シニア留学とは
シニア留学とは、仕事や子育てがひと段落した50~60代以上の世代の海外留学のことを指します。長年の子育てや仕事などの慌ただしい生活から解放されたシニア世代の方々は、十分な体力や向上心がある方も多く、第二の人生を充実させるため海外留学に挑戦される方が年々増えています。海外の語学学校でもシニア世代向けの語学コースや、趣味やスポーツを楽しむことができるアクティビティなどを充実させており、ストレスなく海外留学を楽しんでいただけるような環境が整っています。現地の生活に馴染めるかどうかや、同世代の人がいるかどうかが不安という方も多くいらっしゃいますが、シニア向けの留学プログラムであれば周りも同世代な上に、周囲は海外から来た方も多くなりますので、同じ世代同士で異文化コミュニケーションも楽しむことができます。また、現地で世代の違う留学生たちとの交流を通して、視野を広げ、新しい価値観やものの考え方を身に着けることができるため、シニア留学によって今後の人生がより充実したものになります。
シニア留学のメリット・デメリット
シニア留学をする際のメリットとしては、時間に余裕があるため、海外でゆったりと学びながら、同時にバカンスを楽しむことができます。語学を学びながら、今まで自由にできなかったことやチャレンジしてみたかったことに挑戦するチャンスであり、様々な活動を通じて外国人や若者など普段あまり接することのない人々と出会い交友関係が広がります。様々な経験や人とのつながりを実感することができるため、人生における充実感を味わうことができることが最大のメリットです。
一方、注意すべき点は、持病がある場合や現地で体調を崩した場合の対応です。海外留学中に何か問題が生じた場合は、現地日本語対応の病院へ行かれるか、もしくは学校スタッフや現地のスタッフ同行の元で病院へ向かうことが可能です。先進国であれば日本と変わらない医療水準で治療が受けられますので、持病が重く不安がある場合は先進国への留学がおすすめです。また、ホームステイをする際に普段から食べられない物や飲まなくてはいけない薬などがある場合は、事前にホストファミリーに伝えておくことも重要です。
シニア留学でできること
シニア留学では、様々なことにチャレンジする機会があります。若い世代の留学生と異なり、資金面や時間面で十分な余裕があるため、環境が許せば長期留学も実現しやすい環境と言えるでしょう。実際に海外に渡航した場合、どんなことができるのか、どういった形で参加ができるのか、自分に合ったプログラムはどういった選択肢があるのかを、しっかりと吟味しましょう。海外留学での選択肢を広げるためにも、ここではどのような留学ができるのかをご紹介します。
留学の種類 | 詳細内容 |
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語学留学 | これまで趣味で語学の勉強を続けて来た方や、語学に関しては全くはじめての方でも、時間に余裕ができた今、本格的に英語を学びたいという気持ちがあれば語学留学は可能です。語学の勉強を中心とした海外留学を希望される方は、現地の語学学校に通い、海外からの留学生と一緒に授業を受けて頂くことができます。海外からの留学生は国籍も年齢も、人種もバラバラとなりますので、新しい価値観を知ってより見識を深めることができます。刺激のある環境でしっかりと語学力を身に着けたい方におすすめの留学スタイルです。 |
お稽古留学 | お稽古留学では、現在興味のあることや今までずっとチャレンジしてみたかったこと、もしくはこれから始めたいと思っていた趣味などを海外で学ぶ留学スタイルです。お稽古の内容は様々なものがあり、ガーデニング、フラワーデザイン、文学、ワイン、ヨガ、テニス、乗馬、ダンス、ダイビング、ゴルフ、スキー、バリスタなど様々なものが用意されています。すべてのプログラムで専門のインストラクターがついているため、安心して受講して頂けます。英語でのレッスンとなりますので、多少の英語力があったほうがより楽しめます。 |
語学+観光留学 | 語学も学びたいけれど、現地の観光やアクティビティにもできる限り参加したい方には、語学と観光プログラムがセットになった観光英語(バケーション英語)コースの受講をおすすめします。観光英語コースは語学学校でお申し込みが可能であり、休暇を利用して英語を学びたい方向けに作られたコースです。週10~15時間程度の授業で午前中のみ英語を学び、午後からは自由時間を利用して観光や地域活動などに参加することが可能です。語学学校では市内観光や小旅行、ボランティアなど様々なアクティビティを用意しているため、観光を楽しみたい方に最適です。 |
海外ボランティア | 今まで培った能力や経験を生かして、社会貢献がしたい方に最適なのが海外ボランティアです。ご自身の希望に合わせて、ボランティア先の活動内容や渡航先を決めることができるため、やりたいボランティアを探して社会貢献ができます。特に、先進国においては環境保全や幼稚園ボランティアが人気となっており、やる気さえあればどなたでも参加することができます。東南アジアの国々になると、清掃活動やストリートチルドレンの支援活動などもあります。 |
