【フィリピンボランティア】あなたも出来るボランティア企画実行
フィリピンでは毎年末にチャリティーイベントを開催しているEG ACADEMY日本人マネージャーTAKAです。私は5年前にフィリピンのバコロドという街の語学学校に留学してから年末はフィリピンの田舎町に行ってボランティアを行っています。
初めて参加した時は他生徒と一緒に学校の先生たちが企画実行していたので、そのイベントに乗っかり寄付金を多めに渡して満足していました。事前準備の指示は抽象的かつスケジューリングされていなかったので、ダルイな…と思い当日のみ参加。
元々ボランティアには強い関心もあり、当日も思っていた以上に楽しめましたしイベント中に使う英語も留学で学んだことを何とか発揮し“ボランティア×英語”が出来ている自分で小さな満足感を抱いていました。恐らくこの気持ちは他生徒も同感だと。
とは言え、「さすがに異国の地だし、自分の力で企画実行は難しいかな。」と参加していた3年間は深く考えずに、取り敢えず毎年参加だけしていました。
先に言いますが、帯同するだけのボランティアだと得るモノは小さいです。
学生時代を思い出してみてください。高校時代の文化祭や大学時代の学祭って自分たちだけで企画実行していません?これをフィリピンでも応用できるのか?
結論、「誰でも実現可能です!」
行動力があればマジで誰でも可能です。なぜなら同志は日本人だけではなく、フィリピン人講師は勿論、韓国、台湾、ベトナム生徒もいます。そして声を上げれば案外いるものですし、フィリピンで実行するならばフィリピン講師達に力を借りるまでです。めちゃくちゃ助けてくれるので大丈夫!先生たちは利他心を抱いていますが大人数をサポートできる財源が無い。
私たち外国人は財源あるけど現地の手配諸々がわからない。しかし、双方が組めば実現なのは自明ですね。あくまでボランティアであり仕事ではありません。自分で企画実行してミスしても誰にも咎められませんし、結果何とかなるさーと考えるのがフィリピンです。
こうゆうミスしても構わない時に自分を試し、いざ仕事の時にはミスしないように、外国人含めた大人数を統率できる自分になれる自信を抱けるようになります。実際に私が他校に移籍後は以前フィリピン講師たちがやっていた内容を思い出しながら実現している流れを今回はご紹介しますので、現地で自分発信から行う際の参考にしてみてください。
企画の発信と募集
発起人は自分なので好きなスケジュールでやりたいところですが、もしあなたが留学先の事情をあまり知らないのであれば以下の点を注意して企画を練りましょう。
イベントシーズンだと他生徒が既に遠出する予定を組んでいるかもしれませんし、フィリピン講師たちも帰省する予定が入ってきます。このスケジューリングはかなり重要なので、スケジュールが合わないと最悪催行することさえ不可になります。ボランティアですが不慣れな場所に行くので、フィリピン講師も帯同できる日時設定をするべきですね。
エリアに関してもフィリピン講師たちと相談してから考慮したいです。ボランティアとは言えリスクが高すぎるエリアだったりするかもしれません。また、サポートが必要なエリアだとNGOやNPOが定期的にサポートしていて案外自分たちが必要ではないことも考えられます。
実際に過去2回ほどイベント中に他団体が来てダブルブッキングが起きたこともあります。これはホントに気分が萎えます。このようなエリアだと、私が知る限り現地には牧師さんがいてボランティアの窓口となっている場合が多いです。
もし牧師さんがいるならばその方に企画をシェアして現地の需要や現状、他ボランティアの存在などを確認しましょう。
この牧師さんがいると当日も該当コミュニティに周知してくれたり、現地語で簡単な通訳してくれたりとサポートしてくれるので円滑に進行させることが出来ます。この3点をフィリピン講師もしくは現地スタッフに確認しておくと効率的かつ効果的な内容になります。
ここまで確定したら後は校内で発信して参加者を募り、数回のミーティングをして企画内容とスケジュールを案内します。
