【予防接種】留学に必要なワクチン接種の費用や義務は? | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

カテゴリー:留学の準備

【予防接種】留学に必要なワクチン接種の費用や義務は?

更新:2024/08/22(公開:2018/11/27) 著者:中山 大輔 2807 Views

実は、留学時の持ち物などやしっかり準備される方が多いのですが、予防接種(ワクチン接種)までしっかり事前リサーチや準備される方は少数派です。

そこで、このコラムでは「留学時に知っておくべき予防接種(ワクチン接種)の基礎知識」と「予防接種(ワクチン接種)はしていくべきなのか」という部分をご紹介します!

そもそも予防接種(ワクチン接種)のメリットって?

予防接種(ワクチン接種)のメリットは、大きく2つ。

「感染症に掛かりにくくなる」、「もし感染症に掛かった時でも病状を軽くする事ができる」というメリットです。

 

たまに勘違いがあるのですが、「予防接種(ワクチン接種)をする=感染症に絶対に掛からない」ではありません!

世界で猛威を振るったコロナウイルスのワクチンでも、「接種=絶対にコロナウイルスに感染しない」という状況でしたよね?

 

つまり、予防接種とは、一言で説明すると「あらかじめワクチンを接種(予防接種)をする事で、からだの免疫をつけて、最近やウイルスに感染しにくくなる、感染した場合でも軽症にする感染症にかかりにくくする」事を言います。

ちなみに、ワクチンは薬剤そのものの事を指し、「予防接種=ワクチン接種=ワクチンを接種する=予防接種をする」は全部同じ意味になります。

 

予防接種のデメリット1(自己負担=実費負担)

では「感染症に掛かりにくくなる」、「もし掛かっても病状が軽くなる」という予防接種のメリットに加えて、予防接種のデメリットはなんでしょうか?

それは、「接種費用は自己負担(実費負担)」、「期間を空けて複数回の接種が必要」という2つの部分になります。

 

まず、1点目の「実費負担」という部分ですが、留学用のワクチン(予防接種)は保険の適用外のため、全額を自己負担しなければいけません。

 

これは現在の日本の医療制度が簡単に説明すると、「病気になってからじゃないと保険が使えない」というシステムになっているためです。

逆に「既に掛かってしまった病気の治療であれば、30%の自己負担で済む(70%は国負担)」というシステムになっています。

 

そのため、病気にならないようにする予防接種(予防医療)は全て実費(100%負担)となってしまうんですね。

※人間ドックなども「病気の前の検査」になるため、100%自己負担となります。

 

ちなみに、「世の中にある予防接種は全部実費で受けないといけない!」というわけではなく、無料の予防接種(定期接種)もあります。

 

お住まいの自治体(市町村)や国が推奨しているワクチンであれば、無料だったり一部負担で接種できたりするケースもあります。

そのため、もし留学に備えて予防接種を検討している場合には、一度各自治体に確認をしてみるのがベストです。

 

予防接種のデメリット2(間隔を空けて複数回の接種)

そして予防接種2つ目のデメリットは、予防接種やワクチンは1回だけでは効果が薄いという部分です。

コロナウイルスのワクチンでも複数回接種することが推奨されていました。

つまり1回だけでは効果が薄いので、複数回に渡って通院や接種をしなきゃいけないのです。

 

これは身体の仕組み(免疫機能)上、仕方のない事なので、もし任意の予防接種を受ける場合には、「ある程度のお金と時間が掛ってしまう。」という事は覚悟をしておきましょう。

ワクチン接種をする際には、医療データとして一番効果が高いとされている「タイミング」、「年齢」、「回数」、「間隔」で接種をする事が重要なんですね。

 

予防接種の費用は?

一言に予防接種、ワクチンと言っても様々な種類があり、病院によっても費用が異なるのでなかなか一概には難しいですが…

 

だいたいワクチンの接種は、1回あたり5,000円~10,000円程度掛かります。

 

また、そのワクチンが1回だけで済めば良いのですが…その予防接種を2回、3回と受けるとトータルで2万円や3万円の出費となってしまうため、おサイフ的には結構厳しめというのが正直な所です…。

 

留学時の予防接種(義務と推奨の2タイプ)

海外留学で必要な予防接種は、大きく2つに分かれます。

一つは「入国時に必要な予防接種(義務)」と、「なくても渡航ができる予防接種(推奨)」の2つです。

入国時に必要な予防接種(義務)であれば、渡航や入国の際に必ず必要となります。

 

ただ、実際に一般的な人気留学地で義務の予防接種を設けている国はほとんどありません。

 

そのため、「留学時に義務の予防接種をする」という事はあまり気にされなくても良いと思います。

それでは、具体的に渡航に必要な予防接種を見ていきましょう!

