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【フィリピン近代化】グローバルシティの「BGC」を訪問

公開:2023/08/26 著者:河端 健司 196 Views

こんにちは。 フィリピン・バギオのかわけんです。

「フィリピン格安留学!」といったように、フィリピン留学の以前のイメージは「費用が安い」というものでした。

今もアメリカやカナダ、オーストラリアなどの国と比べるとフィリピン留学の方が留学費用を抑えることができるのは事実ですが、昔のように「格安」ではなくなってきている現実があります。主な理由は、物価の上昇ですね。

 

フィリピン経済そのものも発展してきていて、都市開発も進んでいます。「ボニファシオ・グローバルシティ」(通称:BGC)は、大規模な都市開発のもとで発展を続けるフィリピンの中心業務地区です。

先日、この「BGC」を訪問し、立ち並ぶ高層ビルや物価の高さなど、昔の「フィリピン」のイメージとは異なる風景を目にしました。

留学中にも一度訪れるべきスポットの「BGC」を今回のコラムでは紹介いたします。フィリピン留学を検討されている方は、ご参考にされてください。

「安いフィリピン」は昔の話?

フィリピン留学といえば、「格安留学」といったイメージが以前は強かったです。実際、私が留学プランを決めた際もカナダへ渡航する前に予算を抑えつつも英語をしっかりと勉強したいと思い、2018年にフィリピンへ留学をしました。

当時はフィリピンでレストランに行ったり、ショッピングをしに行ったりしても、「安い」と感じることが多かったです。

しかし、最近はモノによっては「日本とあまり変わらない…」というものも増えてきました。理由の一つは、物価の上昇で、それに追い打ちをかけているのは円安です。

 

私が留学した時は1万円を両替すると、4,800ペソ前後でしたが、今は3,800~4,000ペソほどです。

約1,000ペソも開くこともあるのですが、バギオでは300ペソほどでランチを食べることができるので、なかなか大きな差です。10万円、あるいはそれ以上の額となるとその差はどんどん大きくなります。

ここ10年の日本とフィリピンの消費者物価指数(CPI)の変化をみると、その違いは明らかです。

 

→ 日本の消費者物価指数の推移。

 

上図のように、日本は7年ほど-1%~+1.5%を行き来していますが、下図にあるようにその間フィリピンは上昇を続けており、約7%上昇している時期もあります。

 

→ フィリピンの消費者物価指数の推移。

 

2023年の上昇幅はさらに高く、8%を超えている月もあります。物価が上昇するということは、語学学校に関わる経費も上がることを意味します。

例えば、学校に設置されているウォーターサーバーやカフェテリアの食材費、スタッフさんの人件費などです。

そういった要因もあり、留学費用は以前よりも高くなってはいますが、他国もインフレは起こっているので、アメリやカナダ、オーストラリアなどの国と比較すれば、留学費用を抑えることができるということは事実です。

 

ただ、日本とフィリピンの物価の差が縮まっているので、我々からすると以前ほど「安い」と感じることは少なくなってきていると思います。

なお、フィリピンの中でも都市部や郊外エリアなどでの物価の差はあります。具体的には、首都のマニラは物価が高く、バギオはそれに比べるとやや低い傾向です。

今回はその中でも物価が高い首都圏のマニラに位置する「BGC」について紹介します。

 

「BGC」とは?

今回紹介する「BGC」とは「ボニファシオ・グローバルシティ」(Bonifacio Global City)の略で、マニラ首都圏内のTaguig City(タギッグ)にある中心業務地区です。

ニノイ・アキノ国際空港から約4km圏内というアクセスの良い場所に位置しているこの場所は以前、フィリピン陸軍の軍用地であり、その広大な土地を再開発した新興開発地区となります。

「グローバルシティ」とあるように、様々な国の企業のオフィスがあり、街を歩いていると、欧米や東アジアなど色々な人種の人とすれ違います。

 

→ バーやレストランが並ぶ「Forbes Town」。

 

