【フィリピン留学】6年に一度の大統領交代で留学条件変わる?
こんにちは!フィリピンのバギオで語学学校スタッフをしているかわけんです。
2022年の4月よりバギオ留学が本格的に再開し、筆者の在籍する学校(PINES)では毎週のように日本や韓国、ベトナムなどからの留学生が入学しています。
現在(2022年5月中旬)はフィリピン入国条件は厳しくなく、条件を満たせば基本的には誰でも入国することができます。
この状況が続けばベストですが、もしかしたら入国の条件等が変わる可能性があるという噂も耳にします。その理由が大統領の交代です。
フィリピンでは6年に1度大統領選が行われ、国のトップが交代するのですが、2022年の今年がその大統領選の年です。
コロナ対策と政治には深い結びつきがありますので、この内容を現地よりお届けしたいと思います。
と言うことで、今回は「6年に一度の大統領交代で留学条件変わる?」というテーマのコラムをお届けします。
留学をすることは、その国に対して今まで以上に興味関心を持つきっかけになりますので、フィリピンという国に関心を持つきっかけになればと思います。
なお、本コラムは留学に関連したトピックとして、主観的な内容を含むものとなっておりますのでご了承ください。
留学と大統領の関係
まず、どうして留学コラムで大統領選のことを書いているのかというと、このコロナ禍においては留学と政治の間には大きな関係があるからですね。
特に留学を予定している人に関係している部分は「入国条件」です。
日本もようやく外国人旅行客の入国が許可されることになりましたが、そういった決め事は政府が下しています。フィリピンにおいても同様です。
フィリピンでは2020年の3月に突然ロックダウンが開始したり、フェイスシールド着用が義務化されたり、リカーバンというお酒の販売が禁止されていた時期などがありましたが、こういったルールは基本的に大統領令(あるいは地域ごと)として出されます。
2022年2月からは、その大統領令によってフィリピンの入国条件が大幅に緩和され、フィリピン留学も再開となりました。
こういった意思決定をしている現職の大統領は、ドゥテルテ大統領です。こちらの現職のドゥテルテ大統領は任期満了により、6月30日をもって職を退くことが決まっています。
そして、同日よりフィリピンは新しい大統領のもとで国が動くことになるのです。
それに伴い、もしかしたら経済政策や入国条件など一部変わるかもしれません。
現時点では確定の情報はありませんが、6月30日からフィリピンは大統領が変わり、何かしらの変化が生じる可能性があるのかもしれない、ということだけでも知っておくといいと思います。
フィリピンの大統領選挙に関する簡単な知識
ここでフィリピンの大統領選挙の制度等について、簡単な知識を押さえておきましょう。
大統領の選出については以下の通りとなっております。
現職のドゥテルテ大統領が就任したのが2016年で、2022年で6年となるため、規則通り任期満了による退任が決まっています。
一時期、ドゥテルテ大統領が現職を続けるのではないか、といったような噂やニュースも流れましたが、現行ルールでは再選は禁止されています。
6年に一度実施される大統領選の選挙日は5月の第2月曜日と決まっています。今回は5月9日の月曜日で、その日は祝日でした。
なお、フィリピンの選挙時は、選挙前日と当日はリカーバン(お酒の販売禁止)となり、基本的には外で飲酒をすることができません。
有権者は18歳以上となっており、投票率は一般的に70%を超えると言われています。
フィリピンの大統領選で特殊に思える点の1つが、大統領と副大統領が別々に選ばれる点です。
これはどういうことかというと、大統領選は大統領と副大統領の立候補者がペアとなって選挙活動に臨みますが、その2人が必ずしも一緒に当選するとは限らないのです。
つまり、大統領と副大統領の選挙が別々に実施されるため、選挙活動で対抗していたライバル同士が大統領と副大統領になるという可能性があるのです。ちょっと不思議に思えますよね。
以上のように、フィリピンは日本とは異なる選挙制度を持っています。
いつから誰に変わるのか?