 

留学時に必要な予防接種(大人)

留学時に必要な予防接種(大人)は下記の通りです。

 

国名厚生労働省検疫所推奨
フィリピンA型肝炎、B型肝炎、破傷風、ポリオ、狂犬病、日本脳炎
中国A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、日本脳炎
マレーシアA型肝炎、B型肝炎、破傷風、日本脳炎
アメリカ破傷風
カナダ破傷風、B型肝炎
オーストラリア破傷風、日本脳炎

 

ここでは留学の主な渡航国に絞って紹介しています。もしこれ以外の国で知りたい場合には、厚生労働省や外務省のページでご確認ください。

 

まず、この6カ国では「渡航時に必要な義務の予防接種」はありませんので、予防接種なしでも問題なく渡航や留学が可能です!

 

その上で、厚生労働省が推奨している予防接種があります。「義務ではありませんが、受けた方が良いですよ!」という内容ですね。

パッと病名だけ見てもよく分からないと思いますので、下記に「自治体などで、無料でやってくれる定期接種」と「自分が依頼しないと受けれない任意接種」を分けて表にしてみました。

 

留学で推奨される予防接種の一覧

感染症名称接種の種類詳細
A型肝炎任意接種A型肝炎ウィルスによる感染症。ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種。約半年後に3回目を接種すると免疫が強化され、有効期限は約5年間。1歳から受けれる任意接種。
B型肝炎定期接種B型肝炎ウィルスによる感染症。0歳のうちに3回接種が必要な定期接種のため、受けている人がほとんど。
破傷風定期接種破傷風菌による感染症。正しい予防接種で10年間免疫が持続すると言われている。四種混合(DPT-IPV)や三種混合(DPT)で0歳、1歳の時に4回接種が行われる定期接種のため、受けている人がほとんど。10年間の免疫のため、11歳に追加でDTの二種混合を定期接種する事も可能。
狂犬病任意接種狂犬病ウィルスによる感染症。日本では狂犬病の発生がないため、日本で狂犬病のワクチンはあまり常備されていない。1ヶ月で3回の予防接種(初回、1週間後、4週間後)で2年間ほど抗体が持続する任意接種。
ポリオ定期接種定期接種の四種混合(DPT-IPV)ワクチンに含まれている。初回接種3回、追加接種1回の合計4回接種が必要なワクチンだが、0歳、1歳の時に4回接種されているため受けている人がほとんど。
日本脳炎定期接種日本脳炎ウィルスによる感染症。標準的には3歳の時に2回、4歳の時に1回の合計4回接種をする定期接種で有効期間は4~5年。

 

DPT-IPV-Hib(5種混合ワクチン)とは「ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ、ヒブ感染症」のワクチンを言います。

DPT-IPV(4種混合ワクチン)とは「ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ」のワクチンを言います。

DPT(3種混合ワクチン)とは「ジフテリア、百日せき、破傷風」のワクチンを言います。

 

まず、B型肝炎、破傷風、日本脳炎については定期接種ですので、この部分についてはほとんど気にされなくても良いでしょう。

 

気になるのは、任意接種である「A型肝炎」と「狂犬病」の2つになります。

 

もし、フィリピン、中国やマレーシアなどのアジア留学を考えていて気になる方は、かかりつけのお医者さんに「A型肝炎」と「狂犬病」の予防接種についての費用や接種スケジュールを確認していくと良いでしょう。

 

このA型肝炎、狂犬病のどちらも1回の接種ではだめです。

 

基本的に、A型肝炎は初回、4週間後、半年後の合計3回。狂犬病は1ヶ月で3回(初回、1週間後、4週間後)接種するスケジュールなります。

 

そのため「来週や来月には、留学へ出発しなきゃいけない!」という方は、間に合いませんので潔く諦めましょう(笑)

この2つの予防接種は、費用と手間を考えて接種をするか考慮をしていけると良いですね。

 

ちなみに、実情としてはA型肝炎や狂犬病の予防接種が推奨されているフィリピンであっても「予防接種を計画的に受けてから渡航するぞ!」という留学生の方はまずいらっしゃいません。

基本的に、みなさん予防接種なしでご渡航されています。

 

