【フィリピン留学】日本人美容師が働く美容室
こんにちは。 フィリピン・バギオのかわけんです。
留学中は「英語」だけでなく、「生活」の面でも日本との違いに不便を感じることがあります。その一つが、「美容室」です。(上記写真はローカルの美容室)
日本の美容師のスキルやサービスが素晴らしいということに海外で気付かされたという人も多いのではないでしょうか。留学中はせっかくの機会なので、ローカルな美容室に行ってみるのもいい経験になります。
とは言え、やっぱり日本人の美容師さんにヘアカットをしてもらいたい!という人もいるでしょう。
そこで今回は、「【フィリピン留学】日本人美容師が働く美容室」というテーマでフィリピンの美容室事情をご紹介します。
フィリピン留学を検討されている方は、是非参考にしてみてください。
※本コラムの写真や情報は2023年11月現在のものです。
フィリピンには美容師免許がない?
日本では美容師として働くためには、国家資格である「美容師免許」を取得する必要があります。
美容師免許は厚生労働省所管の「業務独占資格」であるため、美容師でなければ美容を業としてはならないと美容師法で定められています。
一方のフィリピンはどうでしょうか。
実は、フィリピンには美容師免許がありません。
つまり、極端な話、ちょっとだけ髪を切る練習をした人が家の手伝いでお客さんの髪を切るということもあり得るかもしれません。
私自身、フィリピンのいくつかのローカル美容室に行ったことがありますが、家族でされている美容室もありました。(息子達とお母さんで経営)
そこは、住んでいるスペースと美容室のスペースが一つの家の中にまとまっていて、別の意味でもアットホームな雰囲気でした。
日本だと、美容師の方々は国家試験に合格した人たちなので、スキルに個人差があるとはいえ、髪を切ってもらう時にそこまで不安になることはないと思います。
しかし、フィリピンだとスキルや経験に個人差が結構あるので、ちょっと不安になります。
フィリピンの美容室の中でも、古い建物の中にあるかなりローカルなところとSMモールなどのショッピングモールに入っている綺麗な店舗などがあります。
一般的に綺麗めな店舗の方が値段は高いですが、フィリピン人スタッフが担当する場合は日本の美容室よりは安いケースがほとんどです。
フィリピンの美容室に行く場合は、そのあたりの予備知識も入れておくといいでしょう。その地域のおすすめの美容室については、ネット情報に加えて、オシャレな先生に聞いてみるのも良いです。
学校の先生の中にもオシャレな人はいらっしゃり、美容室やネイルのお店などに詳しいです。ちなみに余談ですが、フィリピンの美容師さんはオカマ風な方が結構いて、テンションが高い人も結構多いです。(笑)
留学生は美容室に行く?
さて、そもそも留学生はフィリピン留学中に美容室に行くのでしょうか。留学中の生徒さんを見ていると、一つに性別による違いがあります。男性は割と行く人が多く、女性は少ないです。
また、留学期間も関係します。3ヶ月未満などの短期間であれば、留学前に日本で美容室に行っておけばある程度ヘアスタイルをキープできますが、6ヶ月などの長期の場合は我慢できずに留学中に髪を切りに行く人が多いです。
男性の生徒さんでも「留学中は髪を伸ばす」と決めて、留学が終わる頃にはすっかり長髪になっているような人もいます。
なお、フィリピンのローカル美容室へ行った後の留学生の反応は様々です。いたって普段通りのヘアスタイルになり問題なかった人もいれば、中にはかなり特徴的な髪型になって後悔するような人もいます。(笑)
ちょっとぐらい失敗しても面白いネタになるから大丈夫!という人はローカルなところにチャレンジしてみるといいでしょう。
ちなみに、私は留学時にローカル美容室で切ってもらったら、もみあげが直角になってびっくりしました。
ローカル美容室のメリット
次にローカル美容室(というより床屋さんですね)のメリットとデメリットについて紹介します。まずはメリットです。
・ローカルな体験ができる
やはり、この「ローカル体験」というのが一番のメリットではないでしょうか。
日本の美容室では体験できないようなことがたくさんあります。私が体験したものでいうと、ハサミです。
日本でよく使用されているすきバサミは基本的にはほとんど使用されません。
初めてフィリピンで行った美容室では、美容師の人が普通のハサミの3倍はある長さのハサミを使っていてビックリしました。
他には、「こんな風に切って」とスマホの写真を見せると、3秒ぐらいで「オッケー!」と言われて髪を切り始めたのですが、終わってみると全然写真通りじゃなかったということもありました。(全然オッケーじゃなかった…。)