政府機関や金融機関が集積していることもあり、高所得の方が多く住んでいるというのも特徴です。このBGCの一つの注目ポイントは街全体が綺麗であることです。

 

→ 夜はおしゃれな雰囲気な場所も。

 

フィリピンには歩道や道路が整備されておらず、歩行者が歩きにくい道も多くありますし、信号が設置されておらずに自動車同士が阿吽の呼吸のようなもので通行している道路が多くあります。

しかし、BGCは道路がしっかりと整備されています。街を歩いていると、整備された道路の周りには高層ビルや木、芝生が植えられているエリアもあり、昔のいわゆる発展途上国のようなイメージは全くないと言って良いでしょう。

また、フィリピンではとても珍しいのが、BGCではジプニーを見ることがありません。ジプニーはフィリピンの人たちの移動手段として大事な役割を担ってはいますが、一方で古い車両から排出される排気ガスの問題は深刻です。

 

ここBGCではジプニーやかなり古い自動車がほとんど通っておらず、排気ガスが他のエリアに比べて少ないので非常にクリーンな印象があります。フィリピン人の友人で、BGCに住む日本人数名と仲良くしている人がいるのですが、その日本人の方々は駐在員として家族でフィリピンに来ているようです。

治安も良いとされる街なので、駐在員やそのご家族の方にとっても安心できる街のようです。バギオ留学中に是非一度はこのBGCに訪れてみてほしいと考えているのですが、その理由はフィリピンの成長を感じることができるからです。

現在進行形で新しいビルが建設されており、街の進化は続いています。フィリピンに来たことがない人も何となくは東南アジアがどんどん発展していっているということはご存知でしょうが、その経済成長を肌で感じることができます。

 

日本の「三越」も本格開業

日本の大手企業もこのBGCエリアに投資をしています。株式会社三越伊勢丹ホールディングスと野村不動産株式会社はフィリピン大手不動産会社と共同で住宅と商業施設の大型複合開発プロジェクトを実施しています。

商業施設である「MITSUKOSHI BGC」は2022年11月に先行オープンしており、今年の7月21日に本格開業しました。開業の式典にはサラ・ドゥテルテ副大統領も出席しており、注目の高さもうかがえます。

グラウンドオープン前に行った時はお客さんの数は多くなかったですが、カフェやレストランには多くのお客さんが入っており、本格開業後の今後も楽しみです。他にも、BGCには日本の飲食チェーンも多く出店しています。

 

 

 

 

上写真にあるように、和民やモスバーガーなど日本で有名な飲食店が出店しており、日本の駐在員の方や日本食が好きなフィリピン人・外国人の方が日本の味を楽しんでいます。

 

BGCの行き方

BGCはニノイ・アキノ国際空港から約4km圏内という好立地ですので、タクシーで行くことができます。

今現在は、地下鉄など公共交通機関はないので、自家用車がない場合はタクシーが唯一といっていい移動手段になるかと思われます。

バギオ留学中にバギオからBGCへ向かう場合は、まずはニノイ・アキノ国際空港(または近隣のエリア)へ行き、そこからタクシーを利用するのが良いでしょう。マニラでタクシーを利用する際の注意点は、道端で捕まえるのではなく配車アプリを使用することです。

 

バギオの場合は道路を走っているタクシーを利用しても何の問題もありませんが、マニラはぼったくりの被害に遭う可能性がありますので、Grabタクシーを利用することが推奨されます。

なお、BGCに着いてからも移動は基本的にはGrabタクシーの利用となります。20~30分歩いて移動できる距離間の場所も多いですが、マニラは暑いので気候には気をつけましょう。

また、BGCからバギオへ戻る際は、「Joybus」や「ビクトリーライナー」といったバスの乗車場へ移動して、バギオ行きのバスを利用することとなります。

 

BGCのカフェ5選

コーヒー好きな私は、旅の楽しみの一つがカフェ巡りなのですが、BGCで5つのカフェを訪問することができました。その5つのカフェを紹介します。

 

1: The Coffee Academics BGC

 

