留学で自分を変える!「精神と時の部屋」の法則とは?
「精神と時の部屋」をご存知だろうか?
ドラゴンボールをそこそこ見た事があるヒトなら知っているであろう、この謎すぎる部屋の存在。
これはカリン塔のさらなる上の神様の神殿にあり、この部屋内での一年間が現実世界のたった一日に相当。
また温度・湿度・重力も現実世界より過酷で、ゴクウやベジータたちがセルゲームの前に修行の場として使われた場所として有名で、部屋から出る時には格段にレベルアップしてくるという何とも摩訶不思議な部屋である。
何故、「精神と時の部屋」を説明したかというと、長期留学(3か月以上)すると英語力は勿論、留学中の行動によっては行動力、人間力が格段にレベルアップして帰国していくので、私たちは中長期留学を精神と時の部屋のようだと比喩しています。
ここで強調しておきたいのが、「行動によっては」という点。
ここが重要で、留学生の中には「自分を変えてみたい!」という気持ちから留学に来た時点で、自分の殻をちょっと破っています。
彼らは、平日はしっかりと勉強して、週末は初めての外国人の友人と出掛けて想い出作りに時間を費やします。
お金を貯めて、ここまで行動に移したのは確かにグレートです!
自分を変えてみたいという意思で渡航し、留学中の行動は日本に居た時と比較して変化していますか?
…という問いに対し省みると、案外目的の無いまま漫然と週末は過ごし、学校が企画したイベントに単について行って、受け身でボランンティアを消化し経験値として満足感を得る。
このような留学生が多数見られます。TOEICスコアにフォーカスした留学ならスコアさえ上げれば何も言う事ありませんが、それだけだったら、せっかくの留学生活、勿体なくないですか?
やはり、自分の意志で能動的に行動している留学生の方が輝いてるし、充実した留学生活を送っているのは間違いありません。
具体的に動くことが大事!
「フィリピン留学とワーホリしながら、その後は考えて行きたい…。」と漠然と考えている方に関しては、私から見ていてその程度の考えと行動では何も見えてこないだろと言いたい。
相田みつを氏は、こう言います。
「具体的に動けば、具体的な答えが見つかる。」
具体的に動かなければ見つかりません。
私は国内で働いていた時は、新卒採用にも携わっていました。面接時に如何にも暗記した文章を伝えられている感が強く、ちょっと変わった質問すると即答出来ない学生も多かったです。
面接官側からすると、「何でわざわざ暗記する必要があるの?」と。自分の経験とその時に感じた事と想いを単に言語化すればいいだけの事。
「そんなん言ってもTOEICスコアそんな伸びなかったし、その緊張感マックスの場で言語化するのが難しいねん!」と言われるかもしれません。
しかし、本当に自分がしっかりと考えながら行動していた事ならば、強烈に印象に残っているはずです。
でも大丈夫です。例えスコアが著しく上がらなかったとしても、話し方次第で良い印象を相手に残すことが出来れば展開は変えられる可能性があります。
「スコアは最終的に400点弱でしたが、留学中は単独で貧困層のエリアで現状の把握と解決策を模索し、私はこのような事を現地で実行してこんな成果に繋がりました。」
このように、印象に残したくない事柄は先に短く述べ、印象に残したい事は具体的に且つ後に述べるのです。
そうする事で聞き手はマイナスから、最後にはプラスのイメージを残した状態で話が進行していきます。
とにかく、ヒトと話す時は印象を残すコトが第一です!
そこで留学に話しを戻しますが、漫然と過ごしていた自分に気付き、行動を変えていく生徒もいます。
この「気付き」って重要です。
この話をジプニーの中で生徒としていた時は、激しく同感しました。
過去に強烈に印象的な行動を能動的に取っていたOKEA生徒達がいました。
「こんな事も留学中に出来るんだ!」という事も是非知って欲しいので、以下では参考事例を紹介します!