そんな体験も終わってみればネタになりますし、ポジティブに捉えれば日本では体験できないことなので、貴重な経験になったと思います。
・値段が安い
値段の面でも大きなメリットがあります。今現在、フィリピン全体でのヘアカット代は日本に比べて安いです。安いローカルなところだと、男性用のヘアカットは100ペソ前後(約260円)です。
SMモールなどショッピングモールに入っているような綺麗な美容室では、男性用ヘアカットは300~500ペソほど(約780~1,300円)となります。ですので、フィリピンの中でちょっと値段が張るようなところでも日本に比べると費用を安く抑えることができます。
なお、この後にも紹介する日本人の美容師さんが切ってくれるところは日本と同じぐらいの価格設定となります。
・英語のトライができる
髪を切ってくれる人はフィリピン人なので、「こんな髪型にしてほしい」と伝えるには英語を使うことを嫌が応でも求められます。
また、髪を切ってもらっている間に世間話をする時間もあり、学校外で英語のトライをすることができます。
発音やボキャブラリーに個人差があるといえども、ほとんどのフィリピン人は英語を話すことができます。
加えて、テンションの高くて色々と話しかけてくる人もいるので、いい実践の場となります。
さらに、英語の実践という点において、「学校の先生以外」と話すことはとても大切です。一方、先生たちは拙い英語でも何を言おうとしているか推測してくれるので、学校と学校外では状況が変わります。
ですので、ローカルな美容室に行った際は積極的に英語でコミュニケーションをとってみましょう。
ローカル美容室のデメリット
逆にデメリットは何でしょうか。
・思い通りの髪型にならない可能性
デメリットはつまるところ、このクオリティの部分ではないでしょうか。
日本ではかなり忠実にリクエストのヘアスタイルを表現してくれますが、フィリピンでは一般的にそれがちょっと難しいと感じます。
してもらいたいヘアスタイルにもよりますが、例えば髪をすいて全体的にふわっと軽くするなど、技術的に高いもしくはフィリピンで一般的でないヘアスタイルは日本で切った時のようにはいかない可能性が高いです。
フィリピンの人たちを見ると、綺麗なヘアスタイルの方もたくさんいらっしゃいますので、ものすごく変な感じになるというのではなく、カット方法や染め方、パーマのかけ方などが日本とは異なる部分が多くあるというようなことです。
切り方が日本とは違うんだなぁと改めて感じたのは、以前フィリピンでヘアカットをしてもらってから数ヶ月後に日本のいつもの美容室へ行くと、美容師の方が自分の髪全体を見て、「独特な切り方しているね。」と言いながらちょっと驚いていたことがありました。
そのように、いつも自分たちが日本の美容室でしてもらっているヘアスタイルと比較すると、クオリティの面ではあまり満足できない可能性があります。
日本人美容師が働く美容室もある!
日本とは異なるフィリピンの美容室事情について書きましたが、せっかくなので留学中にローカルな美容室に行ってみたい!と思われた方もいらっしゃると思います。
一方で、「いや、やっぱり日本人の美容師がいいです…。」という方もいるでしょう。そんな方に朗報です。
フィリピンには店舗数自体は多くはありませんが、日本人美容師が働く美容室もあります。基本的には、日本人の人口が多いマニラやセブでそのようなお店を見つけることができます。
価格設定は日本の美容室と同じぐらいのところが多く、お客さんは日本人のほか、外国人や日本クオリティの美容サービスを求めるフィリピン人の方も利用されているようです。
店舗の運営については、全員日本人スタッフというようなところもあれば、日本人スタッフ数人とフィリピン人スタッフの両方が在籍し、メニューによって担当を分けているようなところもあります。
日本人のお客さんをターゲットにしているお店は、英語だけでなく日本語でも情報を発信しているので、インスタなどの情報をチェックしてみましょう。
セブの日本人経営美容室: DONNA Cebu
日本人留学生も多く訪れるフィリピンのセブにも日本人美容師が在籍する美容室があります。
今回は、私が実際に客として訪問させていただいた「DONNA Cebu」を紹介させていただきます。
・場所
Montebello Dr, Gov. M. Cuenco Ave, Apas, Cebu City, 6000 Cebu, Philippines
「Montebello Villa Hotel」という外観・内観共に趣のあるホテルに併設されています。
・日本人スタッフ
訪問時は2人の日本人美容師が在籍していました。
左のJoeさんがセブで出会った友人の方で、以前は香港やインドネシアで美容師として活躍されていた方です。
話し方が優しく、ヘアスタイルの細かいリクエストにも快く応じてくれる素敵な美容師さんです。
