【フィリピン留学】スパルタ式は英語力を伸ばすのに最善の方法なのかを検証
フィリピン留学で語学学校選びをしていると、たまに目にするスパルタ式。
これは「スパルタ式語学学校」の略です。フィリピンでは、「スパルタ式語学学校」と「スパルタ式を採用していない語学学校」の大きく2つに分かれます。
勉強は厳しくて辛いモノだし、楽な勉強なんて存在しない!辛い道を乗り越えたら、きっとその先には明るい未来が待ってるはず。
こんな風に考える人もいるのではないでしょうか?
「せっかく留学するなら誘惑や楽しそうな雰囲気よりも、勉強一筋で覚悟を決めてスパルタ式で勉強しよう!」と思ってる人もいると思います。
インターネットの情報を見てると、英語力が伸びると紹介されているスパルタ式ですが、「本当にそうなのでしょうか?」その点を確認してみたいと思います。
スパルタ式とはいったいどんな制度なの?
最近ではトレーニングジムなどでも聞かれたりする「スパルタ式」。
まずはフィリピン留学の英語学習で、スパルタ式とはどういう意味なのかご紹介します。
・ 授業の出席義務あり(違反の場合は罰則あり)
・ 1日授業時間が8~10時間
上記の定義をご覧になっただけでも、スパルタ式は厳しいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
日本ではこのような学習方法は聞いたことありませんので、不安に感じて当然だと思います。
元々スパルタ式とは、学習意欲の少ない留学生でも机に向かわせて英語を身につけさせるために韓国人経営の語学学校で始まった学習法です。
フィリピン留学がはじまってから韓国の大学生は、ほぼ全員の学生が英語習得のため留学するようになりました。その中には英語に興味のない学生も少なからず含まれていました。
両親は自分の子どものことは一番分かっています。子どもを単に留学させても、普通の環境じゃ自己管理して勉強できないと思っている両親もいます。
子供が留学先であるフィリピンで遊ばずに、勉強できるようにして欲しい。
大学生の中には当然未成年の子も含まれますし、大学生と言えば遊びたい盛りの年頃です。そういった保護者からの希望で生まれたのが、このスパルタ式がはじまった由来だと言われています。
平日は外出ができなくすることで遊びに行くリスクを減らし、授業も朝から夜までしっかりカリキュラムが組まれ、学校から生活管理をされています。
スパルタ式の生活はどんなもの?
スパルタ式の語学学校では、原則週末しか外出はできません。しかし、もし授業に出席しなかったり毎週行われる小テストで一定の点数が取れない場合は、その貴重な週末の外出可能日が1日減ったりします。
またスパルタ式では平日は外出ができないため、1日中を語学学校で過ごすことになります。万が一、学校が肌に合わないと感じたとしても逃げ場がないため、リフレッシュする場所も無いためストレスが溜まります。
これまで多くの留学生をサポートしてきましたが、留学生の中にはストレスで学習が進まなくなる方も稀にいます。中にはスパルタ式が合わず、語学学校を転校する人もいました。
我々が見ていて思うことは、スパルタ式は「軍隊式生活」に近いイメージです。
日本で体育会系の部活動に所属していた方や、規則正しい生活をしていた社会人の方にとっては、割と問題なく過ごしています。一方、日本にいる時に自由度の高い生活環境で過ごしていた方は、環境に付いて行けない方も出てくる傾向を感じます。
中学・高校・大学は、授業や部活に時間を校則される経験をして来ているので、20代前半くらいまでの方は、さほど違和感が無いようです。
一方、20代中盤後半になってくると、そうした学生時代の生活が疎遠になるため、スパルタ式の時間を校則される生活に違和感を受ける方も一定数出てくるように思います。
スパルタ式の学校とそうでない学校の授業の違い
スパルタ式の語学学校だからといって、授業内容が大きく違うということはありません。個人に応じたカリキュラムで学習できるフィリピン留学のスタイルはそのままです。
強いて言うなら、出席義務があり、語学学校が定めた回数欠席をするとペナルティーが発生するくらいです。学校によってはこのペナルティーも重なり、改善の態度が留学生にない場合は、強制的に退学になることもあります。
スパルタ式の語学学校は、授業時間が長く設定されていることが多いため、グループ授業の割合が多くなる傾向にあります。
マンツーマン授業主体で、自分のためだけに授業をして欲しい方にとっては、グループ授業で時間だけ校則されて「時間が勿体ない」と物足りなく感じる方もいます。
どうしてもグループ授業は、自分中心の授業内容にはなりませんので。
自分の強い意志で勉強したいと思っている方は、マンツーマン授業が多く受講できる通常の語学学校を選ぶ方が良いかも知れません。
スパルタ式の学校は効果があるのか?
