生活スタイルが変わると服装や買うものも変わる!自分がアメリカに来て買った印象深い商品を紹介
初めての土地、初めましての人々、そんな環境に飛び込むと、財布の紐は言わずもがな緩んでしまう。そんな風に思う人は割と少なくないんじゃないだろうか。
だから、ひとは旅行先でなんとなく目についた少しダサいマグネットやTシャツなんかを買ってしまって、それらは冷蔵庫に貼られたり、パジャマになったりして、旅先での思い出を蘇らせてくれるのである。
初めてアメリカに行って高校留学をした16歳の時も、初めてロスアンゼルスに来た今も、新しい環境に身を置くと自分みたいな人間は当然のようにいつ使うかわからないものを買い、身の周りのものを新調したくなる。
日本で働いて貯めたお金は思いもしなかったコートとの出会いによってまた消えていくけど、全然満足だ。
むしろ億万長者になってしまったら、ああでもない、こうでもないと迷いながらお金をやりくりして欲しいものを買う、という楽しいプロセスがなくなってしまう。
少し貧乏気味ぐらいが丁度いいや、なんてことまで考えてしまっている。
ものを増やすということは、気を使うものも増やすということである。手入れをして、大切に使って、壊れたら直して…なんていう手間も増えるけど、それすらも苦にならない程ショッピングが好きだ。
そしてまた面白いのが、環境が変わると生活スタイルも変わる。東京では歩くことが多くて、車に乗る機会は殆どなかった。それが高校時代にいたバージニア州は本当に田舎だったので、歩くことより車に乗ることが増えた。
そして、今ロサンゼルスでは移動は電車とスケートボード、学校からダンススタジオに直行する生活になった。
気候の変化だけではなくて、生活スタイルでも服装やショッピング自体も大きく変わった。
もうひとつ、自分のショッピングを変えたものを挙げるとするならば、それはその場所の雰囲気であると思う。
みんながキチッとしている場所だと自分の服装もどこかタイトになっていたり、逆にみんながリラックスしている場所では自分もリラックスしたものを身に付けたくなったりする。
後から自分の買ったものを振り返ってみても、その時の気分や影響されていたものが分かるからショッピングは面白い。
長々と書いてきたけど、今週はロサンゼルスに来て買ったものや、おすすめのショッピングスポットを紹介していきたいと思う。
中には日本にいたら絶対買わなかったであろうものもあるし、これからロサンゼルスに来る予定のひとも是非参考にしてほしい。
そして、この記事でブラックフライデー(毎年11月の第四金曜日に、沢山のお店がセールを行う日)で買ったもの達を紹介していくことで、衝動買いの背徳感より新しいもの達への愛着を増やしていくのも密かな目的である。
ディッキーズのパンツ
前述の通り、日本にいる時と大きく生活スタイルが変わった。毎日ペニーボードに乗って学校から家、ダンススタジオを行き来する生活になって、いつも日本で履いていたスキニーなパンツは凄く窮屈になっていた。
第一ペニーボードで地面を蹴るのもやりにくいので、とにかく移動がストレス。夏の間はとにかく暑いのがカリフォルニア。そんな中をスキニーパンツで出歩いた日には、それはもう軽い拷問である。
太いパンツを買うにしても、だらしなく見えたくないし、だけどそのまま踊れるような動きやすさとタフさがあって、今自分が持っている服にも合わせやすいパンツ…このわがままを聞いてくれる品は果たして存在するのか。
といった具合でロサンゼルスに着いた早い段階から直面していたこのパンツ問題を解決してくれたのは、もはやベタとすら言われてしまう程のクラシック、ディッキーズのワークパンツである。
どうしてもスケーターのイメージが強くてなかなか手を出せずにいたが、履いてみるとワークパンツなだけあってとにかく動きやすいし、丈夫なので気兼ねなく地面を蹴れる。カラーバリエーションも豊富で、シンプルなデザインは手持ちの服にも違和感なく馴染むのがありがたい。
スエットパンツと違ってパリッとした生地には上品さもあるので、このパンツにジャケット、シャツやネクタイを合わせればちょっとしたディナーにも対応できちゃうから、何かとドレスアップする機会が多いアメリカにはもってこい。
日本ではあまり見かけなかったクラシックフィットも、アメリカでは古着屋さんやマーシャルといった量販店でも気軽に買える。自分は古着屋さんで、一本18ドルで買うことができた。
アメリカの古着屋さんはとにかくパンツのサイズが大きいので、自分のサイズが見つかったら取られてしまう前に買ってしまうのが吉。やっぱりクラシックは侮れない。
ポケトの財布
日本にいる間、何度身分証明書を巡って苦労したかわからない。免許を持っていない自分は決め手となる身分証明書はパスポートくらいで、保険証も写真がないからダメだったりした。
かといって常にパスポートを持ち歩ける大きさの財布なんてないしなぁ、ということで諦めて写真付きのマイナンバーカードを発行して解決していた。そして予想通り、アメリカに来たらまた身分証問題が再浮上したのだ。