1つ目は「The Coffee Academics BGC」です。コーヒー好きなフィリピン人の友人がオススメしてくれたお店です。オフィスビルの1階にお店はあり、窓からオフィス街を眺めることができます。

フードはカウンターのショーケースに並べられたクロワッサンがメインです。ドリンクは、コーヒーのラテメニューなどが豊富です。

朝の一杯目ということもあり、アイスアメリカーノにしたのですが、味にキレがあり美味しかったです。個人的にはコーヒーの味はこちらのお店が一番好きでした。

 

2: UCC Clockwork

 

2つ目は「UCC Clockwork」です。日本のUCCはフィリピンにも数店舗出店をしています。

外のテラス席や二階席もあり、長居するのにも適した心地よい空間です。

フードはパスタやオムライスなど、種類が豊富です。UCCの特徴はコーヒーをサイフォンで淹れてくれるところです。

 

 

フィリピンのカフェで、サイフォンでコーヒーを淹れてくれるところはあまりないので、コーヒー好きな人には嬉しいですね。

カウンターで淹れたコーヒーを目の前で、カップに注いでくれました。

コーヒー豆やインスタントコーヒーなどUCCのアイテムも販売しているので、日本で販売されているコーヒーが恋しくなった方は購入するといいでしょう。

 

3: Caravan Black Coffee Company

 

3つ目は、店内のデザインが素敵な「Caravan Black Coffee Company」です。一緒に行ったフィリピンの友人曰く、内装のデザインは最近新しくなったよう。

天井は高く、壁にはアートがあり、広々とした店内はゆっくりと寛ぐことができます。

フードメニューは充実していて、サンドイッチやRice Bowlなどがあります。

 

 

私が訪問した時が期間限定キャンペーン中だったのかは不確かですが、土曜日はフードをオーダーしたらコーヒーがついてくるというお得なサービス付きでした。

コーヒー豆が入荷されていたら、エアロプレスでの注文も可能で、私が行った時は残念ながらコーヒー豆が品切れでした。

 

4: Single Origin

 

4つ目はアルコールメニューも充実している「Single Origin」です。メニューがフードとドリンク共に充実しています。

午前中に行ったのでお酒は飲んでないのですが、カクテルメニューも充実していて、夜はお酒を楽しむお客さんも多いのかなと思いました。

コーヒーは豆の種類が数種類あり、好みに応じて選ぶことができます。

 

 

外にテラス席があるのですが、欧米系のお客さんがお子さんを連れてご家族でブランチを楽しまれていて、お店や周辺の雰囲気と合わせても、ちょっと東南アジアとは違った雰囲気を感じました。

違う席には中華系のお客さんがいらっしゃり、改めてBGCの国際色豊かな街の雰囲気をこちらのカフェで感じることができました。

 

5: The Coffee Bean and Tea Leaf

 

最後の5つ目は、アメリカのコーヒーチェーン店の「The Coffee Bean and Tea Leaf」です。アメリカ発のコーヒーチェーン店で、2017年時点で世界32カ国にチェーン展開しています。フィリピンでの最初の店舗は2003年であり、日本には2015年に第一店舗がオープンしています。

BGCのこちらの店内はちょっとリッチな雰囲気で、メニューやウェイターさんの接客はレストランに近いものでした。午前中に訪問しましたが、既に多くのお客さんで賑わっていて繁盛している様子でした。

カフェ巡りは、個人経営のお店だけでなく、チェーン店にも立ち寄ってみることで国による違いなども観察することができて楽しいです。

 


 

以上、BGCの5つのカフェを訪問しました。BGCのお店はどのお店も内装やデザインにしっかりとお金をかけている様子で、バギオのカフェとは違う雰囲気でした。

バギオは手作り感のあるようなカフェが割と多いので、同じフィリピンでもお店づくりやメニューの価格設定が大きく異なっている(バギオの方が全体的に安い)のはとても興味深かったです。

フィリピン留学される方は、このようにフィリピン国内でも地域によって違いがあるので、複数の場所を訪れてみるのが面白いです。

 

日本のウイスキーが並ぶ本格バー

 