留学中の滞在先
留学先では、どこに滞在するのか気になるところです。滞在先として人気が一番高いものとしてはホームステイとなります。ホームステイとは、現地に住んでいるご家族の方と一緒に住むという形式となり、食事も付いているため海外留学当初は安心感のある生活スタイルになります。困った時には現地の方に相談できるという点に加え、英語でのコミニュニケーションの機会も増えるため英語力向上の面でもメリットがあります。ホームステイ以外の滞在方法としては、コンドミニアムや学生寮に滞在する方法があります。こちらは語学学校が斡旋しているマンションや学生寮に入居となりますので、他人との共同生活には気を使ってしまうという方にはおすすめです。ホームステイとは異なり、食事は自分で用意する必要があります。
また、シニアの方に人気がある方法として、ホテル滞在という選択肢もあります。日本であらかじめホテルを予約し、生活の拠点として留学生活を送ることができます。ホテルのため毎日掃除をする手間が省け、一定水準以上の住環境が得られますので、滞在先でのストレスを極力減らしたいという方におすすめの滞在方法となります。費用が高くついてしまう点を除けば、最もストレスの少ない滞在方法になります。
シニア留学で人気の国
シニア留学に限らず、渡航エリアが異なることで、生活スタイルや留学プログラムも幾分変わってきます。特にシニア留学をされる方の一部には、将来的に海外移住も視野に入れているケースもあります。留学目的は人それぞれですが、自分の希望条件に適する留学プランから渡航国を決めるケースもあれば、渡航国を決めてからできる範囲のことを決めるケースもあります。具体的なプランを固める前に、地域別の特徴を掴んでおきましょう。
地域名 | 地域の特徴 |
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北米圏 | 北米圏では、アメリカとカナダが英語圏の国となりますが、おすすめはカナダです。カナダは住みやすい国として世界的に有名であり、バンクーバーやトロントであれば日本人も多く滞在しているため日本食が恋しくなっても不自由を感じることはありません。また綺麗な英語が話されているため、語学学習にも最適です。 |
オセアニア圏 | オセアニア圏の留学地には、オーストラリアやニュージーランドがありますが、特にシニア世代の方にはニュージーランドがおすすめです。ニュージーランドは自然が多く、治安もいい上に現地の方ものんびりとした雰囲気となります。初めて留学する場合でも安心して滞在できるため、高校生やシニア世代の方に特に人気のある留学地です。 |
欧州圏 | 欧州圏では、アフタヌーンティーを楽しめる国として人気があるのがイギリスとなります。イギリスは成熟社会と呼ばれていることもあり、インフラや公共サービスが整っている国としてシニア世代の方でも住みやすいという特徴があります。お稽古留学も盛んですので、文化的な留学生活を送りたい方にぴったりです。 |
アジア圏 | 留学先としては比較的新しいアジア圏ですが、近年フィリピン、マレーシアがシニア世代の留学先として人気が高まっています。特にフィリピンのセブ島はリゾート地として知られており、講師とのマンツーマン授業や全寮制、ホテル滞在といった制度が充実しているため、安心して留学生活を送ることが可能です。 |
リタイアメント後の海外移住
日本では、近年リタイアメント(退職)後の居住先として海外を選択する方が急増しています。主な理由としては、年金生活に入って物価の安い東南アジアの国や、暮らしやすいニュージーランドやカナダなどの先進国で悠々自適な生活を送りたい、住み慣れた日本を離れて新しい生活を始めてみたい、もっと視野を広げたいというものが主となります。特に、東南アジアの国々であるマレーシアやフィリピンは物価が日本の3分の1程度~半分で済むことや、日本人が比較的多く利便性が高いため人気のある移住先として注目を浴びています。しかし、いきなり退職後に海外移住をした場合、日本での住居も全て引き払って渡航するのには相当な覚悟がいることに加え、海外生活に順応できるのかどうか不安が残るものです。思い切って移住してみたものの理想と現実の間に落差や、予想外のトラブルに見舞われてこんなはずではなかったと後悔してしまう方も少なからずいらっしゃいます。そのため、将来的に移住を考えている方には、まずは短期で希望する国へ留学してみることをおすすめします。ある程度現地で生活をすることにより、イメージがより鮮明になっていきますので、メリットとデメリット両方を把握したうえで冷静に判断をすることが可能となります。まずは1~3ヵ月程度、どのような形であれ現地に滞在して情報を集めることで、より理想的な海外移住を実現することができます。