【フィリピン留学】韓国資本校、日本資本校、共同資本校の運営の違いと特徴とは?
フィリピン留学の特徴でもあるのですが、学校経営者はフィリピン人ではありません。主に「韓国資本校」と「日本資本校」の学校があるごとをご存知でしょうか?
どのタイプの語学学校に通うのかによって、生活環境や授業スタイルなども微妙に変わります。
今回は「韓国資本校」と「日本資本校」のそれぞれの特徴を紹介します。また、複数の経営者が共同経営している語学学校もあるため、「共同資本校」の特徴も最後に紹介します。
ちなみに、私のフィリピン留学では、マニラにある語学学校 C21 で勉強していました。
私が通っていたC21は「韓国資本校」になります。実はフィリピンにある語学学校の70%以上が「韓国資本校」と言われてます。私も経営者によって、学校の運営スタイルが変わる事実をはじめて聞いた時はとても驚きました。
フィリピン留学は韓国人が土台を作ったモノ
知らない方がほとんどだと思いますが、フィリピン留学は韓国の大学生を留学させて勉強させるという目的で生まれました。
1997年のアジア通貨危機以降、韓国経済は大不況に陥りました。その結果、海外で活躍できる人材を早急に育成する必要性があったのです。
未成年の20歳前後の大学生中心のため、全寮制で食事付は当たり前で、掃除や洗濯も学校側が面倒を見る学校が誕生しました。
また、両親の要望で「スパルタ式」と呼ばれる、1日の生活を管理して時間を無駄なく勉強させることで、短期間で英語力を身に着けさせました。
「スパルタ」という言葉は、厳しそうなイメージで嫌煙する方もいると思います。現在では、スパルタよりも自由度が高い「セミスパルタ」も採用する学校が増えています。
この理由としては、日本人留学生の場合は社会人留学生も多いため、自分で時間を管理したいという希望が増えたためです。
フィリピン留学は韓国人が作った留学地ですので、最初はほぼ全て韓国資本の学校だったのです。その後、日本人留学生もフィリピン留学するようになり、2010年頃から日本人資本校が設立されていったという流れがあります。
フィリピン留学を作った元祖!「韓国資本校」のメリット
韓国資本校のメリットをまとめると、以下に挙げる4つのポイントが挙げられます。
やはり、フィリピン留学自体は韓国人が作り上げてきたモノですから、「短期間で英語力を伸ばす!」という根底には、1本の筋が通っている部分が見受けられます。
・「スパルタ式」が主流で、学校規則が厳しく自分の勉強に集中できる。
・TOEIC、IELTSやTOEFLなど試験対策コースに強い学校が多い。
・長い歴史を持つ語学学校が多いため、豊富なノウハウを持っている。
私が「韓国資本校」であるC21を選んだ大きな理由は、日本人割合が少ないことでした。
せっかく海外留学したのに、いつも日本人と一緒に過ごしていては勿体ないと思ったからです。日本人が少ない環境を求める方には、「韓国資本校」が良いでしょう。
ただ、日本人が少ない分、韓国人割合が高くなるため、韓国スタイルに順応できることが大前提です。
韓国資本校は勉強を主軸に考えているところが多いため、快適に勉強できるようにとエアコンが効いた自習室完備は当然です。また、1人で集中して勉強できるようにと、空いているマンツーマン授業用の教室を開放している語学学校もあります。
私が留学したC21を含めた多くの「韓国資本校」では、勉強に集中しやすい環境が整えられています。そして、C21で勉強している間、韓国人をはじめ様々な国籍の方と交流ができたことは、私にとって良い経験と思い出になりました。
当然メリットばかりではない!「韓国資本校」のデメリット
上記では「韓国資本校」のメリットを紹介しましたが、当然良いところばかりとも限りません。「韓国資本校」だからこそのデメリットも存在します。
以下に挙げるポイントが自分にとって懸念材料になるなら、「日本資本校」の方が向いているかも知れません。
・韓国人は大学生が中心のため、全体的に世代が若くなりがち。
・「スパルタタイプ」が主流で学校規則が厳しいため、自己管理がしたい方に不向き。
・「日本資本校」に比べて、円安の影響などで費用が高くなってしまう。
私が通ったC21の食事では、昼食と夕食に毎回キムチが出ます。そして、ほぼ毎日のように韓国料理が1~2品は出されていました。多くの学生が韓国人ですから、韓国食が中心であることはどうしても避けられません。
私は辛いものが苦手ではないので、苦痛に感じることはありませんでした。ただ、辛いものが苦手な方にとっては、とても大変なことです。食事は毎日の生活に欠かすことができない大切なモノなので、食事面は慎重に考えた方が良いでしょう。
「スパルタ」の語学学校では自習時間まで出席管理され、平日は外出禁止であるケースがほとんどです。
自己管理で好きな時間に自習や気分転換がしたい方には、時間を管理されるスパルタ式の語学学校は適していません。特に社会人の方にとっては、朝~晩までの時間を完全束縛されるのは嫌だと感じる方も多いため、スパルタ式は若い学生向けの環境だと言えます。
最後に「日本資本校」では料金が円建ての場合がほとんどです。一方、「韓国資本校」ではUSドル建ての料金が主流です。「日本資本校」は料金が常に一定ですが、「韓国資本校」は円安のタイミングで申し込むと料金が高くなるのがデメリットです。
日本人留学生に適した環境の日本資本校
先ほどフィリピン留学の起源について紹介しましたが、2014年には年間3万5千人を超える日本人留学生がフィリピン留学しています。そして、日本人留学生が気軽にフィリピン留学できる環境に導いたのが、2010年頃から設立された「日本資本校」の台頭です。
