきました。
手のひらほどのサイズで、茶色く、デッキにじっと止まって動かない謎の生物。恐る恐るその生物に近づいてみた友人は、それを間近でみてゾッとしたそう!日本ではみたこともない昆虫がデッキにとまっていたのです!
見た目はコオロギのようですが、体全体が甲羅のように硬く、尻尾のところにはとても頑丈なトゲのようなものがあります。でも、羽がなく、動きはとってもゆっくり。昆虫が得意ではない彼女は急いでホストシスターたちの元へ駆け寄り、その昆虫がなんなのか聞いてみました。
ホストシスターたちはその昆虫を見るなり、「あ〜!これね。何も心配いらないよ。」と一言。その謎の昆虫は「ウェタ」というそうで、もちろんニュージーランドにしか生息してない珍しい昆虫です。
実は夜行性で、日中にはほとんど目にする機会がないのだとか。ウェタは別名、「ジャイアント・ウェタ」と呼ばれ、体調は大人の男性の手のひらサイズにまで大きく成長する固有種です。絶滅危惧種に指定されており、ニュージーランドではその繁殖を支援して絶滅から保護する活動も行われています。
昆虫が苦手な方が出会ったら、さぞかしビックリしてしまうくらい巨大で見た目も少々グロテスクなウェタ。でも安心してください、ウェタは草食性で性格も温厚なので、特に私たちの生活に害はありません。むしろ、見ることができたらラッキーな珍しい昆虫なのです。
ちなみに、私自身はウェリントン滞在中にウェタを見ることはできませんでした。
ニュージーランドに住む驚きの生き物にたくさん出会えました
今回紹介したエピソードは、偶然にも全てニュージーランドで出会った動物や昆虫に関するものでした。生き物に関する驚きのエピソードが多いということは、それほどニュージーランドにはさまざまな種類の生き物が生息しているという証拠ですね。
ニュージーランドは、国をあげて絶滅危惧種やその危機に直面している動物たちを保護しています。実際に生活をしている中で生き物たちに出会うと驚くかもしれませんが、それも留学したからこそです。
ニュージーランドの国民たちの「生き物たちを救いたい」という気持ちと彼らの努力の結晶として多くの生き物たちが存在し続けていられると思うと、何だかほっこりとした気持ちになりますね。