【ポストコロナ】それでもオンラインより留学がいい理由
フィリピンのバギオの語学学校でスタッフをしているかわけんです。
2020年からのパンデミックを機に働き方、学び方などあらゆるもののオンライン化が急速に進みました。
英語学習においても例外ではなく、留学に行かなくてもオンラインで学べることが増えました。PINESのIELTS対策もオンラインでできるようになりました。(IELTS TRAINER PRO)
と言いながらも、すべて100%の学びがオンラインで代替できるのか!?というとそうではないと考えています。
今回のコラムでは、「留学だからこそできること」というオンラインでは代替できない部分に関して書きたいと思います。
留学を検討している方は、ぜひご参考にされてください。
なぜ留学しようとしているのか?
はじめに、「なぜ留学しようとしているのか?」を自問する必要があります。
なぜなら、目的や目標によっては留学しなくても達成できるものと達成できないものがあるからです。
例えば、「TOEIC ○○○点」が目標で、そのスコアがそこまで現状レベルから離れておらず、実現可能性の高い数字であれば、留学しなくても達成できる可能性があります。
一方で、その目標スコアまではまだまだ遠い、あるいは独学に行き詰まっていて環境を変えて学習したいといった場合は、留学をして集中的に学習するのが効果的になるでしょう。
また、「海外で英語を使って働きたい」など高いレベルの英語スキル習得を目指すのであれば、海外留学したからこそ身に付けることができる能力があるので、留学の意義は大きなものとなるでしょう。(現地で人脈も作れますしね)
このように、「なぜ留学をしようとしているのか?」を考え、留学によって身に付けようとしているスキルはオンラインでは代替が難しいものなのかどうかを自分の中で整理することが必要です。
オンラインで問題ないパターン
留学の目的を明らかにした上で、次にオンラインでできる部分とそうでない部分を分けてみましょう。
・一般的なスピーキング
オンラインレッスンの一番の定番は、日常英会話のレッスンですね。
英語学習において「スピーキング」の種類はいくつかに分類できますが、日常英会話のようなスピーキングはオンラインレッスンの中で練習することができます。
オンライン英会話サービスによっては、世界中の様々な国の講師を選べるものや、初級者向け・上級者向けなどレベルを選べるものなど、自分の希望に沿ってレッスンを選ぶことができます。
・英語の習得を特に急いでいない
「数年かけてちょっとずつ英語ができるようになればいいな。」というように時間に余裕がある場合は仕事等をしながら、空き時間を使いオンラインレッスンで学ぶことが可能です。
1日30分~1時間ぐらいの学習時間を1年以上かけて行うような学習スケジュールであれば、オンラインレッスンや自主学習で無理なく勉強することができます。
IELTSやTOEFLなどスコアの獲得に向けて、計画的に中長期で学習をする方はまずはオンラインレッスンを始めてみるといいかもしれません。
・「答えのある」英語学習
英語の4技能のうち、「インプット」スキルのリスニングとリーディングは基本的には答えがある科目です。例えば、IELTSのリスニングやリーディングでも、解答は「A」というように、明確な答えがあるので、比較的独学をしやすい科目と一般的には言われます。
独学が難しい場合も、オンラインレッスンで専門の講師からその答えの解説等をしてもらうことで、理解できる部分が大きいです。
一方、「アウトプット」スキルのライティングやスピーキングは、フィードバックをしてくれる先生の存在が重要になります。
これらの科目については独学が難しいので、まずはオンラインレッスン等を使ってプロの先生と一緒に勉強をするのが効果的です。そして、さらに集中的に学習が必要な場合に留学をするというような選択肢もあるでしょう。
以上の3つのパターンはもちろん留学をしなくてもいいというわけではありませんが、比較的オンラインレッスンでカバーしやすい部分になります。
言い換えれば、日本にいるうちにこういった部分をしっかりと学習しておけば、留学中に「留学中にしかできないこと」に時間を費やすことができます。
勉強時間が3倍以上
ここからは、留学だからこそできることについて述べていきます。
まず1つ目は、「勉強時間が3倍以上」です。
例えば、仕事をしながら英語学習をしているとします。仕事が終わって、夜にオンラインレッスン等を使って勉強をする時間は長くてもおおよそ2~3時間です。
これが、フィリピン留学となれば、3倍以上の1日約10時間となります。
日本でももし仕事をしていなければ、時間的にはそれくらいの時間を用意することはできます。
ですが、日本国内では、実際1日10時間の勉強を毎日続けることができる人は限られていますよね。
留学中は授業には出席しなければいけないし、宿題や予習復習をしないと授業についていけないので、自主学習も空いた時間で必ずやらなければいけません。
そういったある種の拘束されたような環境(フィリピンのスパルタ校であれば平日は外出できなかったりするので、むしろ勉強しかすることがない)にいるからこそ、毎日の学習時間をしっかりと確保することができます。
「効果的な学習方法」というものを知ることは確かに大事ですが、学習においては「質」に加え、「量」もものすごく重要になります。
この「量」を確実に確保するためにも留学というのは、効果的な方法になります。
「先生以外」からも学べる
オンラインレッスンでは授業の中で講師から英語を学ぶことができます。
一方で、「授業外学習」というのはなかなか難しいです。
留学ではこの「授業外学習」の機会も十分にあります。
例えば、フィリピン留学ではこんなシチュエーションがあります。
自分の部屋の鍵を忘れてしまったから、スペアキーを借りにスタッフさんを訪ねるというようなシチュエーションです。
その際には英語で状況を伝え、依頼事項をお願いすることになります。
学校の外であれば、タクシーの運転手に行き先を伝える時には英語で説明をしなければいけませんし、レストランでは英語でメニューを頼まなければいけません。