日本人にとっては、フィリピンにある語学学校をフィリピン人が学校経営していれば、すんなりと受け入れられるのでしょう。ただ、「フィリピン留学するのに、なぜ韓国人が運営しているの?本当に大丈夫なの?」という疑問から来る不信感は強いものがありました。
しかし、2010年以降から「日本資本校」が設立されるようになって、「日本人が運営してるなら何だか安心できそう!」といった心境の変化により、多くの日本人がフィリピン留学する後押し材料なったようです。
また、多くの日本人が不安に感じる「スパルタ」というフレーズを使う「日本資本校」は、当初から殆どありませんでした。2019年現在でも、スパルタコースを大々的に謳った日本人経営校は殆どありません。
むしろ、「日本資本校」は「韓国資本校」とは一線を画し、厳しい規則などは定めず、学生側の自主性を重視した環境をアピールしたのです。
では、日本人資本校のメリットとデメリットを見て行きたいと思います。
日本人の気持ちが分かる!「日本資本校」のメリット
「日本資本校」は日本人が経営していますので、あくまで日本人が満足できる環境を前提とした学校作りをしていることです。
以下に主なメリットを挙げていますが、メリットの1つ1つを見てみると、どれも「日本人向け」であるということに気付きます。
・食事をはじめとして生活環境が日本人向けになっている。
・授業変更や講師変更の融通が利きやすい。
・日本人割合が高く安心できる。
・自主性を重視しており、比較的自由な校風の学校が多い。
「日本資本校」の最大のメリットは、すべてが「日本人向け」であることといっても過言ではありません。
「日本資本校」は、全般的に先生もスタッフもより親切な傾向にあります。パンフレットやホームページを見ても日本語でしっかりした情報が盛り込まれているので、「韓国資本校」の英語でのパンフレットの情報より、信頼できそうな雰囲気が伝わってきます。
日本人である我々にとっては、上記で挙げたメリットは良いところばかりに思えるはずですが、良し悪しは表裏一体であることを理解しましょう。
日本人向けにフォーカスすることは、外国人にとってはデメリットになる部分もあり、日本人が中心の語学学校になると言うことでもあることを忘れてはいけません。
きちんと抑えておこう!「日本資本校」のデメリット
メリットとデメリットは、表裏一体の関係です。「日本資本校」の生活環境は、日本人である私たちにとって快適なものに感じるはずです。
生活環境も大事ですが、フィリピン留学は海外旅行ではないので、快適であることが重要な要素ではありません。
・日本人学生とは日本語が通じる分、誘惑に流されてしまいやすい。
・自主的に勉強する意志がなければ、自分に甘えてしまう傾向にある。
・運営年数が短いため、教師の質や教育法が「韓国資本校」に比べて若干見劣りする。
・日本人のニーズに合わせているため、「韓国資本校」に比べてコース数が少ない。
「日本人向け」の環境が整っているという「日本資本校」の魅力が、せっかくのフィリピン留学の邪魔をしかねない場合もあるのです。
日本資本校は外出規定や時間校則が緩く比較的自由であるため、「英語を学びたい」といったことを常に意識していないと、誘惑に流されてしまう可能性がより高くなります。
一般論として、「日本資本校」を選ぶ場合は、強い意思を持って学習する決意が必要になります。
複数の経営者が共同運営する「共同資本校」とは?
共同資本校とは、韓国人や日本人、フィリピン人、アメリカ人、などが複数名で立ち上げた語学学校です。当然、1人の経営者の意見が反映されるワケではないので、それぞれの国の学生が過ごしやすい環境を意識した学校作りになっています。
「共同資本校」は、「韓国資本校」や「日本資本校」に比べて国籍比率に偏りが少ないため、日本・韓国以外にもベトナムや台湾、中国、ロシア、中東など様々な国から生徒が集まる多国籍な語学学校になります。
韓国資本校や日本資本校に比べて、色々な国籍の学生が集まるため、欧米圏の語学学校のような雰囲気が強くなります。
色々な国籍の学生に合わせてバランスを重視すれば、欧米留学のような緩い雰囲気になる傾向が出ます。
「韓国資本校」のしっかり勉強といった感じや、「日本資本」の快適な生活環境といった明確な特徴が見え難く、全てが平均的になりがちです。
平均的な環境と言うことにもなるため、フィリピン留学ならではのメリットも相殺されてしまう場合があります。
明確なこだわりを持ってる方にとっては、「韓国資本校」と「日本資本校」の方が、しっくりくるのではないでしょうか。
一方、国籍バランスを最も重視する方には、最適な環境になるかも知れません。
すべては自分が求める条件で語学学校が決まる
韓国資本校、日本資本校、共同資本校の運営の違いと特徴をお分かり頂けたでしょうか?インターネット上には、様々な立場の方がいます。偏った立場からの意見は、注意して情報を見ていかないといけません。
例えば、「日本資本校」の立場の人であれば、自分の語学学校がこの世で最高であるかのようにアピールするのは当然です。
一方、「韓国資本校」の立場の人であれば、運営歴が長くの実績も豊富ですから、実績面を最大限アピールしてくるでしょう。
韓国資本校と日本資本校、各立場の主張に嘘偽りはありませんが、それは全てメリットの部分だけであることを忘れてはいけません!
各立場の持つデメリットにも目を向けて、自分にとってマイナス点がないかどうか確認して決断することが重要です。
まとめますが、それぞれの運営方法の違いと特徴は、、、
・国籍割合やサポート内容
・食事をはじめとする生活環境
の3点が主なポイントになります。
各運営母体のメリットとデメリットを理解し、自分に合った語学学校を見つけて欲しいと思います。じっくり調べてる時間が無い人や、情報が多すぎて迷ってしまう人は、ある程度調べたら留学エージェントに相談に行きましょう!