ここまで、フィリピンの大統領選挙制度について簡単に見てきましたが、先日(5月9日)実施されたばかりの選挙の結果により、誰が次の大統領、副大統領になるのかを簡単に見ていきます。
まず、大統領ですが、フェルディナンド・マルコス・ジュニア氏(通称:ボンボン・マルコス)が就任予定です。このマルコス・ジュニア氏の父は、第10代大統領として1965年〜1986年のおよそ20年間大統領を務めたマルコス・シニア氏です。
次に、副大統領はサラ・ドゥテルテ氏が就任予定です。サラ・ドゥテルテ氏の父は、現職でもある第16代大統領を務めるロドリゴ・ドゥテルテ氏です。
この2人はペアで選挙活動を行ってきた者同士となります。ですので、前述したような大統領と副大統領がライバル関係の人物になるという事態にはならなかったことになります。
このように、新しい大統領(フェルディナンド・マルコス・ジュニア氏)も副大統領(サラ・ドゥテルテ氏)も父に大統領経験者を持つ政治家となったのです。
就任予定日は6月30日です。政権交代により、国の政策が変わる可能性もあり、留学関連でいうとコロナ対策などの方針に変化が生じる可能性もあるので、留学予定の方はニュースなどで最新情報をチェックするようにしましょう。
選挙時・後の現地の様子(主観的)
選挙時と後の現地の様子ということで、筆者の滞在するバギオでの様子という主観的な内容とはなりますが、実際にフィリピンの大統領選を現地で見て、感じたことを記します。
まず、当日の街の様子は思った以上に静かでした。選挙権のある国民全員が投票するということ、また選挙前の選挙活動などが活発だったことから、選挙当日もいわゆるお祭り騒ぎのように賑わうのかと少し想像していましたが、いたって静かでした。
祝日であり、仕事が休みの人も多いので、街に出歩く人がたくさんいるのかと思いきや、メイン通りを含め街全体はいつもより人が少なかったです。
また、通常バギオには首都マニラなどからの観光客が多いのですが、投票日に関しては基本的に投票をするために地元へ帰省するため、旅行客も極めて少ない様子でした。
そして、選挙翌日です。選挙翌日にはおおかた選挙結果は分かっていました。
特に大統領選の1位と2位が熾烈な争いをしていたのですが、2位の候補者(レニー・ロブレド氏)をサポートしていた人たちの多くは深く肩を落としていました。中には仕事を休む人もいたようです。
投票結果が2位となった候補者(レニー・ロブレド氏)が投票の開票に関して異議などを申し立てず、敗北を認めたということもあり、特に大きな抗議活動などは行われておりません。
筆者の周りのフィリピン人の友達は20~30代の世代が多いのですが、たくさんの人が選挙に関する内容をインスタやFacebookにポストしていたり、意図的にSNSにはポストしていない人も自分自身の意見を持っていました。その光景からも政治に関心を持ち、少しでもフィリピンという国を良くしたいという思いが伝わってきました。
フィリピンには首都のマニラや有名観光地のセブなど他にも多くの地域がありますので、エリア等によって光景は違うかもしれませんが、筆者がバギオで目の当たりにした光景はこのようなものでした。
まとめ
今回は、「6年に一度の大統領交代で留学条件変わる?」というテーマのコラムをお届けしました。
「日本人は政治に無関心な人が多い」などということもありますが、国が異なれば政治の制度が違ったり、国民の意識や言動が違ったりします。筆者の周りには20代、30代などの若い友人が多いのですが、当たり前のように政治や選挙について語ったり、SNSにポストをしたりと積極的です。
フィリピンは国民の平均年齢が20代半ばなので、そういった若い世代の人たちが自分たちで未来を作っていくという意識もあるのかもしれません。
「留学をする」ということは、必ずしも語学を学ぶということだけでなく、異文化や価値観を学ぶということでもあります。
「異文化を学ぶ」という表現が抽象的すぎて、あまり重要視されないようなこともありますが、単一民族、単一言語で育ってきた日本人にとっては、異なる文化を体験し、学ぶことは非常に重要だと思っています。
その一つのきっかとしても、留学先の政治に興味を持つというのは大事であると考えたので、今回のテーマで書かせていただきました。専門家の方が書かれる内容とは違い、現地在住者によるレポートとしてお読みいただければ幸いです。
このようにフィリピン留学に関連した内容を更新していきますので、他のコラムもお楽しみに!