コミュニケーションでは非ネイティブの英語が聞き取れることこそ結構大事!
ある程度英語を勉強してきたのに、外国人と実際に英語で会話してみたら、「全然聞き取れなかった…。伝えたいことが伝わらなかった…。」という経験はありませんか?
まだ海外経験が無い方、これから留学やワーキングホリデーする方は、おそらく全員が体験することだと思います。
そのような経験をすると、「自分の英語力が足りてない…。」と落ち込んでしまうのも当然です。
しかし、英語はネイティブが話す英語が全てではありません。これだけのグローバル社会になれば、第二言語として英語を使う人もたくさんいます。
要するに、綺麗な英語が全てではなく、訛ったクセのある英語も飛び交います。コミュニケーションが上手く行かないのは、その影響も幾分あるはずです。
この記事では、実際に外国人と英会話する機会のある方に向けて、「非ネイティブの人が話す英語を聞き取る。」ことの重要性について話していきたいと思います。
日本人はネイティブへのこだわりが強すぎる?
日本人が英語を学習する際に、先生がネイティブかどうかを気にする人は少なくないのではないでしょうか?
かくいう私もそのうちの一人でした。フィリピン留学を躊躇していたのも、ネイティブへのこだわりがあったためです。
でも、私たちがそこまでネイティブにこだわっているのはなぜなのでしょうか?
確かに、ネイティブから正しい発音や文法などを学習するのはとても大事なことです。正しい発音やきれいな英語を学ぶことは、基本中の基本だとは思いますが、海外生活をするとそれだけでは不十分であることが身をもって分かります。
実際の英会話では、非ネイティブの人たちと会話する機会がかなり多いことに気付くはずです。実際、海外留学をしていても、大半の時間は非ネイティブとの会話かも知れません。
特に語学学校で勉強していると、外国人の友達と会話をしている時間がほぼ全てです。そこにいるのは、全員非ネイティブであり、ネイティブスピーカーはいないのです…。
非ネイティブの話す英語
私はフィリピン留学を1ヶ月ほど経験したすぐ後に、ミャンマーとアメリカへ旅行しました。
フィリピン人やミャンマー人の英語には独特のクセがあり、英語初心者の私には聞き取るのが難しかったのです。フィリピンの先生の発音はきれいですが、一般の人々は教育格差もあり英語にはクセがあるケースが多いです。
そして、その直後に行ったアメリカで「ネイティブの英語はなんて聞き取りやすいんだろう!」と感動したことを覚えています。
一方、世界的にインド人の話す英語は聞き取り難い・分からない…と言われています。
確かに、これまでに出会ったインド人の英語の特徴としては、とにかく話すスピードがものすごく早くてアクセントも強烈でした。
語学学校のクラスにもインド人が何人かいましたが、私には90%理解できませんでした。同様にクラスメイトのアルゼンチンやコロンビア出身の子たちも理解できない…と言っていました。
他国の英語を批判する我々日本人も「ジャパニーズイングリッシュ」であり、強烈なクセを持っていることを忘れてはいけません。
オーストラリアで語学学校に通っていた時に学校の友達から「多くの日本人の英語は何を言っているのか分からない…。」とよく言われました。そういう彼女たちも、だいぶスペイン語やポルトガル語の訛りが入っていたのですが。(笑)
私はオーストラリアに来てすぐの頃、単語レベルでもよく間違って伝わってしまうことに悩んでおり、発音矯正の練習をしていました。そのお陰もあって、「あなたの英語は理解できる。」と言ってもらえることもありましたが、それでも日本語訛りは残っていると思います。
自国の訛りは棚に上げて、他国の人の英語は聞き取り難い…と言ってしまいがちです。
どこの国の人でも、母国語の訛りが入ってしまうのは仕方のないことだと思っています。
むしろ、訛りのない非ネイティブなんて、非常に少ないのではないでしょうか?
