【フィリピン留学2022】新しい感覚を生む初めてのボランティア
こんにちは!個人のボランティアツアーとHISスタディツアー複数回参加実績のあるEG ACADEMY日本人マネージャーTAKAです!
コロナ直後であるにも関わらず、今夏当校に小団体が短期留学しに来てくれました!保守的な国民性の日本人、一般的には学校団体は早くても今冬か来春に団体留学を計画してもいいくらい。
しかし、今回来比してくれた団体は愛媛県にあるFitグループという総合学習塾の生徒さんたち。コロナ前から毎夏に来てくれていたのですが、まさか今夏から来てくれるとはホントに感謝とFitグループの企画運営スタッフの意気込みに讃辞を呈します。
渡航した生徒さんたちは主に大学生で、みんな初フィリピン留学です。放課後や週末にはアクティビティが組まれており、外で行われるスケジュールも生徒たちが現地で情報収集して決定するなど、単なる団体ではありません。
もちろんアクティビティの中にはボランティア活動も含まれていて、参加者の中にはそこまで興味関心の無い生徒もいて当然です。そもそもボランティアは自発的、能動的に行うものでやらされる事ではありません。
けど、このような学生ツアーでとりあえずボランティアに参加してみるとどうなるか?
結論、「自分の中で新しい感覚を抱きます」
これには個人差がありますが、初めての国で、見たことない空間で、全く知らない人々に寄付するという行動で大半の生徒は“何か”を感じて帰って行きました。
今回はとりあえずボランティアに参加するとどんな効果が期待出来るのか、どんなコンテンツなのかをFitグループのボランティアを実例に挙げて紹介していきます。
このボランティアは入門編というイメージで捉えてください。
ボランティアツアーの内容
当団体はボランティアもアクティビティとして料金に含まれているので、現地で追加費用を支払う必要は無く、内容も決まっているので私たち学校スタッフが現地で必要なモノは全て揃えます。
毎回訪れる場所がアエタ村というフィリピンの先住民たちが暮らしている山奥の集落です。
市内まで遠く、自給自足の生活をしているが収入は不十分で政府からの補助が必要なエリア。
~ボランティアの流れ~
前日 学校が用意した現地で配布するお米、スナック、ジュースを100家庭分に袋詰め作業。
参加生徒全員で手分けして米1袋1kgに袋詰め作業をしていますね。大学生ともなると細かな指示無くても自分たちで考え分担作業しています。
こちらは100人の子供たちに配布するスナックとジュースを1袋ずつにセッティングしています。
みんなテキパキと作業をこなし、約20分でこんな感じに出来上がって来ます。
仕分けのアルバイトみたいですね。ここまで準備完了したら明日朝を待つのみです。
このアエタ村には300~400件とカウントしきれないほどの家庭があるので全家庭に配布するのは時間的にも体力的にも不可能。ボランティアするとは言え、常に公平でないとならないという概念は不要。自分の出来る範囲で行えばそれでいいと思います。
3班に分かれてなるべく配布済の家庭には重複して配布しないようにしていますが、きっちりとチェックするのも難しく被ってしまうのも致し方ありません。
そして、アエタ村の方々全員が満足にコミュニケーション取れるほどの英語力が備わっているわけでは無く、そこはEGの先生が現地語で通訳してサポートしてくれます。
私も撮影と引率という役割で付添いましたが100家庭に配布するのって思っている以上に歩くし結構体力消耗するものです。
お米を配布しながら、生徒が日本から持参した古着もサイズが合う子を見つけて同時に渡して行きます。日本では古着が好きなヒトも少数いますがフィリピンでは大半の方が古着を着用していますね。特に日本製のプロダクトは衣類でも耐久性とデザインが良いと評判で人気があります。
自分では首元がヨレヨレで見っとも無くて着られないと思ってもフィリピンでは余裕で使われています。これは中古車も然りで、日本では絶対に車検が通らないレベルの車もフィリピンではまだまだ現役で走りまくっています。特にジプニーを見るといつ止まってもおかしくないレベルの車体まで走っていますね。
話が反れましたが、何とか衣類とお米100セット配布完了したら最後に子供たちへスナックとジュースのセットを配布。