留学時に必要な予防接種(子供)

また、親子留学など小さなお子さんを留学に連れて行く場合には、お子様の予防接種が気になるかと思います。

ここでは推奨の予防接種が多く留学生も多いフィリピンを例にして解説をしています。

 

予防接種名フィリピンの
予防接種
日本の
定期予防接種
日本の
任意予防接種
BCG
B型肝炎
ジフテリア
(DPTで
混合3種)

(DPT-IPVで
4種混合)
百日せき
破傷風
ポリオ
肺炎球菌
麻疹(はしか)
(MMRで
混合3種)

(MRで
混合2種)
風疹(ふうしん)
おたくふかぜ
ロタウィルス
ヒブ
日本脳炎
HPV
A型肝炎
髄膜炎菌

 

まず左側ですが、フィリピン人がフィリピン現地で受けている予防接種の一覧です。真ん中は、日本人に自治体が無料でしてくれる定期予防接種です。

そして、右側は日本で任意接種となっている予防接種になります。

こうして表で見て頂くとフィリピンでも日本と同じようにいろんな予防接種をしているというのが分かると思います。

 

国が違っても、子供が受けるべき必要な予防接種はほとんど変わらないんですね。

 

小さなお子さんを連れて留学に行く際に気をつけるべき所は、下記2つになります。

1)日本の定期予防接種をきちんと終えているか

2)日本で任意接種となっている予防接種を受けるべきかどうか

 

まず1つ目ですが、基本的に日本の全ての定期予防接種は日本脳炎を除き、満2歳で全て終わるような形になっています。

また、日本脳炎は通常3歳からの接種ですが、生後6ヶ月以降であれば接種が可能です。そのため、2歳すぐの留学を考えているような親御さんは、日本脳炎の予防接種も早めに行っておくと良いでしょう。

 

もし2歳未満のお子さんを留学に連れて行く場合には、予防接種をきちんと終えているかどうかをチェックして、もし受け切れていないものがあれば留学前にきちんと接種をしていけると良いですね。

 

2歳以前でも留学できない事はありませんが、予防接種の面を考えると、満2歳以降の留学が安心です。

2つ目は、日本で任意接種となっている「おたふくかぜ」、「ロタウィルス
、「A型肝炎」、「髄膜炎菌」の4つを受けていくかどうか判断をする事です。

 

任意接種の4つを解説!

実際に任意接種をするかどうかの判断はかかりつけのお医者さんと相談して頂ければと思います。

ただ、参考までにこの4つがどんな病気なのかという部分も簡単に見ていきましょう!

 

ロタウィルス

任意予防接種ですが、1歳までに受ける予防接種のため、母子手帳を調べてみたら「実は予防接種していた!」となるかもしれません。

また、大人はロタウィルスによる胃腸炎は掛からないか、掛かっても軽症のため、6歳以上の場合にはあえて接種しなくても良いでしょう。

 

おたふくかぜ

任意接種ですが、小さい時期におたくふく風邪にかかった方は、1歳の1回きりで問題ないかと思います。

もしかかった事がない方は、6歳くらいまでには受けておくと良いでしょう。

 

A型肝炎

任意接種で1歳から受けられます。もし心配であれば接種すると良いです。

ただ、A型肝炎の予防接種は半年間かけての3回接種になっているため、留学が迫っている方はなかなか接種は厳しいかと思います。

 

髄膜炎菌

2歳から受けられる任意接種です。

アメリカ国内では定期接種になっているワクチンで、集団感染をする感染症のためアメリカの全寮制の学校などは留学時に接種の指示が出る場合もあります。

フィリピンでは特に義務や推奨等にはなっていませんが、予防接種ではめずらしい1回きりのワクチンのため、心配な方は接種すると良いでしょう。

 

 

いかがでしたでしょうか?

日本に住んでいるとなかなか意識しない予防接種やワクチンも奥が深いですよね。

留学へ安心して出発するための準備として予防接種も情報を集めて早めに準備をしていきましょう!

 

この情報がみなさんの留学前の準備に役に立てば幸いです。

100 %の人が「役に立つ」と評価! 「参考になった」投票数(28件)/全投票数(28件)
この記事は参考になりましたか?
こちらの記事も人気です
戻る
国名から記事を探す
戻る
カテゴリーから記事を探す
戻る
開始日を指定
戻る
終了日を指定
戻る
タグから記事を探す
個人カウンセリング予約
資料(パンフ)請求