【スマホ中毒】フィリピンはスマホ使用時間が世界一?
こんにちは。 フィリピン・バギオのかわけんです。
「フィリピン」という国はとても興味深いです。
とにかく明るい、時間にルーズになりがち、食べ物をいつもシェアしてくれるなど、いつも新しい価値観を与えてくれます。
そんな日本とは異なる習慣を持つフィリピンですが、その一つに「スマホをよく使う」というのがあります。ショップの店員さんがスマホをいじっているなんていう風景はよく見かけます。
日頃から「フィリピンの人はよくスマホをいじってるなあ…」と思っていたのですが、それを証明するデータもあります。調査によっては、なんとフィリピンはネットの利用時間が世界一というデータもあるのです。
今回は、「フィリピンはスマホ使用時間が世界一?」というテーマで、日本とは異なるフィリピンの興味深いスマホ・SNS事情を紹介します。こういった豆知識を知っていると、留学中の光景も変わり、より得るものが増えると思います。
フィリピンは携帯電話の使用時間が世界一
留学の醍醐味の一つは「異文化体験」にあります。フィリピンにいると、日本では見ることのできない光景をいくつも見ることができます。その一つに、スマホの利用頻度があります。
スマホばかり触っている人に対して「スマホ中毒」という言葉を使うことがありますが、フィリピンではこの「スマホ中毒」と言っていいような人たちがたくさんいます。
それはデータとしても表れていて、過去の調査ではフィリピンのネット利用時間は世界一という調査もあります。
ネットの利用時間やソーシャルメディアの利用時間といった調査結果は実施時期などによって順位は多少変動しますが、フィリピンは常に上位に位置しています。
今回は「Digital 2023: Global Overview Report」の調査結果をいくつか参照したいと思います。総じて言えるのは、フィリピンは多くの項目で上位(ネット利用時間が長い)であり、日本は下位(ネット利用時間が短い)に位置しているということです。
こういったデータがあるのかと知ったうえで留学し、人々を観察しているとなかなか興味深い風景を見ることができるので、是非参考にしてみてくださいね。
一日のインターネット利用時間は日本の倍以上
まずは1日のインターネット使用時間を見てみましょう。
上位3カ国を見ると、1位が南アフリカ(9時間38分)、2位がブラジル(9時間32分)、そして3位がフィリピン(9時間14分)となっています。
平均は6時間37分なので、フィリピンは世界平均よりもおよそ2時間半も長い時間インターネットを利用していることになります。
では、日本はどうでしょう。日本はこの表の一番右端に位置していて、3時間45分でフィリピンの半分以下の時間数です。日本より順位が一つ上のデンマークを見ると、4時間58分であり、その差は1時間以上です。
この調査では、日本のインターネット利用時間が他国に比べてかなり短いことがわかります。
日本においても、フィリピンにおいてもインターネットの利用時間は個人差があるのは当然ですが、この調査結果には納得かなと感じます。
フィリピンでは勤務中でも、ちょっと時間があるとすぐにスマホを手にしてメッセージやSNSなどをチェックするということが当たり前のような光景としてあります。また、家族や友人などとビデオチャットする人も多いです。
これは、フィリピン国内に住む人同士の場合に加え、海外に住むフィリピン人との通話のケースもよくあります。
フィリピン人は出稼ぎや勉強などで、海外に在住する人が多く、家族・親戚や友人のうち誰かが海外にいるという人がほとんどではないでしょうか。
そういった環境も多少なりとも一つの要因として、ネットの利用時間が長くなっているように感じます。
ちなみに、ネット利用時間が長いこともあり、フィリピンの友人は返信が早い人も多いです。
ソーシャルメディアの利用時間は日本の3倍以上
次に、ソーシャルメディアの利用時間を見てみましょう。
上位3カ国をみると、1位はナイジェリアの3時間58分、2位はガーナの3時間55分、3位はブラジルの3時間44分です。そして、フィリピンはというと4位で3時間36分となっています。
平均は2時間24分ですので、ソーシャルメディアの利用時間においてもフィリピンは世界平均を大きく超えている結果です。さぁ、日本はどうでしょうか?先ほどのインターネット利用時間の調査と同様、表の一番右端に位置しており、時間数は50分となっており、唯一の1時間未満です。