セブに来てから数ヶ月ということでしたが、バーを経営している日本人の方など、セブのお知り合いも多いので、現地情報も聞くことができますよ。
・店内の雰囲気
店内はヘアセットのスペースの他に、フィリピン人スタッフさんが担当するネイルのスペースなどもあります。
お店に行った時は、フィリピン人の女性のお客さんがネイルをしてもらっていました。
シャンプーについてもイスが座り心地が良いもので、お湯もしっかりと出ていて、とても気持ちよかったです。(ローカルのお店の中はお湯が出ないようなところもあります。)
また、お店づくりは細かなところにも気配りがされていて、ミラーの横にコンセントがあるので、ヘアカットする際にスマホを充電することができました。
また、パーマもしたのですが、待ち時間にコーヒーを出してくれて、待っている間も快適に過ごすことができました。
ヘアカットやカラーなどのメニュー表はこちらです。
男性用ヘアカットは1,500ペソ(約3,900円)、女性用は2,000ペソ(約5,200円)で、フィリピン人スタイリストによるヘアカットは330ペソ(約850円)です。
訪問した際は、カットとパーマのセットプロモーションをしていたので、お得な値段でしてもらうことができました。
プロモーションはインスタなどで発信されているので、行く際はチェックしておくと良いでしょう。カットとパーマが終わっての感想は、日本の美容室と変わらない出来上がりとサービスに満足でした。
Joeさんの高い技術のおかげで、リクエスト通りのヘアスタイルになりましたし、フィリピン人スタッフの方のマッサージやシャンプーも気持ちよかったです。(ものすごくマッサージが上手なベテランフィリピン人の方がいました。)
私が訪問した時、他のお客さんでセブの語学学校に働かれている日本人の方がいました。また、セブに住んでいる別の友人もこちらのDONNAに通っているとのことでした。
日本人美容師の方に髪をセットしてもらいたいという方は、是非こちらのDONNAをチェックしてみてください。
その他の日本人美容室
日本人の美容師さんが在籍している美容室は他にもあります。
セブの語学学校で働いている日本人の友人は、「Rinoa – Luve heart’s and Be Cebu」という美容室に行っていました。
首都のマニラには日本人が経営している美容室や日本人美容師からトレーニングを受けている美容師が在籍する美容室などがあります。
留学先として人気のバギオは、今現在日本人の美容師が在籍している美容室はなく、日本系よりも韓国系の美容室の方が多い印象です。
なお、留学生の中には日本で美容師をしていたという人をちらほら見かけます。生徒さんによっては、美容ハサミを日本からわざわざ持ってきている人もいて、私も以前に生徒さんからヘアカットしてもらったことがあります。
その人が髪を切ることに対してウェルカムだったら、美容師の生徒さんにお願いしてみるというのもいいかもしれませんね。
まとめ
今回は、「【フィリピン留学】日本人美容師が働く美容室」というテーマでフィリピンの美容室事情を紹介しました。
私が初めてフィリピンのローカルな床屋さんに行った時、日本とは全く異なるお店のスタイルにとても驚いたのを今でも覚えています。
英語で「こんな感じに切って欲しい」と伝えるのは難しかったですが、ヘアカットをしている最中に英語でスタッフさん達と話すのは楽しかったです。
「留学中にしかできない体験」を留学中には積極的に行うべきです。
確かに、スタッフの人に英語で正確に伝えることができないかもしれないし、もしかしたら髪型が思った通りにならないかもしれない。
けれど、そういう経験というのは異国の地でしかすることができないし、数年後になっても忘れることのない思い出というのはそういう出来事です。
それと同時に、海外で日本人が働いているお店や日本のチェーン店に行くと、海外仕様にローカライズされたお店作りなど、新鮮に感じることが多くあります。
単に「日本人がいるから安心」という部分だけでなく、海外でどのように働いているのか、どういった点が日本と異なるのかなどに着目するとより多くのことを吸収できます。
そういう点においても、今回「DONNA」にお邪魔させていただいて、フィリピン人の美容に対する意識、スタッフさんの教育、さらにはヘアカラー用の染毛剤のフィリピン国内での仕入れ状況など興味深い話をたくさん聞くことができました。
「留学」を「語学」のみならず、プラスアルファで多くのことを吸収するものにしましょう。
今回のコラムがフィリピン留学を検討している方のお役に立つことができたら幸いです。
他のコラムでも主にフィリピン留学に関連した内容を執筆しているので、そちらの方も是非ご一読ください。