授業の内容は多くの語学学校と変わりがないとお伝えしました。普通の語学学校と大きく異なるのは、最初に紹介した通り、「平日外出禁止」と「長時間の授業時間」です。
授業は「話す」・「聞く」・「習う」時間がメインになっています。しかし英語習得にはこうしたインプットだけでなく、授業で習ったことの中で自分の分からない箇所を確認し、復習する時間も必要です。
実質、朝から夜近くまで授業が入っているので、授業が終わってからさらに自習時間を確保しようとすると、結果的に平日に外出する時間的余裕はありません。
スパルタ式でない学校の場合、意思が弱い人は自習もせず、翌日の授業に出る方もいます。
しかし、英語力向上のためには復習は必須です。そのため、多くのスパルタ式では、自習が義務付けられています。
スパルタ式は、これまで学習をしてこなかった方や英語学習からブランクがある方、自分で自習ができない方には良いシステムです。
学習の習慣がない方や初めて英語の勉強をされる方は「どうやって勉強していいのか分からない」という方も少なくありません。そうした方には授業時間が長い方が適していますし、義務自習があると机に向かう習慣が身につきます。
スパルタ式では、周囲のみんなも全員一緒に頑張るので、自分も頑張ろうと奮い立たせてくれます。最初は規則正しい生活や学習にも慣れずに苦労するかもしれません。そこを残り越えられる自信のある方であれば、スパルタ式は最適な環境でしょう。
中学高校の運動部の合宿に近いです。中高時代に部活動でそうした環境を経験したことがある方であれば、問題なくやっていけるはずです。
学習意欲が高い人はスパルタ式でない方が良い場合も
反対に日本でも英語学習している方や、自分の学習ペースがある方は、一度立ち止まりましょう。学校から強制的に組まれる時間割に合わせることがストレスとなり、勉強がはかどらない可能性があるためです。
一般的に長時間学習すると、集中力は低下すると言われています。つまり長時間カリキュラムが組まれ、その絶対参加が求められるスパルタ式は、必ずしも効率の良い学習とは言い切れません。
特に20代中盤以降の社会人の方にとっては希望が分かれます。皆さんは、以下のどちらのタイプでしょうか?
2. 自分の生活スタイルを崩さず、自分のペースで勉強したい。
自分が1番目の学習スタイルを希望するなら、スパルタ式は最適です。
一方で2番目の環境を希望するなら、スパルタ式はストレス要因にもなるので避けた方が良いでしょう。
スパルタ式は万能な学習スタイルではない
これまでスパルタ式の学習スタイルを解説してきましたが、スパルタ式はフィリピン留学希望者全員にとって、最善の方法ではないことがお分かり頂けると思います。
スパルタ式には向き不向きがあり、その留学生個人によって最適な方法となるかどうかは異なります。
スパルタ式の向き不向きをまとめると、以下のような感じになります。
スパルタ式 | 通常の語学学校 | |
自習が苦手な人 | ◯ | △ |
英語学習初心者 | ◯ | ◯ |
誘惑に流されやすい人 | ◯ | △ |
自己学習のペースができている人 | × | ◯ |
自由に過ごしたい人 | × | ◯ |
我慢強く頑張れる人 | ◯ | ◯ |
通常の語学学校でも多くの学生が自習をしています。自習が苦手な人もその雰囲気に合わせて、自習ができるようになっていきます。ただ、それが義務であるか無いかの違いです。
通常の語学学校であれば、放課後にカフェなどで気分転換も可能です。時折、フィリピン留学された方からは自由時間にカフェで「友人から励ましてもらった。」、「オンオフのメリハリを持つことができた。」という声も聞きます。
実際のところ、スパルタ式を採用している語学学校は、フィリピン留学の中でも2割無い程度です。もし、スパルタ式が万人にとってベストな学習スタイルなのであれば、全ての語学学校で採用するはずです。
しかし、一部の語学学校でしか行っていない大きな理由は、一部の方向けの留学スタイルであって、万人受けするモノではないからなのです。
スパルタ式を採用している主要な語学学校は以下の通りです。
スパルタ式が自分にマッチすると思った方は、この記事を読んで頂いて、語学学校の選択肢が大きく絞れてきたかと思います。また、学校によって、システムやルールは異なりますので、スパルタ式の中でも微妙な違いがあります。
本当に自分にとって、「スパルタ式が適しているかどうか分からない」という方もいらっしゃると思います。客観的な意見と学校の詳細は、カウンセリングを受けてみて確認してみてください。