正直、この時点で既にクラスで学んだ英語をアウトプット全開している自分がイメージできますよね。きっと限定的な単語と中学英語レベルの繰り返しかもしれませんが、それでも良いんです。
仕事、イベントでは自分の考えを伝えることが最重要なので、語彙力や文法の精度は二の次。細かい事は考えずに“伝える事”だけに集中してアナタの想いを発信しましょう。
ちなみに全参加者の前で意見を求めると、まとまりきらない展開が予想されるのである程度自分の中で8割確定した内容を提示して、多少強引に進めるくらいで丁度いいですよ。
予算を決めて買い出し
私の場合、参加費は取りませんが「寄付金」として金額問わず集めて交通費や配布する食材費に充てています。とは言え、今回反省したことが「ゼロペソでも良いよ」と広報すると、本当にゼロペソで参加する方が予想以上に多かったという事。
日本人の感覚だとさすがに参加するし、大まかなスケジュールも案内しているので交通費諸々必要になってくるのは容易に想像が着くので、心ばかりくらいは払います。
しかし、外国人生徒以外一向に誰も寄付金を持ってこないのでフィリピン講師に「このまま誰も寄付金を持って来ないであまりにも予算が少ない場合キャンセルにするわ。」と相談したところ、「いやいや、Youゼロペソでもエエよって言うたやんか!だからうちら払わないねん!」
という反応。フィリピン歴5年目の私でもまだまだフィリピンマインドを掴めていませんね。てっきりフィリピン人もみんなそれなりに寄付金出してくれるものだと想定していました。
結局のところ、相談したフィリピン講師が集金袋を持って参加者全員へ強制的に最小金額を設定し、寄付金を回収して事なきを終えました。そこからは集まった金額と配布する人数を割って、食材と現地で行うゲームの景品を近隣のダウンタウンやスーパーで買い出しです。
この買い出しもフィリピンスタッフに相談しましょう。彼らの方が断然安く購入できる場所を知っていますし、積極的な方は本当によく動いてくれます。こうゆう時こそ他人に頼り効率的に動きたいです。
スケジューリングして準備開始
仕事もプライベートも物事を成功させるには、「準備が9割」とよく耳にしますよね。ボランティアイベントも同様で、特に海外で外国人を取りまとめて行うイベントなので本当に準備が重要です。
特にフィリピンでは店頭での品切れはアルアルなので、買い出し日をギリギリに設定するとイメージ通りに進行できない場合が多々あります。今回は以下のように、かなり短時間かつ超効率的なスケジューリングで進行しました。
仕事中でも個人的にはだらだらと長い会議は嫌いなので、短めに設定してメンバーも選んでミーティングはします。今回も然り。
準備するときも発起人が拙くても英語でガンガン指示を出しまくりましょう。積極的な人員はレアなので、アナタが強く牽引しないと進行が遅くなります。
しかし、時間だけを意識し過ぎず、準備しているボランティアの過程も全員で楽しみながらやるのも大事。この瞬間こそ学祭の準備みたいな感覚を覚えますし、案外楽しめるものです。
ちなみに、交通手段ですが地域で結構異なりますね。私が始めたころはバコロドでしたのでボランティア当日は2~3台のジプニーを半日貸し切りました。今のクラークではバン2台での移動ですので、それぞれの特徴は以下の通り。
~ ジプニー ~
・雨さえ降らなければ超快適に移動できるし、フィリピンの風邪を感じられる
・乗車人数が多いけどバンより安い(サイズにもよるが1台で18人くらいまで可能)
・悪天候だとめちゃ暑い
・ボロイジプニーだと傾斜道を本当に走り切れるのかめちゃ不安になる
~ バン ~
・天候関わらず快適に移動できる
・道悪でもどこまででも走行可能という自信
・最大10名前後までしか乗れない
・ジプニー比較すると値段が倍以上になる
ボランティアの予算で交通手段コストは4割前後を占めてくると想定されるので、行く場所を考慮して可能な限り安く抑えたいところです。今回は総勢22名でしたので、2台のバンと1台の車をチャーター。
フレキブルに考えながら動く当日
9割近くまで準備が完了したら、後は当日1割です!