といったように、レッスンの中でテキストに沿って教わる英語の他にも、「生きた英語」を学ぶ機会がたくさんあるというのが留学のメリットです。
自分もそうでしたが、多くの英語学習者は学校での英語の勉強はたくさんしたけど、日常的なシチュエーションで英語を実際に使うことに苦戦するというケースがよくあります。
実践的な英語でのコミュニケーションを取れるようになるためには、「授業外」での実践がとても重要になります。
また、先生は英語を教えるプロだからこそ、先生自身が使う英語は文法的にも綺麗ですし、生徒が完璧に英語で伝えることができなくても、ある程度は言いたいことを理解してくれます。
しかし、街中で使われている英語は必ずしも文法的に教科書通りというわけではないですし(これは日本語でも同じですよね)、こちらが言うこともしっかりと伝えないと理解してくれないということも普通に起こり得ます。
「先生以外」からも学べるという機会があるということも、留学して現地で学べることです。
言い訳できない環境に身を置ける
英語学習において「マインド」も非常に重要です。
大学に行きながら、または働きながら英語の勉強をしていると、生活の中心というのは「英語の勉強」ではなく、大学や仕事になります。
これによって何が生じるかというと、簡単に言い訳ができるということになります。
自分も経験があるのでよくわかるのですが、仕事で疲れていると単語を覚えようとしても全く頭に入らないし、無理して夜遅くまで勉強すると次の日の仕事に支障が出てしまうからといって「明日やろう」と決めて先延ばしにしてしまいます。
そして、そんな先延ばしの日々が続いていく…。自分としても情けないですが、こんな経験がある人も多いのではないかと思います。
しかし、留学となればこういった状況は変わります。
基本的には「英語学習」が生活の中心であり、朝から晩まで言葉通り「英語漬け」の毎日です。
加えて、「留学」となるとそれを見送ってくれた家族や友達もいて、帰国した時に成長した姿を見せなきゃと思うと、キュッと身が引き締まります。
留学が終わって帰国した時には「いやぁ、仕事が忙しくて。」といった言い訳はできません。
英語の勉強に集中できる環境だからこそ、自分にも周りにも言い訳ができないといういい意味での緊張感を持ちながら学習にのめり込むことができるというのは、留学だから味わえることです。
日本を外から見れる
「海外を知る」というのは留学の目的としてよくあげられるものです。
もちろん海の向こうの世界を知ることはとても大事で、これは留学だからこそ学べることの大きな1つです。
私たち日本人が見るニュースは基本的には日本人が日本語で発信しているものなので、情報としても視点としても限られているような面があります。
海外に足を運び、実際に自分の目で現地の生活をしている人たちの姿を見たり、話を聞いたりすることで学べることはたくさんあります。
それと同じように大事なことが、「日本を外から見る」ということです。
日本に住んでいると、「日本の当たり前」が普通と思ってしまいますが、実はそうじゃないことがたくさんあることに海外で気づくことができます。
例えば、接客でいうと、日本のコンビニでは店員さんが「いらっしゃいませ」と笑顔で迎えてくれて、「ありがとうございました」とこれまた笑顔で送ってくれますが、こんなに丁寧に接客してくれることは海外ではなかなか稀だったりします。
居酒屋に行けば、おしぼりを出してくれますが、こういった文化も海外ではあまり見かけなかったりします。
こうしたことに気付くことで、日本の「おもてなし文化」について学ぶことができます。
民族や言語に関しても海外と日本では異なっていて、例えば筆者が住んでいるフィリピンだと、同じフィリピン人だけれど第一言語がタガログ語の地域があれば、それがビサヤ語という地域もあり、様々な言語が交わっています。
以前住んでいたカナダでは、アフリカから移民してきた友達や中国の家系を持つカナダ人の友達など色んなバックグラウンドを持つ人がいて、日本人が「どこ出身?」と聞く感覚で「どこの国出身?」と聞く光景をよく目にしていました。
そういった環境で暮らして海外から日本を見ると、日本という島国でほぼ同じ民族のみが、日本人しか知らない日本語という言語のみを使っているという光景が特殊にも見えました。
仕事に対する価値観も海外は違っていて、必ずしも仕事が最優先ではなく家族や友人との時間を一番にする人が多かったり、その価値観を尊重している会社が多かったりします。そういう場面を目の当たりにすると、日本の当たり前が実は当たり前じゃなかったんだなと気付くことができます。
「日本は平和ボケしている」みたいなことを言う人がいますが、確かにそういう部分もあるのかもしれないと思うことがあって、それを実際に自分の経験として知ることができるのが、留学など海外生活することでもあります。
日本を外から見ることによって改善点も見つかるでしょうし、逆に日本人が普通と思っているけど実はすごいところを海外でやればビジネスなどにも結びつけることができるでしょう。このような貴重な体験をできるのは、やっぱり留学のメリットですね。
まとめ
以上、今回は「それでもオンラインより留学がいい理由」というテーマでお届けしました。
これからもテクノロジー等の発展により、オンライン学習の効果はますます上がっていくと考えられます。
学校に行かなければ学べなかったことの多くが、オンラインでも学べるようになり、語学習得においても海外に行かなくても学べることが増えました。
しかし、留学には「ストーリー」があります。
留学を応援してくれる家族や友人の存在があれば、入国や現地でトラブルもあるかもしれません。留学をするにあたり、大学を休学したり、仕事を辞めたりする人もいるでしょう。
そういった一連の「ストーリー」は留学を通して作られていき、それは人生にとってかけがえのないものになります。
そんなかけがえのない経験をこれからも多くの人ができたらと思い、今回のコラムを書きました。他にも留学に関するコラムを書いていますので、そちらの方も是非ご覧ください。