第三言語として!アメリカ手話(ASL)を習ってみる魅力
こんにちは!英会話講師で英語学習マニアのいとうです。
いろいろな英語学習を学んでいるわたしですが、最近「語学の世界」を広げてくれた言語があります。
それは、アメリカ手話(American sign language = ASL)です。
知れば知るほどおもしろく、今だからこそ必要とされるアメリカ手話の重要性にも気づきます。
「英語だけじゃなくて+αの技術も身につけたいな。」と思っている方にもおすすめで、留学で学ぶこともできるんです。
わたしは今のところ独学ですが、今回は「アメリカ手話の魅力」や「アメリカ手話を学ぶ方法」などを少しお話しさせてください。少しでもアメリカ手話に興味を持つ人が増えることを祈って!
アメリカ手話(ASL)とは?
さて、まずは「そもそもアメリカ手話ってなに?手話って世界共通じゃないの?」という疑問を持っている方へ。
手話は、世界共通ではありません。
日本とアメリカの手話はもちろんのこと、アメリカとイギリスでも違いがたくさんあるのです。
そして、「英語=アメリカ手話」にもなりません。
わたしも最初は、英語をそのまま手話で表現するのがアメリカ手話だと思っていましたし、「それなら英語と一緒に勉強すれば一石二鳥!」なんて考えちゃってたんです。
しかし、手話はひとつの独立した言語であることに気づきました。
例えば、アメリカ手話にはaやtheなど、冠詞がありません。(日本の手話でも「てにをは」がないそうですね!)
もうひとつ例を挙げてみましょう。英語では「What’s your name?」ですが、アメリカ手話の語順は「you,name,what」となります。
そして、文法的な違いの他、「表情で話す」のも手話の大事な要素だったりします。
わたしのように「英語の延長線上でアメリカ手話を学んじゃえ~!」というのはちょっと間違いだったんですね。
さらに「手話は言語」は、決して個人の感覚ではないようです。
国連ではすでに2006年時点で「障害者権利条約」のなかに明記し、日本国内でも全日本ろうあ連盟が「手話言語法」の要望を各政党に提出しています。
確かに知れば知るほど、ひとつの独立した言語であることに気づかされるのが手話。といっても、わたしはまだ日本の手話は学んでいないのですが、義務教育の中で学ぶことができたら、どれだけ世界が広がるだろうと感じます。
ちなみに「アメリカ手話(ASL)」は、アメリカやカナダで使われています。実は最近は「国際手話」という世界共通の手話も注目されていますが、アメリカ手話が事実上のベースとなっているそう。
アメリカ手話(ASL)を習ってみる魅力
ここからは、完全にわたし個人の感覚ですが、「アメリカ手話(ASL)を習ってみる魅力」を全力でお伝えします!!
第三言語としての楽しみができる
まずはやはりシンプルに、手話は言語としておもしろいです。先ほど挙げた文法上の違いを知ることもおもしろいですし、ゆっくりでもひとつひとつの表現を身に付けていくことが、まさに言語学習の楽しみそのもの。
「英語の延長線上でアメリカ手話を学ぼうとしたのは間違いだった。」と言いましたが、英語でアメリカ手話を学ぶようにすれば、英語とアメリカ手話を同時に習得していくことが可能です。
わたしは現在、初歩の初歩!といったレベルですが、表現できるのは自己紹介など簡単なもの。音声が出る教材なら、初級レベルの英語のリスニングにも役立ちます。
英語+αの技術として認められる
もうすぐ2020年、いよいよ東京オリンピックがやってきますね。何かと問題が多くスムーズにいかない東京オリンピックですが、もうひとつ、大きな課題を抱えているんです。
そう、それは海外からの聴覚障害者の方たちへの対応。
日本には、日本の手話ができる人は多くいますが、アメリカ手話や国際手話ができる人はまだまだ少ないそうです。
今年は東京都で国際手話講座が開かれたり、受講料半額補助が制定されたりと、さまざまな人材育成の場が広がっています。それでも、やはり正確な通訳ができる人はごくわずか。
オリンピック以外の平常時ツアーなども、アメリカ手話や国際手話ができるガイドが不足していて、東京都にある訪日外国人向けのガイド紹介企業でも、わずか5人ほどしか在籍していないんだとか。
手話をはじめ、言語習得は一朝一夕では出来ません。今日スタートして、数ヶ月後に資格を取るなんてことも難しいでしょう。
しかし、日本人でアメリカ手話・国際手話が出来る人は、これからもっと重宝されると思います。
「役に立ちたい。」という気持ちじゃなく、「技術を身につけたい。」、「もっと多くの人とコミュニケーションを取りたい。」というきっかけでも良いのではないでしょうか?