外出先でお酒を飲むにも、クラブに入るにも、ありとあらゆるところで身分証を提示しなければならない。だけどやっぱりあるのはパスポートだけ。身分証が必要になりそうな時に、パスポートを持って外出していたが、友達といたらプランも変わる。だからうっかりパスポートがなくてクラブに行くのはまた次回、なんて苦い経験もあった。
そろそろ本気でパスポートが入る財布を探さなければと思っていた時に出会ったのがポケトの財布である。ポケト(Poketo)はロサンゼルスに数店舗を構える雑貨屋さんで、「アートを毎日の生活に」というコンセプトで文房具やキャンドルといった小物から、サングラスやハットなどのファッションアイテムも扱うお店。
コンセプトから分かる通りデザイン性はどれも高いし、ポップだけどどれも絶妙にシンプル。レザーかと思ったらヴィーガンレザー(動物の皮を使わないで作られたレザー)で出来ていて、環境にも気を配ったものは身に付けるだけで気持ちがいいことに気づかされる。
パスポートやお札が入る大きなポケットと、カード類が入るサイズの小さなポケットが二つというシンプルさも、断捨離のいいきっかけになった。置き忘れることもなくなるであろう縁起が良さそうなオレンジ(今では売り切れになってしまったけれど)を買ったので、何だかお金も入ってきそうな気がしている。
アーバンアウトフィッターズのトラックパンツ
このコラムを毎週読んでくれている人には、聞き覚えのあるお店であろう、アーバンアウトフィッターズ。分かりやすく例えるなら日本のビームスのようなイメージのセレクトショップ。
服はもちろんレコードや音楽プレーヤー、家具や小物も揃えているお店で、バージニア州にいた頃もダウンタウンに出向く時には必ず寄っていたし、今もハリウッドやDTLA(ダウンタウンロスアンゼルスの略)に行くと必ず立ち寄っている。
日本に出店していないのが不思議なぐらい、日本人も好きそうなデザインのものも多い。お店の雰囲気もそれぞれの店舗で味があって、ノースキャロライナにあったお店は小さな映画館を改装して作られていたりと、なんとなく地域性もあるから面白い。
チャンピオンなどとの別注商品もかなりあって面白いんだけど、そんな中思わず手にとってしまったのがオリジナル商品のトラックパンツ(現在は販売なし)。
前述の通り、ロサンゼルスに来てから常に動きやすい服を着ることが増えたため、ポケットにジッパーがついたトラックパンツというだけでかなり使える。
だけど、だらしなく見えるのはちょっと…という自分にこの派手な柄はかなり響いた。久々の一目惚れだった。派手なんだけどどこか渋くてクラシック。いい塩梅のやり手な一本です。
ペニーボード
ロサンゼルスに着いてからというもの、どれだけ日本の交通機関が発達していて便利なものかを思い知らされている。電車やバスはもちろん時間通りに来るし、都市部なら5分、10分間隔で次の便が来るからあまり待たなくても行きたい場所は難なく行ける。
ああなんて便利なんだろう。それに比べてロサンゼルスと言ったら、車がないと行きたいところは行けないし、電車の駅から少し目的地が遠ければUberを使う必要性があり、またお金はかかる。バスなんてなかなか来ない。とにかく不便だ。
すべてが広がっているから、車がない自分はどこに行くにも歩かなければならない。仕方ないことか、と諦めて歩く決心をしていた頃、先輩の引越しを丁度手伝いに行った。そしたら先輩の部屋の奥から黄色いペニーボード(スケートボードの小さいもの)が埃をかぶって出てきた。「あ、これ昔使ってたやつだけど、よかったら使う?」ということで譲ってもらったのだ。
自分の運動神経に自信がないけれど、ダメもとでトライしてみたら意外に楽しい。通常のスケートボードより小さい分スピードも出やすいから、最初は正直少し怖いけど慣れたらそれも爽快に思えてくる。
そして何より生活がこれによって大きく変わった。今まで家から駅まで歩くと20分かかるところを、これに乗ったら家から電車に乗るまで10分かからない。自転車と違って持ち歩けるサイズだから、どこに行っても邪魔にならない。
車に乗せて貰う時も、これなら迷惑にならない。100ドル以下で買えるものがほとんどになっていて、ロサンゼルスに長期で滞在する人で、運転する予定がない人にはおすすめだ。今ではすっかり相棒になったペニーボード、ずっと大切に付き合っていきたい。
ユニクロのベスト
ロサンゼルスといえば、太陽が輝いていて冬も比較的あったかい印象が強いんじゃないだろうか。実際、12月になった今でも現地の人は半袖でアイスコーヒーを片手にぶらぶらしている。そんな陽気なので、自分もスエットシャツやデニムジャケットで過ごすことがほとんどだ。
だが朝と夜はとにかく寒くなる。だけど昼には暑くなるから、本当に何を着たらいいか分からなくなる。
そこで見つかったのがこのユニクロのフリースベスト。軽いからバックパックに入れておいても邪魔にならないし、着たらしっかりあったかい。日本でベストを着ることはなかったけど、この中途半端な寒さのロサンゼルスの冬にはちょうどいい。
自分が買ったのはオリーブ色のもので、大きなポケットの実用性といい渋すぎない。ユニクロって悪く言うと普通、良く言うとシンプル。今年のユニクロはシンプルで自分色に染められる、普通にはならないプロダクトが多い気がする。
日本では残念ながら販売していないらしいので、アメリカにきて見つけたら手に取ってみて!