「数学講師×実践英会話」をやってみた男子生徒
<留学前の職歴>
数学の塾講師
<留学期間とコース>
ESLコース 12週間
<行動内容>
渡航後二か月過ぎたあたりで、最初は「フィリピンの教育現場を見てみたい。」というリクエストがありました。
この時はOKEAの提携大学STI West Negros University(WNU)に突撃訪問しました。勿論、アポ無しです。
なぜアポ無しなのかと言うと、
…という事からです。
実際、WNU内をうろうろと各授業を訪問すると、さすがフィリピンです!珍しい外国人のビジターには、多くのクラスが寛容に私たちを受け入れてくれました。
けど、本来ならばたとえ授業を見るだけでも校内の承認書が必要なようで、数名の先生には証書が無ければアキマヘンと優しく断られました。
WNUは小学校から大学まで附属私立学校なので、そこそこお金を持っている家庭の子供しか入学出来ません。
この日は大学から小学校のクラスを一通り覗かせてもらい、何人かの生徒には学校生活に関するインタビューも率先して彼が行い終了。
この帰り道に「WNUは私立だけど、公立はどんな雰囲気なんでしょう?」という疑問と好奇心が彼に宿ることに。
彼の担当のフィリピン人講師に話して、友人紹介でその翌々週には公立学校にアポが取れ、再び教育現場を見に行く事に。
そのアポを取っている時に、先方から「日本の数学講師なら、You授業やっちゃいなよ!」という流れになり、英語で数学の授業の準備もすることに。フィリピンで中学3年生向けに授業の準備です。
留学経験者は知っている方も多いと思いますが、フィリピン人は数学が大大大大苦手です!
日本人は英語が苦手ですが、フィリピン人は数学です!
レストランで簡単なオーダーを計算するにも絶対計算機が必須。「暗算しなさい!」と言うと、モノスゴイ自信が無いみたいで、掛け算割り算がヤバイレベル。
九九も微妙なヒトがマジで多い。「7×8=は?」と問いかけると、手を使って数えるけど全然指が足りなくて焦ってる姿が超絶カワイイです。
このように数学レベルが低いこの国で、「日本と同レベルの授業内容でいいのか?」という所から授業内容の検討に入りました。
授業の予定日は1月末、日本の中学3年生は受験勉強真っ只中というタイミングで、完全に学んでいるであろう「三角形の相似」を教える事にしました。
日本では絶対教わっていなければならない内容だが、フィリピンでは如何に…。
紹介された公立中学校は増設中でしたが、施設のスペック的には確かに私立よりかは劣る。パソコン完備の図書室が無く、大きなカフェテリアも無く、日本の公立中学と比較するとやや田舎町の校舎といったところです。
早速授業風景を見学させてもらい、雰囲気を感じ取ったところで彼の授業が開始。持ち時間は50分と日本と同じ。
最初に「三角形の相似知ってるヒト~?!」と聞くと、数人が何となく知ってるかもという反応から、三角形内は合計で何度ある?四角形は何度?
このように図形に関する知識を探りながら始めると、やはり日本より数学の授業進行は若干遅れていることが明確に。
しかし、ここから彼が図を用いて分かり易く、英語で相似に関して教えていきます。授業中の中で難しい単語は出てくる事は無く、英語中級者であれば理解できる単語量。
生徒達も日本式数学の授業が分かり易いみたいで、終始集中が途切れることはありませんでした。特に図の書き方と説明方法が上手みたいです。私も授業を見ていて感じたことは、以下の3ポイントです。
フィリピン人は、感情表現豊かな国民性です。
授業でも同じ印象だったので、彼からすると日本人生徒とは全く対照的。
彼も「反応が良くて、めちゃくちゃ楽しい授業だった!」と教え甲斐を感じていました。
ここフィリピンでは、先生という職業は敬われる立場として見られています。
またオンラインクラスの影響もあって、先生という職業は人気職となっています。大学の教育学部は定員超過状態。
様々なフィリピン人先生と話して来ましたが、品の悪いヒトは見かけたことがありません。
「聴覚障害×実践英会話」をやってみた女子生徒
<留学前の職歴>
画像加工、アルバム制作会社勤務
<留学期間とコース>
ESLコース 13週間
<行動内容>
まず、「聴覚障害があっても英会話が学べるのか?」という根本的な疑問を誰もが抱くと思います。