なぜなら手話は言語だから。そして、ひとりでも多くの人がアメリカ手話や国際手話に興味を持てば、自分自身も含めて、確実に多くの人の世界が広がります。
わたしは、アメリカ手話を学び始めたことでスマホに手話アプリを入れました。
わたし自身はまだまだ簡単な手話しか出来ませんが、その場に紙とペンが無くても「声をかける」ということはもう出来ます。
2025年には聴覚障害者のスポーツ大会であるダフリンピックも日本で開催されます。あと5年!5年あれば、言語は独学であってもかなり高いレベルまで習得できるものです。
いまから少しずつ、学んでみませんか?
アメリカ手話(ASL)を習う3つの方法
さて、ここからは「そうはいっても、どうやって習えばいいの??」という点について。
わたしが調べた限り、方法は3つありました。
1. YouTubeやスマホアプリで独学!
まずはわたしがやっている方法から。わたしはYouTubeで学んでいます。
英語も一緒に学びたい人におすすめは、コチラのYouTube動画がお勧めです。
動画に出ているVictoriaさんの英語がとても聞き取りやすく、シャドーイングしながら手話を学ぶのがおすすめ!
次に無音声でアメリカ手話を学びたい人におすすめは、以下の動画です。
単語や表現をひとつずつ丁寧に、クイズ式っぽく進めてくれるのでとても分かりやすいです!
これらYouTubeの他、オンラインレッスンでもアメリカ手話講座を提供している人を見つけました。ただ、数が少なく、こちらはなかなかレッスンが取れない状況…。
わたしの感覚ですが、最初はYouTubeで独学でも十分ではないかな?と感じています。アプリに関しては「ASL」で検索するとたくさん出て来るので、見やすいものを選ぶといいでしょう。
2. NPO法人日本ASL協会の講座を受講!
「日本ASL協会」では、常時アメリカ手話講師による講座を開設しているそうです。
初級・中級、どちらも一年間、春季講座と秋季講座に分けておこなっています。春季は2月、秋季は8月に生徒募集をかけているとのこと。
クラス見学も可能とのことですので、興味がある方はぜひこちらをチェックしてみてください。(残念ながらわたしは地方在住のため行けません…。)
【参考サイト】
・日本ASL協会(http://www.npojass.org/aslclass/info)
東京都在住の方は、条件を満たせば受講費助成制度も受けることが出来ますので、そちらも要チェックですね!
3. 留学やワーホリで現地習得!
最後は、ワーホリや留学などのタイミングに合わせ、アメリカ手話を現地で学ぶ方法です。
とくに「帰国後に役立つ+αを勉強したい。」と思っている方にはおすすめ。もちろん、アメリカ手話だけでは無く、イギリス手話やオーストラリア手話など、興味のある国で選ぶのも◎
アメリカ手話通訳士の資格を取れば国内外で活躍できる可能性が広がりますし、日本でも観光ガイド資格として取得する道もありますよ!
教室がどこにあるか、どんな条件が必要なのかなどは、ぜひエージェントに相談してみてください。英語が出来る人は、自分でアレンジしてもいいかもしれませんし、学校が難しくても、地域の手話サークルなどに入るというのもひとつです。
まとめ
アメリカ手話は、ひとつのコミュニケーション手段として、言語学習の趣味として、仕事として、大きな可能性を持っています。
まだまだ出来る人が少ない今だからこそ、あなたの地域でパイオニアになれるチャンスでもあります。
「第三言語を学びたい。」そう考えている人、ぜひ一緒にアメリカ手話を学んでいきましょう!
【参考サイト】
・NPO法人日本ASL協会(http://www.npojass.org/)
・産経ニュース(https://www.sankei.com/life/news/191023/lif1910230012-n1.html)