夜は本格的なバーに足を運ぶことができたので、そちらもご紹介します。訪れたのは「LIT Manila」というウイスキーバーです。

こちらのお店を簡単に説明すると、ウイスキーの種類が豊富ということです。その中でも日本のウイスキーを数多く取り揃えているというのが特徴です。

メニューには、日本の地図と生産地の紹介や飲み方のスタイルの説明があるなど、取り扱っているウイスキーへのこだわりも感じることができます。

 

日本産以外にもスコッチウイスキーなど他の種類のウイスキーやアルコールメニューも豊富です。

メニューにはハイボールや日本のおつまみもあり、日本のバーのような感覚でお酒を楽しむことができます。

お店の雰囲気は落ち着いた照明に、ボトルが並んだ棚を眺めながらカウンターで飲むことができる大人な雰囲気です。

 

 

店員さんのサービスも丁寧で、ゆっくりとした贅沢な時間を過ごすことができました。

フィリピンは、日本のようにカウンターで一人ゆっくりと飲めるバーはあまりなく、グループで行ってワイワイと楽しむようなバーの方が多いので、このような一人でも立ち寄れるバーがあるのはとても嬉しいです。

なお、別のお店ですが、フィリピンのクラフトビールを楽しめるお店もあります。

 

 

「TAP STATION」というお店で、メニューには25種類ものクラフトビールが用意されています。

 

 

お店は暑かったですが、その分ビールを美味しくいただけました。ビール好きな人はこちらも要チェックです。

 

アートにも触れることができるBGC

 

BGCではアート作品にも触れることができます。今回は、「Metropolitan Museum of Manila」というところに行ってきました。

こちらのミュージアムの外には黄色と黒色が特徴的なアートが複数建てられています。

時期によって展示内容等は変わるかもしれませんが、私が訪問した時は3~4フロアに別れてアート作品が展示されていました。

 

 

どの作品もユニークで興味深いものばかりでした。入場料が無料だったので、作品数が少なく、軽く見るだけの内容かなと思っていたのですが、作品の数も質も素晴らしいものでした。

会場には多くの方が鑑賞に来られており、皆さんアートを楽しまれておりました。

他にも、BGCにはアートを楽しめるような場所があり、有名なものの一つが3Dアートです。

 

→ キャラクターが飛び出てきます。

 

フィリピンは絵画や音楽などアート全般への興味関心、またその才能を持たれている方が多くいらっしゃいます。

美術館に訪れることをはじめ、フィリピンでアート作品を鑑賞するのは、その国だからこそできる貴重な体験の一つなので、是非訪れてみてください。

ちなみに、バギオは「アートの街」としても知られており、文化的にも非常に個性豊かなアート作品が多くありますので、そちらも留学中に触れてみてくださいね。

 

まとめ

今回は「グローバルシティの「BGC」を訪問」というテーマで、フィリピンのBGCを紹介させていただきました。

フィリピンに住んでいると、フィリピンの成長というのを肌で感じることができます。

特に首都圏のマニラではその流れが顕著であり、今現在も新しい高層ビルが建設されていたり、外資系企業が続々と参入してきたりしています。

 

→ BGCの街並み。

 

ある調査では、フィリピンの人口は2026年頃に日本を超えるとされています。若年人口が多く、しかも英語が堪能というのは大きな武器であり、今後もフィリピンが成長していく可能性は高いと感じています。

留学中は、現地でしか体験できないことに触れることがとても重要であり、英語の勉強だけで終わってしまうのはもったいないです。

フィリピンにはBGCのように外国からのビジネスパーソンが多く住んでいて発展している都市があれば、バギオのように緑が豊かで独特な文化が残る街など、個性あふれる地域がたくさんあります。

 

留学中は、極力一つの場所に居続ける事なく、多くの場所に足を運んでみましょう。

今回の留学コラムがフィリピン留学を計画している人の参考になっていましたら幸いです。

本コラムの他にもフィリピン留学に関するテーマを中心に留学コラムを書いていますので、是非ご一読ください。

 

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