英語話者のネイティブ人口と非ネイティブ人口
世界には約17.5億人の英語話者がいて、世界の4人に1人が英語を話すという計算になります。
その内、3億8,500万人(全体の約22%)がネイティブだと言われています。つまり、残りの約78%が非ネイティブなのです。
この数字を見て、想像よりも非ネイティブ人口が多いと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
英語でコミュニケーションをとる相手が、非ネイティブである確率が高いと分かっていただけたかと思います。
「間違えたら恥ずかしい」が先行する日本人
英会話をする際、日本人は「間違えたら恥ずかしい…。」などと思っている人が多い印象があります。そして、できるだけ間違えないように慎重になりすぎてしまいます。
日本人は、周囲の目を気にする国民です。ファッション1つ取ってもそうですが、日本人は周囲から自分がどう見られているかをベースに衣装を選びます。一方、外国人(特に欧米人)は日本人ほど周囲の目を気にせず、ラフな格好をしています。
それは英会話の場でも同じで、日本人は周囲の目を必要以上に気にしてしまう傾向にあります。そのため、外国人がたくさんいる場に行っても、他の人の話をただ聞いているだけだったり、日本語ではよく喋る人なのに英語になると途端に静かになってしまう人が多かったりします。
そして、「英語が話せない!」と言って悩む始末…。
私たち日本人は、すでに義務教育や高校などで基礎的な文法や単語は勉強済みなのにも関わらず、アウトプットをしてこなかった上に、失敗を恐れる国民性が邪魔をして、英語へのコンプレックスを必要以上に抱いてしまうのです。
これに関しては、私はもはや個人の問題ではなく、日本の悪しき「失敗を責める」文化が原因だと思っています。
逆にラテン系やインドなどの国の人たちは、文法がはちゃめちゃでも、単語をおもいっきり間違えていても、マシンガンのように話す人が多い傾向にあります。
元々おしゃべりが好きという性格も影響しているのかもしれませんが、間違ってもさほど気にせず、それよりも自分の意思を伝えることを重視しているように感じます。
もちろん母国語が英語とどのくらい似ているかで習得スピードに大きく影響してくるのは事実ですが、失敗を恐れずにひたすらたくさん話す彼らの成長スピードは物凄いです。
失敗を恐れてしまいがちな日本人ですが、もし海外で自分に身の危険が迫った時、あなたならどうしますか?その状況を打開すべく、一刻も早く誰かに助けを求めますよね?
そんな時に「文法を間違えたら恥ずかしい。」などと言っていられるでしょうか?きっと、文法や単語の間違いなど意識せずに、自分の意思を伝えることに全力になると思います。
このように、まず相手に自分の気持ちや意見を伝えたいという思いがあって、それが相手に伝わり意思疎通ができるようになるのです。私たちも他国の非ネイティブたちを見習って、ガンガンしゃべっていきましょう。
言っている意味は分かるけど、「恥ずかしいものは恥ずかしいし、ガンガン行く勇気がない…。」という人がいて当然です。
そう言う人は、最初はマンツーマン授業で勉強できるフィリピン留学に行った方が良いでしょう!
これは「英語への慣れ」と「自分に自信を持てるか」の問題なので、欧米圏のグループ授業で時間を掛けて慣れて行くのか、マンツーマン授業で短期間にて克服するのかの違いです。
自分の性格が大きく影響する部分ですので、この辺の部分は自分の性格と相談して決めて行くと良いと思います。
英語はあくまでコミュニケーションツール
私自身、何はともあれ意思疎通できることが一番大事だと思っています。
以前、インドネシア人と中国人に同時に出会った際、インドネシア人と会話しても何を言っているのかさっぱり聞き取れず、「この人は本当に英語を話しているのだろうか?」とさえ思ってしまいました。一方、もうひとりの中国人の英語もまた、私にはほとんど聞き取れませんでした…。
しかし、その二人は普通に意思疎通できているのです。
自分の英語力(リスニング力)を棚にあげて、「彼らの英語の訛りがひどくて全然聞き取れない!」と思ってしまっていた自分を恥ずかしく思いました。
英語は、コニュニケーションのために必要な「道具」です。ネイティブと会話ができるのももちろん大切ですが、非ネイティブと会話できることも同じくらいに重要だと思っています。
そして、ネイティブは基本どこの国の出身の人であろうと、非ネイティブの話す英語を理解します。
私のレベルはまだまだ低いため、聞きやすくて理解が容易い人と、聞き取り難くて意思疎通が困難な人が存在します。そして、後者の聞き取り難い人との会話は正直とても難しいです。
非ネイティブの英語でも理解できるように、できるだけ多くの人と会話をして、耳を慣れさせる練習をしないといけないと感じています。
「ネイティブの英語は聞き取れるけど、非ネイティブ(特定の人)の英語は聞き取れません。」では、仕事で使い物にならないのです。
非ネイティブの英語もきちんと聞き取れるようになるまでの道のりは決して近くないですが、頑張ってリスニング力を鍛えるしかありません。
海外留学をすると、非ネイティブとのコミュニケーションが多いことに必ず気付きます。
みなさんも、ネイティブ以上に非ネイティブと会話することが多いことを頭に入れて、ぜひ非ネイティブとの英会話にもたくさんチャレンジしていただければと思います。