イギリスにワーホリで行って、順調に仕事がゲットできるのか?を検証
ワーキングホリデーとは海外旅行や学生ビザとは違い、長期滞在さらにはフルタイムの仕事まで認められている特別な制度です。イギリスを含むワーキングホリデー協定を結ぶ国で、就学・就労・観光ができる大変貴重な制度となります。18歳から30歳までが申請可能で、非常に自由度の高いビザなので、留学の際にワーホリビザを使わない手はありません!
ワーキングホリデーという言葉はなんとなく耳にしたことはあっても、周りに行った人もいないし、海外で仕事をするなんて不安という方も多いのではないでしょうか。そこで、今回はイギリスにワーホリに行った際、最初の関門である仕事探しにフォーカスして検証していきます。
仕事探しの方法とそのコツ
イギリスでの仕事の探し方がわからない!!
海外と日本ではもちろん仕事の探し方も少し変わってきます。以下に方法とそのメリット、デメリットを簡単にまとめてみました。
1.ひたすらお店を回る
履歴書をたくさん印刷して、とにかく店を直接回ってみる方法です。日本では考えられませんが、意外と海外ではメジャーな方法となっています。求人サイトなどでなく、直接回るわけですから、お互いにイメージがつかめるというメリットがあります。
2.求人専門サイトを探す
海外でも日本と同じく求人サイトが存在します。メリットとしては、イギリス入国前に情報を集めることができるということです。また派遣会社に登録するという手段もあります。求人サイトには日本人向けのものと現地のものがありますので、英語力に自信がある方は現地サイトを訪れてみてもいいでしょう。
「百聞は一見に如かず」ということで、以下の求人サイトを調べてみると良いでしょう。
日本人向けサイト: MixB ※日本語サイト
現地サイト: Gumtree ※英語サイト
派遣会社サイト: Center people ※英語と日本語に対応したサイト
3.友人からの紹介
語学学校に通っていると、色々な国の学生と友達になれます。自分よりも早めに入国した友達であれば、既に仕事を見つけている人もいるでしょう。そんな時、「昨日従業員が辞めたので新しい人材を探してる」といった友達からの紹介は良くある話です。語学学校は、単に英語力を伸ばすだけの場所ではなく、人間関係の繋がりを作る場でもあります。
お店のオーナーも信頼できる人間からの紹介の場合は、快く受け入れてくれるでしょう。特に英語環境で働きたい場合は、ヨーロッパ圏から来た留学生の友達を多く作ることがポイントです。彼らは、ほぼ全員が英語環境の職場でアルバイトするためです。交流は幅広い方が良いので、日本人の友達からも情報を得られるようアンテナを張りましょう。
履歴書は海外向けの英語版の用意が必要
仕事探しの際、まず必要となるのが履歴書です!日本で職探しをするときも、まず履歴書を書きますよね。順調に仕事を海外で手に入れるための履歴書作成のコツを紹介します。
コツとしては、海外の履歴書は、日本で書いてた履歴書と同じ感覚ではダメということです。日本で履歴書と言えばコンビニでも買える決まった形式に学歴・職歴などを記入していくという形ですよね。しかし、なんとびっくり海外では、履歴書に決まったフォームはありませんので自分で一から作る必要があります。
決まったフォームはないと言っても、カバーレター(Cover Letter)と呼ばれる添え状と、CV(Curriculum Vitae)という履歴書の二部構成が通例ですので、この2つの用語は覚えておきましょう。
まず自分なりに線や枠等を引きレイアウトを作ります。次に当たり前のことですが、誤字脱字がないように、できるだけわかりやすく綺麗にまとめ、適度な文章量でかつ重要事項を外さずに書くのがポイントです。自分を雇うことの利点をアピールすることはもちろん、写真を持って行く、自身の趣味や性格について記述するなど工夫するのも良いでしょう。
学歴・職歴は新しいものから古いものという順番で記入していくなど、日本とは異なった慣習・注意点がたくさんあります。その点に関しては、インターネットで調べれば詳しく載っていますので是非参考にしてください。
ちなみに、語学学校ではワーホリビザ向けの方のために、履歴書作成方法や仕事の探し方のレクチャーをしているケースもあります。イギリスでの仕事探しに不安を感じる方は、ワーホリビザの方々へのサポートが充実している学校を選ぶのもポイントです。
英語力が無いと仕事を見つけるのに苦労する
働くうえで一番問題になってくるのは、言語の壁です。英語力次第で、働くことができる業種の選択肢が変わります。逆に言えば、英語力がなくては働くことは厳しく、できたとしても日本食料理店のキッチン補助くらいしか職種が残されていません。
日本語環境の職場で働くのであれば、日本にいるのとなんら変わらなくなってしまいます。せっかくの海外でのワーホリ、英語を日常で使いながら働きたいですよね!
英語力の目安としては、最低限でTOEIC600点以上は必要です。
はじめは語学学校に通って、TOEIC600点くらいまでは英語力を高めることが先決です。予算が限られていて、語学学校に十分通えない方は、英語環境とは無縁に近い生活になってしまう恐れがあります。
ワーホリビザはアルバイトでお金を稼ぐことができますが、「イギリスに来てから働いてお金を貯めよう!」という考え方はリスキーです。
イギリスで仕事を見つけられる英語力になるまで、語学学校で学ぶ予算をきちんと用意してから、イギリスに渡航するようにしましょう!