「配布後に記念撮影するからそのまま待っててね。」とEG講師がアナウンスしますがどう見ても村の教会内でスナック待ちしており今にも走り出しそうな雰囲気です。
そして、配布が開始すると思っていた通りみんな家に走り出しました…。なんでこうも子供は言う事が聞けないのか!と怒鳴りたくなる気持ちを抑えながらもとにかく配布です。
何とか残った子供たちと最後に記念撮影。
どうにかこうにか100セットを配布完了しEG ACADEMYへ戻ります。
行き帰りの道中では私が知る限りフィリピンとクラークエリアの歴史と現代社会を説明。
アエタ周辺の地価が10倍に値上がりしている現実などを伝えます。歴史や現代社会の話ってつまらないし退屈なのは自分でも承知です。
ボランティアをする意義、フィリピンに来ているからには少しでも、1人でも途上国に、貧困問題に関心を抱いてくれればという思いから伝えています。
ツアー後の所感
学生を引率してボランティアをしていると様々な性格の生徒が目に入ってくるのですが、毎回いくつか所感を抱くので以下に列挙します。
その感覚は1週間で失せます
団体留学が卒業する直前に毎回全員に向けて伝えていることがあります。
これが私から留学に来ている方々全員に伝えたい事ですね。
今回来てくれたFitグループという代表、先生方は留学を何かのきっかけにしてほしいという強い想いを企画段階で話すことができ、激しく共感しているので留学事業に携わる身として伝えたいです。
ヒトによっては留学目的が自分を変えるのではなく、TOEICやIELTSスコアの向上というのもより良い職に就くには重要な目標設定。このような具体的な目標を掲げることが留学にはとても大事。
取り敢えず団体留学に申し込んで現地でたくさん英語に触れられて「何となく英語が話せるようになって楽しい想い出が作れた」という方が大半です。悪くはないのですが、それでも20万円近く大金を支払ってきていてその成果だと非常に勿体無いですね。
コロナ中ではオンライン英会話も一気に認知され人気も出て、留学に行く事自体が比較されがちです。
オンラインでも英会話は十分に向上出来ますが、人生を変えるほどの刺激は絶対に無い。これは声を大にして言いたい。
オンラインは所詮オンライン、スキルだけを向上させるならいいのですがもっと大きな経験や刺激を受けるなら海外に出る選択肢しかありません。
ボランティア中に写真を撮ること
最後に、これだけは言っておきたいのですが「ボランティア中に写真を撮ること」って色々意見が分かれますね。実際にフィリピンにいるとフェイスブック上で「物乞いの方にお金や食べ物を与える瞬間に自撮りして投稿する事」に批判的な意見が出ています。
それを否定すると、団体ボランティアツアー中に写真撮影することさえ否定することになってします。確かに人によっては“自分寄付しました!”のようなアピール写真も散見されます。写真を撮ってSNSに投稿するという行動が否定的に捉えられる場合もあります。
しかし、個人的には「何とも複雑な気持ちになるんですが、寄付された側がその時だけでも助けられたなら良かったんじゃないかな、何もされなかったより。」と考えます。これは投稿者の狙い次第ですが、その目的は誰にもわかりません。少なくとも、私が受け持っている団体留学の生徒たちの表情を見ていると「ボランティアアピールの撮影ではなく、単純に留学の想い出作りの一つ」として考えているんだな…と表情から汲み取っています。
私の受け取り方もTAKAというフィルターを介しているので彼らの真意はわかりません。けれど、言葉では表現しきれない感情を抱いている表情をしているので特に私はボランティア中の写真撮影は禁止していませんし、嫌な気持ちにもなりません。
むしろ、「行動に移したヒトは積極的にSNS投稿して情報発信と共有したらいいじゃん!」って思いますね。その投稿に対しオーディエンスの誰かが気になって、繋がることができて、その次の行動に繋げられたらシンプルに嬉しいです。
周囲の方々がどう感じようが全く気にせず自分のやりたい事を留学期間中に見つけて、次へのステップとなるきっかけになれればマネージャー冥利に尽きません。期間限定の留学、全力で過ごし切って欲しいです。それではまた!