スケジュール通りに行かないことも想定して、とにかく現地の牧師さんやフィリピンスタッフに大いに頼り、とにかく楽しむ事を最優先に考え進行していくのみです。
7:45AM 全員集合、車に積載開始
8:00AM EG出発
8:40AM アエタ村到着
8:50AM 125件の家庭に60分間歩き回って食材配布する予定だったが牧師さんが住民を集めてくれるとの提案で村の中央広場に荷物を降ろす。この時点でいきなりスケジュールがずれる。
9:00AM フィリピンスタッフと相談し最初にゲームしてから食材配布するスケジュールに変更。フィリピン講師がMCとなりフィリピンのゲーム開始。村の住民たちは英語が話せない方もいるのでフィリピン人に司会進行を託すとマジで助かります!
ゲームの内容
カラマンシーレース
10人前後1チームを3、4組作り、一人ずつカラマンシーを乗っけたスプーンを口にくわえ、数メートル先のマーカーまで往復。カラマンシーを落とさず次のプレーヤーにスプーンのみで渡していく速さを競う。子供がやるとかなりカワイイし、外国人も交えてやりたいゲームの一つ。
ペーパーダンス
5人1組となり新聞紙の周りを音楽に合わせて踊り、音楽が止まったら5人全員が新聞紙の上に乗らなければならない。回を重ねる度に新聞紙を半分に折ってより小さい新聞紙の上に乗らなければならないというゲーム。男女が混じるとちょっと悶々とするゲームになる。
サックレース
カラマンシーレース同様のチームを作り、米袋として使われている麻袋(サックと呼ぶ)に下肢を突っ込んでジャンプしながら往復して速さを競う。案外大人がエキサイトしていたので子供だけでなく、親御さんたちも入れたら盛り上がりに拍車がかかった。
ブリングミー
いわゆる借り物競争。司会が「スニーカー!」と言ったら、いち早くスニーカーを持ってきた人が勝ち。
10:15AM ゲーム終了、食材と古着の配布開始。バーゲンセールみたいな雰囲気になるので、古着はこんなに喜ばれるものかと驚きます。
10:30AM 全体記念写真撮影、岐路に着く。
食材の配布、ゲームの進行具合を見ながら間延びしていたのもあり、全体がまだ賑わっているタイミングで1時間ほど早くイベントは終了させました。
反省と次回の展望
毎回ボランティア後に顧みるのが、寄付した食材の内容と配布方法。スナックやジュースを上げれば子供はその場で喜んでくれるけど、1時間でそのスナックは消費されてしまう。米をあげると親たちは喜んでくれてその家族の2食くらい分にはなるけど、子供の笑顔は見られないかもしれません。
ではこちらで何かを作っていき炊き出しみたいな感じでやれば確かに喜んでくれるけど、誰がどうやってどこで作る?古着の提供方法はバーゲン会場みたいに争奪戦で良かったのか?などなど考えるとキリがありません。
正直今の私でもこれといった答えが見つけられていないのが本音です。けど、結果的にうちの生徒やスタッフみんなが楽しみながら準備と当日時間を過ごせていたように見えましたし、何よりアエタ村の方々もゲームから全てかなりエンジョイしていた表情を見ることが出来たので、失敗ではないなと思っています。
1回でも発起人となってやってみると色々と考えさせられますし、単なる参加者とは異なる視点で参加者を見ることになります。
当日参加だけのヒト、寄付だけのヒト、準備から当日まで手伝ってくれるヒト、私も発起人の立場になってこれらの方々を見方が変わっているのは事実。
実際に実行してみると最初のうちは想定外のトラブルが起きて大変かもしれませんが、それ以上に楽しい気持ちいい疲れや達成感を抱くのは間違いありません。国境を越えて自分の興味ある事象に首突っ込んで、取り敢えず動きながら考えると世界が広がって行きますよ!それではまた!