しかも、先ほどの調査結果同様に、二番目に短い国との差は大きいです。日本では意図的にあまりソーシャルメディアを利用しないという人もいらっしゃいますが、私の周りのフィリピンの人たちではほとんどがソーシャルメディアを積極的に利用しています。
フィリピンではカフェやレストランを検索する際はFacebookやインスタを使いますし、お店への連絡もそれらのダイレクトメールというパターンがほとんどです。
また、仕事中の風景や職場でのメンバーとの写真をストーリーに投稿するようなことも多く、日々の自分自身の生活を積極的に発信している人が多いです。求人についても、Facebookやインスタで行うことは普通であり、求人に関する投稿や広告をよく目にします。
私が所属している語学学校のPINES(パインス)でも英語講師やキッチンスタッフなどの募集にFacebookも使っています。そして、その投稿をPINESで働いている人やそれに興味のある人がシェアをして、多くの人の目に触れるようにするといった光景が当たり前のようにあります。
日本人の友人で、フィリピンで会社をしている人から聞いた話ですと、Facebookで求人をかけると多くの人から問い合わせや応募があるとのことです。フィリピンでは、ソーシャルメディアは単に友人の投稿を見るだけでなく、求人情報やレストランへの問い合わせなどあらゆるシチュエーションで利用されており、1日の利用時間も平均を多く上回る結果となっています。
利用するプラットフォームの数でも圧倒的
ここまで、インターネットとソーシャルメディアの利用時間を見てきましたが、次は利用するソーシャルプラットフォームの平均数を見てみましょう。こちらの数字もなかなか興味深いです。
上位の3か国をみると、1位はインドの8.7、2位はブラジルとインドネシアの8.4となっています。そして、続く4位にフィリピンの8.2という結果です。平均は7.2であり、この項目でもフィリピンは世界平均よりも高い数字となっています。
ネット等の利用時間で平均を大きく下回っていた日本はどうでしょうか。興味深いことに、こちらでも表の右端に位置しており、その数字は3.5です。二番目に低い数の韓国は4.5なので、この項目においても日本はダントツで一番下ということになっています。
もちろん、一番低いから良い・悪いといった単純な比較は難しいのですが、とても興味深い結果です。確かにフィリピン人の友人は用途によって複数のソーシャルプラットフォームを利用している人が多いです。
アプリに関しても、基本的には英語でリリースされているものを利用しているので、言語の面でも日本語でリリースされているものよりも選択肢が多いことが多少は関係しているのかもしれません。
言語というところで、ちょっと違う角度から見てみると、フィリピンの人たちは当たり前のように英語で発信し英語で検索をします。
インスタやYouTubeでもフィリピン人ではない他国の人による英語発信の投稿を見るというのがごくごく通常の光景です。
ネット上の情報は基本的には英語が日本語よりも圧倒的に多いので、情報やサイト、投稿の数という「量」という面では、普段日本人が接しているものよりも多いでしょう。
英語を日常的に使用するようになると、ネット上の光景も変わるので、これから留学をする方はそれも一つの楽しみにしてみるといいかもしれません。
ここで、もう一つ違う調査を見てみましょう。仕事において、販売店やサプライヤーへソーシャルメディアを利用して連絡を取る人の割合です。
上位3カ国の顔ぶれが少し変わります。1位は中国の38.9%で、2位はフィリピンの34.2%、3位がインドネシアの32.4%という結果でした。
平均は28.9%で、日本はここでも一番低い9.2%となっています。この数字には確かに納得します。
私がバギオでフィリピンの友人とコーヒーショップをしていた際、お店のロゴが入ったカップを作ろうとしていてその友人が業者を探していた時のことです。その友人はインスタで業者を検索していました。
複数のアカウントの投稿を見ながら、いい感じの業者をいくつか見つけ、ダイレクトメールで見積もり等を依頼しました。最終的にそこから依頼先が決定し、その後も在庫がなくなったらインスタ経由で発注の依頼をしています。
他にもお店のステッカーのプリントやその他備品類の購入においてもインスタでお店を探して、そこで見積もりなどのやりとりをした上で取引が確定するということがごくごく普通に行われています。
