留学中のメンタルの整え方について考えてみよう ~その4~
皆さん、こんにちは!ニュージーランド留学経験者の美沙季です。
数回にわたり特集をしている「留学中のメンタルの整え方」ですが、今回も筆者がニュージーランド留学中に意識的に実践していたマインドフルネスな習慣や行動を皆さんに共有していきたいと思います。
留学やワーキングホリデーを夢見て、いざ現地へと旅立つときのあのワクワク感といったら、他の言葉では表せません。これから数ヶ月~数年間にわたり海外の知らない土地で生活をするとなると、出発前には予想もしなかったことが多々起こります。
例えば、さまざまなバックグラウンドを持つ学生たちとのコミュニケーションにおいて、意思疎通が上手くいかないこと。ある時は、自分の言語力の無さに落ち込む。厳しい授業についていくのがやっとで、クオリティの高いプレゼンテーションができない。相手の話す外国語のスピードについていけず、焦ることもありました。
人によってストレスの感じ方はさまざまですが、どんな人でも留学中には自分のメンタル面をケアする時間がとても大切になります。
今回も私自身が留学中に行っていた3つの新たな「メンタルケア」の習慣と行動を紹介していきます。
留学中メンタルが整った行動⑥ バスの中での空想
留学中のメンタルを整えるために私が毎日欠かさず行っていた習慣の1つが、「バスの中での空想」です。
毎日欠かさずバスの中での空想を行うことができたのもそのはず、私のホームステイ先から参考資料のある大学まで、片道40分間かけてバスで通学していたからです。
毎朝9時から語学の授業が始まるため、毎朝8時前のバスに乗って8時45分には大学の敷地内に入らなければいけませんでした。
家の近くのバス停からバスに乗車すると、バスの車内は毎朝決まって同じ人たちです。1人は私と同じくらいの歳の学生、もう1人は中年くらいに見えるスーツを着た男性、そして決まって一番後ろの席には近くの女子校に通う学生さんたちが数人仲良く座っています。
毎朝お決まりのメンバーで、ルート32のバスに乗り、大学までの旅が始まります。この時間は私にとって、1日の中で最も落ち着いて物事を考えることのできる特別な時間でした。
まだ街全体が賑わっていない朝の澄み切った空気の中バスの心地よい揺れに身を委ねていると、様々な思いが心から湧き出てきます。
海辺の街「アイランド・ベイ」から大学のキャンパスのある「ケルバーン」というところまで、窓の外を眺めるとさまざまな景色を目にします。遠くに見える南島南端の半島や、運が良ければ走り回る野生のうさぎを見ることのできる広大な原っぱ、ウェリントン動物園やおしゃれなカフェ通り、ビジネス街や政治の中心地で首相が駐在している「ビー・ハイブ」などなど。
バス停に止まるたびに会社や学校、子供の幼稚園などの送迎のために乗客がバスに乗り込んできて、大学に着く頃にはバスの奥までほぼ満員状態になります。この状態になると、そろそろ大学に到着する合図です。
40分間の空想の時間もそろそろ終わりの時間。バックパックを背負って忘れものがないか確認して、バスを降車する準備をします。
参考資料のある大学からホームステイ先への行き帰りを合わせると80分間を空想に使うことで、1日の始まりをクリアなマインドで迎えることができます。
また、帰りのバスの中ではその日起きたことを頭の中で整理し、そのことに対する自分の気持ちの確認をすることができます。
ステイ先から学校までの道のりが長い人は、その時間を有効活用するという意味でも「通学中の空想」を行ってみると留学中のメンタル面を整えることにつながるかもしれませんね。
留学中メンタルが整った行動⑦ その日の気分でBGMを一曲決める
実は、バスの中での空想を行う際によりクリアなマインドで、自分の心の声を聞くために活用していたものが「音楽(BGM)」です。
バスの中でその日のムードや気分にあった音楽を聞くことで、学校に着く前のマインドセットを行いやすくなるのです。
具体的には、ステイ先の玄関を出る前に必ず今日の自分の気持ちや気分 を自分の心に問いかけます。(落ち着きたい気分?テンションを上げていきたい?集中したい気分?ラブソングが聴きたい?パーティソングが聴きたい?など)。
今日の気分や気持ちがわかったら、バスの中で聴きたい曲をiPhoneの中から選択し、「本日のBGM」とします。
その日のムードに合わせて決定したBGMは、その日の夜に書く日記にメモをしておくことで、後々日記を読み返した時に「あ~!この日はこんなムードだったのか。」と思い返しやすくなるのもこの習慣のいいところ。
人は音楽を聴くことでやる気を出したり、気持ちを整えたり、落ち着かせたりするもの。音楽の力を活用し、通学や帰宅の時間を有意義なものにすることで、精神的にも心地の良い留学生活になります。
留学中メンタルが整った行動⑧ 旅に出る
留学中、大学や語学学校での勉強が思うように捗らなかったり、上手くいかなかったり、思うように意思疎通がいかなくてコミュニケーションの難しさに悩んでいました。あとは、自分の住むコミュニティに馴染めなかった思い出もあります。
そんな時、「今自分がいる環境や場所から解き放たれて、一度身も心もスッキリしたい!」と思うような経験をすることがあると思います。
私自身、留学開始から1ヶ月間ほどは上記で述べたような悩みがあり、毎晩寝る時に「明日は成長できますように」と祈りながら眠りについていました。
今の環境から一度離れて心も頭もスッキリさせたい!一度今の自分をリセットしたい!と思った私は留学開始から1ヶ月ほど経った頃、イースターホリデーという国民の連休を利用し、南島のクイーンズタウンへの旅行を予約しました。
3泊4日の短い期間の旅行でしたが、この旅行はまさに「心の洗濯」でした。南島の透き通った湖や長い期間をかけて自然の力によって作り上げられた氷河、広大で険しい山脈を眺めていたら、今の自分の悩みや心のモヤモヤがちっぽけに見えました。
もちろん、ウェリントンに戻ったらまた厳しい学校生活が始まりますが、南島の素晴らしい景色を見ることができたこと、そして厳しくも努力しがいのある留学生活を遅れていることに心から感謝しようと思えたのです。
おそらく留学中には、土日以外にも連休やその国独自の長期休み(日本のゴールデンウィークのような連休)があるはずです。学校のない休日を利用して、旅行へ出掛けてみることで、いつも過ごしている環境から離れて物事を見ることができる余裕が生まれます。留学中に機会があれば、ホテルや交通機関の予約を取って、ぜひ旅に出てみてください。
悩んだ時は気持ちを外に向けることが大事!
留学中に現地で悩んだ時、心配事でなんだか心がモヤモヤする時、語学力不足により心から伝えたいことが相手に伝わらなくもどかしい時、自分の心を労ってあげる時間が必要です。
このことは、私自身がニュージーランド留学を経験して身をもって感じました。
今回は、「通学・帰宅中のバスの中での空想」、「その日の気分でBGMを決めて聴く」、「旅に出る」という3つのおすすめの習慣、行動を紹介しました。
通学時間があまりかからないのでバスに乗らないという方は、歩いて通学している最中や授業の合間などの隙間時間に自分1人だけの空想の時間を作ってみることもおすすめです。
BGMは、自分お気分にフィットするものであれば日本語の曲でも英語の曲でも、その他の外国語の曲でも何でもオッケーです。大切なのは、その時の自分の気持ちを表しているかどうかです。
留学中の旅行は、その後何年経っても素敵な思い出として心に残ることでしょう。思い出づくりという意味でも、ぜひ普段過ごしている土地とは別の場所へ出掛けでみては如何でしょうか。