イグアナのハット
日本ではいつからか古着が流行り出して、都内にも沢山の古着屋さんがある。自分も古着は好きだし、とにかく他人とあまり被りたくない自分としては、いかに見た事ないアイテムを掘り出すかが好きだった。
そして、やっぱり古着なので、いくらか安いだろう…。あれ、1万円かぁ。思ったよりするなぁ。なんて経験をした人もいるんじゃないだろうか。ブランドのパンツを5千円以下で買うのはなかなか難しいんじゃないだろうか。
そんな経験があったから、アメリカに来て古着屋さんと言われてもあまりそそられなかったのが第一印象。
ところがイグアナという古着屋さんに来た時にそのイメージは吹っ飛んだ。ディッキーズのパンツは1本18ドルで買えるし、50ドルもあればしっかりしたコートも買える。
シンプルなパンツやシャツ、Tシャツなどが様々な色や形で揃えてある。こうもシンプルなものは日本でなかなか見つけにくい。ショッピングに行く時に、いつも欲しいものが具体的にイメージされている自分みたいな人間にとったら、こんなに便利なお店はない。
アメリカにいると、スーツまではいかなくても少しドレッシーな格好をしなければならない事って意外とある。そんな時のためにと思って買ったのが白いトップハット。いつもの格好にジャケット、スカーフとこのジャケットを合わせるだけでもう様になる。
そして、こんな衣装みたいなハットは日本で見たことがない。小ぶりで、脇に赤の羽が着いたデザインでジャケットに合わせてもお笑いにはならない。
黒やグレーといったベーシックな色はもちろん、赤や紫といった日本では絶対に見かけないであろう色も扱っている。
どの形も一つ45ドルという、しっかりしたハットとしては破格の安さなのも嬉しいところ。知らぬ間にコレクションが増えていっても不思議ではない。
アメリカはユニークな商品が豊富!
ここまでたくさんのショッピングしたものを紹介してきた。とにかく物欲が強い自分には、こんなにショッピングにいい場所はない。
日本で売っているものはどれも似たり寄ったりに感じてしまって、ユニークなものを欲しがる自分にとってはどのお店も刺激的でとにかく楽しい。
シンプルなものの横には、名札こそなかったが恐らく誰かが実際に着ていたのであろうつなぎが置いてあったり(ちなみにそのつなぎも買いました)、お店のレイアウトも謎だったりするから国が違うとこうも違うのかと思ってしまう。
そして、そんな自由なファッションには、自由なマインドがあるのだと思う。一度、イグアナでネクタイを探していた時のこと。「フォーマルすぎないネクタイってないかな?やっぱりネクタイは普段つけるにはちょっと硬すぎるかな。」なんてお店の人と話していて、おすすめしてくれたネクタイを見ながら悩んでいた。
そしたらお店の人が「まぁどんな格好をしてたって、何か言ってくる奴は絶対『何でネクタイなんかして、そんなフォーマルなの?』とか言うからね。そんなやつには中指立てればいいのよ。」と一言。
確かにその通りだな、と思ってそのネクタイを購入した。ファッションは誰のためでもなく、まずは自分を幸せにして、自信をつけるためにするものでもある。そんな当たり前なことを思い出させてくれたし、「いつからか周りの目とか、どう思われるかとか小さいことを気にしてたなぁ…。」とはっとした。これからも攻めた買い物して行こうと思う。