私も問い合わせが来た時、「彼女はホンマに出来るのかな?」と不安を抱いていました。しかし、本人が留学エージェントに問い合わせてくるくらいなので、「出来るという自信と、学びたいという強い向上心と、行動力があるんだな。」と予想出来たので校長に相談。
当校では受け入れ実績は無かったけど、「私がサポートするから何とかなります!」と校長に伝え、彼女を受け入れることに。しかし、実績が無かったので、事前に可能な限りの情報収集と調査を開始。
さらに彼女が入学してから、より具体的にどのように英語の授業を受けたいのか、解り易いかどうか、という彼女の需要をキャッチアップ。
そこから明確になったのが、「聴覚に障害ある方は、小さい頃から口の動きで言葉を読み取る過酷なトレーニングをこなしてきている。」ことが分かりました。
読み書きで知っている英単語は、口の動きで理解出来るし発することもできる。ここまで分かれば、フィリピン人講師にも具体的指示が出せます。
…という事で、私から先生たちには、「口の動きを通常よりも大きく、ややゆっくりで。」と授業を行って貰うように指示。知っている英単語で会話が出来るレベルだったので、あとは文法を理解し語彙を増やすのみと思っていました。
しかし、実際クラスが始まって様子を見に行くと、やはり聞き取りがかなり難しいようで、ほとんど会話が出来てない状態。本人的には予想以上に苦戦しているようでした。しばらくこの状態が続き、ややモチベーションは下降気味に。
私からのアドバイスとしては、いつもの英語ビギナーと同様に「最初の一か月二か月は、かなりキツイから辛抱だよ!そこから、やっとちょっとずつ理解してきて、会話が続くと楽しくなるから」と。
「皆が通る道です。」と特別なアドバイスはしませんでした。私のやり方としては誰にも特別扱いはしません、必要な時にはサポートはしますが、皆トライしたいから高いお金払って来てる大人なんだし「自力で踏ん張れ!」と放っておきます。
そこで、きつくてキャンセルするヒトがいても、私は特に引き止めません。あ、でもちょっと説得というか話をするくらいですね。
でも基本は来るもの拒まず、去る者追わずです。
すると、一か月半過ぎた頃から彼女に変化が見られ始めました。
語彙が徐々に増えて、英語の口の動きに慣れて会話が出来るようになっています。彼女の英語は先生だけではなく、他生徒とともやり取り出来るようになっていきました。横の繋がりが拡がってきているのも見られ、留学を楽しみ始めているのが目に見えてきました。
そこからです、彼女の行動力にスイッチが入りました。
最初は、「フィリピンの聾学校(ろうがっこう)の授業を見てみたいんすよ!」と。
「キター!」って感じでした!積極的になってきている変化がたまんないです!
あるかどうか知らないけど、「You行っちゃおうよ!」てな感じで、当校スタッフに事情を説明したら、案外近場にあったので早速同行してきました。本当にいつも素通りしていた通り沿いにその学校はあり、授業参観して来ました。
彼女の話では、手話には日本式とアメリカ式の2通りあり、フィリピンではアメリカ式が使われているのだそう。私には細かな動きはわかりませんが、似た指のポーズでも日本式とアメリカ式には若干意味が異なる言葉があるそうです。
聾学校の先生に彼女が英語でインタビューをする時も極力サポートはせずに、彼女自身に自力で質疑応答してもらいます。先生方は生徒に教える際、とにかく根気が必要と語気を強めて話していたのが印象的でした。そしてこの職に誇りを持っていると。
この日は小学校から中学生までのクラスに視察した帰りに、是非再訪したいと。
勿論OKですが、彼女が言うには「次回は単独で行きたいんです!」と、何つーヤツでしょう!素晴らし過ぎます!先方からも彼女の英語は十分伝わるので、単独で全然構いませんとの快諾。
難なく再訪し、自分のやりたい事や話したい事を満喫してきたようでした。
更に、その後は隣町にある日系語学学校に訪問してみたいと。
これは私の友人が運営していている学校で、隣町で日本人向けに「机に座らない授業」をコンセプトにアクティブラーニングを実践している Acti Labo(アクティラボ) という学校です。以前にこの学校の話しをしたところ、興味を示し是非伺ってみたいという展開。
ちょっと距離があり分かりづらいロケーションなのと、さらに祝日だったという事もあり私も同行して授業参観。
以前セブの語学学校にビジター扮して数校スパイしたことありますが、やはり他校の訪問は楽しいものです。
ちなみに私がスパイする時は応対スタッフの所作、言動、質疑応答のレスや確実性を見ます。
