【フィリピン留学】72時間以内の出国要請?現状のバギオの状況と、PINESの新型コロナウイルスに対する試み
こんにちは!かわけんです。
今回は緊急で、「現状のバギオの状況と、PINESのコロナに対する試み」をテーマに記事を書きます。
どれくらい緊急かというと、さっきエージェントさんから「書いてもらえませんか?」という連絡をもらったばかりです。(笑)この記事を書いている今現在が、2020年3月19日(木)です。
新型コロナの影響により、1週間前の3月12日(木)からのわずか7日間でフィリピンでは目まぐるしい動きがありました。
いやぁ。本当に目まぐるしいです。
中には、この新型コロナウイルスの影響で、急きょフィリピン留学をキャンセルした人もいるでしょう…。
この記事ではこの1週間フィリピンで一体何があったのか、そしてPINESはどう動いたのかを小説っぽくストーリー形式で書き綴ります。
【第1章】突然の外出禁止令
2020年3月12日(木)それは突然だった…。
「3月13日(金)よりバギオ市内全ての小中高・大学の授業の中止」に関する旨の通知が政府よりなされる。
この時点で一つの疑問が生まれる。
「語学学校はどうなるのか?」
これを語学学校関係者がバギオ市長に問い合わせる。
結論を先に言おう。「語学学校は例外」という判断が下される。
バギオには「BESA」という語学学校の組織がある。
PINESを含めたそのBESA加盟の語学学校は授業中止が免除され、「条件付き」で授業の継続が許可された。
では、その「条件」とは何か。それは、「生徒の外出禁止」だ。
バギオの小中高・大学は生徒・学生が学校まで通学をしなければならない。
ジプニーといった公共交通を使用する際に人と人との接触回数が間違いなく増加する。
一方のバギオの語学学校は、ほとんどの生徒が学校敷地内の「学生寮」に住んでいる。
PINESを例に言えば、教室と同じ建物にそれぞれの寝泊まりする部屋があるのに加え、スパルタ校のため平日は基本的に外出禁止である。
こういった状況を鑑みて、交渉の末に授業継続が許可されたのだ。
コロナ対策の1つのキーワードは、「人の接触を防ぐ」ということだろう。
授業は継続できる。なぜなら終日学校内にいて、一般人との接触がないから。
しかし、外出をするとなれば、一般人と接触することになる。
そのため生徒の安全確保のためにも、週末を含めた「外出禁止令」が出されたのであった。
この小中高・大学の休校、語学学校生徒の外出禁止という突然のバギオ政府からの通知。
「急だな…。」と誰もが感じた。
PINESでは、すぐに生徒たちを収集し周知した。
国籍別にスタッフから生徒たちへ、現状の説明を行う。
この時は、まだ誰もこれが激動の1週間の始まりであるという事を知る由もなかった。
【第2章】出国できなくなる?
第1章の外出禁止令と時を同じくしてアナウンスされたのが首都マニラの情報。
なんとマニラをロックダウンするとのこと。簡単に説明すると、マニラ封鎖だ。
バギオから日本に帰国する方法は、まず車でマニラに行き、そこから飛行機で日本まで行くしかほぼ方法はない。
マニラがロックダウンして、マニラに入れなくなればどうなるか…。
そう、バギオから日本に帰れなくなる。この情報が流れに生徒たちは焦る。
特に焦るのが、数週間後に卒業を控えた生徒たちだ。
数ヶ月後卒業予定であれば、まだ猶予があるから良いが、数週間後となれば卒業したのに日本に帰れないということになりかねない。
多少の混乱はあったが、幸いロックダウンされるのはマニラ全域ではなかった。
この時点でアナウンスされていたのは、マニラ全体ではなく一部地域。また、フライトのキャンセルについては「国内線」のみ。
今後も帰国することができる可能性は十分に残っていたが、それでも今後を心配し、複数の生徒が前倒しで帰国することとなった。
しかし、帰国するためには、マニラまでバスで行かなければならない。
この急な政府からのアナウンスによる影響は、当然PINESの生徒たちだけではない。
そう、これはバギオ全体の問題である。数十名もの生徒のバスチケットを購入するため、フィリピン人スタッフが急きょバスステーションまで行くが、既にチケットは完売…。
このままでは生徒がマニラまで行けない。そこで、学校が急きょバンを貸し切ることに。
一連の始まりから24時間もしない中、その日の夕方と深夜に生徒をマニラへ送るためのバンがPINESに到着。
数十名の生徒がマニラへと向い、無事に日本へ帰国したのであった。
これが3月13日(金)の出来事である。
政府からの急なアナウンスにより生じた激動の1日が終わる。