サプライヤー側もそれを前提にお店のアカウントをオンラインショップのようにして、プロダクトや価格を掲載し、問い合わせにもすぐに対応してくれます。このように、フィリピンではビジネスの場面でもソーシャルメディアは頻繁に利用されており、その気軽さや迅速さから便利だなぁと感じます。
老若男女いつでもどこでもスマホを多用
データとしてフィリピンのインターネットやソーシャルメディアの使用時間が世界でもトップクラスであることがわかりましたが、実際に生活していて見える風景はどうなのでしょうか。
今の2023年はあらゆる国・地域でスマホが当たり前に使用されているので、フィリピンの人たちがスマホを持っていても驚かないと思います。
5年ほど前にフィリピン留学で初めてフィリピンに来た時は、個人的には少し驚きました。
自分の知識不足というところもあったのですが、イメージとして半分ぐらいの人がスマホを持っているのかな?と思っていたのですが違いました。
普通に幼い子どもからおじちゃん、おばちゃんまでみんなスマホを使っていました。
ローカルなエリアを散歩していると、強い台風が来たら吹き飛ばされてしまわないかと思うような古い家があったのですが、そこに住んでいる方もスマホでゲームをしたり、動画を見たりと時間を潰していました。
iPhoneなどの高価な機種を使用している人はある程度限られていましたが、安く手に入るものであればローカルマーケットにもたくさん販売していて、こういったものを使用している人も多かったです。
周りのフィリピン人がどういう風にスマホを使用しているかを見ると、FacebookやインスタなどのSNS、ゲーム、YouTubeなどの動画が多く、その他は電話や写真撮影といったところです。
各種予約や学習ツール、ヘルスケアを目的として使用するパターンが日本では多いですが、フィリピンではそういう人を私の周りではあまり見かけません。どちらかというと、暇つぶしに使うようなイメージです。
使う場面というのがなかなか新鮮で、日本では考えられないようなシチュエーションでもスマホを使用します。
警備員も仕事中にスマホ?
日本では警備員の人は業務中、じっとカメラや周りを見渡すなど警備のために業務を遂行している場合がほとんどであると思います。
フィリピンではどうかというと、スマホでゲームや動画を見ている人がいます。(笑)日本ではちょっと考えられないですよね。
場所やそこの職場環境にもよりますが、勤務環境が緩いところだと普通に業務中にスマホで暇つぶしをしている光景を見ます。
他の業種でも同様で、ショップの店員さんが接客そっちのけでスマホをずっと触っているなんてことは日常茶飯事です。ショップに関しては、フィリピンでの生活に慣れてくると、それくらい適当な方がこっちも気を遣わずに済むので気楽ではありますが、最初の頃は普通に驚きました。
日本だと仕事中の友人にメッセージを送ってもすぐには返信が来ないことが多いでしょうが、フィリピンだと割と普通に返信が返ってきます。(笑)
そのあたりの自由さというか、褒め言葉としてのいい加減さが時には心地よさに変わり、フィリピン留学後にフィリピンを拠点に生活し始める人がいる理由の一つかもしれません。現に私自身もフィリピン留学をきっかけに既に約4年もフィリピンに住んでいますしね。
まとめ
今回は、「フィリピンはスマホ使用時間が世界一?」というテーマでお届けしました。いかがでしたでしょうか?フィリピンに住んだことがある人からすると、納得の結果であり、フィリピンをよく知らない人からすると驚くような内容もあったのではないでしょうか。
語学学校では、たまに生徒さんから「先生が授業中にスマホを使っている」という報告がありますが、ちょっと時間があるとすぐにスマホを触ってしまうというフィリピンの人が多いのかもしれません。
データを見ると、むしろ日本人のネットやソーシャルメディア利用時間は平均を大きく下回っており、考え方によっては日本もある意味特殊なのかもしれません。こういった慣習の違いを体験するというのは、留学中に学べることの大きな一つです。
単なる基礎的な言語学習は日本でもできますが、異文化体験はその場でしか体験できないものがほとんどです。他国を知ることで、日本をもっと知ることができるし、これまで当たり前と思っていたことに疑問を持つことができます。
留学中は、その国の人たちの行動や振る舞い、慣習などにも目を向けてあらゆることを吸収しましょう。
今回の留学コラムをきっかけに少しでもフィリピンに興味を持っていただけたら幸いです。本コラムの他にもフィリピン留学に関するテーマを中心に留学コラムを書いていますので、是非ご一読ください。