日本にある日系企業のように応対が丁寧であれば、その学校はスタッフへのマネジメントもしっかり行っている事が伝わります。その逆も然り。
現場に入って、在校生と話すと超リアルな話が聞けます。
最も印象的だったのが、セブにある語学学校でウェブマーケティングが上手で、独自で集客をしている語学学校に通っている時のお話でした。
…とご立腹。
私は語学学校のマネージャーなので、他校のこととは言え、費用の内訳は分かります。正直、入学前の金額と入学後にそんな多額を支払うのは怪し過ぎます。
生徒側は初の留学ですし、「何のための支払いなのか?」も理解できていません。何が何だか分からない状態で、言われるがままお金を払ってしまう状況になってしまうのも分かります。
後々に他エージェントさんに話を伺うと、どこのエージェントさんもそこの学校スタッフは態度が横柄で印象悪だったと口揃えて話してくれました。
話は戻り、このアクティラボは小規模ながら斬新な語学教育を提供しており、午前は座学、午後は外出して街の人々に街頭インタビュー。週末はインタビューと資料をまとめて皆の前でプレゼンするという流れ。
この日はプレゼンの日だったので、同席させてもらいズバズバと遠慮なく質問させてもらいました。
こうゆう質疑応答の場や会議の場で、一言も発言しないヒトを多くみます。討論の場では年齢、立場は関係ないのです。
私が進行役だったら、そのような人々を直ちに強制退場させます。(笑)
考える事が出来ないヒトとは、時間を共有する必要ありません。
この時もその目線で俯瞰していましたが、みんな討論慣れしているせいか自然と論議が進行していました。なんとも有意義なクラスです。
その後は、彼女とアクティラボのスタッフが直接コンタクト取るように。
週末になるとしばしば彼女はその学校のアクティビティに合流して、山や川、水かけ祭りに参加させて貰っていました。
普通の留学生の倍以上の経験を重ねて行ったのではないでしょうか。
既に留学開始から二か月が経過しており、その頃には初期のベソかいていた彼女の姿は完全にありませんでした。
たくましく成長していて、聴覚障害だろうが全く関係無く、アジアで旅慣れた旅人のようにガシガシ行動を継続していました。
そして今夏、彼女は国家公務員試験の時の英文問題ではほとんど理解することができ、読解力の向上を実感したようで、後に合格したとの連絡をもらいました。
こうゆう連絡があると、マネージャーとしては嬉しいもんです!
当時の彼女の姿を見ていると、意識して行動するというよりは、自分の好奇心をそのまま行動に移し、周囲の目なんぞ気にせず体現していました。
周囲の目を気にして、行動に移すのはちょっと難しい時があるのも共感できます。「空気を読む」という言葉が流行りましたが、空気を読みすぎて行動範囲が狭くなるのも問題です。
しかし、そこから一歩踏み出して、自分のやりたい事を行動に移していく。継続しない限り、その他大勢の中の一人に埋もれていきます。彼女の行動を見ていて、そんなことを考えさせられました。
自分を変えるには、自ら行動することが大事!
私も社会人になってからは、周りと足並み揃えて行かないとならない状況が多々ありました。また、トップからの指示に合わせて行動していく。
これ、ホ~ンっとに楽です。自分でそこまで考えないで、上司や先輩にくっ付いて行くだけでした。まさに、思考停止状態。
思考停止に陥るとヒトは成長しなくなります。楽だからそのままでいたいと思うんですよねー。そして毎月それなりに給料が貰える。上司や先輩の姿を見て自分の3年後、10年後がリアルに見えてきます。その時、自分の中で疑問が生まれたんですよね、
「オレの将来このヒト達みたいになるんだー。 …こうなるためにオレは生まれてきたのか?」
何か、テンションが上がりませんでした。
そこから、何となく考えていたらこんな言葉を目にしました。
行動から習慣に変えるところが一番苦しい時かもしれません。
この二人は特別に行動していた留学生で、ここまで能動的に動く方は稀です。年間通して二人いればいい方なので、約1パーセントのヒトしか主体的に留学生活を過ごせていないのが現状なのです。
しかし、海外留学を機に海外で考えながら可能な限り動き続け、それが習慣化すると自分の人格さえも変わっていくかもしれません。
自分を変えられるのは自分だけ。他人は自分を変えられない。
「精神と時の部屋」のような海外へ、少しでも早く一歩でも何歩でも踏み出したい!