これで、まずはひと段落だと誰もが思っていた。
【第3章】公共交通機関が止まる
突如始まった3月13日(金)からの外出禁止令。とは言え、幸い授業は継続できている。
週末を挟み、3月16日(月)。この日も授業は予定通り行われた。
翌17日(火)だ。事件は起こった。
それは、公共交通機関の停止。バギオ市民の足である「ジプニー」がストップしたのだ。
ジプニーとは日本で言えばバスのようなもので、現地の人たちの移動手段だ。
PINESのフィリピン人の先生のほとんどがこのジプニーを利用して通勤している。
そのジプニーがストップ。…と言うことは何が生じるのか。想像すれば誰でも気付くだろう。
先生が学校に出勤できない。つまり、授業ができないことを意味している。
当然ながら、この日は急きょ授業は無くなった。
前日の16日夜にバギオの公共交通機関がストップすると突然アナウンスされ、17日の朝に生徒たちは授業がないことを知る。
これだけなら良かったのだが…。
【第4章】72時間以内の出国要請?
突然政府が公共交通機関をストップするとアナウンスしたのが16日の夜。
ほぼ同じタイミングで、もう一つ重要なアナウンスがされた。
「3月17日(火)の0時から72時間以内に出国しなければ出国できなくなる。」
どれだけ急なんだ…。
なんと次は72時間以内に出国しないと、当面出国できなくなると言い出したではないか。勘弁してくれよ…。
PINESは学校としての方針を急いでまとめ、全生徒を集め緊急オリエンテーションを開く。
まずは現状を生徒たちに伝えるべく、午前中に途中経過を報告。
午後には対応の方針が固まり、正式な連絡を共有。
政府から突如アナウンスされた通知は、72時間以内に出国しなければ4月12日(日)まで出国できないという内容だった。
様々な心配事が飛び交う。
3月17日のこの時点で、与えられた時間はわずか72時間…。
ここから生徒たちの第二弾の大移動が始まる。
【第5章】半分以上の生徒が緊急帰国!?
3月17日(火)、一度今の状況をまとめたいと思う。
1つ目が「公共交通機関のストップ」だ。
これが解除、あるいは緩和されない限りは先生が学校に来ることができない。
2つ目が「72時間以内の出国」だ。
72時間以内に出国をしないと4月12日(日)まで出国ができなくなる。
生徒たちの立場からすれば2つの心配事を抱えていることになる。
生徒たちの最大の関心事は、「授業はいつ再開されるのか。」と「72時間経過後は出国できなくなるのか?」の2点だ。
授業の再開がいつになるのか分からず、なおかつもし出国できなくなるリスクを考えれば、止むを得ず「帰国」という選択肢が生徒たちの頭をよぎる。「フライトはあるのか?」多くの生徒がフライトを探す。
「あった!」すぐにフライトチケットを取れた生徒。「えっ、ない!!」フライトチケットをなかなか取ることができない生徒。
しかし、チケットが取れた生徒たちにも、まさかすぎる不運が起こる…。
「え、フライトがキャンセル!?」
急いで、「ある航空会社」の3月19日(木)のフライトチケットを取った生徒が複数名いた。
しかし、なんと3月17日午後に突然、その航空会社より19日以降のフライトは全てキャンセルするとのアナウンスがされる。
なんということだ。ありえない…。
「キャンセル料は二の次だ。まずは新しいチケットを取り直さないと!」
再びチケットの購入を目指す。
何人、何十人もの生徒がスマホに釘付けになり、必死にフライトを探す。
最初のグループが夜19時に学校が用意したバンでマニラの空港へ向かう。
その後、20時、23時と順次生徒をマニラへ送り出す。
深夜0時を回り、ひと段落と思った矢先、またまた問題が…。
「バギオから出られない…。」
コロナ対策により、フィリピン国土全体で警備が強化されているため、各地にチェックポイントが設置されている。
そのチェックポイントを通過できないというのだ。
学校は事前にバギオ市長のところへ行き、承諾のサインまでもらっている。
それにも関わらずだ。関係機関に急いで連絡をする。
何分、何十分と連絡を取り、結局は関係書類を直接持って行く。
深夜1時、2時の出来事だ。
最終的には通過が認められ、生徒たちが乗ったバンはバギオを出て、マニラまで無事に着くことができた。
3月17日(火)と18日(水)のこの2日間で半分以上の生徒が悩んだ結果、自らの意思で帰国することを選んだ。
このわずか2日間で、生徒自身も学校も今まで見たことのないような大きな変化に直面することとなったのだ。
そしてPINESはどう動いたのか?