最初から英語環境バリバリの環境で働くのはハードルが高いのも事実です。そのため、ジャパレス(日本食料理店)のウェイターやウェイトレスなど、お店内では日本語、お客様相手に英語という環境で体を慣らすのも1つの手段です。
本格的に英語環境100%の環境でアルバイトを目指す方は、TOEIC800点以上の実力を身に付けてからの方が良いでしょう。正直、800点以上の実力があっても、ネイティブと対等に問題なく対話ができるかどうかは微妙なラインです。そういう意味では、TOEIC800点と言うのは、海外で働くことを考えたら通過点に過ぎません。
仕事探しを始める前の下準備
自分自身の経験上、一番大切なことは渡航前の情報収集と準備です。ここでは、順調に働き始めるために必要な下準備をまとめてみました。
携帯電話の契約は、雇用先と連絡を取るためにも絶対に必要ですので、渡航次第すぐ契約しましょう。海外で自分の携帯を使いたいのならば、SIMフリー設定を変更しましょう。SIMフリー設定にできない携帯機種の場合は、SIMフリー携帯を購入します。SIMフリー解除に関しては、携帯会社によって規則が異なるため、渡航前に余裕を持って確認しましょう。
現地に到着したら、銀行口座の開設も必要になります。給料は通常は銀行振り込みになるためです。さらに、イギリスで働くためには、社会保障番号(National Insurance Number)の取得が必要となります。電話で予約して、必要書類を持ってJob Centerへ面接に行き取得という流れとなります。
仕事探しする前に必要となる3つの手続き
・携帯電話の契約
・銀行口座の開設
・社会保障番号の取得
イギリスワーホリビザの魅力と欠点
日本がワーキングホリデー協定を結んでいる国々は、20カ国あります。(2018年4月現在)日本人の間で人気の高いワーホリ国は、オーストラリアとカナダです。おそらくワーホリの7割以上をこの2カ国で占めるのではないでしょうか。
イギリスもワーホリ制度があるものの、ビザ発給数が年間でわずか「1,000名」なのです。(2018年現在)
倍率は20倍とも30倍とも言われますので、ビザ申請を行っても、ビザが取れたら超ラッキーというレベル感です。そのため、誰もが気軽にイギリスにワーホリで行けるワケではないので、このビザ発給数はイギリスのワーホリビザの大きな欠点です。
次にイギリス留学の魅力を紹介しましょう。
まず何と言っても、本場のブリティッシュ・イングリッシュが学べます。イギリスは日本から距離が遠いことに加え、ワーホリビザの発給数も少ないこともあって、日本人留学生の数は少なくなります。一方、ヨーロッパ圏からの留学生は、距離が近いイギリスに留学するため、ヨーロッパ圏の学生と多く交流することができます。
イギリスのワーホリビザは、滞在可能期間が2年間と長いことも大きな魅力です。
せっかくワーホリを使って海外で働くなら、滞在期間は長いに越したことはありません。せっかく英語環境にも慣れて、友達もたくさんできた頃に帰国となると寂しいものです。イギリスでできた友達と一緒に、イギリス国内旅行を楽しむのも良し、格安航空を使ってヨーロッパ圏の国々を旅行して周るのも良いでしょう。
最後に欠点をもう1つ紹介しておきましょう。
イギリスは物価の割に最低賃金が安いこと。ロンドンなど都市部では、日本と比べても物価が高いです。最低賃金は年齢によって異なりますが、20歳以上は1,000円程度です。それに対して、ファストフード店を除くと外食では1,500円以上は掛かります。予算をしっかりと組んで渡航しないと、お金が尽きて帰国となるリスクもあります。
イギリスはオーストラリアやカナダよりも仕事探しが難しい
そもそも、イギリスのワーホリビザは年間1,000名です。オーストラリアは人数制限ありませんし、1年間で8,000~10,000人近くが渡航してるとも言われます。カナダは人数制限があるものの、年間6,500名とイギリスに比べれば格段に余裕があります。
なぜ、イギリスは少人数しかワーホリビザの発給をしないのか?
諸説ありますが、1つ目の理由は、アルバイトを見つけるのが大変だと言うことです。イギリスは観光地として、さほどメジャーな国ではありません。日本人にとっても、イギリスに気軽に海外旅行に行くイメージはありません。イギリスは雨が多い国でも有名なので、観光客が少なければ、必然的にアルバイトの数も少なくなります。
ただでさえ物価が高い国なのに、アルバイトを見つけられないワーホリが続出してしまうと、お金が尽きて困ったワーホリが、万引きやスリなどの犯罪が増えるリスクもあります。そこで、ワーホリビザでの入国を制限しているという説があります。
もう1つの説としては、イギリスは外国人労働者を受け入れたくないという現実があることです。2016年6月にイギリスがEU(欧州連合)から脱退するかどうかの国民投票が行われ、EU脱退が決定したのは記憶に新しいところです。
EU加盟国は、一定数の移民を受け入れなければならない決まりがありました。移民の外国人労働者は、イギリス人の仕事を奪う状況となっていたのです。EU離脱の国民投票の是非は、「これ以上イギリスに外国人労働者を入れるな!」と移民排斥を訴えて起きた出来事です。
ワーホリは移民ではありませんが、若い外国人労働者がイギリス国内に入ってくることには変わりありません。イギリスは外国人労働者に対して極めて敏感なため、ワーホリビザの発給数を制限しているという説もあります。
このような理由がイギリスで仕事を見つけるのはハードルが高いと言われる所以です。高いハードルの環境下で仕事を見つけていくためには、しっかりと勉強して英語力を身に着ける必要性が求められる国であると言えます。
ワーホリの行き先は、個々の目的でベストな国が必ずあります。どの国でもメリットとデメリットの両面があるので、ワーホリでの目的と条件が合う国を選びましょう。
ワーホリで稼ぎつつヨーロッパ各国で旅行をしたい、ヨーロッパ圏の人々と友達になりたいという人にイギリスはお勧めです。