突然すぎた。始まりは、3月13日(金)から適用された外出禁止令。
政府からのアナウンスが日をまたぐごとに変わり、17日(火)~18日(水)にかけて多くの生徒が帰国。
この間、PINESはどう動いたのかスタッフの立場から解説しよう。
3月13日(金)
・政府からの外出禁止令等を受け、国籍別に生徒を集め、各国スタッフより現状を説明する。
・急きょ帰国する生徒のバスチケットを購入するために、スタッフがバスステーションへ向かう。
・バスチケットの購入はできず、マニラ空港行きの貸切りのバンを用意する。
・夕方と深夜にバンを学校から出発させ、朝には無事に生徒全員をマニラの空港まで届ける。
3月17日(火)
・政府からアナウンスされた72時間以内の出国要請等を受け、午前中のうちにすぐに全生徒を一同に集め現状を報告する。
・審議を行い、学校の対応をまとめ午後に再び全生徒を一同に集め周知する。
・帰国をする生徒には学校が貸切りのバンを用意し、17日と18日に分けて全生徒をマニラまで送る。
・学校に残る生徒に対しては、授業が再開されるまでの間、最初の2週間は無料で部屋と食事を提供。3・4週目は1日P1,000で提供する。
・帰国を決意した生徒で残った授業期間を延期した人は、「3年以内」であれば再び戻って来ることが可能とする。(通常は1年以内)
・延期した生徒が戻ってくる場合は、プラス1週間の授業が無料で追加される。
・延期したけれど、戻って来れない場合はその権利を家族や友人に譲渡することができる。
日をまたぐごとに新しいアナウンスが政府からされる中、その決まりごとの影響力の大きいがゆえに生徒への迅速な情報伝達が欠かせない。その日のうちに生徒を集め、最新状況を都度説明。
この1週間で、コロナの影響で帰国をした生徒は半分以上にもなった。
日本人生徒の多くが「また戻ってきたい。」や、「コロナが終息すればすぐに戻ってくる。」という言葉を残して日本へと戻って行った。生徒たちに非は全くない。
またバギオに戻ってきて、PINESで英語の勉強ができるように、学校側も延期の条件を上記のように柔軟に変更させて頂いた。あとは、コロナ終息後に生徒たちの帰りを待ちたい。
1日単位で言うことが変わるフィリピン政府
以上、リアルタイムでコトが進んでいるコロナ対策中のバギオの現状をこのコラムで伝えた。
いかがだっただろうか。ここまで読んだ人は気付いただろう。
毎日のように政府の言っていることが変わっているということに。
良く言えば、「決断が速い」とも言える。
いや、唐突すぎると言った方が良いだろう。
この1週間で、日本ではあり得ないような決定を次から次へと繰り出してきた。
ある意味、経済第一主義で成り立つ日本を含む先進国では、このような措置は絶対にできないだろう。経済活動がかき回され、社会全体がパニックになってしまうからだ。
3月16日(月)に「72時間以内に出国しないと出国できなくなる」というアナウンスがされたが、その数日後には解除されたのだ…。
このようなことが頻繁に起きているのが現在の状況だ。
このコラムを書いている今は3月19日(木)の夜だが、ついさっき外国人の入国ビザの発給を3月22日(日)より停止するとの発表があった。
こんな調子で、毎日毎日色んな情報が新規にアナウンスされる。
コロナという状況が状況なだけに、臨機応変に対応しなければいけないことは十分に理解できる。
ただ、現場は疲れるのだ…。(笑)
今日からの1週間、いや1ヶ月程度はまだ色々な動きがあるだろう。
その一部始終をまたこのコラムに収めたい。いや収めなくて済む状況になるのがベストだが…。
これが「現状のバギオの状況と、PINESのコロナに対する試み」だ。現場からは以上!
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